JPH0562161A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH0562161A
JPH0562161A JP3225720A JP22572091A JPH0562161A JP H0562161 A JPH0562161 A JP H0562161A JP 3225720 A JP3225720 A JP 3225720A JP 22572091 A JP22572091 A JP 22572091A JP H0562161 A JPH0562161 A JP H0562161A
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JP
Japan
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magnetic
binder
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recording medium
adsorbed
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JP3225720A
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English (en)
Inventor
Masayuki Sakai
政行 界
Kenji Kuwabara
賢次 桑原
Hideyuki Ueda
英之 植田
より子 ▲たか▼井
Yoriko Takai
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 塗膜の機械的強度が低下し、ドロップアウト
の増加や出力変動が発生するという課題を解決し、電磁
変換特性と耐久性を改善した磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁気記録媒体の塗膜の表面粗さ(Rrms)
が8〜14nm、バインダ層厚さが300オングストロー
ム以下であり、強磁性金属粉末の充填密度xが下記(数
1)で2.0〜2.5であり、さらに磁性粉の比表面積
が50m2/g以上で吸着水分量y(Wt%)が下記の
(数2)の範囲であるものに、磁性粉に対して15〜2
0部のバインダで混練,分散し、磁性粉へのバインダ吸
着量と非吸着量の比が1±0.2であることを条件とす
るものである。 【数1】 【数2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性粉として強磁性金
属粉末(以下、単に磁性粉という)を用いた塗布型の磁
気テープ,磁気ディスク等の磁気記録媒体およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気記録媒体は、磁性粉およびバ
インダ等を主成分とする磁性塗料をポリエチレンテレフ
タレート(PET)等の非磁性支持体上に塗布、乾燥す
ることによって製造される。近年、特に高密度記録への
要求が高まり、ビデオ機器,オーディオ機器,コンピュ
ーター等に用いられる磁気テープ,磁気ディスク等の磁
気記録媒体では、記録波長とトラック幅の微少化、磁性
層ならびに支持体の薄膜化を実現することが不可欠とな
ってきている。このため従来の酸化物系磁性粉に比べ
て、保磁力(Hc)および飽和磁化(σs)が大きく、
しかも微粒子化している磁性粉が採用されるようになっ
てきた。さらに磁気記録再生装置のポータブル化、カメ
ラ一体型ビデオ等の普及により、磁気記録媒体(以下、
媒体という)の使用環境はいままで以上に幅広く、過酷
なものになることが予想されるため、磁性層の耐久性を
より向上させることが極めて重要となる。
【0003】これらの対策として高周波数領域の出力や
C/N比等の電磁変換特性を改善するためとしては、磁
性粉の微粒子化,高充填化,高配向化および表面性の向
上という点からの検討が行われている。高密度記録すな
わち記録波長が短くなると、記録された媒体上の微小磁
石からの漏れ磁束は、媒体から遠くに届かなくなるた
め、媒体,磁気ヘッド間の間隔(以下、スペースと呼
ぶ)が再生出力電圧の低下となって現れる。このため、
DATや8mmVTRおよびハイバンド8mmVTR用等に
使用される磁気テープの表面は、超平滑に仕上げられて
いる。このような超平滑面では、機器の起動時や停止時
には必然的に表面凹凸によって決まる数nmのスペースし
か保てないわけであるから、磁気ヘッド、媒体間の分子
間力の到達距離から考えて、その際には見かけの接触面
の全体に分子間力が直接に作用する結果となる。この作
用が荷重を増加させるように働くから、時として予想外
に大きなダメージを与えることになり、磁性層表面の傷
の発生ならびに磁性粉の磁性層からの脱落などがおこり
やすく、その結果としてドロップアウト等の問題が発生
しやすくなった。これら耐久性を改善するための対策と
しては、塗膜の機械的強度,耐熱性,耐磁気ヘッド摩耗
性,ベースフィルムへの密着性等を考慮して、バインダ
樹脂の検討が行われている。バインダとしては、一般的
に熱可塑性,熱硬化性樹脂が多用され分子量数万の塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体や、ポ
リウレタン樹脂が用いられ、実際の塗料化に際しては、
これらの複数種類の樹脂を混合して用いられる。しか
し、高密度記録化に向けて磁性粉の粒子サイズの小さい
ものが使用されるようになるにつれて、十分な磁性粉の
分散を促進するため磁性粉表面に良く吸着する極性基を
分子鎖中に適当量配位させる方法(特開平2−3562
1号公報等)や、バインダの機械的強度や分子量を特定
する方法(特開昭60−111325号公報,特開昭−
59522号公報)等が提案されている。しかしこれら
の方法では、その効果に限界があり、今後さらに高密度
化に向けての電磁変換特性の向上と、走行耐久性を両立
することが困難であるという問題が生じてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高密度化に向けて磁性
粉の粒子サイズが小さい(BET値が大きい)ものが使
用されるようになるにつれて、従来の方法では、十分な
磁性粉の分散、かつ高平滑、高充填性および高い機械的
強度をもつ磁性塗膜を得ることが困難であるという問題
が生じてきた。磁性粉の微細化にともなって、これを分
散するためには磁性粉のBET値に合わせて分散性に寄
与するバインダ量を増加させる必要があるが、これによ
り磁性粉の磁性塗膜中の充填密度が減少することから再
生出力およびC/N比の低下をきたす。また磁性粉への
吸着量の多いバインダ組成においては、分散終了時の磁
性粉へのバインダ吸着量が非吸着量に比べて著しく多い
ことから塗膜表面形成工程(カレンダ処理)での効果が
得にくくなり、磁気ヘッドと磁気テープとのスペーシン
グロスにより再生出力およびC/N比の低下が発生す
る。また磁性塗膜自身も分散状態の磁性粉を結合する樹
脂量の減少によって塗膜の機械的強度が低下することか
ら各種環境下において、磁気ヘッドや走行ポスト等の走
行系との接触により、塗膜の削れやその削れ粉の磁気ヘ
ッドへの付着といったことが起こり、ドロップアウト
(DO)の増加や出力変動が起こるという課題を有して
いた。
【0005】本発明は上記課題を解決するものであり、
高出力,高C/N比と同時に走行耐久性に優れた磁気記
録媒体およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、磁気記録媒体の塗膜の表面粗さ(Rrm
s)が8〜14nm、バインダ層厚さが300オングスト
ローム以下、充填密度xが下記の(数3)で2.0〜
2.5であり、さらに磁性粉の比表面積(BET値)が
50m2/g以上で吸着水分量y(Wt%)が下記の(数
4)の範囲であるものに、磁性粉に対して15〜20部
のバインダで混練,分散した塗料の、磁性粉へのバイン
ダ吸着量と非吸着量との比が1±0.2であることを条
件として構成するものである。
【0007】
【数3】
【0008】
【数4】
【0009】
【作用】したがって本発明は上記した構成により、高B
ET値の磁性粉の吸着H2O量を制御することにより分
散に有効な必要最小限のバインダ量で磁性粉表面を均一
に被覆することができる。その結果、用いる総バインダ
量を少なくし、かつ非吸着バインダ量を確保できること
から、比較的低温においてもカレンダ性が改善され、磁
性層の表面性が良好となり、かつ表面樹脂層を薄く形成
できる一方、磁性層中の磁性粉の充填密度が著しく向上
し、優れた電磁変換特性を得ることができる。加えて、
磁性粉の充填密度の向上により、磁性塗膜の機械的強度
(ヤング率)も著しく向上することから、バインダのガ
ラス転移温度を適度に低く設定でき、それによって架橋
剤との反応性も促進し、優れた塗膜強度を得ることがで
きる。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例の磁気記録媒体および
その製造方法について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施例に示している成分比の部数は、全て重量部
によって示した。
【0011】(実施例1)磁性粉として強磁性金属粉末
(平均粒子サイズ:長軸=0.2μm,針状比=10,
保磁力=1,550Oe,比表面積=50m2/g,吸着
2O量=0.4%)を用い、(表1)に示した配合比
で図1に示した工程により得られた磁気記録媒体より8
mmビデオ用の磁気テープを作成した。
【0012】
【表1】
【0013】まず、磁性粉とカーボンブラックとを混合
溶剤(メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノ
ン)および(表2)に示したバインダ1,2,3を用い
てプラネタリーミキサー(PLM)で混練後、溶剤を添
加して希釈し、サンドミル(SM)による一次分散を行
う。これに酸化アルミニウムを加え、さらにSMによる
二次分散を行う。次に潤滑剤,硬化剤を加え、0.4μ
mのフィルターを通したものを10μm厚のポリエステ
ルフィルム(PET)上に塗布,磁場配向,乾燥,スー
パーカレンダー(表面処理機)により磁性層の表面処理
加工後、熱硬化処理を行う。さらに、磁性層と反対側の
PET上にカーボンブラックを主成分とするバックコー
ト層を塗布後、8mmに裁断して磁気テープを得た。
【0014】
【表2】
【0015】(実施例2) (実施例1)と同様の製造工程により、磁性粉として強
磁性金属粉末(平均粒子サイズ:長軸=0.2μm,針
状比=10,保磁力=1,550Oe,比表面積=50
m2/g,吸着H2O量=0.8%)を用い、磁気テープ
を作成した。
【0016】(比較例1,2) (実施例1)と同様の製造工程により、磁性粉として強
磁性金属粉末(平均粒子サイズ:長軸=0.2μm,針
状比=10,保磁力=1,550Oe,比表面積=50
m2/g,吸着H2O量=0.0および1.2%)を用
い、磁気テープを作成した (実施例3,4) (実施例1)と同様の製造工程により、磁性粉として強
磁性金属粉末(平均粒子サイズ:長軸=0.17μm,
針状比=9,保磁力=1,550Oe,比表面積=60
m2/g,吸着H2O量=0.6および1.2%)を用
い、磁気テープを作成した。
【0017】(比較例3,4) (実施例1)と同様の製造工程により、磁性粉として強
磁性金属粉末(平均粒子サイズ:長軸=0.17μm,
針状比=9,保磁力=1,550Oe,比表面積=60
m2/g,吸着H2O量=0.0および1.5%)を用
い、磁気テープを作成した。
【0018】(実施例5,6) (実施例1)と同様の製造工程により、磁性粉として強
磁性金属粉末(平均粒子サイズ:長軸=0.2μm,針
状比=10,保磁力=1,550Oe,比表面積=50
m2/g,吸着H2O量=0.8%)を用い、(表3)に
示した配合比で磁気テープを作成した。
【0019】
【表3】
【0020】(比較例5,6) (実施例1)と同様の製造工程により、磁性粉として強
磁性金属粉末(平均粒子サイズ:長軸=0.2μm,針
状比=10,保磁力=1,550Oe,比表面積=50
m2/g,吸着H2O量=0.8%)を用い、(表2)に
示した配合比で磁気テープを作成した。
【0021】以上の実施例および比較例について各サン
プルの諸特性を(表4)および図2にまとめて示す。つ
ぎにその諸特性の評価方法を以下に示す。
【0022】
【表4】
【0023】(1)吸着比率(吸着量/非吸着量) 50mlのポリエチレン容器に潤滑剤および硬化剤添加前
の分散終了時、磁性塗料10gと混合溶剤(メチルエチ
ルケトン:トルエン:シクロヘキサノン=1:1:1)
20gおよび1mmφsusビーズ30gを加え、これを
ペイントシェーカーで30分間振とう後、遠心分離機
(2×104rpmで1時間)で上澄み液を分離する。
この上澄み液10mlをホットプレート上で蒸発乾固後、
重量を測定して比吸着量を求め、磁性塗料に含まれる総
バインダ量からの差を計算し、これを吸着量とする。そ
して得られた吸着量と非吸着量の比を求める。
【0024】(2)角型比 振動試料磁力計を用いて、測定磁場5kOe、スイープ
速度1分/5kOeの条件でBrとBmを測定し、その
比(Br/Bm)の計算より求めた。
【0025】(3)磁性粉充填密度 (数3)により求めた(g/cm3)。
【0026】(4)表面粗度 触針式表面粗度計(クリステップ:テーラーホプソン
製)を用いて各磁気テープ試料の磁性層表面の二乗平均
平方根粗さ(Rrms:nm)を測定した。
【0027】(5)表面バインダ層厚さ オウジェ電子分光法で、磁性塗膜表層からスパッタエッ
チングを行いながら深さ方向の元素分布を測定し、カー
ボン(C)と鉄(Fe)の強度が一定になる時間から、
酸化ケイ素(SiO2)換算の厚さ(オングストロー
ム)を求める。
【0028】(6)C/N(5MHz/4MHz) 5MHzにおける信号と4MHzにおけるノイズの比
を、C/N測定用8mmビデオテープレコーダー(MVS
−5,000:KODAK(株)製)で測定した。記録
再生ヘッドはアモルファス合金を使用し、市販の8mmビ
デオテープのC/Nを基準(OdB)として相対値にて
示した。
【0029】(7)スチルライフ スチルライフ測定用に改造した8mmビデオテープレコー
ダーを用い、−10℃の環境で、30g荷重の条件であ
らかじめ録画しておいた静止画を再生し、その画像信号
が3dB落ち込むまでの時間(min)で示した。
【0030】(8)ドロップアウト C/N測定用と同様の8mmビデオテープレコーダーを用
い、磁気テープ試料を40℃、80%RHの環境下で2
00パス走行させる前後について1分間に15μsで1
6dB以上の出力の低下の発生回数(n/min)を測
定した。
【0031】(表4)および図2から、表面粗さが8〜
14nm、バインダ層厚さが300オングストローム以下
であって、磁性粉の充填密度が2.0〜2.5のものに
ついては、高いC/N比を保った状態で良好な走行耐久
性を得た。しかし、その範囲より外れるものについて
は、C/N比や耐久性に不都合を生じる結果となった。
このように上記実施例によれば、磁性塗膜の機械的強度
を向上することができ、かつ優れた塗膜強度を得ること
ができる。
【0032】なお実施例では、8mmビデオ用の磁気テー
プの例について説明したが、本発明は、高密度記録,高
耐久性を得るのに適したものであり、業務用,民生用の
各種ビデオテープ,デジタルオーディオテープ等でも同
様な効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】上記実施例より明らかなように、本発明
は、磁気記録媒体の塗膜の表面粗さ(Rrms)が8〜
14nm、バインダ層厚さが300オングストローム以
下、充填密度xが(数3)で2.0〜2.5であり、さ
らに磁性粉の比表面積が50m2/g以上で吸着水分量y
(Wt%)が(数4)であるものに、磁性粉に対して1
5〜20部のバインダで混練,分散し、磁性粉へのバイ
ンダ吸着量と非吸着量の比が1±0.2である塗料を用
い、比磁性支持体上に塗布して製造するものであり、高
い電磁変換特性を維持した状態で良好な走行耐久性を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における磁気記録媒体の製造
方法を示す工程図
【図2】同磁気記録媒体による磁気テープの磁性塗膜の
表面粗さ,バインダ層厚さ,磁性粉充填密度と電磁変換
特性(C/N)の関係を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲たか▼井 より子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末,研磨
    材,カーボンブラック,バインダ等を含む磁性塗料を塗
    布して磁性層を構成する時期記録媒体であって、前記磁
    性塗料の塗布による塗膜の表面粗さ(Rrms)が8〜
    14nm、バインダ層厚さが300オングストローム以下
    であり、さらに前記強磁性金属粉末の充填密度xが次式 【数1】 で2.0〜2.5であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 強磁性金属粉末の比表面積(BET値)
    が50m2/g以上で吸着水分量y(Wt%)が次式 【数2】 の範囲であるものに、前記強磁性金属粉末に対して15
    〜20部のバインダで混練,分散し、前記強磁性金属粉
    末へのバインダの吸着量と非吸着量との比が1±0.2
    であるものを非磁性支持体上に塗布することを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
JP3225720A 1991-09-05 1991-09-05 磁気記録媒体およびその製造方法 Pending JPH0562161A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07247515A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Kensetsu Kiso Eng Co Ltd 張出し構造物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07247515A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Kensetsu Kiso Eng Co Ltd 張出し構造物

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