JPH0545289A - アミンセンサ - Google Patents

アミンセンサ

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JPH0545289A
JPH0545289A JP3232285A JP23228591A JPH0545289A JP H0545289 A JPH0545289 A JP H0545289A JP 3232285 A JP3232285 A JP 3232285A JP 23228591 A JP23228591 A JP 23228591A JP H0545289 A JPH0545289 A JP H0545289A
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JP
Japan
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light
film
amine
sensor
sensor according
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Withdrawn
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JP3232285A
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English (en)
Inventor
Yasuki Yoshida
泰樹 吉田
Shuichi Hashiyama
秀一 橋山
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アミン化合物の検知、定量を精度よくかつ連
続的に行なうことができ、しかも応答が速く、素子構造
が簡易なアミンセンサとする。 【構成】 基体11上に、センサ膜12を形成し、基体
11裏面側に発光素子21と受光素子31とが設置され
ており、これらはケーシング40内に一体的に収納され
ている。このときのセンサ膜12は、好ましくはポリア
ニリン系化合物を成膜したのち、洗浄し、その後酸溶液
に浸漬するなどの酸処理を行なって得られた重合膜とす
る。そして、センサ膜12がアミン化合物と接触してこ
れらを光反射率の変化として検知、定量する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミン化合物を検知、
定量することが可能なアミンセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性ポリマ−を用いたセンサと
して、アンモニア、SO3 などとの接触により導電性ポ
リマ−が着色あるいは高導電化する現象を利用したガス
センサが知られている。
【0003】しかし、このものは電気的に検知、定量を
行なうので、防バク、耐水性に欠点がある。また、電極
付けなど製造が煩雑である。
【0004】ところで、本出願人は、先に色素膜等のセ
ンサ膜が水等の被検化学物質と接触することによって生
じるセンサ膜の物性変化を光反射率の変化として検出す
る種々のセンサを提案している(特開平2−16944
9号、特開平2−193045号、特願平2−3201
08号、特願平3−91056号等)。
【0005】このようなセンサは、光反射率の変化を利
用していることから、従来の電気的に検知、定量を行な
うものに比べて、素子構成が簡易で製造が容易であると
いう利点を有する。
【0006】したがって、このような利点を生かした種
々の物質を検出するセンサを得ることは意味深いことで
ある。
【0007】例えば冷蔵庫を用いて魚などを保存する場
合、魚の臭いが他の食物に移ってしまい、他の食物の味
を損なうことがある。このため、通常、冷蔵庫内には脱
臭剤等を配置している。しかし、脱臭剤等の有効性を判
断するのは困難であり、脱臭効果が消失しているにもか
かわらず、そのまま配置されることが多い。このような
場合、魚の臭いを検知するセンサを冷蔵庫内に設置して
脱臭効果の有無を調べるなどすれば、上記のような事故
が回避される。
【0008】ところで、魚の臭いの原因となる物質は、
魚肉の分解によって生じるメチルアミン等の低位の脂肪
族アミンである。また、このような物質に限らず、アミ
ン化合物は臭気を発するものがほとんどであり、アミン
化合物を検知、定量するセンサの開発は望まれるところ
である。
【0009】なお、メチルアミン等を検知、定量するセ
ンサを得ることは、魚の鮮度を感知するセンサとしての
用途が期待される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、アミン化合物の検知、定量が精度よく連続的に行な
え、しかも応答が速く、素子構造が簡易で、製造が容易
であり、コスト面でも有利な信頼性および耐久性の高い
アミンセンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0012】(1) 基体と、この基体上に設層した導
電性ポリマーを主成分とする重合膜とを有し、この重合
膜がアミン化合物と接触したとき、前記重合膜の光反射
率が変化するように構成したことを特徴とするアミンセ
ンサ。
【0013】(2) さらに発光素子と受光素子とを有
し、前記重合膜の基体をとおしての光反射率変化を前記
受光素子によって検出し、前記アミン化合物を検知、定
量するように構成した上記(1)に記載のアミンセン
サ。
【0014】(3) 前記重合膜は、さらにドーパント
を含有する上記(1)または(2)に記載のアミンセン
サ。
【0015】(4) 前記導電性ポリマーが、ポリアニ
リン系化合物である上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載のアミンセンサ。
【0016】(5) 前記ポリアニリン系化合物を主成
分とする重合膜は、成膜したのち、洗浄し、酸処理して
得られたものである上記(4)に記載のアミンセンサ。
【0017】(6) 前記成膜は、酸性溶液中における
アニリン化合物の電解重合によって行ない、前記酸処理
は、酸溶液への浸漬によって行なう上記(5)に記載の
アミンセンサ。
【0018】(7) 前記発光素子から発光された光を
間けつ的に照射する上記(2)ないし(6)のいずれか
に記載のアミンセンサ。
【0019】(8) 前記受光素子に検出回路が接続さ
れており、この検出回路が、交流成分検出回路部と、増
幅回路部と、出力レベルシルト回路部と、平滑回路部と
を有し、さらに、光強度制御手段を有し、この光強度制
御手段にて光強度を経時的に変化させながら、発光素子
から前記重合膜に光を照射し、重合膜からの反射光を受
光素子に入射させ、この反射光の光強度に対応する電気
的信号を前記検出回路にて平滑化して検出する上記
(2)ないし(7)のいずれかに記載のアミンセンサ。
【0020】
【作用】本発明における重合膜は、ポリアニリン等の導
電性ポリマ−を含有し、所定の波長の光に対し、好まし
くは10%以上の反射率をもつ。
【0021】しかも、この導電性ポリマ−は、アミン化
合物と接触すると、これと結合したり、電気的相互作用
をしたりして、これによって膜物性が変化する。
【0022】この膜物性の変化が重合膜の光反射率、特
に鏡面反射率を変化させることになる。この際、導電性
ポリマ−とアミン化合物との結合等は可逆的に行なわ
れ、これによって、被検アミン化合物の検知、定量が可
能となる。
【0023】また、導電性ポリマーがポリアニリン等の
ポリアニリン系化合物である場合、重合膜を成膜したの
ち、洗浄し、その後所定濃度の塩酸溶液等の酸溶液に浸
漬して酸処理を行なうことも好ましく、これにより検
知、定量の際の感度が向上し、かつ特性の安定したもの
となる。
【0024】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0025】本発明においては、アミン化合物を検知、
定量するために、重合膜を用いる。
【0026】本発明における重合膜は、その反射率、特
に鏡面反射率が、特に可視〜赤外域のいずれかの波長域
の波長において、10%以上、より好ましくは20%以
上の、いわゆるブロンズ光沢を有することが好ましい。
【0027】また、本発明における重合膜は、その吸収
率が60%以下、好ましくは40%以下であるとよく、
重合膜における反射の極大波長(λRmax )が吸収の極
大波長(λAmax )と異なるものであることが望まし
く、特に、λRmax −λAmax≧50nmであることが望
ましい。
【0028】このような重合膜を用いることにより、実
質的に十分な感度が得られる。反射率が10%未満とな
ると、被検化学物質を反射率変化として検出することが
困難となるからである。
【0029】なお、反射率測定ないし読み出し波長とし
ては、通常、600〜1200nm程度のものを用いる。
【0030】このような反射率を有する重合膜を構成す
る材質としては、非局在電子が存在する導電性ポリマー
やこれにキャリヤとしてドーパントを添加したものが好
ましい。
【0031】そして、重合膜が被検アミン化合物と接触
することにより、この非局在電子やキャリヤと、被検化
学物質アミン化合物とが感応するものである。
【0032】このような導電性ポリマーとしては共役系
高分子である導電性ポリマーが好ましい。
【0033】共役系高分子導電性ポリマーとしては、特
に制限はないが、好適に用いられる共役系高分子化合物
としては、 A) ポリアセチレン系 ポリアセチレン、ポリジアセチレン、およびその誘導体
であるポリ−1−アルキン、ポリシアノアセチレン、ポ
リフェニルアセチレン、ポリクロロフェニルアセチレ
ン、ポリメチルアゾメテン、ポリ−1,6−ヘプタジイ
ン、ジフルオルアセチレンなど;
【0034】B) ポリフェニレン系 ポリパラフェニレン、ポリビフェニレン、ポリメタフェ
ニレンおよびその誘導体であるポリパラフェニレンサル
ファイド、ポリパラフェニレンセレニド、ポリパラフェ
ニレンオキサイド、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ
パラフェニレンアゾメチン、ポリパラアゾフェニレン、
ポリフェニレンビニレン、ポリ−2,5−ジエトキシフ
ェニレンビニレン、ポリ−p−ジメチルアミノスチリル
ビニル、ポリフェニレンビニレン、ポリジフェニレンビ
ニレン、ポリフェニレンアリレン、ポリピレン、ポリア
ズレン、ポリフルオレン、ポリナフタレンビニレンな
ど;
【0035】C) 複素環ポリマー ポリピロール、ポリビピロールおよびその3−置換体や
ポリ−N−メチルピロールなどの誘導体、ポリチオフェ
ン、ポリビチオフェン、ポリターチエニル、ポリチエノ
チオフェン、ポリジチエノチオフェンおよびポリ−3−
メチルチオフェンなどのポリ−3−アルキルチオフェン
やポリ−3−チオフェン−アルケンスルホネートなどの
3−置換誘導体、ポリチオフェンビニレン、ポリフラ
ン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリイソチ
オナフテン、ポリイソナフトチオフェンなど;
【0036】D) イオン性ポリマー ポリアニリン系化合物、ポリアミノピレン、イオン性ポ
リピロールなど;
【0037】E) ラダーポリマー ポリビフェニレン、ポリアセン、ポリベンゾチオフィ
ン、ポリナフチリジン(ポリピリジノピリジン)、ポリ
シアノジエン(ポリピラジノピラジン)、ポリアレンメ
タノイド、ポリペリナフタレン、ポリペリアントラセン
など;
【0038】F) その他 ポリオキサジアゾール、ポリ[Feフタロシアニン]、
キノイド、ポリメタシクロファンなど;等が挙げられ
る。
【0039】これらのうちでは、特に耐水性、アミン化
合物に対する感度等を考慮してポリアニリン系化合物が
好ましい。
【0040】また、その導電率は1.0×10-12
1.0×106 S/cm程度が好適である。
【0041】このようなポリマーは、通常の電解重合
法、気相重合法、触媒重合法、固相重合法等により得た
ものであればよい。
【0042】このような導電性ポリマーは、ドーパント
を添加することができる。
【0043】導電性ポリマーに添加してもよいドーパン
トに特に制限はないが、特に好適に用いられるドーパン
トとしては、ポリアセチレン系導電性ポリマーの場合
の、I2 、AsF5 、H2 SO4 およびFeCl3
ど;ポリフェニレン系導電性ポリマーの場合のAsF
5 、AsF3 、I2 、H2 SO4 、アルカリ金属など;
複素環系導電性ポリマーの場合のClO4 -、BF4 -、I
2 、アルカリ金属など;等が挙げられる。
【0044】これらドーパントは、導電性ポリマーに対
し、6〜7%程度以上添加される。
【0045】ドーパントを添加するには、常法に従えば
よい。
【0046】このようなドーピング処理により、上記
1.0×102 〜1.0×106 S/cmの導電率を示すよ
うになる。
【0047】本発明における被検化学物質は、アミン化
合物である。被検体は通常ガス状であるが、場合によっ
ては液体であってもよい。
【0048】アミン化合物は、脂肪族アミン、芳香族ア
ミン等のいずれであってもよく、また第一級アミン、第
二級アミン、第三級アミンのいずれであってもよい。
【0049】このようなアミン化合物のうち、本発明の
適用が好ましいアミン化合物を以下に例示する。以下に
おいては、臭気別に分類している。 (1)樟脳香を有するアミン N−臭化ジメチルアミン N,N−ジブロムメチルアミン イソアミルクロルアミン チオニルエチルアミン N−クロルブチルアミン N−クロルジエチルアミン N−クロルジメチルアミン N−クロルエチルアミン N−クロルプロプルアミン シクロブチルアミン イソブチルクロルアミン イソブチルジクロルアミン
【0050】(2)花香を有するアミン ジフェニルアミン
【0051】(3)腐敗臭を有するアミン ジメチルアミン メチルアミン α−ナフチルアミン トリメチルアミン トリエチルアミン トリ(n−ブチル)アミン
【0052】(4)芳香を有するアミン N−ニトロソジエチルアミン
【0053】(5)ニンニク臭を有するアミン アセチルアリルアミン カンフォリルアミン
【0054】本発明のアミンセンサは、上記のようなア
ミン化合物の1種以上を検知、定量することができ、ま
た2種以上の化合物が混合したものを被検化学物質とす
ることもできる。
【0055】アミン化合物は、導電性ポリマーと可逆的
に結合したり、電気的相互作用をしたりする。
【0056】そして、このように、重合膜と被検アミン
化合物とが結合あるいは電気的相互作用をすることによ
って、重合膜の膜物性が変化し、その光反射率が変化す
る。そして、これを利用してアミン化合物の検出を行な
うものである。
【0057】この場合の光反射率の変化は、重合膜の膜
厚、膜密度、屈折率等の膜物性の変化によって生じるも
のであると考えられる。
【0058】すなわち、本発明では、重合膜とアミン化
合物との結合あるいは電気的相互作用に応じた膜物性の
変化を、重合膜の光反射率の変化によってとらえ、アミ
ン化合物を定量するものである。
【0059】この際、本発明では、光反射率の変化を利
用するものであるが、場合によっては光の透過率を利用
することもできる。ただし、被検体と発光ないし受光素
子とを非接触とすることができる点、および検出感度を
高めることができる点で、反射率変化を検知することが
好ましい。
【0060】また、単色光での反射率変化の他、測定波
長に巾を持たせ、反射光ないし透過光の光量変化で検知
することもできる。この場合には、光源としてLEDが
使用でき、また変化光量も大きくなる点で好ましい。
【0061】本発明における重合膜は、上記導電性ポリ
マーやドーパントの2種以上を含有してもよく、複数の
重合膜を積層した構成としてもよい。
【0062】本発明の重合膜を成膜するには、通常、モ
ノマーを基体上にて重合して成膜しても、別途重合した
ポリマーを基体上に設層してもよい。
【0063】なお、導電性ポリマーの機能を阻害しない
ような各種ポリマー等のバインダを併用してもよい。
【0064】また、重合膜は、0.01〜100μm 、
好ましくは0.05〜5μm とするのがよい。このよう
に薄膜とすると、センサとしての応答が速くなる。
【0065】本発明における基体の材質には、特に制限
はないが、実質的に透明であることが好ましい。
【0066】基体の裏面側からの検知が可能となるから
である。
【0067】具体的には、ガラスや、硬質塩化ビニル、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィ
ン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサル
フォン樹脂、ポリエーテルサルフォン、メチルペンテン
ポリマー、ビスフェノールA−テレフタル酸共重合体等
の各種樹脂が挙げられる。
【0068】このような基体の形状は特に制限はない
が、通常、板状、フィルム状とする。
【0069】本発明においては、さらにセンサ膜の膜面
を通水性ないし通気性の保護板でエアーサンドイッチ化
してもよく、膜面にこの保護板を設置してもよい。
【0070】また、膜面にアミン化合物が選択的通過可
能なフィルターを設けてもよい。
【0071】本発明においては、基体に重合膜を形成
後、これを所望の寸法に打ち抜いたり、切断したりして
もよい。この方法を用いると、量産性が向上する。
【0072】また、基体にガラスファイバを用い、その
端面に重合膜を形成してもよい。さらにはこのものを複
数束ねて用いてもよい。また束ねて端面を研磨し、端面
に重合膜を設層してもよい。
【0073】本発明における重合膜を構成する導電製ポ
リマーは、前述のようにポリアニリン系化合物が好まし
い。
【0074】このポリアニリン系化合物は、非局在電子
が存在する導電性ポリマ−であり、このポリマ−ではキ
ャリヤとして添加されるド−パントによる酸化還元状態
に加え、プロトン付加によるイオン化状態(−NH
2 +−)が存在するイオン性ポリマ−である。この場合の
ド−パントは塩酸等の酸であり、これについては後に詳
述する。
【0075】このようなポリアニリン系化合物として
は、ポリアニリンないしその誘導体であり、誘導体とし
ては、例えばポリ−N−メチルアニリン、ポリ−N−ジ
エチルアニリン、ポリ−p−フェニルアニリン等が挙げ
られる。また、場合によっては、これらのホモポリマ−
のみならず、異なる種類のアニリンないしその誘導体
(モノマ−)を構成単位とするコポリマ−であってもよ
い。
【0076】このようなポリアニリン系化合物は、モノ
マ−であるアニリンないしその誘導体(まとめてアニリ
ン化合物という。)を重合して得られ、重合は、通常、
電解重合法が好ましく用いられる。具体的には、酸性溶
液中での電解重合によって成膜する公知の方法が採用さ
れる。
【0077】このような重合膜は、前記同様、モノマ−
を基体上にて重合して成膜しても、別途重合したポリマ
−を基体上に設層してもよいが、通常は、モノマ−を基
体上にて重合して成膜する方法が好ましく用いられ、以
下のように行なわれる。
【0078】まず、モノマ−を酸性溶液中で電解重合す
る。このときの電解は、定電流電解等であり、透明電極
[In23 (Sn O2 )等]を電極として行なう。ま
た、このような透明電極は成膜される基体上に設層させ
ればよく、このときの通電量は、0.1〜10 mA、好
ましくは、0.5〜2 mAの電流が流れるようにすれば
よい。電解時間は、目的とする膜厚に応じて選択すれば
よいが、通常は1〜2時間とする。また、上記における
酸性溶液は、酸として塩酸等が用いられるものであり、
その濃度は0.5〜2モル/l、好ましくは1モル/l程度
とする。このようにして、基体の透明電極上に所定厚さ
の重合膜が形成される。
【0079】このようにして、成膜したのち、洗浄す
る。このような洗浄は、水洗等によればよく、具体的に
は膜表面をまず水洗いし、その後基体ごと水に浸漬する
などの方法によればよい。これにより、主に膜表面等に
残存するモノマー等の未反応物質や塩酸等の酸が除去さ
れる。このときの水には蒸留水を用いればよく、浸漬時
間は10〜20分程度とする。
【0080】このように洗浄したのち、今度は塩酸を用
いて酸処理を行なう。具体的には、所定濃度(0.01
〜3モル/l、好ましくは0.1〜1モル/l)の塩酸溶液
に基体ごと浸漬するなどすればよい。このときの浸漬時
間は、センサ特性がもっとも良好になるように酸濃度と
の関係を考慮し設定すればよいが、作業性等の点から、
1時間以内とするのがよく、この時間で十分である。ま
た、酸処理には塩酸のほか、硫酸等を用いることができ
る。
【0081】上記のような酸処理を行なうことにより、
検出感度を向上させ、素子ごとのセンサ特性のバラツキ
をなくすことができる。このような効果は、電解条件や
塩酸溶液等の酸溶液の濃度などを一定条件として電解重
合する場合に比べても著しく向上する。
【0082】なお、別途重合したポリマ−を基体上に設
層する方法を採る場合も、設層後上記と同様の方法を採
ることによって重合膜を得ることができる。
【0083】上記のように、基体上に成膜する方法を採
るときに用いる基体は、透明な基体本体に透明電極を設
層したものであることが好ましい。このときの透明電極
層は、その抵抗値が25Ωcm-1程度のものとすればよ
い。
【0084】また、透明電極としては、SnO2 、In
23 、SnO2 (Sb25 )、In23 (SnO
2 )等が挙げられ、なかでもIn23 (SnO2
(ITO)を用いることが好ましい。
【0085】一方、基体本体の材質は、前記の基体の材
質と同様のものとすればよい。透明電極層は、この基体
本体上に、スプレ−法、CVD法、スパタッリング法、
場合によっては有機塩あるいは無機塩の加水分解などに
よって形成すればよいが、これを設層した基体は市販さ
れており、市販品を用いることができる。
【0086】本発明のアミンセンサの1構成例が図1に
示される。
【0087】図1に示される例では、透明な基体11上
に、重合膜であるセンサ膜12が形成されており、一方
透明な基体11の裏面側には、発光素子21と受光素子
31とが設置されており、これらのものがケ−シング4
0内に一体的に収納されている。
【0088】そして、重合膜12は、被検雰囲気と接触
している。
【0089】従って、発光素子21から発光された光を
基体11の裏面から入射し、このときの光の鏡面反射率
をやはり基体11裏面に設けた受光素子31によってと
らえ、反射率の変化から被検化学物質であるアミン化合
物を検知、定量することとなる。
【0090】この場合、発光素子21と受光素子22と
は近接して設置することが好ましく、20°以下、特に
5°以下の鏡面反射による反射を測定することによって
感度が高くなり、素子としてのコンパクト化をはかるこ
とができる。
【0091】本発明における発光素子21の発光する光
の波長は、可視〜赤外域のいずれかの波長である。発光
素子21としては、特に制限はないが、発光ダイオード
(LED)、レーザダイオード(LD)等であることが
好ましい。
【0092】本発明では、発光素子21から発光された
光のセンサ膜への照射は、間けつ的であることが好まし
い。
【0093】照射を間けつ的に行なうことにより、セン
サ膜の温度上昇を抑えることができる。このため、アミ
ン化合物とセンサ膜との結合が熱によって影響されにく
くなり、特に連続的な測定に際しての測定精度が顕著に
向上する。
【0094】照射を間けつ的に行なう際の照射時間に特
に制限はないが、反射率が測定可能な範囲でできるだけ
短く設定することが好ましく、例えば0.01〜100
msec程度である。
【0095】また、照射間隔にも特に制限はないが、セ
ンサ膜の温度上昇を避けるためには、必要とされる測定
間隔を満足する範囲で可能な限り長く設定することが好
ましい。例えば、通常のアミンセンサとして用いる場
合、照射間隔は0.1〜10msec程度である。
【0096】なお、照射が間けつ的に行なわれれば本発
明の効果は実現するため、間けつ的照射を行なう手段等
に特に制限はない。例えば、発光素子への通電を間けつ
的に行なうことにより発光光を直接制御してもよい。ま
た、連続発光光を、チョッパープレート等を介してセン
サ膜に照射するような間接的制御により、間欠的な照射
を行なうこともできる。
【0097】さらに、これらのいずれの方法において
も、照射とその休止とを交互に繰り返すパターンに限ら
ず、照射光強度を変化させるように制御を行なってもよ
い。このような場合も本発明に含まれる。すなわち、本
発明で間けつ的な照射を行なうのは、センサ膜の温度上
昇を抑制するためであるので、このような場合でも本発
明の効果は実現する。
【0098】図2には本発明における光学的センシング
回路の好適例が示される。
【0099】本発明における光学的センシング回路は、
電源回路6、発光部2、センサ部1、受光部3および検
出回路7を有する。このとき、センサ部1は、例えば、
図1に示す構成における基体11およびセンサ膜12の
部分である。
【0100】電源回路6は、発光部の発光時間、発光間
隔、発光強度等を制御でき、照射光の光強度を経時変化
させうる光強度制御回路部を有するものである。図示例
の電源回路6は、発振回路部61と、ドライバ回路部6
3とから成る光強度制御回路部を有し、発振回路部61
の前段の端子81、83間には直流電源が設けられてい
る。この場合、直流電源は、シングルモードでもデュア
ルモードでもよいが、図示例ではシングルモード直流電
源を用い、端子81に接続し、端子83を接地してい
る。なお、電源電圧には特に制限がなく、通常5〜30
ボルト程度とすればよい。
【0101】発振回路部61は、発振器611、トラン
ジスタ613、抵抗器および両極性コンデンサにて構成
され、ドライバ回路部63は、トランジスタ631およ
び抵抗器にて構成される。
【0102】そして、トランジスタ613と631と
は、エミッタとエミッタ間、コレクタとベース間にて接
続されている。なお、トランジスタにかえて、FET等
の各種スウィッチング素子を用いてもよい。
【0103】ドライバ回路部63には発光部2が接続さ
れている。この場合、図示例では発光ダイオード(LE
D)21にて発光部2を構成しているが、このほか、レ
ーザダイオード(LD)等の各種発光素子やこれらを用
いた発光回路等にて構成してもよい。
【0104】このような構成にて、発振器611から発
振信号、例えば矩形状のパルス信号をトランジスタ61
3のベースに印加すると、トランジスタ613のエミッ
タ・コレクタ間には、パルス信号に応じて電流が流れ
る。また、トランジスタ613のオン・オフに伴なっ
て、トランジスタ631のベースには、トランジスタ6
13とは反対のパルス信号が印加される。すなわち、ト
ランジスタ631と613は、互いにオン、オフ動作が
逆になる。そして、発光部2およびトランジスタ631
のエミッタ・コレクタ間にほぼ矩形状のパルス電流が流
れ、発光部2は、パルス電流によって、間けつ的に発光
する。
【0105】図3には、発光部2、すなわち発光ダイオ
ード21の電圧の時間変化が示される。図中、電圧が降
下している時間t0 〜t1 に電流が流れ、発光ダイオー
ド21が発光し、センサ部1への間けつ照射が行なわれ
る。なお、上記のとおり、照射とその休止とを交互に繰
り返す間欠照射に限らず、照射光強度が経時変化するよ
うに制御を行なってもよい。このような場合も本発明に
含まれる。ただし、センサ部1のセンサ膜の温度上昇を
より一層防止でき、しかも制御が容易である点で前記の
とおり、間けつ的に光照射を行なうことが好ましい。
【0106】また、本発明では、この他、上記のとお
り、連続発光光を、チョッパープレート等を介してセン
サ部1に照射するような間接的制御により、間けつ的な
照射を行なうこともでき、各種の光強度制御手段の形態
が可能である。
【0107】検出回路7には、受光部3が接続されてい
る。受光部3は、フォトトランジスタ31にて構成され
ているが、これに限定されるものではなく、このほか、
フォトダイオード等の各種受光素子やこれらを用いた受
光回路等にて構成してもよい。なお、前記の発光部2お
よび受光部3は、受光発光素子等を用いて一体的に構成
してもよい。
【0108】また、本発明では、図9に示されるよう
に、受光部2とセンサ部1および受光部3とセンサ部1
は、それぞれ、光ファイバ55にて光学的に連結させる
こともできる。このような構成とすることにより、発光
部2および受光部3とセンサ部1とを分離して配置する
ことが可能となる。
【0109】このため、測定空間にはセンサ部1だけを
配置することができ、また、センサ部1と発光部2およ
び受光部3との間の情報伝達は光により行なわれるた
め、強電界下や電気的ノイズの発生が多い条件下におい
ても信頼性の高い測定が可能である。また、このため、
可燃性ガス中において使用された場合でも、発火や爆発
の危険性がない。
【0110】検出回路7は、交流成分検出回路部71、
増幅回路部73、出力レベルシフト回路部75および平
滑回路部77を順次有する。
【0111】交流成分検出回路部71は、次段の増幅回
路部73にて反射光の光強度に対応する信号、すなわち
発光部3の電圧減少量を増幅させる際、直流成分によっ
て、トランジスタ731がオン状態になるのを防止する
ために設けられる。交流成分検出回路部71は、直列結
合した両極性コンデンサ711と、抵抗器713とで構
成されている。
【0112】また、増幅回路部73は、トランジスタ7
31と抵抗器とで構成され、トランジスタ731をエミ
ッタ接地した反転増幅回路を形成している。この場合、
前記交流成分検出回路部71の出力端は、トランジスタ
731のベースに接続している。なお、増幅回路部73
は、このほか、正相増幅回路や、これらを組み合わせた
多段式のものであってもよい。出力レベルシフト回路部
75は、前段の増幅回路部73にて増幅された出力電圧
をそのまま平滑化した場合、プラス側の電圧とマイナス
側の電圧とが打ち消し合って零になるのを防止するため
に設けられる。
【0113】出力レベルシフト回路部75は、両極性コ
ンデンサ751と、ダイオード753とで構成され、前
記トランジスタ731のコレクタと、コンデンサ751
とが接続している。そして、コンデンサ751の他端に
は、ダイオード753が接続され、ダイオード753の
他端は、接地されている。
【0114】平滑回路部77は、抵抗器および両極性コ
ンデンサ771で構成される第1の積分回路と、抵抗器
および両極性コンデンサ773で構成される第2の積分
回路とを有し、第2の積分回路の後段に、コンデンサ7
73と並列に抵抗器を接続して構成される。
【0115】なお、図示例の2段式の構成のほか、1段
式あるいは3段式以上の構成としてもよいが、より一層
平滑化された出力が得られる点で2段式以上が好まし
い。このような構成にて、光照射によりセンサ部1から
反射した光は、受光部3に入射し、反射光の光強度に応
じた電流が受光部3に流れる。この結果、受光部3の電
圧すなわち、フォトトランジスタ31のコレクタ・エミ
ッタ間の電圧は、反射光の光強度に応じて減少する。
【0116】図4には、フォトトランジスタ31のコレ
クタ・エミッタ間の電圧の時間変化が示される。
【0117】図中、前記発光ダイオード21に流れる電
流が零になる時間t1 にて、電圧値がもとにもどらない
のは、発光ダイオード21が残留発光しているためであ
る。
【0118】交流成分検出回路部71では、コンデンサ
711により、直流成分がカットされ、交流成分のみが
取り出される。この結果、端子91、83間の出力電圧
は、図5に示されるように、下側(低電圧側)にシフト
する。
【0119】反転増幅回路にて構成される増幅回路部7
3では入力電圧を反転増幅する。
【0120】端子91、83間の出力電圧は、図6に示
されるような波形となる。出力レベルシフト回路部75
では、コンデンサ751およびダイオード753によっ
て、構成されるクランプ回路により、最も小さい電圧が
零となるように電圧値をシフトさせる。この結果、端子
95、83間の出力電圧は、図7に示されるように上側
(高電圧側)にシフトする。
【0121】平滑回路部77では、チャージをコンデン
サ771へ一度充電した後、放電し、さらにコンデンサ
773でも同様に充放電して出力する。この結果、図7
に示されるパルス状の電圧波形が平滑化し、端子97、
83間の出力電圧は、図8に示されるように、ほぼ直線
状の安定したものになる。
【0122】なお、検出回路7の各回路部71、73、
75および77は、それぞれ、図示例に限定されるもの
ではなく、これらと電気回路的に等価なものや、前述し
たものと同様の作用が実現するものであればよい。検出
回路7の平滑回路部77の後段には、通常、図2に示さ
れるように増幅回路部78が形成されている。増幅回路
部78の構成には特に制限がなく、公知の増幅器781
を用いる構成とすればよい。
【0123】また、増幅回路部78の後段には、通常、
ゼロ調整のため、図示されるように出力用回路部79が
形成されている。出力用回路部79の構成には特に制限
がなく、公知の構成とすればよい。このような構成にて
最終的な出力電圧が端子85、87から得られる。
【0124】このような検出回路では、パルス発光によ
って経時的に変動する受光素子の出力電圧は、検出回路
にて平滑化され、受光素子の電圧減少量の平均値、すな
わち反射光の強度の平均値に比例した出力電圧に変換さ
れる。このため、安定した出力が得られる。
【0125】これに対し、連続的にセンシングを行なう
場合には、例えば、発光素子をパルス電圧で発光させ
て、センサ部への光照射を間欠的に行なう際の、パルス
発光に起因する出力変化、ノイズ等が除去でき、出力が
安定する。
【0126】この場合、パルス電圧を印加するための発
振回路からの信号を利用したサンプルホールド回路を設
け、出力の安定化を図ることも考えられるが、同期が常
に安定しているとは限らないため、出力には、同期のタ
イミングのずれ等に起因するバラツキが生じる。加えて
回路が複雑になるため、量産上不利であり、コストも上
昇する。
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 0.5Mアニリンの1.0M HCl水溶液に5cm角の
電導性ガラス(ITOガラス)を入れ、0.5mAで2時
間かけてポリアニリン薄膜を成膜した。 このものを水
洗した後70℃で30分乾燥してセンサ膜とした。この
ときの乾燥膜厚は、約1500A であった。
【0127】これを用いて図1、図2および図9に示さ
れる構成のアミンセンサを組立てた。これをセンサNo.
1とする。
【0128】重合膜が形成されたガラス基体を、長さ5
0cm、 直径3mm の光ファイバ(三菱レイヨン製エスカC
K−120)の一方の端面に、アクリル系接着剤により
接着した。また、光ファイバの他方の端面は、鏡面加工
を施した板に押し付けて加熱することにより直径4mmと
し、同時に平滑化した。この他方の端面に、発光部2の
発光ダイオ−ド21(発光光の波長910nm)および受
光部3のフォトトランジスタ31を、アクリル系接着剤
により接着した。
【0129】次に、比較のため、センサNo. 1におい
て、交流成分検出回路部71、増幅回路部73、出力レ
ベルシフト回路部75および平滑回路部77を有しない
化学的センシング回路やサンプルホ−ルド回路を設けた
光学的センシング回路を用いたほかは同様のセンサNo.
2を組立てた。
【0130】センサNo. 1、No. 2を用い、発光ダイオ
−ドを、発光時間0.1msec、発光間隔0.9msecにて
作動させ、トリメチルアミンガス濃度を0付近から10
4 ppm まで変化させて連続測定を行なった。
【0131】本発明のセンサNo. 1について、トリメチ
ルアミンガス濃度とセンサの出力差との関係を図10に
示す。
【0132】この結果から測定の濃度範囲が広いことが
わかる。また再現性も良好であった。
【0133】本発明のセンサNo. 1にて検出された出力
電圧は安定していたのに対し、センサNo. 2にて検出さ
れた出力電圧は、センサNo. 1に比べてバラツキが大き
かった。
【0134】さらに、比較のために、センサNo. 1にお
いて、発光素子を連続発光させた他は上記と同様にして
トリメチルアミンガス濃度を測定した。
【0135】間けつ照射の場合のセンサの出力電圧の変
化はほとんどなかったが、連続照射の場合、センサの出
力電圧は10%減少した。
【0136】実施例2 実施例1のセンサNo. 1において、センサ膜を以下のよ
うにかえて作製するほかは同様にしてセンサNo. 3を組
立てた。
【0137】センサ膜の作製 0.5Mアニリンの1.0M HC1水溶液に5cm角の
電導性ガラス(ITOガラス)を入れ、0.5mAで2時
間かけてポリアニリン薄膜を成膜した。この表面を水洗
した後蒸留水中に20分間浸して洗浄した。その後0.
1mol/1 塩酸中にこれを10分間浸漬して塩酸を膜中に
導入し、乾燥してセンサ膜(乾燥膜厚1500A 程度)
とした。
【0138】センサNo. 3を用い、実施例1と同様に、
発光ダイオードを、発光時間0.1msec、発光間隔0.
9msecにて作動させ、トリメチルアミンガス濃度を0付
近から104 ppm まで変化させて連続測定を行なった。
【0139】なお、センサNo. 1、No. 3については、
各々、100個ずつ組立て上記の測定を行なった。
【0140】センサNo. 3におけるトリメチルアミンガ
ス濃度とセンサの出力差との関係を実施例1のセンサN
o. 1とともに図10に示す。
【0141】センサNo. 1、No. 3ともに、図10にそ
れぞれに示されるような関係を良好に再現したが、図1
0から明らかなように、センサNo. 3の方がセンサNo.
1に比べて感度が高いことがわかる。また、100個の
素子についてそれぞれ測定したところ、センサNo. 3で
はセンサNo. 1に比べて、素子ごとの性能のバラツキが
少なく、この点で改善されることがわかった。
【0142】実施例3 実施例2のセンサNo. 3において、被検化学物質をトリ
メチルアミンガスからトリエチルアミンガスにかえるほ
かは同様の操作を行なった。このときのトリエチルアミ
ンガス濃度とセンサの出力差との関係を図11に示す。
【0143】この結果からトリエチルアミンガスの場合
と同様に、測定の濃度範囲が広いことがわかる。また、
再現性も良好であり、素子ごとの性能のバラツキも少な
くなかった。
【0144】これらの結果から、本発明の効果が明らか
である。
【0145】
【発明の効果】本発明のアミンセンサでは、用いる重合
膜は、一般に単層膜として設層すればよいので、きわめ
て均一かつ均質な薄膜が得られ、センサとしての応答が
速く、反射率を高く安定に保てるので検出精度がきわめ
て高い。
【0146】さらには、測定できるアミン化合物の濃度
範囲も広く、その再現性も良好である。
【0147】また、ポリアニリン系化合物を主成分とす
る重合膜では、酸処理を行なうことにより、さらに高感
度とすることができ、かつ特性を安定にすることができ
る。そして、信頼性、耐久性に優れる。
【0148】本発明では、また、センサ部へ、光強度を
経時変化させながら光を照射、特に光を間けつ的に照射
することが好ましい。このとき、センサ部のセンサ膜の
温度上昇が抑えられ、精度よく連続的な測定を行なうこ
とができる。加えて、素子構成がきわめて簡単でコンパ
クトであり、その製造も容易である。さらに、基体裏面
側からの検出が可能となり、また、電圧がセンサ膜に加
わるなど、電気的作用が全くないため、劣化が少なく連
続使用に耐える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアミンセンサの断面図である。
【図2】本発明のアミンセンサの光学的センシング回路
の1例が示される回路図である。
【図3】図2における発光ダイオ−ド21の電圧の経時
変化が示される電圧波形のグラフである。
【図4】図2におけるフォトトランジスタ31のコレク
タ・エミッタ間の電圧の経時変化が示される電圧波形の
グラフである。
【図5】図2における端子91、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図6】図2における端子93、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図7】図2における端子95、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図8】図2における端子97、83間の電圧の経時変
化が示される電圧波形のグラフである。
【図9】本発明における光学的センシング回路のセンサ
部と発光部、センサ部と受光部の光学的連結方法の1例
が示される側面図である。
【図10】アミンセンサNo. 1、No. 3をそれぞれ用い
て測定したときのトリメチルアミン濃度と出力差との関
係をそれぞれ示すグラフである。
【図11】アミンセンサNo. 3を用いて測定したときの
トリエチルアミン濃度と出力差との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 センサ部 11 基体 12 センサ膜 2 発光部 21 発光素子 3 受光部 31 受光素子 40 ケーシング 6 電源回路 61 発振回路部 611 発振器 63 ドライバ回路部 613、631、731 トランジスタ 7 検出回路 71 交流成分検出回路部 711、751、771、773 両極性コンデンサ 713 抵抗器 73、78 増幅回路部 75 出力レベルシフト回路部 753 ダイオード 77 平滑回路部 781 増幅器 79 出力用回路部 81、83、85、87、91、93、95、97 端

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、この基体上に設層した導電性ポ
    リマーを主成分とする重合膜とを有し、 この重合膜がアミン化合物と接触したとき、前記重合膜
    の光反射率が変化するように構成したことを特徴とする
    アミンセンサ。
  2. 【請求項2】 さらに発光素子と受光素子とを有し、 前記重合膜の基体をとおしての光反射率変化を前記受光
    素子によって検出し、前記アミン化合物を検知、定量す
    るように構成した請求項1に記載のアミンセンサ。
  3. 【請求項3】 前記重合膜は、さらにドーパントを含有
    する請求項1または2に記載のアミンセンサ。
  4. 【請求項4】 前記導電性ポリマーが、ポリアニリン系
    化合物である請求項1ないし3のいずれかに記載のアミ
    ンセンサ。
  5. 【請求項5】 前記ポリアニリン系化合物を主成分とす
    る重合膜は、成膜したのち、洗浄し、酸処理して得られ
    たものである請求項4に記載のアミンセンサ。
  6. 【請求項6】 前記成膜は、酸性溶液中におけるアニリ
    ン化合物の電解重合によって行ない、前記酸処理は、酸
    溶液への浸漬によって行なう請求項5に記載のアミンセ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 前記発光素子から発光された光を間けつ
    的に照射する請求項2ないし6のいずれかに記載のアミ
    ンセンサ。
  8. 【請求項8】 前記受光素子に検出回路が接続されてお
    り、この検出回路が、交流成分検出回路部と、増幅回路
    部と、出力レベルシルト回路部と、平滑回路部とを有
    し、 さらに、光強度制御手段を有し、この光強度制御手段に
    て光強度を経時的に変化させながら、発光素子から前記
    重合膜に光を照射し、重合膜からの反射光を受光素子に
    入射させ、この反射光の光強度に対応する電気的信号を
    前記検出回路にて平滑化して検出する請求項2ないし7
    のいずれかに記載のアミンセンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6096267A (en) * 1997-02-28 2000-08-01 Extraction Systems, Inc. System for detecting base contaminants in air
US6855557B2 (en) 1999-01-14 2005-02-15 Extraction Systems, Inc. Detection of base contaminants in gas samples

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