JPH0560690A - 結露センサ - Google Patents

結露センサ

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JPH0560690A
JPH0560690A JP25035891A JP25035891A JPH0560690A JP H0560690 A JPH0560690 A JP H0560690A JP 25035891 A JP25035891 A JP 25035891A JP 25035891 A JP25035891 A JP 25035891A JP H0560690 A JPH0560690 A JP H0560690A
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JP
Japan
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light
film
dew condensation
sensor
polymer film
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JP25035891A
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Masanori Kaya
雅詔 賀屋
Shuichi Hashiyama
秀一 橋山
Yasuki Yoshida
泰樹 吉田
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感応速度が速く、特性の安定した結露センサ
を提供すること。 【構成】 基体11上にポリアニリン系化合物を主成分
とする重合膜からなるセンサ膜12を有し、前記重合膜
表面に結露が生じたときに光反射率が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結露を検知することが
可能な結露センサに関する。
【0002】
【従来の技術】VTR、電子レンジ、コピー機などに
は、結露センサが使われている。例えば、VTRでは、
急激な温度変化により回転シリンダに結露が発生する
と、ビデオテープの貼り付きが発生するため、センサに
よって結露を検知している。
【0003】従来、結露センサとしては、例えば、クシ
型電極上にイオン電導性高分子膜を形成したものが用い
られている。この結露センサでは、イオン電導性高分子
膜が水分を含むと導電性が増加する。そこで、抵抗値が
一定値以上となったときに結露したと判断するように構
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な結露センサは、感応速度が遅いという問題がある。ま
た、繰り返し使用時の安定性に不安がある。すなわち、
一旦結露すると、乾燥後にイオンが高分子膜表面に残存
してしまい、導電性が安定しない恐れがある。
【0005】本発明は、感応速度が速く、特性の安定し
た結露センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の構成によって達成される。
【0007】(1)基体と、この基体上に設層したポリ
アニリン系化合物を主成分とする重合膜とを有し、前記
重合膜表面に結露が生じたとき、前記重合膜の光反射率
が変化することを特徴とする結露センサ。
【0008】(2)前記重合膜が、酸性溶液中における
アニリン化合物の電解重合によって成膜される上記
(1)に記載の結露センサ。
【0009】(3)前記重合膜が、成膜後、洗浄され、
さらに酸処理を施されたものである上記(1)または
(2)に記載の結露センサ。
【0010】(4)前記酸処理が、酸溶液への浸漬によ
って行なわれる上記(3)に記載の結露センサ。
【0011】(5)さらに発光素子と受光素子とを有
し、前記重合膜の基体を通しての光反射率変化を前記受
光素子によって検出し、結露を検知するように構成した
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の結露セン
サ。
【0012】(6)前記重合膜に照射される光の強度が
経時的に変化するよう構成された上記(5)に記載の結
露センサ。
【0013】(7)前記受光素子に検出回路が接続され
ており、この検出回路が、交流成分検出回路部と、増幅
回路部と、出力レベルシフト回路部と、平滑回路部とを
有し、さらに、光強度制御手段を有し、この光強度制御
手段にて光強度を経時的に変化させながら、発光素子か
ら前記重合膜に光を照射し、重合膜からの反射光を受光
素子に入射させ、この反射光の光強度に対応する電気的
信号を前記検出回路にて平滑化して検出する上記(6)
に記載の結露センサ。
【0014】
【作用】本発明の結露センサの重合膜は、ポリアニリン
等のポリアニリン系化合物の導電性ポリマーを含有し、
所定の波長の光に対し、好ましくは10%以上の反射率
をもつ。この導電性ポリマーは、水と接触すると、これ
と結合したり電気的相互作用をしたりして、これによっ
て膜物性が変化する。この膜物性の変化が重合膜の光反
射率、特に鏡面反射率を変化させることとなる。この
際、導電性ポリマーと水との結合等は可逆的に行なわ
れ、これによって、結露の検知が繰り返し再現性よく行
なわれる。
【0015】また、本発明の結露センサは、製造条件を
選択することにより、結露検知対象物の結露条件に適応
させることが可能である。すなわち、湿度が同じであっ
ても、結露するか否かは結露検知対象物の材質や表面状
態等によって異なり、一方、結露センサはセンサ自体の
結露を判断しているので、結露センシングにズレが生じ
易いが、本発明では重合条件を選択することにより重合
膜の表面粗さを制御できるため、重合膜の結露条件を結
露検知対象物の結露条件に近似させることができる。
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0017】本発明の結露センサは、基体上に設けた重
合膜表面の結露を検知するものであり、前記重合膜はポ
リアニリン系化合物を主成分とする。
【0018】本発明における重合膜は、その反射率、特
に鏡面反射率が、特に可視〜赤外域のいずれかの波長域
の波長において、10%以上、より好ましくは20%以
上の、いわゆるブロンズ光沢を有することが好ましい。
また、本発明における重合膜は、その吸収率が60%以
下、好ましくは40%以下であるとよく、重合膜におけ
る反射の極大波長(λRmax )が吸収の極大波長(λA
max )と異なるものであることが望ましく、特に、λR
max −λAmax ≧50nmであることが望ましい。このよ
うな重合膜を用いることにより、実質的に十分な感度が
得られる。反射率が10%未満となると、結露による反
射率変化を検出することが困難となる。なお、反射率測
定ないし読み出し波長としては、通常、600〜120
0nm程度のものを用いる。
【0019】このような反射率を有する重合膜を構成す
る材質として、本発明ではポリアニリン系化合物を用い
る。このポリアニリン系化合物は、非局在電子が存在す
る導電性ポリマーであり、このポリマーではキャリヤと
して添加されるドーパントによる酸化還元状態に加え、
プロトン付加によるイオン化状態(−NH2 +−)が存在
するイオン性ポリマーである。この場合のドーパントは
塩酸等の酸である。
【0020】そして、このような重合膜が被検物質であ
る水と接触することにより、前記非局在電子やキャリヤ
と水とが感応するものである。
【0021】このようなポリアニリン系化合物として
は、ポリアニリンないしその誘導体であり、誘導体とし
ては、例えばポリ−N−メチルアニリン、ポリ−N−ジ
エチルアニリン、ポリ−p−フェニルアニリン等が挙げ
られる。また、場合によってはこれらのホモポリマーの
みならず、異なる種類のアニリンないしその誘導体(モ
ノマー)を構成単位とするコポリマーであってもよい。
【0022】このようなポリアニリン系化合物は、モノ
マーであるアニリンないしその誘導体(アニリン化合物
と総称する。)を重合して得られ、重合は、通常、電解
重合法が好ましく用いられる。具体的には、酸性溶液中
での電解重合によって成膜する公知の方法が採用され
る。
【0023】本発明における重合膜は、モノマーを基体
上にて重合して成膜しても、別途重合したポリマーを基
体上に設層してもよい。通常は、モノマーを基体上にて
重合して成膜する方法が好ましく用いられ、以下のよう
に行なわれる。
【0024】まず、モノマーを酸性溶液中で電解重合す
る。このときの電解は、定電流電解や定電位電解、パル
ス電解等であり、透明電極[In23 (Sn O2
等]を電極として行なう。また、このような透明電極は
成膜される基体上に設層すればよく、このときの電流密
度は、好ましくは10mA/cm2以下、より好ましくは1mA
/cm2以下にすればよい。なお、電流密度の下限は特にな
いが、所要時間が長くなりすぎないように100μA/cm
2 以上とすることが好ましい。電解時間は目的とする膜
厚に応じて選択すればよいが、通常は1〜2時間とす
る。また、上記における酸性溶液は、酸として塩酸等の
プロトン酸が用いられるものであり、酸性溶液のpHは
2以下、特に1以下とすることが好ましい。
【0025】なお、重合の際の各種条件、例えば電流密
度、温度、攪拌条件などを適宜選択することにより、重
合膜の表面粗さを制御することができるので、重合膜と
検知対象物との結露の生じ易さをほぼ一致させることも
可能である。そのための具体的な条件は、実験的に決定
すればよい。
【0026】以上の工程により基体の透明電極上に所定
厚さの重合膜を成膜した後、前記重合膜を洗浄する。洗
浄は水洗等によればよく、具体的には、膜表面をまず水
洗いし、その後基板ごと水に浸漬するなどの方法によれ
ばよい。これにより、主に膜表面等に残存するモノマー
等の未反応物質や塩酸等の酸が除去される。このときの
水には蒸留水を用いればよく、浸漬時間は10〜20分
間程度とすることが好ましい。
【0027】なお、洗浄した後、酸処理を施してもよ
い。酸処理は酸溶液への浸漬によって行なうことが好ま
しい。用いる酸としては、塩酸や硫酸等が好ましい。例
えば塩酸を用いる場合、具体的には、所定濃度(0.0
1〜3モル/l、好ましくは0.1〜1モル/l)の溶液に
基体ごと浸漬するなどすればよい。このときの浸漬時間
は、酸濃度との関係を考慮し設定すればよいが、作業性
等の点から、1時間以内とするのがよく、この時間で十
分である。
【0028】また、導電性ポリマーの機能を阻害しない
ような各種ポリマー等のバインダを併用してもよい。
【0029】重合膜の厚さは、好ましくは0.01〜1
00μm 、より好ましくは0.05〜5μm とするのが
よい。このように薄膜とすると、センサとしての応答が
速くなる。センサ膜が厚すぎると、実用的な反応速度が
得られなくなる。
【0030】なお、本発明では、複数の重合膜を積層し
た構成としてもよい。
【0031】本発明の結露センサでは、重合膜表面に結
露が生じると重合膜の光反射率が変化する。この光反射
率の変化は、重合膜の膜厚、膜密度、屈折率等の膜物性
の変化によって生じるものであると考えられる。なお、
本発明では、場合によっては光の透過率を利用すること
もできる。ただし、被検物質やそれを含む雰囲気と発光
ないし受光素子とを非接触とすることができる点、およ
び検出感度を高めることができる点で、反射率変化を検
知する構成とすることが好ましい。
【0032】重合膜に照射する光は単色光でもよいが、
測定波長に巾を持たせ、反射光ないし透過光の光量変化
で検知することもできる。この場合には光源としてLE
Dが使用でき、また変化光量も大きくなる点で好まし
い。
【0033】重合膜が設けられる基体の材質に特に制限
はないが、基体の裏面側からの検知が可能となることか
ら、実質的に透明であることが好ましい。
【0034】また、本発明では重合膜を基体上に成膜す
る方法が好ましく用いられるが、このときの基体は、透
明な基体本体に透明電極層を設層した構成とすることが
好ましい。
【0035】基体本体の材質としては、具体的には、ガ
ラスや、硬質塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサ
ルフォン、メチルペンテンポリマー、ビスフェノールA
−テレフタル酸共重合体等の各種樹脂などが挙げられ
る。
【0036】一方、透明電極層としては、SnO2 、I
23 、SnO2 (Sb25 )、In23 (Sn
2 )等が挙げられ、なかでもIn23 (SnO2
(ITO)を用いることが好ましい。透明電極層は、そ
の抵抗値が25Ωcm-1程度のものとすることが好まし
い。この透明電極層は、スプレー法、CVD法、スパッ
タリング法、場合によっては有機塩あるいは無機塩の加
水分解などによって形成すればよいが、これを設層した
基体は市販されており、市販品を用いることができる。
【0037】基体の形状に特に制限はないが、通常、板
状、フィルム状とする。なお、別途重合した重合膜を基
体上に設層する方法を採る場合の基体には、上記の基体
本体を用いればよい。
【0038】本発明では、重合膜の膜面を通水性ないし
通気性の保護板でエアーサンドイッチ化してもよく、膜
面にこの保護板を設置してもよい。
【0039】なお、基体に重合膜を形成後、これを所望
の寸法に打ち抜いたり、切断したりしてもよい。この方
法を用いると量産性が向上する。また、基体にガラスフ
ァイバを用い、その端面に重合膜を形成してもよい。さ
らにはこのものを複数束ねて用いてもよい。また束ねた
後、端面を研磨し、この端面に重合膜を設層してもよ
い。
【0040】本発明の結露センサの1構成例を図1に示
す。図1に示される例では、透明な基体11上に、前記
した重合膜から構成されるセンサ膜12が形成されてお
り、一方、基体11の裏面側には、発光素子21と受光
素子31とが設置されており、これらがケーシング40
内に一体的に収納されている。なお、基体11は、基体
上にて成膜する方法を採る場合は透明電極が設層された
ものである。
【0041】センサ膜12は被検雰囲気と接触してお
り、結露はセンサ膜12の表面に生じる。そして、この
結露により、センサ膜12の裏面側(基体11側)の反
射率も変化するので、発光素子21から発光されて基体
11の裏面からセンサ膜12に入射した光の鏡面反射率
が変化する。受光素子31は強度が変化した反射光を検
出し、結露の有無を判断する。なお、反射光強度に対応
する出力電圧は結露により急激に変化し、数秒以内にほ
ぼ一定値に落ち着くので、結露の有無の判断は容易であ
るが、細かい制御を行ないたい場合には必要に応じてス
ラッシュレベルを適宜設定してもよい。
【0042】発光素子21と受光素子31とは近接して
設置することが好ましい。20°以下、特に5°以下の
鏡面反射による反射を測定することにより、高い感度が
得られ、また、素子のコンパクト化をはかることができ
る。
【0043】発光素子21が発光する光の波長は、可視
〜赤外域のいずれかの波長である。発光素子21の構成
材に特に制限はないが、発光ダイオード(LED)、レ
ーザダイオード(LD)等を用いることが好ましい。
【0044】本発明では、センサ膜へ照射される光の強
度が経時的に変化する構成とすることが好ましい。光強
度を経時的に変化させることにより、センサ膜の温度上
昇を抑えることができる。このため、センサ膜表面にお
ける結露が熱によって影響されにくくなり、特に連続的
な測定に際しての測定精度が顕著に向上する。
【0045】センサ膜に照射される光の強度を経時的に
変化させる態様としては、センサ膜への光照射とその休
止を繰り返す間けつ照射としてもよく、また、光照射を
休止せずに照射光強度を変化させる構成としてもよい。
すなわち、センサ膜の温度上昇を抑えることができれ
ば、いずれの構成としてもよい。
【0046】照射を間けつ的に行なう場合、照射時間に
特に制限はないが、反射率が測定可能な範囲でできるだ
け短く設定することが好ましく、例えば0.01〜10
0msec程度とすることが好ましい。また、間けつ照射の
場合の照射間隔にも特に制限はないが、センサ膜の温度
上昇を避けるためには、必要とされる測定間隔を満足す
る範囲で可能な限り長く設定することが好ましく、通
常、照射間隔は0.1〜10msec程度とすることが好ま
しい。
【0047】間けつ的照射を行なう手段等に特に制限は
ない。例えば、発光素子への通電を間けつ的に行なうこ
とにより発光光を直接制御してもよい。また、連続発光
光を、チョッパープレート等を介してセンサ膜に照射す
るような間接的制御を行なってもよい。
【0048】図2に、本発明の結露センサにおける光学
的センシング回路の好適例を示す。この光学的センシン
グ回路は、電源回路6、発光部2、センサ部1、受光部
3および検出回路7を有する。センサ部1は、例えば、
図1に示される構成における基体11およびセンサ膜1
2の部分である。
【0049】電源回路6は、発光部の発光時間、発光間
隔、発光強度等を制御でき、照射光の光強度を経時変化
させうる光強度制御回路部を有するものである。図示例
の電源回路6は、発振回路部61と、ドライバ回路部6
3とからなる光強度制御回路部を有し、発振回路部61
の前段の端子81、83間には直流電源が設けられてい
る。この場合、直流電源は、シングルモードでもデュア
ルモードでもよいが、図示例ではシングルモード直流電
源を用い、端子81に接続し、端子83を接地してい
る。なお、電源電圧には特に制限がなく、通常5〜30
ボルト程度とすればよい。
【0050】発振回路部61は、発振器611、トラン
ジスタ613、抵抗器および両極性コンデンサにて構成
され、ドライバ回路部63は、トランジスタ631およ
び抵抗器にて構成される。そして、トランジスタ613
と631とは、エミッタとエミッタ間、コレクタとベー
ス間にて接続されている。なお、トランジスタにかえ
て、FET等の各種スウィッチング素子を用いてもよ
い。
【0051】ドライバ回路部63には発光部2が接続さ
れている。この場合、図示例では発光素子21に発光ダ
イオード(LED)を用いて発光部2を構成している
が、このほか、レーザダイオード(LD)等の各種発光
素子やこれらを用いた発光回路等にて構成してもよい。
【0052】このような構成にて、発振器611から発
振信号、例えば矩形状のパルス信号をトランジスタ61
3のベースに印加すると、トランジスタ613のエミッ
タ・コレクタ間には、パルス信号に応じて電流が流れ
る。また、トランジスタ613のオン・オフに伴なっ
て、トランジスタ631のベースには、トランジスタ6
13とは反対のパルス信号が印加される。すなわち、ト
ランジスタ631と613は、互いにオン、オフ動作が
逆になる。そして、発光部2およびトランジスタ631
のエミッタ・コレクタ間にほぼ矩形状のパルス電流が流
れ、発光部2は、パルス電流によって、間けつ的に発光
する。
【0053】図3に、発光部2、すなわち発光素子21
(発光ダイオード)の電圧の時間変化を示す。図中、電
圧が降下している時間t0 〜t1 に電流が流れ、発光素
子21が発光し、センサ部1への間けつ照射が行なわれ
る。なお、上記のとおり、照射とその休止とを交互に繰
り返す間けつ照射に限らず、照射光強度が経時変化する
ように制御を行なってもよい。ただし、センサ部1のセ
ンサ膜の温度上昇をより一層防止でき、しかも制御が容
易である点で、間けつ的に光照射を行なうことが好まし
い。
【0054】また、本発明では、この他、上記のとお
り、連続発光光をチョッパープレート等を介してセンサ
部1に照射するような間接的制御により間けつ的な照射
を行なうこともでき、各種の光強度制御手段の形態が可
能である。
【0055】検出回路7には、受光部3が接続されてい
る。受光部3は、受光素子31としてフォトトランジス
タを用いているが、これに限定されるものではなく、こ
のほか、フォトダイオード等の各種受光素子やこれらを
用いた受光回路等で構成してもよい。なお、前記の発光
部2および受光部3は、受光発光素子等を用いて一体的
に構成してもよい。
【0056】また、本発明では、図9に示されるよう
に、発光部2とセンサ部1および受光部3とセンサ部1
を、それぞれ光ファイバ55にて光学的に連結させるこ
ともできる。このような構成とすることにより、発光部
2および受光部3とセンサ部1とを分離して配置するこ
とが可能となる。
【0057】このため、測定空間にはセンサ部1だけを
配置することができ、また、センサ部1と発光部2およ
び受光部3との間の情報伝達は光により行なわれるた
め、強電界下や電気的ノイズの発生が多い条件下におい
ても信頼性の高い測定が可能である。また、このため、
可燃性ガス中において使用された場合でも、発火や爆発
の危険性がない。
【0058】検出回路7は、交流成分検出回路部71、
増幅回路部73、出力レベルシフト回路部75および平
滑回路部77を順次有する。
【0059】交流成分検出回路部71は、次段の増幅回
路部73にて反射光の光強度に対応する信号、すなわち
受光部3の電圧減少量を増幅させる際、直流成分によっ
てトランジスタ731がオン状態になるのを防止するた
めに設けられる。交流成分検出回路部71は、直列結合
した両極性コンデンサ711と、抵抗器713とで構成
されている。
【0060】また、増幅回路部73はトランジスタ73
1と抵抗器とで構成され、トランジスタ731をエミッ
タ接地した反転増幅回路を形成している。この場合、前
記交流成分検出回路部71の出力端は、トランジスタ7
31のベースに接続されている。なお、増幅回路部73
は、このほか、正相増幅回路や、これらを組み合わせた
多段式のものであってもよい。出力レベルシフト回路部
75は、前段の増幅回路部73にて増幅された出力電圧
をそのまま平滑化した場合、プラス側の電圧とマイナス
側の電圧とが打ち消し合って零になるのを防止するため
に設けられる。
【0061】出力レベルシフト回路部75は、両極性コ
ンデンサ751とダイオード753とで構成され、前記
トランジスタ731のコレクタとコンデンサ751とが
接続されている。そして、コンデンサ751の他端には
ダイオード753が接続され、ダイオード753の他端
は、接地されている。
【0062】平滑回路部77は、抵抗器および両極性コ
ンデンサ771で構成される第1の積分回路と、抵抗器
および両極性コンデンサ773で構成される第2の積分
回路とを有し、第2の積分回路の後段に、コンデンサ7
73と並列に抵抗器を接続して構成される。
【0063】なお、図示例の2段式の構成のほか、1段
式あるいは3段式以上の構成としてもよいが、より一層
平滑化された出力が得られる点で2段式以上が好まし
い。このような構成にて、光照射によりセンサ部1から
反射した光は、受光部3に入射し、反射光の光強度に応
じた電流が受光部3に流れる。この結果、受光部3の電
圧、すなわち発光素子31(フォトトランジスタ)のコ
レクタ・エミッタ間の電圧は、反射光の光強度に応じて
減少する。
【0064】図4に、このフォトトランジスタのコレク
タ・エミッタ間の電圧の時間変化を示す。図中、前記発
光ダイオードに流れる電流が零になる時間t1 において
電圧値がもとにもどらないのは、発光ダイオードが残留
発光しているためである。
【0065】交流成分検出回路部71では、コンデンサ
711により直流成分がカットされ、交流成分のみが取
り出される。この結果、端子91、83間の出力電圧
は、図5に示されるように下側(低電圧側)にシフトす
る。
【0066】反転増幅回路にて構成される増幅回路部7
3では入力電圧を反転増幅する。
【0067】端子91、83間の出力電圧は、図6に示
されるような波形となる。出力レベルシフト回路部75
では、コンデンサ751およびダイオード753によっ
て構成されるクランプ回路により、最も小さい電圧が零
となるように電圧値をシフトさせる。この結果、端子9
5、83間の出力電圧は、図7に示されるように上側
(高電圧側)にシフトする。
【0068】平滑回路部77では、チャージをコンデン
サ771へ一度充電した後、放電し、さらにコンデンサ
773でも同様に充放電して出力する。この結果、図7
に示されるパルス状の電圧波形が平滑化し、端子97、
83間の出力電圧は、図8に示されるようにほぼ直線状
の安定したものになる。
【0069】なお、検出回路7の各回路部71、73、
75および77は、それぞれ図示例に限定されるもので
はなく、これらと電気回路的に等価なものや、前述した
ものと同様な作用が実現するものであればよい。検出回
路7の平滑回路部77の後段には、通常、図2に示され
るように増幅回路部78が形成されている。増幅回路部
78の構成に特に制限はなく、公知の増幅器781を用
いる構成とすればよい。
【0070】また、増幅回路部78の後段には、通常、
図示されるように出力用回路部79がゼロ調整のために
設けられる。出力用回路部79の構成には特に制限がな
く、公知の構成とすればよい。このような構成にて最終
的な出力電圧が端子85、87から得られる。
【0071】このような検出回路では、パルス発光によ
って経時的に変動する受光素子の出力電圧が検出回路に
て平滑化され、受光素子の電圧減少量の平均値、すなわ
ち反射光の強度の平均値に比例した出力電圧に変換され
る。このため、パルス発光に起因する出力変化、ノイズ
等が除去でき、安定した出力が得られる。また、上記回
路には、サンプルホールド回路等が不要なため、構成が
簡易であり、量産上有利である。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0073】0.5M アニリンの1.0M HC1水溶液
に5cm角の電導性ガラス(ITOガラス)を入れ、0.
5mAで2時間かけてポリアニリン重合膜を成膜した。こ
の重合膜表面を水洗した後、蒸留水中に20分間浸して
洗浄した。その後0.1mol/1 塩酸中にこれを10分間
浸漬して塩酸を膜中に導入し、乾燥して厚さ約1500
A のセンサ膜とした。
【0074】次いで、センサ膜が形成されたガラス基体
を、長さ50cm、 直径3mmの光ファイバ(三菱レイヨン
製エスカCK−120)の一方の端面に、アクリル系接
着剤により接着した。また、光ファイバの他方の端面
は、鏡面加工を施した板に押し付けて加熱することによ
り直径4mmまで拡大し、同時に平滑化した。この他方の
端面に、発光部2の発光素子21(発光光の波長910
nmの発光ダイオード)および受光部3の受光素子31
(フォトトランジスタ)を、アクリル系接着剤により接
着した。
【0075】このようにして、図1、図2および図9に
示される構成を有する結露センサを得た。
【0076】この結露センサを、超音波を利用した加湿
器の吹き出しノズル付近に置いてセンサ膜表面で結露さ
せ、次いで吹き出しノズルから離し乾燥させる作業を繰
り返した。このときの時間経過とセンサ出力との関係を
図10に示す。なお、加湿器のノズル付近には測定開始
600秒後に置き、900秒後にノズルから離し、15
00秒後に再びノズル付近に置き、1800秒後に再び
離した。測定に際して、発光ダイオードは、発光時間
0.1msec、発光間隔0.9msecにて作動させた。
【0077】図10に示される結果から、本発明の結露
センサは、感応速度が極めて速く、また、繰り返し使用
しても特性劣化がないことがわかる。以上の結果から、
本発明の効果が明らかである。
【0078】
【発明の効果】本発明の結露センサにおいて用いる重合
膜は、一般に単層膜として設層すればよいので、きわめ
て均一かつ均質な薄膜が得られ、センサとしての応答が
速く、反射率を高く安定に保てるので検出精度がきわめ
て高い。また、信頼性、耐久性に優れる。
【0079】本発明において、重合膜に照射される光の
強度を経時変化させた場合、重合膜の温度上昇が抑えら
れ、精度よく連続的な測定を行なうことができる。
【0080】また、本発明の結露センサは、素子構成が
きわめて簡単でコンパクトであり、その製造も容易であ
る。さらに、基体裏面側からの検出が可能となり、ま
た、電圧がセンサ膜に加わるなどの電気的作用が全くな
いため、劣化が少なく連続使用に耐える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結露センサの断面図である。
【図2】本発明の結露センサの光学的センシング回路の
1例が示される回路図である。
【図3】図2における発光素子21の電圧の経時変化が
示される電圧波形のグラフである。
【図4】図2における受光素子31のコレクタ・エミッ
タ間の電圧の経時変化が示される電圧波形のグラフであ
る。
【図5】図2における端子91、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図6】図2における端子93、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図7】図2における端子95、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図8】図2における端子97、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図9】本発明における光学的センシング回路のセンサ
部と発光部、センサ部と受光部の光学的連結方法の1例
が示される側面図である。
【図10】本発明の結露センサにおける結露および乾燥
と出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 センサ部 11 基体 12 センサ膜 2 発光部 21 発光素子 3 受光部 31 受光素子 40 ケーシング 55 光ファイバ 6 電源回路 61 発振回路部 611 発振器 63 ドライバ回路部 613、631、731 トランジスタ 7 検出回路 71 交流成分検出回路部 711、751、771、773 両極性コンデンサ 713 抵抗器 73、78 増幅回路部 75 出力レベルシフト回路部 753 ダイオード 77 平滑回路部 781 増幅器 79 出力用回路部 81、83、85、87、91、93、95、97 端

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、この基体上に設層したポリアニ
    リン系化合物を主成分とする重合膜とを有し、前記重合
    膜表面に結露が生じたとき、前記重合膜の光反射率が変
    化することを特徴とする結露センサ。
  2. 【請求項2】 前記重合膜が、酸性溶液中におけるアニ
    リン化合物の電解重合によって成膜される請求項1に記
    載の結露センサ。
  3. 【請求項3】 前記重合膜が、成膜後、洗浄され、さら
    に酸処理を施されたものである請求項1または2に記載
    の結露センサ。
  4. 【請求項4】 前記酸処理が、酸溶液への浸漬によって
    行なわれる請求項3に記載の結露センサ。
  5. 【請求項5】 さらに発光素子と受光素子とを有し、前
    記重合膜の基体を通しての光反射率変化を前記受光素子
    によって検出し、結露を検知するように構成した請求項
    1ないし4のいずれかに記載の結露センサ。
  6. 【請求項6】 前記重合膜に照射される光の強度が経時
    的に変化するよう構成された請求項5に記載の結露セン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記受光素子に検出回路が接続されてお
    り、この検出回路が、交流成分検出回路部と、増幅回路
    部と、出力レベルシフト回路部と、平滑回路部とを有
    し、 さらに、光強度制御手段を有し、この光強度制御手段に
    て光強度を経時的に変化させながら、発光素子から前記
    重合膜に光を照射し、重合膜からの反射光を受光素子に
    入射させ、この反射光の光強度に対応する電気的信号を
    前記検出回路にて平滑化して検出する請求項6に記載の
    結露センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209051A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Mitsubishi Electric Corp 空気調和装置
JP4686698B2 (ja) * 2001-08-02 2011-05-25 株式会社パロマ ガス種判定方法

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