JPH0560745A - 潤滑油の性能判定装置 - Google Patents

潤滑油の性能判定装置

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JPH0560745A
JPH0560745A JP3245096A JP24509691A JPH0560745A JP H0560745 A JPH0560745 A JP H0560745A JP 3245096 A JP3245096 A JP 3245096A JP 24509691 A JP24509691 A JP 24509691A JP H0560745 A JPH0560745 A JP H0560745A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 使用可能限界に至った潤滑油中に配置される
一対の電極4、5に一定の電圧を印加することで電極間
に流れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式を求めて
記憶装置12により記憶する。判定対象となる潤滑油中
に配置される一対の電極4、5に一定の電圧を印加する
ことで電極間に流れる電流を電流計8により測定すると
共に潤滑油温度をセンサー3により測定する。マイクロ
コンピュータ9は測定された潤滑油温度と電流値とから
前記関係式を用いて潤滑油が使用可能限界にあるか否か
を判定する。 【効果】 潤滑油の性能を温度が大きい場合でも迅速か
つ正確に判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばエンジン油、作動
油、ギヤ油といった潤滑油の性能を、潤滑油の電気抵抗
の変化に基づいて判定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油の性能を判定するには一般に性状
分析試験が行なわれるが、多くの時間と高価な設備を要
するため、簡易に潤滑油性能を判定することが望まれて
いる。
【0003】そこで、オイル中に一対の電極を入れ、こ
の電極に一定の電圧を印加し、その電極間に流れる電流
を測定することで潤滑油の劣化状態を判定することが行
なわれている(特開昭52‐110376号公報参
照)。
【0004】これは、潤滑油が使用により劣化して粘
度、全酸価、スラッジ量、水分量が変化したり添加剤が
消耗されると電気抵抗が変化し、一定電圧を印加した場
合に電極間に流れる電流が変化することを利用するもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】潤滑油の電気抵抗は温
度によって変化するため、電極に一定の電圧を印加した
場合の電極間の電流を測定するだけでは、温度の影響に
よって正確に潤滑油の劣化状態を判定することができな
い。すなわち、測定電流の変化が潤滑油の劣化によるも
のか温度変化によるものか判別できない。そのため上記
従来技術にあっては潤滑油の温度測定手段を設け、その
測定温度に応じて測定電流の温度による変化を補償して
いた。具体的には、劣化していない新しい潤滑油の温度
変化による電流変化分だけ、劣化した潤滑油における測
定電流の値を増減していた。
【0006】しかし、温度に対する電気抵抗の変化割合
は、例えば低温域では新しい潤滑油と劣化した潤滑油と
で略等しくても、高温域では劣化した潤滑油よりも新し
い潤滑油の方が大きく異なる場合がある。そのため、従
来のように劣化していない新しい潤滑油の温度変化によ
る電流変化分だけ劣化した潤滑油における測定電流を増
減したのでは、潤滑油の温度変化が大きい場合は劣化し
ているか否かを正確に判定することができない。
【0007】現実に使用されている潤滑油にあっては使
用環境や使用時間に応じて温度が大きく変化することか
ら、従来のように温度変化が大きい場合に劣化状態を正
確に判定することができないと、使用可能な劣化してい
ない潤滑油を交換して潤滑油を無駄にしたり、劣化した
潤滑油を交換しないために潤滑対象である機械等の寿命
を短くするという問題を生じる。
【0008】また、潤滑油の電気抵抗は使用による劣化
だけでなく、金属磨耗粉、水分、異種油等の混入による
異常事態によっても変化する。例えば、砂塵の侵入や潤
滑油量の減少により潤滑対象に異常磨耗が生じて金属磨
耗粉が増加したり、潤滑油タンク中に雨水が侵入して水
分が増加すると潤滑油の電気抵抗が変化する。
【0009】このような潤滑油の異常が生じると、劣化
していなくても潤滑油の交換が必要になり、また、潤滑
対象の保守のためには異常事態が発生したことを認識す
る必要がある。しかし、従来技術では潤滑油の異常状態
を判定することができなかった。
【0010】本発明は上記従来技術の問題を解決するこ
とのできる潤滑油の性能判定装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、潤滑油の温度測定手段と、潤滑油中に配置される
一対の電極と、この電極に一定の電圧を印加する手段
と、この電圧の印加により電極間に流れる電流を測定す
る手段と、その電極を使用可能限界に至った潤滑油中に
配置して一定の電圧を印加した場合に電極間に流れる電
流と潤滑油温度との関係に基づく式を記憶する手段と、
その関係式を用いて前記温度測定手段により測定された
潤滑油温度と前記電流測定手段により測定された電流値
とから潤滑油性能を判定する手段とを備えている点にあ
る。
【0012】潤滑油性能として劣化状態を判定する場
合、電極を劣化により使用限界に至った潤滑油中に配置
して一定の電圧を印加した場合に電極間に流れる電流と
潤滑油温度との関係に基づく式が記憶手段に記憶され
る。
【0013】潤滑油性能として異常状態を判定する場
合、電極を異常により使用限界に至った潤滑油中に配置
して一定の電圧を印加した場合に電極間に流れる電流と
潤滑油温度との関係に基づく式が記憶手段に記憶され
る。
【0014】潤滑油の劣化状態と異常状態の両方を判定
する場合、電極を劣化により使用限界に至った潤滑油中
に配置して一定の電圧を印加した場合に電極間に流れる
電流と潤滑油温度との関係に基づく式と、電極を異常に
より使用限界に至った潤滑油中に配置して一定の電圧を
印加した場合に電極間に流れる電流と潤滑油温度との関
係に基づく式とが記憶手段に記憶される。
【0015】
【作用】本発明の構成によれば、潤滑油温度と、潤滑油
中に配置される一対の電極に一定の電圧を印加すること
で電極間に流れる電流とが測定され、この測定された潤
滑油温度と電流値から潤滑油性能が判定される。この判
定に際して、その電極を使用可能限界に至った潤滑油中
に配置して一定の電圧を印加した場合に電極間に流れる
電流と潤滑油温度との関係に基づく式を用いることによ
り、使用可能限界に至った潤滑油における温度による電
流変化を基準として、測定電流の温度による影響を補正
できる。これにより、潤滑油が使用可能限界に至ってい
るか否かを確実に判定できる。
【0016】潤滑油性能の判定に際して、電極を劣化に
より使用限界に至った潤滑油中に配置して一定の電圧を
印加した場合に電極間に流れる電流と潤滑油温度との関
係に基づく式を用いることで、潤滑油の劣化状態を判定
することができる。
【0017】潤滑油性能の判定に際して、電極を異常に
より使用限界に至った潤滑油中に配置して一定の電圧を
印加した場合に電極間に流れる電流と潤滑油温度との関
係に基づく式を用いることで、潤滑油の異常状態を判定
することができる。
【0018】潤滑油性能の判定に際して、電極を劣化に
より使用限界に至った潤滑油中に配置して一定の電圧を
印加した場合に電極間に流れる電流と潤滑油温度との関
係に基づく式と、電極を異常により使用限界に至った潤
滑油中に配置して一定の電圧を印加した場合に電極間に
流れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式とを用いる
ことで、潤滑油の劣化状態と異常状態の両方を判定する
ことができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0020】図1は潤滑油の性能判定装置の構成を示す
ものであって、容器1に貯留される潤滑油2の温度を測
定する温度センサー3と、その潤滑油2中に配置される
一対の電極4、5と、この電極4、5に一定の電圧を印
加する電源6と、その電極4、5間に流れる電流を測定
する電流計8と、マイクロコンピュータ9と、表示装置
13とを備えている。この性能判定装置は、例えば潤滑
油を使用する車両、産業機械等に装備することができ、
その場合には、容器1は車両等の潤滑油タンクに対応す
る。また、性能判定装置は潤滑油を使用する車両等とは
独立して設けることもでき、この場合には、容器1は車
両等からサンプリングした潤滑油を貯留するビーカー等
により構成することができる。そのマイクロコンピュー
タ9は入出力インターフェイス10と中央処理装置11
と記憶装置12とを備えている。その入出力インターフ
ェイス10に温度センサー3と電流計8と表示装置13
とが接続されている。
【0021】その記憶装置12には、電極4、5を使用
可能限界に至った潤滑油中に配置して一定の電圧を印加
した場合に電極4、5間に流れる電流と潤滑油温度との
関係に基づく式が記憶されている。その式は、予め準備
された使用可能限界に至った潤滑油を用いた実験を行な
うことで求められる。
【0022】図2は、潤滑油中に配置される一対の電極
4、5に300Vの電圧を印加した場合における電極
4、5間に流れる電流値と、その電流測定時における潤
滑油温度との関係を示す。その電流値は、電圧を印加し
てから一定時間経過後に安定してから測定する。潤滑油
は市販品の産業車両用のエンジン油を用いた。図におい
て○印は潤滑油の使用時間が0の場合の実測結果であ
り、△印は潤滑油の使用時間が112時間の場合の実測
結果であり、□印は潤滑油の使用時間が214時間の場
合の実測結果を示す。これにより、エンジン油にあって
は劣化に伴って添加剤が消耗されるために電気抵抗が大
きくなり、測定電流が小さくなるのが認められる。ま
た、潤滑油温度の上昇に伴って測定電流が大きくなるの
が認められる。さらに、低温域では新油と劣化油とで温
度に対する電流の変化割合は略等しいが、高温域では新
油の方が劣化油よりも温度に対する電流の変化割合が大
きいのが認められる。各実測結果において電流値をI、
温度をTとすると、IとTは次の近似式により表すこと
ができた。
【0023】I=a0 +a1 T+a2 2
【0024】エンジン油の使用時間が0の場合はa0
178.9、a1 =−8.313、a2 =0.1266
であり、使用時間が112時間の場合はa0 =58.9
6、a1 =−2.243、a2 =0.0480であり、
使用時間が214時間の場合はa0 =38.66、a1
=−1.680、a2 =0.0372であった。
【0025】ここで、エンジン油を214時間使用する
と交換が必要な使用可能限界状態に至ったとすると、
【0026】 I=38.66−1.680T+0.0372T2 …(1)
【0027】により表される電流と潤滑油温度との関係
に基づく式が記憶装置12に記憶される。本実施例では
次式が記憶装置12に記憶される。
【0028】 W1 ={F2 ( TS ) −IS }/{F2 ( TS ) −F1 ( TS ) }×100… (2)
【0029】ここで、W1 はエンジン油の劣化度
(%)、TS は測定温度、IS は測定電流を表す。ま
た、F1 は使用可能限界に至ったエンジン油の電流と温
度との関係を表す前記式(1)により定まる関数で、
【0030】 F1 ( TS )=38.66−1.680TS +0.0372TS 2 により表される。
【0031】また、F2 ( TS ) は使用時間が0の場合
の前記エンジン油の電流と温度との関係を表す関数で、
【0032】 F2 ( TS ) =178.9−8.313TS +0.1266TS 2 により表される。
【0033】そしてマイクロコンピュータ9は、上記式
(2)を用いてセンサー3により測定された温度T
S と、電流計8により測定された電流値IS とからエン
ジン油の劣化度W1 を演算し、この劣化度W1 は表示装
置13により表される。表示装置13としては例えば劣
化度W1 を測定日時毎にグラフ表示するものや、あるい
は劣化程度に応じて異なる色で発光するインジケータラ
ンプを用いることができる。これにより、エンジン油が
劣化により使用限界に至っているか否かを、温度による
影響を受けることなく正確に判定することができる。
【0034】上記実施例では記憶装置に式(2)を記憶
させたが、式(1)を記憶することでエンジン油の劣化
状態を判定するようにしてもよい。すなわち、図3のフ
ローチャートに示すように、まず温度TS と測定電流値
S をマイクロコンピュータ9に入力する(ステップ
1)。次に、マイクロコンピュータ9は記憶装置12に
記憶された式(1)を用い、その測定温度TS に対応す
る使用可能限界での電流値Im を演算する(ステップ
2)。次に、マイクロコンピュータ9は測定された電流
値IS と演算された電流値Im とを比較する(ステップ
3)。測定電流値IS が演算電流値Im 以上であれば正
常表示を行ない(ステップ4)、演算電流値Im よりも
小さければ劣化表示を行なう(ステップ5)。これによ
り、エンジン油が劣化により使用可能限界に至っている
か否かを正確に判定できる。要は、使用可能限界に至っ
た潤滑油における電極間に流れる電流と潤滑油温度との
関係に基づく式を用い、測定温度と測定電流とから判定
を行なうようにすればよい。
【0035】上記実施例では、性能判定装置により潤滑
油の一例としてエンジン油の劣化判定を行なったが、作
動油やギヤ油の劣化判定を行なうこともできる。この場
合、エンジン油は劣化に伴って硫酸腐食防止用等の添加
剤が消耗されるために電気抵抗が大きくなるが、作動油
やギヤ油にあっては添加剤が少なく劣化に伴って電気抵
抗が小さくなる。よって、電極4、5間に流れる電流
は、図4においてAで示す未使用で劣化していない場合
に比べ、図中Bで示すように劣化して使用限界に至った
場合の方が大きくなる。この場合、図4においてBで示
される電流Iと潤滑油温度Tとの関係を関数F3 により
I=F3 (T)と表し、図中Aで示される電流Iと潤滑
油温度Tとの関係を関数F4によりI=F4 (T)と表
すことで、ギヤ油や作動油の劣化度W2 (%)を次式で
表すことができる。
【0036】 W2 ={IS −F4 ( TS ) }/{F3 ( TS ) −F4 ( TS ) }×100… (3)
【0037】この式(3)を記憶装置12に記憶させる
ことで、上記実施例と同様にギヤ油や作動油の劣化判定
を行なうことができる。また、I=F3 (T)により表
される式を記憶装置12に記憶することによっても劣化
判定を行なうことができる。
【0038】上記実施例では性能判定装置を用いて潤滑
油の劣化状態の判定を行なったが、異常状態の判定を行
なうこともできる。
【0039】例えば、潤滑対象の金属部品に異常摩耗が
生じ、潤滑油中に金属摩耗粉が混入して鉄濃度が異常に
上昇することがある。図5は、潤滑油中に配置される一
対の電極4、5に一定の電圧を印加した場合における電
極4、5間に流れる電流値と、その電流測定時における
潤滑油温度との関係を示す。図において○印は鉄濃度が
0ppm の場合の実測結果であり、△印は鉄濃度が342
ppm の場合の実測結果であり、□印は鉄濃度が2277
ppm の場合の実測結果を示す。この実測結果から、金属
磨耗粉の混入により測定電流が大きくなり、温度上昇に
伴い測定電流が増加するのが認められる。よって、金属
磨耗粉の混入により使用限界に至った潤滑油において、
電極4、5間に一定の電圧を印加した場合に電極4、5
間に流れる電流と潤滑油温度との関係を表す式を、記憶
装置12に記憶させることで、潤滑油の劣化の場合と同
様にして、異常事態により潤滑油に金属磨耗粉が混入し
て使用限界に至ったか否かを判定することができる。
【0040】また、図6は作動油の温度と電極4、5間
に流れる電流値との関係を示し、○印は水分混入率が0
%の場合を、△印は水分混入率が0.1%の場合の実測
結果を示す。図7はギヤ油の温度と電極4、5間に流れ
る電流値との関係を示し、・はブレーキ液の混入率が2
%、〇は混入率が5%、◎印は混入率が10%、△印は
混入率が15%、□印は混入率が20%の場合の実測結
果を示す。この実測結果から、水分やブレーキ液の混入
により測定電流が大きくなり、温度上昇に伴い電流が増
加するのが認められる。よって、水分やブレーキ液の混
入により使用限界に至った潤滑油において、電極4、5
間に一定の電圧を印加した場合に電極4、5間に流れる
電流と潤滑油温度との関係を表す式を、記憶装置12に
記憶させることで、潤滑油の劣化の場合と同様にして、
異常事態により潤滑油に水分やブレーキ液が混入して使
用限界に至ったか否かを判定することができる。
【0041】さらに上記性能判定装置によれば、潤滑油
の劣化状態と異常状態の両方の判定を行なうことができ
る。
【0042】例えばエンジン油にあっては、前述のよう
に劣化に伴って電気抵抗が大きくなると共に、金属磨耗
粉、水分、異種油の混入等によって電気抵抗が小さくな
る。よって、電極4、5間に流れる電流は、図8におい
てCで示す未使用の場合に比べ、図中Dで示すように劣
化して使用限界に至った場合は小さくなり、図中Eで示
すように異常により使用限界に至った場合は大きくな
る。この場合、図8においてCで示される電流Iと潤滑
油温度Tとの関係を前述のように関数F2 によりI=F
2 (T)と表し、図中Dで示される電流Iと潤滑油温度
Tとの関係を前述のように関数F1 によりI=F
1 (T)と表し、図中Eで示される電流Iと潤滑油温度
との関係を関数F5 によりI=F5 (T)と表すこと
で、劣化度W1 を前記式(2)により表し、異常度Y1
(%)を次式で表すことができる。
【0043】 Y1 ={IS −F2 ( TS ) }/{F5 ( TS ) −F2 ( TS ) }×100… (4)
【0044】この式(4)と前記式(2)とを記憶装置
12に記憶させることでエンジン油の劣化状態と異常状
態の双方を判定することができる。
【0045】すなわちマイクロコンピュータ9は、式
(2)を用いて測定温度TS と測定電流IS とから劣化
度W1 を演算すると共に、式(4)を用いて測定温度T
S と測定電流IS とから異常度Y1 を演算し、W1 とY
1 の正負の判定を行なう。そして、通常の状態にあって
は異常事態は生じていないことから、異常度Y1 の値は
負となり、異常事態が生じていないことが確認できると
共に、劣化度W1 の値から劣化により使用限界に至った
か否かを判定できる。そして、潤滑対象の異常磨耗や潤
滑油への雨水やブレーキ液の混入といった異常事態が生
じると、異常度Y1 の値が正になって異常事態の発生が
認識されると共に、異常により使用限界に至ったか否か
を判定できる。この場合の表示装置13は、劣化表示を
行なうインジケータランプ等と異常表示を行なうインジ
ケータランプ等とを個別に有するものが好ましい。
【0046】また、ギヤ油や作動油にあっては、劣化に
伴って電気抵抗が小さくなると共に、金属磨耗粉、水
分、異種油の混入等によっても電気抵抗が小さくなる。
よって、電極4、5間に流れる電流は、図9においてA
で示す未使用の場合に比べ、図中Bで示すように劣化し
て使用限界に至った場合は大きくなり、図中Fで示すよ
うに異常により使用限界に至った場合は劣化により使用
限界に至った場合よりもさらに大きくなる。この場合、
図9においてAで示される電流Iと潤滑油温度との関係
を前述のように関数F4 によりI=F4 (T)と表し、
図中Bで示される電流Iと潤滑油温度との関係を前述の
ように関数F3 によりI=F3 (T)と表し、図中Fで
示される電流Iと潤滑油温度との関係を関数F6 により
I=F6 (T)と表すことで、劣化度W2 を前記式
(3)により表し、異常度Y2 (%)を次式で表すこと
ができる。
【0047】 Y2 ={IS −F4 ( TS ) }/{F6 ( TS ) −F4 ( TS ) }×100… (5)
【0048】この式(5)と前記式(3)とを記憶装置
12に記憶させることでギヤ油や作動油の劣化状態と異
常状態の双方を判定することができる。
【0049】すなわちマイクロコンピュータ9は、式
(3)を用いて測定温度TS と測定電流IS とから劣化
度W2 を演算すると共に、式(5)を用いて測定温度T
S と測定電流IS とから異常度Y2 を演算し、そのW2
とY2 の値を比較する。そして、通常の状態にあっては
異常事態は生じていないことから劣化度W2 の値は10
0%よりも小さくなり、異常事態が生じていないことが
確認できると共に、劣化により使用限界に至ったか否か
を判定できる。そして、潤滑対象の異常磨耗や潤滑油へ
の雨水やブレーキ液の混入といった異常事態が生じる
と、劣化度W2 の値が100%よりも大きくなって異常
事態の発生が認識されると共に、異常度Y2 の値から異
常により使用限界に至ったか否かを判定できる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、使用可能限界に至った
潤滑油の温度による電気抵抗の変化に基づいて潤滑油性
能の判定を行なうことができるので、潤滑油の温度変化
が大きい場合であっても、潤滑油が使用可能限界に至っ
ているか否かを正確に判定することができる。また、潤
滑油性能として劣化状態だけでなく異常状態を判定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オイル性能判定装置の構成説明図
【図2】 エンジン油の温度と電流との関係を示す図
【図3】 オイル劣化状態の判定手順を示すフローチャ
ート
【図4】 ギヤ油、作動油の温度と電流との関係を示す
【図5】 金属粉混入の場合の潤滑油の温度と電流との
関係を示す図
【図6】 水分混入の場合の作動油の温度と電流との関
係を示す図
【図7】 ブレーキ液混入の場合のギヤ油の温度と電流
との関係を示す図
【図8】 エンジン油の温度と電流との関係を示す図
【図9】 ギヤ油、作動油の温度と電流との関係を示す
【符号の説明】
2 潤滑油 3 温度センサー 4、5 電極 6 電源 8 電流計 9 マイクロコンピュータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油の温度測定手段と、潤滑油中に配
    置される一対の電極と、この電極に一定の電圧を印加す
    る手段と、この電圧の印加により電極間に流れる電流を
    測定する手段と、その電極を使用可能限界に至った潤滑
    油中に配置して一定の電圧を印加した場合に電極間に流
    れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式を記憶する手
    段と、その関係式を用いて前記温度測定手段により測定
    された潤滑油温度と前記電流測定手段により測定された
    電流値とから潤滑油性能を判定する手段とを備えている
    ことを特徴とする潤滑油の性能判定装置。
  2. 【請求項2】 潤滑油の温度測定手段と、潤滑油中に配
    置される一対の電極と、この電極に一定の電圧を印加す
    る手段と、この電圧の印加により電極間に流れる電流を
    測定する手段と、その電極を劣化により使用可能限界に
    至った潤滑油中に配置して一定の電圧を印加した場合に
    電極間に流れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式を
    記憶する手段と、その関係式を用いて前記温度測定手段
    により測定された潤滑油温度と前記電流測定手段により
    測定された電流値とから潤滑油の劣化状態を判定する手
    段とを備えていることを特徴とする潤滑油の性能判定装
    置。
  3. 【請求項3】 潤滑油の温度測定手段と、潤滑油中に配
    置される一対の電極と、この電極に一定の電圧を印加す
    る手段と、この電圧の印加により電極間に流れる電流を
    測定する手段と、その電極を異常により使用可能限界に
    至った潤滑油中に配置して一定の電圧を印加した場合に
    電極間に流れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式を
    記憶する手段と、その関係式を用いて前記温度測定手段
    により測定された潤滑油温度と前記電流測定手段により
    測定された電流値とから潤滑油の異常状態を判定する手
    段とを備えていることを特徴とする潤滑油の性能判定装
    置。
  4. 【請求項4】 潤滑油の温度測定手段と、潤滑油中に配
    置される一対の電極と、この電極に一定の電圧を印加す
    る手段と、この電圧の印加により電極間に流れる電流を
    測定する手段と、その電極を劣化により使用可能限界に
    至った潤滑油中に配置して一定の電圧を印加した場合に
    電極間に流れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式を
    記憶する手段と、その電極を異常により使用可能限界に
    至った潤滑油中に配置して一定の電圧を印加した場合に
    電極間に流れる電流と潤滑油温度との関係に基づく式を
    記憶する手段と、各関係式を用いて前記温度測定手段に
    より測定された潤滑油温度と前記電流測定手段により測
    定された電流値とから潤滑油の劣化状態と潤滑油の異常
    状態とを判定する手段とを備えていることを特徴とする
    潤滑油の性能判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009257880A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Ihi Corp 油膜厚さ計測装置および方法
KR20180138419A (ko) * 2017-06-21 2018-12-31 주식회사 포스코 윤활유의 오염도 측정장치 및 이를 포함하는 윤활유 순환 시스템
CN116106173A (zh) * 2023-04-07 2023-05-12 天津索克汽车试验有限公司 一种新能源汽车用机油粘度测量方法

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