JPH056083U - 自閉防火ガラリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱によって一方側の遮蔽プレートが変形して
も他方側に炎がまわり込む事がない自閉防火ガラリを得
る。 【構成】 上下方向に回動自在に回動軸３４をもって軸
支された複数の遮蔽プレート３と、遮蔽プレート３と共
に回動する揺動杆４と、複数の揺動杆４を同一方向に同
時に回動せしめる連動杆５を所定空間５０を有して前後
に対称形に配設し、連動杆５を作動せしめる作動杆４を
前後の連動杆５の間に配設して、前後の連動杆５を同時
に作動せしめる様にしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物等の防火戸の通気窓に取りつけられる自閉防火ガラリに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に鋼板製の防火戸等には通気を目的として、ガラリ等が取りつけられてい るが、このガラリは火災発生時には、火災、熱風煙の誘導孔となる為、火災発生 時などの非常時には、特に防火を目的として、簡単に閉止できるガラリが提供さ れている。

【０００３】 例えば、実公昭５６−３８１５３号に示すものでは、次の様に構成されている 。それは、ドア本体に形成された通気窓に通気孔を有する固定遮板を取りつける と共に、この固定遮板の内側に上記通気孔に連通する連通孔と、通気孔を閉塞す る閉塞部とを有する可動遮板を上下動自在に設け、この可動遮板を上記固定遮板 に対し、常時は通風可能状態に吊下げ保持し、火災発生時等の非常時には可動遮 板を自動的に下降して、その閉塞部で通気孔を閉塞するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記構成によると、火災発生時に通気孔を閉塞しているのは、 一枚の可動遮板のみである為、火災が可動遮板に直接ふれると、その熱によって 可動遮板が熱変形を起こして、通気孔と可動遮板の密着状態が阻害され、通気孔 から連通孔に火災がまわりこんで、反対側に炎が吹き出し、防火ガラリとして十 分に機能しないという問題があった。 本考案は、熱によって、一方側が変形しても、他方側に火炎が吹き出す事のな い自閉防火ガラリを提供する事を課題とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】 本考案の構成の要部は、上下方向に回動自在に軸支された複数の遮蔽プレート と、遮蔽プレートと共に回動する揺動杆と、複数の揺動杆を同一方向に同時に回 動せしめる連動杆を、所定空間を有して前後に対称形に配設し、連動杆を作動せ しめる作動杆を、前後の連動杆の間に配設して、前後の連動杆を同時に作動せし める様にしたものである。

【０００６】

【実施例】

図２に本考案の自閉防火ガラリ１の全体を示しており、自閉防火ガラリ１は防 火戸１０の下方部に形成した通気窓１００に取りつけられている。 符号１０１はガラス窓を示している。 防火ガラリ１は、通気窓１００内に設けられた横長長方形状のガラリ枠体２と 、ガラリ枠体２の左右側枠２１、２１間に回動自在に、上下方向に等間隔で取り つけられた複数枚の遮蔽プレート３・・・と、遮蔽プレート３・・・を回動せし める揺動杆４・・・と、該揺動杆４・・・を同一方向に同時に回動せしめる連動 杆５が、前後方向に所定空間５０を有して、対称形に配設されている。

【０００７】 そして、左右側枠２１、２１のいずれか一方の外側で、前後の連動杆５、５間 に位置して、上下方向に作動杆６が配設され、作動杆６の上端には、ストッパー 杆７が係合している。

【０００８】 ガラリ枠体２は、外向き略コ字形の左右側枠２１、２１と、左右側枠２１、２ １の上下端部と連結された略下向きコ字形の上下枠２２、２２より横長枠状に形 成され、これに前記、遮蔽プレート３・・・、揺動杆４・・・等を保持した状態 で、通気窓１００内に嵌合し、前後枠８、８にて防火戸１０に取りつけられる。

【０００９】 前後枠８、８は対向した横長四角枠状の同形となし、外形寸法は、通気窓１０ ０より大きく形成され、内側上下端部に内方に突出する突出縁８１が形成され、 上下枠２２、２２の端面を隠蔽している。

【００１０】 そして、上下枠２２、２２の内面側には、前後に所定間隔を有して、上下方向 に突出する上下遮蔽板３１０、３１０、３２０、３２０が取りつけられている。 上遮蔽板３１０は、下方部が内側方向に傾斜し、端部には内側方向に約９０度 折り曲げられた内側突出縁３１１が形成されている。 下遮蔽板３２０は、上方部が外側方向に傾斜し、端部には外側方向にＬ字形 に折り曲げられた外側突出縁３２１が形成されている。

【００１１】 遮蔽プレート３は、閉止姿勢で、ほぼ６５度に傾斜する基板３１と、基板３１ の上端部が上方に突出し、その端部に形成された前記下遮蔽板３２０の外側突出 縁３２１と同形の上端突縁３２と、基板３１の下端部が下方に突出し、その端部 に形成された前記上遮蔽板３１０の内側突出縁３１１と同形の下端突出縁３３に より形成されている。

【００１２】 そして、基板３１の左右端部に取りつけられた回動軸３４、３４が左右側枠２ １、２１に回動自在に保持される事により、遮蔽プレート３・・・は、前後方向 に所定空間５０を有して、対称形で上下方向に等間隔に開放姿勢と、閉止姿勢に 回動自在に配設される。

【００１３】 すなわち、開放姿勢で、最上段の遮蔽プレート３の上端突縁３２は、上遮蔽板 ３１０の内側突出縁３１１の内側に所定間隔を有して位置し、最下段の遮蔽プレ ート３の下端突縁３２は、下遮蔽板３２０の外側突出縁３２１の外側に所定間隔 を有して位置し、その他の各遮蔽プレート３・・・の、上端突縁３２・・・は、 上段の遮蔽プレート３・・・の下端突縁３３・・・の内側に所定間隔を有して位 置している。

【００１４】 そして、閉止姿勢で最上段の遮蔽プレート３の上端突縁３２は、上遮蔽板３１ ０の内側突出縁３１１の内面に当接し、最下段の遮蔽プレート３の下端突縁３２ は、下遮蔽板３２０の外側突出縁３２１の外面に当接し、その他各遮蔽プレート ３・・・の上端突縁３２・・・は上段の遮蔽プレート３・・・の下端突縁３３・ ・・の内面に当接する。 符号３０は、前後の遮蔽プレート３、３間の長手方向中央部で、上下枠２２、 ２２間にもうけられた補強用の丸棒を示している。

【００１５】 揺動杆４は、左右側枠２１、２１の何れか一方の外方に突出した各遮蔽プレー ト３・・・の回動軸３４・・・の端部に、下方外側に傾斜して突出した状態で取 りつけられている。

【００１６】 連動杆５は、揺動杆４のそれぞれの端部と枢着されて、前後に所定間隔を有し て配設され、各遮蔽プレート３・・・を同時に回動させる。

【００１７】 作動杆６は、下端部に作動用突部６１が、上端部に係合用突部６２が形成され ている。

【００１８】 すなわち、作動用突部６１は前後端部に下方外側に傾斜する前後傾斜面６３、 ６３を有し、この前後傾斜面６３、６３に、最下段の遮蔽プレート３の揺動杆４ と、連動杆５を枢止連結する回動連結軸５１の、連動杆５の外方に突出した部分 を当接せしめている。 そして、この回動連結軸５１に、常に開く方向に付勢された付勢体９が取りつけ られている。

【００１９】 常に開く方向に付勢された付勢体９の一端は、一方の側枠２１の前後方向中央 下方部に、外方に突出せしめた付勢体上固定軸９１に下方より当接し、他端は付 勢体上固定軸９１の下側で、回動連結軸５１の下方に、外方に突出せしめた付勢 体下固定軸９２の上方より当接する事により、常に連動杆５を下方から前後方向 の中央よりに移動する様付勢しているが、回動連結軸５１は傾斜面６３、６３に 当接しているので、作動杆６が固定している限り、遮蔽プレート３は閉止位置に 回動しない。

【００２０】 係合用突部６２は、作動用突部６１と一体で上方に位置する連結杆６４の上端 に形成された上下方向の長孔６５にネジ止め連結されている。 すなわち、係合用突部６２は、遮蔽プレート３の閉止状態で、最上段の前後の 揺動杆４、４の上端部に外嵌する嵌合部６６と、嵌合部６６の上方に位置し、ス トッパー孔６７がもうけられた係合部６８より形成されている。

【００２１】 ストッパー杆７は、上枠２２の内部に保持部材７１にて左右方向にスライド自 在に保持され、作動杆６側の端部は側枠２１を貫通して前記ストッパー孔６７に 嵌入している。

【００２２】 そして、他端側は上方に突出してプレート連結部７２としている。 符号７０は、ストッパー杆７を、常にストッパー孔６７より逸脱せしめ方向に付 勢するバネを示し、符号７３は、保持部材７１とストッパー杆７を連結して、ス トッパー杆７のストッパー孔６７に対する嵌入姿勢を維持せしめる為のヒューズ プレートを示している。

【００２３】 本考案は以上の如く構成されているので、火災の発生によって、温度が上昇す ると、ヒューズプレート７３にもうけられているヒューズが融解し、ストッパー 杆7 と保持部材７１の連結状態を解除し、同時にバネ７０によってストッパー杆 ７は、作動杆６のストッパー孔６７より逸脱する。

【００２４】 すると、作動杆６の前後傾斜面６３、６３に連動杆５の回動連結軸５１、５１ が当接し、付勢体９によって回動連結軸５１、５１は内側方向に移動する様付勢 されている為、作動杆６は下方に移動し、連動杆５によって、各遮蔽プレート３ ・・・の揺動杆４・・・は、下方に回動して、各遮蔽プレート３・・・は閉止姿 勢となる。（図５参照）

【００２５】 この時、作動杆６の上端に形成された嵌合部６６が、最上段の前後の揺動杆４ 、４に外嵌し、熱によって付勢体９に異常が生じても遮蔽プレート３の閉鎖状態 を維持する。

【００２６】

【考案の効果】

以上の如く本考案は、上下方向に回動自在に軸支された複数の遮蔽プレートと 、遮蔽プレートと共に回動する揺動杆と、複数の揺動杆を同一方向に同時に回動 せしめる連動杆を所定空間を有して前後に対称形に配設しているので、一方側に 火災が発生して、炎が直接遮蔽プレートに当たり、遮蔽プレートが熱変形を起こ しても、所定の空間を有して前後対称形に配設されているので、この変形が他方 側に一切の影響を与える事がなく、防火ガラリの機能を十分に発揮する事が出来 る。 また、前後対称形で配設されているから、同一部材を左右反対方向に用いれば よく、部材管理が容易である。 また、遮蔽プレートを所定空間を有して前後に対称形にもうけているので、前 後の連動杆も所定の間隔を有し、この間に作動杆を配設できるので、簡単な構造 で前後の連動杆を容易に、しかも同時に作動せしめる事が出来る。

【００２７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部縦断面図

【図２】後枠を取り外した状態の一部切り欠き要部正面
図

【図３】本考案の要部横断面図

【図４】遮蔽プレートの開放姿勢での遮蔽プレート部分
での縦断面図

【図５】遮蔽プレートの閉止姿勢での遮蔽プレート部分
での縦断面図

【図６】本考案を具備した防火戸の正面図

【符号の説明】

１ 防火ガラリ １０ 防火戸 １００ 通気窓 ２ ガラリ枠体 ２１ 側枠 ３ 遮蔽プレート ３４ 回動軸 ４ 揺動杆 ５ 連動杆 ６ 作動杆 ７ ストッパー杆 ７０ バネ ７３ ヒューズプレート ９ 付勢体

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 通気窓に設けられたガラリ枠体の左右側枠に、回動軸を
   もって上下方向に等間隔で回動自在に軸支された複数の
   遮蔽プレートと、回動軸に一体的に取りつけられた複数
   個の揺動杆と、該揺動杆を同一方向に同時に回動せしめ
   る連動杆と、遮蔽プレートを常に閉止せしめる方向に付
   勢する付勢体と、遮蔽プレートを開放姿勢に維持する
   様、揺動杆の回動を阻止する位置と、揺動杆を回動する
   位置に移動可能な作動杆と、作動杆に作用して常に作動
   杆を揺動杆の回動を阻止する位置に維持せしめるストッ
   パー杆と、ストッパー杆を常に作動杆との係合状態をは
   ずす方向に付勢するバネと、ストッパー杆の作動杆との
   係合姿勢を維持するヒューズプレートを有し、遮蔽プレ
   ート、揺動杆、連動杆は前後方向に所定空間を有して対
   称形に配設され、作動杆は前後の連動杆の間に配設され
   て、前後の連動杆を同時に作動せしめる事を特徴とする
   自閉防火ガラリ。