JPH0561627U - 流動床式焼却炉の炉底構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動媒体の使用量を従来より削減することが
でき且つ炉本体を小型化し得る流動床式焼却炉の炉底構
造を提供する。 【構成】 流動化空気を前後散気管１８及び左右散気管
２０の散気孔２２から噴出して流動媒体５を流動化する
ことによって前後散気管１８及び左右散気管２０の上方
に流動層２３を形成し、該流動層２３内にてゴミ等の被
燃焼物を前記流動媒体５と懸濁状態で燃焼すると、前記
流動層２３にて燃焼できない金属片等の不燃物１０が流
動状態で流動層２３下部に沈降し、前後傾斜部１３の傾
斜により左右傾斜部１４，１４へと移動され、更に該左
右傾斜部１４，１４の傾斜により不燃物抜出し流路１６
に集められ、該不燃物抜出し流路１６内の移動層２４を
下降して不燃物抜出し口１５より抜出される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、流動床式焼却炉の炉底構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４及び図５は従来の散気管方式の流動床式焼却炉における炉底構造の一例を 示すもので、図中１は炉本体、２は下端に不燃物抜出し口３を有してホッパ形状 に形成された炉底部、４は炉本体１の前後方向（図４の図面に対し直角方向）に 延び且つ幅方向（図４における左右方向）に所要の間隔を有して前記炉底部２上 方に並設された散気管、５は該散気管４を埋没せしめるよう前記炉本体１下部に 充填された流動媒体（流動砂）、６は前記炉本体１外部にて各散気管４に接続さ れた散気管ヘッダを示し、該散気管ヘッダ６から各散気管４に導いた流動化空気 ７を前記散気管４の散気孔８から噴出して流動媒体５を流動化することによって 散気管４上方に流動層９を形成し、該流動層９内にてゴミ等の被燃焼物を前記流 動媒体５と懸濁状態で燃焼し得るようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した如き従来の流動床式焼却炉の炉底構造においては、前 記流動層９にて燃焼できない金属片等の不燃物１０を、前記流動媒体５の流動に より散気管４の間から真下に移動させ、該散気管４下方に形成される移動層１１ を更に下降させて炉底部２下端の不燃物抜出し口３から抜出すようにしていた為 、各散気管４の間から下降する不燃物１０が前記炉底部２上に堆積してブリッジ を形成することなく不燃物抜出し口３にスムーズに集まるように、前記炉底部２ を下方向きに徐々に流路が狭まるような比較的急な勾配とする必要があり、よっ て、前記移動層１１の容量が大きくなって流動媒体５の使用量が多く必要となり 、散気管４から不燃物抜出し口３までの深さ寸法Ｈが大きくなって炉本体１が大 型化するという問題があった。

【０００４】 本考案は、上述の実情に鑑みてなしたもので、流動媒体の使用量を従来より削 減することができ且つ炉本体を小型化し得る流動床式焼却炉の炉底構造を提供す ることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、炉本体の炉底部を不燃物抜出し口に向けて緩やかな下り勾配に形成 し、該炉底部上に沿って複数の散気管を敷設したことを特徴とする流動床式焼却 炉の炉底構造に係るものである。

【０００６】

【作用】

従って本考案では、散気管に導いた流動化空気を散気管の散気孔から噴出して 流動媒体を流動化することによって散気管の上方に流動層を形成し、該流動層内 にてゴミ等の被燃焼物を前記流動媒体と懸濁状態で燃焼すると、前記流動層にて 燃焼できない金属片等の不燃物が流動状態で流動層下部に沈降し、炉底部の緩や かな下り勾配により不燃物抜出し口に集められて抜出される。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【０００８】 図１〜図３は本考案の流動床式焼却炉の炉底構造の一実施例を示すもので、図 中図４及び図５と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。

【０００９】 図示するように、流動床式焼却炉の炉本体１の炉底部１２を、炉本体１の前後 方向（図１の図面に対し直角な方向）前方（図２における左側）から後方（図２ における右側）に向け緩やかな下り勾配に形成した前後傾斜部１３と、該前後傾 斜部１３の下端部（炉本体後方側）に炉本体１の幅方向（図１における左右方向 ）両側から中央側に向け緩やかな下り勾配に形成した左右傾斜部１４，１４とに より構成し、該左右傾斜部１４，１４の下端部（炉本体後方における幅方向中央 位置）に、下方向きに所要長さ延び且つその下端に不燃物抜出し口１５を有する 不燃物抜出し流路１６を形成する。

【００１０】 更に、前記前後傾斜部１３の上面に、炉本体１外の前方に配置された散気管ヘ ッダ１７に接続され且つ前後傾斜部１３の傾斜に沿い前後方向に所要長さ延びる 複数の前後散気管１８を幅方向に所要の間隔で並設し、又、前記左右傾斜部１４ ，１４の夫々の上面に、炉本体１外の側方に配置された散気管ヘッダ１９，１９ に夫々接続され且つ左右傾斜部１４，１４の傾斜に沿い幅方向に所要長さ延びる 複数の左右散気管２０を前後方向に所要の間隔で並設する。

【００１１】 ここで、前記前後散気管１８から不燃物抜出し口１５までの深さ寸法ｈは、流 動化空気７の不燃物抜出し口１５への逃げを防止し得るシール性が確保されるだ けの最小限の寸法があれば良い。

【００１２】 尚、図中２１は前後散気管１８の側部に形成した散気孔、２２は左右散気管２ ０の側部に形成した散気孔、２３は流動層、２４は移動層を示す。

【００１３】 而して、各散気管ヘッダ１７，１８から前後散気管１８及び左右散気管２０に 導いた流動化空気７を前後散気管１８及び左右散気管２０の散気孔２１，２２か ら噴出して流動媒体５を流動化することによって前後散気管１８及び左右散気管 ２０の上方に流動層２３を形成し、該流動層２３内にてゴミ等の被燃焼物を前記 流動媒体５と懸濁状態で燃焼すると、前記流動層２３にて燃焼できない金属片等 の不燃物１０が流動状態で流動層２３下部に沈降し、前後傾斜部１３の傾斜によ り左右傾斜部１４，１４へと移動され、更に該左右傾斜部１４，１４の傾斜によ り不燃物抜出し流路１６に集められ、該不燃物抜出し流路１６内の移動層２４を 下降して不燃物抜出し口１５より抜出される。

【００１４】 従って上記実施例によれば、前後散気管１８及び左右散気管２０の上方に流動 層２３を形成させるべく流動媒体５を充填する為の炉本体１下部の容量（充填層 容量）を著しく縮小することができるので、流動媒体５の使用量を大幅に削減す ることができる。

【００１５】 更に、前後散気管１８から不燃物抜出し口１５までの深さ寸法ｈを従来の深さ 寸法Ｈ（図５参照）と比較して大幅に短縮することができるので、炉本体１の小 型化を図ることができる。

【００１６】 尚、本考案の流動床式焼却炉の炉底構造は、上述の実施例にのみ限定されるも のではなく、従来例の炉底部２の中央部に本考案の散気管配列方式による不燃物 抜出し口１５を設けることも可能であり、その他本考案の要旨を逸脱しない範囲 内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００１７】

【考案の効果】

上記した本考案の流動床式焼却炉の炉底構造によれば、下記の如き種々の優れ た効果を奏し得る。

【００１８】 （Ｉ）炉底部上に敷設した散気管の上方に流動層を形成させるべく流動媒体を 充填する為の炉本体下部の容量（充填層容量）を著しく縮小することができるの で、流動媒体の使用量を大幅に削減することができる。

【００１９】 （ＩＩ）散気管から不燃物抜出し口までの深さ寸法を従来の深さ寸法と比較し て大幅に短縮することができるので、炉本体が小型になり、しかも不燃物を炉底 部に堆積させず確実に不燃物抜出し口から抜出すことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ方向の矢視図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ方向の矢視図である。

【図４】従来例を示す断面図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ方向の矢視図である。

【符号の説明】

１ 炉本体 １２ 炉底部 １５ 不燃物抜出し口 １８ 前後散気管 ２０ 左右散気管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 炉本体の炉底部を不燃物抜出し口に向け
   て緩やかな下り勾配に形成し、該炉底部上に沿って複数
   の散気管を敷設したことを特徴とする流動床式焼却炉の
   炉底構造。