JPH0561534B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は一般に、マイクロ波エネルギーを受け
ると加熱効果を生じる使い捨てのパツケージング
要素を用いて食品をマイクロ波でかりかりに焼く
（クリスプング）及び褐色に焼く（ブラウニング）
こと、並びにそのパツケージング要素を利用した
パツケージ及びその利用方法に関する。

（従来の技術） 電子レンジ内で加熱可能な調理食品の数及び種
類に対する市場の需要が、ますます急増してきて
いる。特に、褐色に又はかりかりに焼く必要があ
る複数の非平面状の表面を食品が持つ場合、その
食品は過剰又は過小に調理される部分を生じるこ
となく電子レンジ内で加熱可能であると共に、従
来のオーブン内で食品が調理されたときに通常有
する望ましいこんがり度又はかりかり度を持つよ
うに保証されねばならない。かかる点に関連し
て、調理食品の各メーカはさまざまな問題を経験
してきた。

調理食品を内部に入れて、マイクロ波で褐色に
焼くように考えられた各種形態の専用パツケージ
が開発されてきている。このようなパツケージで
は、マイクロ波エネルギーを熱エネルギーに変換
して、熱交換可能な接触状態で置かれた食品を褐
色に及び／又はかりかりに焼くフイルムあるいは
その他の要素が使われている。或る場合には、食
品の輸送と保管並びに加熱のために使われる外側
パツケージ本体内に食品が配置される。他の場合
には、輸送及び保管用の外側パツケージ本体内に
位置するが、食品の加熱時には外側パツケージ本
体から取り出されるか又はそれに対して位置換え
されるトレイ状部材の上に、食品が配置される。

食品の輸送と保管並びに加熱両方のために使わ
れるパツケージの第１の種類は、ブラスタツド
（Brastad）の米国特許第4267420号及びブラスタ
ツド等の米国特許第4230924号に開示されている。
これらの特許では、マイクロ波と相互作用する材
料から成る可撓性シートが個々の食品の周囲に密
接して巻き付けられ、パツケージがマイクロ波エ
ネルギーを受けたとき、パツケージに入射するマ
イクロ波エネルギーの少なくとも一部が、食品の
表面を褐色に焼くための熱に変換される。しか
し、このようなパツケージは、熱、油脂又は蒸気
を放出する各種の食品で問題を引き起こすことが
認められた。また、不規則形状を有する食品によ
つては、シート材料を巻き付けるのが難しく、加
熱上許容できない重なつた束ねを生じてしまうこ
ともある。

食品の輸送と保管並びに加熱両方のために使わ
れるパツケージの第２の種類は、ターピン
（Turpin）等の米国特許第4190757号に開示され
ている。この特許によるパツケージとその使用方
法では、マイクロ波と相互作用する層が食品の下
面と接触して設けられ、更に別の相互作用層をそ
の頂面と接触するようの設けることもできる。水
分を抜くという問題は、外側パツケージ本体に開
口を設けることによつて解消されており、外側パ
ツケージ本体は輸送と保管目的のためにカバーさ
れるが、食品を加熱する時には外部に露出可能で
ある。しかし、平面状の底面あるいは底及び頂両
面を持たない食品、更には側面を褐色に焼く必要
がある食品の場合には、そのようなパツケージに
よると一様には褐色に又はかりかりに焼けない。
また、パツケージ本体が固定形状であるため、例
えば、サンドイツチの加熱に適したパツケージ
は、ターンオーバ即ちポケツト型パイの加熱のた
めには適さない。

加熱中に食品から放出される油脂又は蒸気を如
何に抜くかの問題に対処しただけでなく、複数の
平行でない表面を持つ食品をより一様に褐色に焼
けるようにするという問題にも対処したクツクイ
ン（cook−in）パツケージが、本出願人に同じ
く譲渡された1986年２月14日出願の係属中の米国
特許出願通し番号第829227号に開示されている。
この特許出願では、底壁と１つ以上の対向した側
壁を有するマイクロ波と相互作用するパツケージ
組立体が開示されている。このパツケージ組立体
は、電子レンジ内での加熱中に、内部で褐色に又
はかりかりに焼くべき食品の断面輪郭と厳密に一
致するような非矩形の断面形状を有するように設
計されている。更に上記油脂などを抜く目的のた
め、トレイは油脂などを抜く開口を備え、端部が
開いている。しかし、このパツケージ組立体は、
フランスパン型ピザなど一定食品のマイクロ波加
熱には非常に有効であるが、パツケージ組立体の
トレイはその外側パツケージ本体と独立に利用で
きず、底面及び側面の外、頂部も褐色に焼く必要
があるワツフルやサンドイツチなどの食品をマイ
クロ波加熱するのには適していない。

米国特許第4555605号及びその分割特許第
4612431号に、パツケージ集合体の一構成部品と
して、パツケージ集合体の外側パツケージ本体と
独立に使用可能で、マイクロ波と相互作用する層
を持つ使い捨てトレイを有する、食品を保管及び
マイクロ波加熱するためのパツケージ集合体及び
その方法が開示されている。しかし、このパツケ
ージ集合体のトレイは、食品のほぼ平面状の底面
を褐色に又はかりかりに焼くのにだけ適してい
る。

（発明が解決しようとする課題） 従つて、外側パツケージ本体と独立に利用で
き、しかも食品の頂面、底面及び側面を褐色に焼
くことができるパツケージング要素が必要とされ
ている。また、そのようなパツケージング要素を
パツケージ集合体内にコンパクトに納める目的
上、パツケージング要素は内部で加熱されるべき
食品の形と一致した形状から、輸送及び保管目的
のためほぼ平坦な形状に折り畳み可能であること
が望ましい。更に、矩形状及び非矩形状の断面輪
郭を持つ各種食品に対して利用可能なパツケージ
ング要素を達成することが特に望ましい。

本発明の目的は、支持用の外側パツケージ本体
と独立で、矩形状及び非矩形状の食品を電子レン
ジによつて底面、頂面及び側面をかりかりに及び
褐色に焼くことが可能な、マイクロ波による褐色
焼き及びかりかり焼き用スリーブ、及びそれを使
用した食品パツケージ集合体並びにその使用方法
を提供することにある。

本発明の別の目的は、板紙で形成され且つ非矩
形、特に不規則の形状に組立可能であるにも拘ら
ず、輸送及び保管のため平坦な形状に折り畳み可
能である、マイクロ波による褐色焼き及びかりか
り焼き用スリーブ、及びそれを利用したパツケー
ジ集合体並びにその利用方法を提供することにあ
る。

本発明の特定の目的は、一表面上に付着された
マイクロ波との相互作用層を有する板紙ストリツ
プで形成され、該ストリツプの対向各端の端部間
結合によつて形成されたスリーブを、矩形及び／
又は非矩形の形状に組立可能とすると共に、パネ
ル部分の数あるいは組み立て形状に関わりなく平
坦な形状に折り畳み可能とする方法で、折り曲げ
線によつて少なくとも５つのパネル部分に細分割
された、マイクロ波による褐色焼き及びかりかり
焼き用スリーブを提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明の上記及びそれ以外の目的と利点は、本
発明の好ましい実施例に基づくマイクロ波による
褐色焼き及びかりかり焼き用スリーブ、及びそれ
を利用した食品パツケージ集合体並びにパツケー
ジ食品のマイクロ波加熱方法によつて達成され、
板紙ストリツプがその一表面上に固着されたマイ
クロ波相互作用層を有し、板紙ストリツプが折り
曲げ線によつて少なくとも５つのパネル部分に細
分割されており、板紙ストリツプの対向端が端部
と端部を接して、マイクロ波相互作用層が内周面
として固着された表面を有する板紙スリーブを形
成するように接続され、折り曲げ線が、輸送と保
管のためスリーブが平坦な第１の形状と、食品の
頂面、底面及び側面がマイクロ波相互作用層に対
して熱伝達関係となる状態で、前記内周面が食品
を受け入れる端部の開いたスペースを画成する第
２の形状との間でスリーブを組み立て及び折り畳
み可能とする位置に配置されている。折り曲げ線
は、ミシン目、切込み、又はつぶし切り目等周知
の技術によつて得られる切り目線によつて形成さ
れるのが好都合である。

スリーブの組立形状を矩形又は非矩形何れかの
形状とし得るように構成された本発明の一形態に
よれば、スリーブが組み立でられたときほぼ矩形
の配列となるように４つの折り曲げ線が配置さ
れ、またこれら４つの折り曲げ線の各一対の間に
おけるスリーブの二分線として少なくとも１つの
追加の折り曲げ線が配置される。この少なくとも
１つの追加の折り曲げ線の存在によつて、スリー
ブの組立形状が、ほぼ矩形又はほぼくさび状の断
面輪郭の何れかを選択的に取ることができる。同
様に、２つの追加の折り曲げ線を相互に対向して
設けることにより、等しい上下半分を持つ六角形
の組立形状を得る能力も更に加えられる。

更に、本発明の広い概念に基づくと、上記の実
施例によつて得られる形状と、それ以外の不規則
な多角形の形状は、前記折り曲げ線のうち２つが
スリーブを半分に分割するように相対的に位置さ
れ、この際スリーブの片側半分における２つの折
り曲げ線の間に配置されたパネル部分の周囲長さ
の和が、スリーブの他側半分における２つの折り
曲げ線の間に配置されたパネル部分の周囲長さの
和と等しくなるようにすることによつて達成でき
る。これにより、前記２つの折り曲げ線の間のパ
ネル部分の数がスリーブの上下各半分で異なる場
合、あるいは対面するパネル部分の周囲長さが等
しくない場合においても、スリーブはほぼ平坦な
形状に折り畳み可能である。例えば、上半分より
も浅い下半分を有するカイザー（kaiser）ロール
型サンドイツチで使われるスリーブは、各々が３
つのパネル部分から成る上半分と下半分を有する
スリーブで構成でき、下半分の中央パネル部分が
上半分の中央パネル部分よりも大きい（これはカ
イザーロールでは下の方が上より平たいことを反
映している）。一方、下半分の側壁部分の方が上
半分の側壁部分よりも短い（これは同じくカイザ
ーロールの上半分に対する下半分の周囲輪郭にお
ける対応した差を反映している）。

本発明に基づくマイクロ波による褐色焼き及び
かりかり焼きスリーブを用いることによつて、少
なくとも１つのマイクロ波による褐色焼き及びか
りかり焼き用スリーブと、少なくとも１品目の食
品とが最小の必要スペースで、コンパクトに外側
パツケージ本体内にパツケージ可能な食品パツケ
ージ集合体が作製される。また、食品とスリーブ
を外側パツケージ本体から容易に取り出し、スリ
ーブを組み立て、スリーブの内周面に設けられた
マイクロ波相互作用層に対し熱伝達関係となる状
態で、食品をスリーブ内に配置することができる
食品のマイクロ波加熱方法も達成可能となる。更
に、スリーブ形状を食品の表面の大部分に対し熱
伝達関係となるようにできるため、マイクロ波加
熱される食品を一様に褐色に又はかりかりに焼く
ことが可能となる。一方、本発明の有用性は、同
じ種類の食品であつても個々に生じるのが避けら
れない製品寸法のずれにも適応でき、また１つよ
り多い形状の食品に順応可能な本スリーブの能力
によつて更に高められる。

（実施例） 第１図において、マイクロ波による褐色焼き及
びかりかり焼き用スリーブの全体が参照番号１で
示してあり、折り曲げ線３ａ−３ｅによつて複数
のパネル部分５ａ−５ｅ（第２図）と、取付片７
とに細分割された板紙ストリツプで形成され、こ
の取付片７によつて板紙ストリツプの対向端が端
部同士を接する方法で（取付片７を対向した端部
パネル部分に接着する等して）結合され、板紙ス
リーブを作成できる。折り曲げ線３ａ−３ｅは、
ミシン目、切込み、又はつぶし切り目など、任意
の通常技術によつて得られる。板紙ストリツプの
対向端を結合する前に、スリーブ１の内周面とな
る表面にマイクロ波と相互作用する材料の層９が
設けられ、マイクロ波エネルギーを受けたとき、
このマイクロ波相互作用層９がマイクロ波エネル
ギーを、層９に接触するかあるいは隣接する食品
表面を褐色に又はかりかりに焼くのに充分な量の
熱に変換する。このような使い捨て板紙スリーブ
で使用し得る適切な積層体は、例えば米国特許第
4641005号に開示されている。

図面から明らかなように、折り曲げ線のうち４
つ３ａ−３ｅは相対的に次のようにスリーブ１に
配置される。即ち、スリーブが第１図の折り畳み
形状（この状態ではスリーブが対角線状に対向し
た折り曲げ線３ａ，３ｄに沿つて折られている）
から、折り曲げ線３ａ−３ｄがほぼ矩形の配列と
なり、スリーブ１の内周面上のマイクロ波相互作
用層９が、電子レンジ（不図示）内で加熱される
べき食品１１（想像線で示してある）を受け入れ
る端部の開いたスペース１０を画成する第２図の
形状へと組立可能なように配置されている。第２
図の形状を達成するためには、パネル部分５ｃ，
５ｄを追加の折り曲げ線３ｅに沿つて折らずにス
リーブ１が組み立てられ、実質上パネル部分５ｃ
と５ｄが対面したパネル部分５ａと同一サイズの
単一パネル部分を形成する。この形状では、矩形
の外周輪郭を持つ食品１１の場合、（ワツフルや
サンドイツチ等の）食品１１のほぼ全周がスリー
ブ１の内周全面に沿つて接触するかあるいは隣接
して位置するため、スリーブ１内にいれたまま電
子レンジで加熱すれば、食品１１を有効に褐色に
又はかりかりに焼くことができる。

一方、同じく第２図から明らかなように、（タ
ーンオーバ即ちポケツト型パイなど）くさび状の
形にした食品１１′を矩形断面形状のスリーブ内
に入れた場合には、食品１１′のせいぜい１つあ
るいは２つの表面が、電子レンジ内で加熱したと
き適切に褐色又はかりかりに焼けるのに充分隣接
して、マイクロ波相互作用層９に位置するだけで
ある。しかし、追加の折り曲げ線３ｅが存在する
ため、本発明によるスリーブは第３図に示した形
状、つまり食品１１′を受け入れる端部の開いた
スペース１０がほぼくさび形状となり、マイクロ
波相互作用層９を食品１１′の全周に沿つてその
外周面と接触又は隣接する形状への組立可能であ
る。

更に、板紙パネル５ａ−５ｅはある程度の可撓
性を有し、しかも各隣接対のパネル部分が相互接
続折り曲げ線に沿つて相互に折り曲げ可能な程度
は可変であるため、意図した通り褐色に又はかり
かりに焼くスリーブ１の能力に悪影響を及ぼすこ
となく、同じ種類の食品毎に不可避的に生じる寸
法変化に対して容易に順応し得る。また、第２図
に示した折り曲げ線３ｅは一対の折り曲げ線３
ｃ，３ｄ間でスリーブを二分するように配置され
ているが、断面形状が非対称の食品を収容しよう
とする場合、この折り曲げ線３ｅは折り曲げ線３
ｃに対しもつと接近あるいは離反するように移動
してもよい。この場合、折り曲げ線３ｅはスリー
ブ１の折り畳み状態に関与しないため、すなわち
第１図に示したようにスリーブ１の折り畳み形状
ではパネル部分５ｃ，５ｄが単一の平坦なパネル
の外観を与えるため、そのような変更は第１図の
折り畳み形状を達成するスリーブ１の能力に影響
を及ぼさない。

第４図から明らかなように、ロールパンや丸パ
ンで作つたサンドイツチあるいはフランスパン型
のパン塊など、非矩形の断面形状を持つその他の
食品も、矩形の収容スペース内に入れられたと
き、その周面の大部分が境界周壁上のマイクロ波
相互作用層から離れ過ぎ、電子レンジ内での加熱
時それによつて有効に褐色又はかりかりに焼けな
い位置にきてしまう。そこでこのような食品１
１″については、折り曲げ線３′ａ−３′ｄ（矩形の
配列となるように配置可能）と追加の折り曲げ線
３′ｅの外に、追加の折り曲げ線３′ｅと対向して
設けられた更に追加の折り曲げ線３′ｆを有する
マイクロ波による褐色焼き及びかりかり焼き用ス
リーブ１′を使うことができる。この更に追加の
折り曲げ線３′ｆは、第１〜３図の実施例のパネ
ル部分５ａに対応したパネル部分を、一対のパネ
ル部分５′ａ１と５′ａ２に細分割する。

マイクロ波による褐色焼き及びかりかり焼き用
変形スリーブ１′は第５図に示したような形状に
組み立てられ、比較的大きい頂壁と底壁５′ｅ，
５′ｂ、及び比較的小さく、逆向きに傾斜し対を
なして配置された４つの側壁５′ａ１，５′ａ２と
５′ｃ，５′ｄを持つ不規則な六角形状を有する受
け入れスペース１０′が与えられる。更に、第１
〜３図の実施例の側壁５ａをその実施例から第４
及び５図の実施例へと変更するのに細分割したの
と同じように、これらの実施例の何れかの１つ又
はそれより多くのパネル部分を更に細分割できる
点も理解されるべきである。そうすれば、対角線
状に対向した一対の折り曲げ線３ａ−３ｄ又は
３′ａ−３′ｄに沿つてスリーブを平坦な形状に折
り畳む能力に影響を及ぼすことなく、各種異なる
食品の周面輪郭に適応するより高い能力をスリー
ブに与えることができる。

しかし、一部の食品はそれらの形状のため、第
３及び５図に示したように使われるスリーブの場
合に当てはまるように、基本の矩形断面形状から
変形しただけのスリーブを使用するのに適してい
ない。例えば、ロールパンで作つたサンドイツチ
では、底部の周面が頂部より平坦でで浅くなつて
いる。かかる場合には、第６〜８図に示すような
マイクロ波による褐色焼き及びかりかり焼き用ス
リーブ１″を使うことができる。図示のごとく、
スリーブ１″には６つの折り曲げ線１３ａ−１３
ｆが形成され、そのうちの折り曲げ線１３ａと１
３ｆがスリーブ１″を半分に分割するように相対
的に配置されている。スリーブの上半分では、折
り曲げ線１３ａ，１３ｃ，１３ｄ及び１３ｆがス
リーブを、中央パネル部分１５ａと一対の側方パ
ネル部分１５ｂとに細分割している。同様に、折
り曲げ線１３ａ，１３ｂ，１３ｅ及び１３ｆがス
リーブの下半分を、中央パネル部分１５ｃと一対
の側方パネル部分１５ｄとに細分割している。ま
た図示のように、上方中心パネル部分１５ａは下
方中心パネル部分１５ｃ及び一対の隣接する側方
パネル部分１５ｂよりも小さい一方、一対の下方
側方パネル部分１５ｄは他のどのパネル部分より
も小さい。その結果、受け入れスペース１７は、
上半分よりも広く浅い下半分を有し、食品１の
頂面、底面及び側面のサイズにおけるのと同様な
不均等な形状にスリーブを一致可能とする。

しかし、相互に対向して及び隣接して配置され
た個々のパネル部分のサイズ間における不均等に
も拘らず、スリーブ１″は、第７図のわずかに組
み立てた形状と第８図のほぼ完全に組み立てた形
状との間に存在する任意の形の内部受け入れスペ
ース１７を画成可能である。更にスリーブ１″は、
スリーブの片側半分において折り曲げ線１３ａと
１３ｆの間に配置されたパネル部分の周囲長さの
和が、スリーブの他側半分においてそれら２つの
折り曲げ線の間に配置されたパネル部分の周囲長
さの和と等しいため、前例と同じく完全に平坦化
可能である。事実、スリーフを等しい周囲長さを
持つ二半分に細分割するように配置された一対の
折り曲げ線をスリーブが有するという基準原則が
守られる限り、スリーブの各半分に任意の所望数
のパネル部分及び周囲長さの任意の所望の組合せ
で、パネル部分を設けられることが確かめられて
いる。また、（例えば第３及び７図の右側に示し
たような）外側に折り曲げる側壁を設ける代わり
に、側壁を内側に折り曲げてひだ状の折込を形成
してもよく、これは比較的平坦でで細い食品に特
に適する。ひだ状の折込１３a′，１３f′を備えた
スリーブ１を第９図に示す。このように、上記
の原則に従つて構成されたスリーブは、その内部
に入れて電子レンジ内で加熱すべき特定製品の周
囲輪郭に対する板紙スリーブの適応上無制限の可
能性を与える。

第１０図から、輸送と保管のために食品１１′
等の複数の食品が如何に、一対のマイクロ波によ
る褐色焼き及びかりかり焼き用スリーブ１と共
に、外側パツケージ本体２２の内側受け入れスペ
ース２１内に配置可能であるかが明かとなろう。
本発明によれば、スリーブは平坦な状態へ完全に
折り畳み可能なので、受け入れスペース２１内に
コンパクトに収納され、スリーブ内に入れられる
食品の周囲輪郭を別として、使われる板紙の厚さ
にのみ基づく高さが増加するだけである。つま
り、本発明のマイクロ波による褐色焼き及びかり
かり焼き用スリーブを食品パツケージ集合体の中
に含めても、複雑に込み入らせる因子は何等生じ
ない。

同じく、本発明による褐色焼き及びかりかり焼
き用スリーブを用いてパツケージ食品をマイクロ
波加熱する方法も簡単である。消費者は、外側パ
ツケージ本体２２を開き、加熱すべき望ましい数
の食品を、対応した数のスリーブと一緒に取り出
すだけでよい。その後、一対の対向した折り曲げ
線で内側に押し込む等して、スリーブ自体を食品
の周囲輪郭とほぼ一致した形状に組み立てること
ができる。次いで、その食品をスリーブの内周面
によつて画成された受け入れスペース１０，１
０′，１７内に滑り込ませることができる。スリ
ーブは性能上その折り畳まれた形状に戻ろうとす
る傾向を有するので、褐色焼き及びかりかり焼き
用スリーブのマイクロ波相互作用層をできるだけ
密接に食品の周面と接触せしめるのに、特別の努
力は何等必要ない。食品がスリーブ内に配置され
た後は、それらを電子レンジの中に支持し、スリ
ーブ中の食品を適切な時間の間加熱するように電
子レンジを作動させるだけでよい。加熱中に食品
から放出される水分は、スリーブの開放端から自
由に抜けていく。

更に、本発明による各種の実施例を説明した
が、本発明においては以上の開示から当業者にと
つて自明であるようなその他数多くの変形及び変
更が可能であることが認識されるべきである。従
つて、本発明はここに図示し説明した詳細に制限
されると見なされるべきでなく、特許請求の範囲
に記載の範囲内に入るどのような変形及び変更を
全て包含するものである。

（発明の効果） 本発明は、小売食品店の冷蔵及び冷凍展示ケー
ス内で販売及び流通される食品のパツケージング
において特に有利な用途を有する。褐色焼き及び
かりかり焼き用スリーブは、完全に折り畳まれる
能力のため、パツケージングに理想的に適する。
食品の限りない範囲の形状及びサイズに対する本
スリーブの適応性は、ポケツトパイ、サンドイツ
チなど全周の輪郭に沿つて褐色に及びかりかりに
焼く必要がある多数の食品に対して特に本スリー
ブを有用なものにしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく折り畳まれたマイクロ
波による褐色焼き及びかりかり焼き用スリーブの
平面図であり、その内面を示すため部分的に破断
されている；第２図は組み立てた形状の第１図の
スリーブの概略端面図であり、内部の１つの食品
が実線で、別の食品が破線でそれぞれ示してあ
る；第３図は第２図と同様の概略端面図である
が、スリーブが別の形状に組み立てられている；
第４図は第２のマイクロ波による加熱及び褐色焼
き用スリーブの第２図と同様の概略端面図で、内
部の食品が破線で示してある；第５図は食品が内
部に配置された、別の組立形状における第４図の
スリーブの端面図；第６図は本発明に基づく別の
マイクロ波による加熱及び褐色焼き用スリーブの
平面図で、部分的に組み立てられた形状で示して
ある；第７図は第６図の部分組立スリーブの概略
端面図；第８図は第６図と同様な平面図だが、ス
リーブが完全に組み立てられ、食品が内部に配置
された後の状態である；第９図は内側にひだ状に
折り込まれた側壁を有するスリーブの概略端面
図；及び第１０図は本発明に基づくパツケージ集
合体の端面図で、中身を示すため外側パツケージ
本体の端部が除去されている。 １，１′，１″，１……スリーブ、３ａ−３
ｄ，３′ａ−３′ｆ，１３ａ−１３ｆ……折り曲げ
線、５ａ−５ｄ，５′ａ−５′ｅ，１５ａ−１５ｄ
……パネル部分、９……マイクロ波相互作用層、
１０，１０′，１７……端部の開いたスペース、
１１，１１′，１１″，１１……食品、２１……
内側受け入れスペース、２２……外側パツケージ
本体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 板紙ストリツプと、該板紙ストリツプの一表
   面上に固着されたマイクロ波相互作用層とを備え
   たマイクロ波による褐色焼き及びかりかり焼き用
   スリーブであつて、前記マイクロ波相互作用層
   が、マイクロ波エネルギーを受けたとき、マイク
   ロ波エネルギーを食品との熱伝達関係において食
   品を褐色に又はかりかりに焼くのに充分な量の熱
   に変換する手段として機能し：前記板紙ストリツ
   プが側縁から側縁に向かう折り曲げ線によつて、
   その対向側縁間で板紙ストリツプの巾を横切つて
   延びた少なくとも５つのパネル部分に端部と端部
   を接して細分割されており：前記板紙ストリツプ
   の対向端が端部と端部を接して、前記マイクロ波
   相互作用層が内周面として固着された表面を有す
   る板紙スリーブを形成するように接続され：前記
   折り曲げ線が、輸送と保管のため前記スリーブが
   平坦な第１の形状と、前記内周面が電子レンジ内
   で加熱すべき食品を受け入れる端部の開いたスペ
   ースを画成する第２の形状との間で前記スリーブ
   を組み立て及び折り畳み可能とする位置に配置さ
   れていることを特徴とするマイクロ波による褐色
   焼き及びかりかり焼き用スリーブ。 ２ 前記折り曲げ線のうち４つが、前記第２の形
   状において、ほぼ矩形の配列となるように配置さ
   れ、少なくとも１つの追加の折り曲げ線が前記４
   つの折り曲げ線の各対間に配置されている請求項
   １記載のマイクロ波による褐色焼き及びかりかり
   焼き用スリーブ。 ３ 前記折り曲げ線が切り目線によつて形成され
   ている請求項２記載のマイクロ波による褐色焼き
   及びかりかり焼き用スリーブ。 ４ 前記第２の形状を選択的にほぼ矩形及びくさ
   び形状の何れかとするのを可能とする１つの前記
   追加の折り曲げ線を、前記スリーブが有する請求
   項２記載のマイクロ波による褐色焼き及びかりか
   り焼き用スリーブ。 ５ 前記第２の形状を選択的にほぼ矩形、くさび
   及び六角形状の何れかとする２つの前記追加の折
   れ曲げ線を、前記スリーブが有する請求項２記載
   のマイクロ波による褐色焼き及びかりかり焼き用
   スリーブ。 ６ 前記折り曲げ線のうち２つが前記スリーブを
   半分に分割するように相対的に位置し、スリーブ
   の片側半分における前記２つの折り曲げ線の間に
   配置されたパネル部分の周囲長さの和が、スリー
   ブの他側半分における前記２つの折り曲げ線の間
   に配置されたパネル部分の周囲長さの和と等しい
   請求項１記載のマイクロ波による褐色焼き及びか
   りかり焼き用スリーブ。 ７ 前記２つの折り曲げ線の間のパネル部分の数
   が両方の周方向において同じだが、対面するパネ
   ル部分の周囲長さが等しくない請求項６記載のマ
   イクロ波による褐色焼き及びかりかり焼き用スリ
   ーブ。 ８ 前記スリーブの各半分内の前記２つの折り曲
   げ線の間に少なくとも３つのパネル部分が配置さ
   れ、前記少なくとも３つのパネル部分のうち少な
   くとも１つが、前記少なくとも３つのパネル部分
   の他の周囲長さと異なる周囲長さを有する請求項
   ７記載のマイクロ波による褐色焼き及びかりかり
   焼き用スリーブ。 ９ 前記２つの折り曲げ線の間のパネル部分の数
   が両方の周方向において同じで、対面するパネル
   部分の周囲長さが等しい請求項６記載のマイクロ
   波による褐色焼き及びかりかり焼き用スリーブ。 １０ 前記スリーブの各半分内の前記２つの折り
   曲げ線の間に少なくとも３つのパネル部分が配置
   され、前記少なくとも３つのパネル部分のうち少
   なくとも１つが、前記少なくとも３つのパネル部
   分の他の周囲長さと異なる周囲長さを有する請求
   項７記載のマイクロ波による褐色焼き及びかりか
   り焼き用スリーブ。