JPH0559545A - 平板マグネトロンスパツタリング方法 - Google Patents
平板マグネトロンスパツタリング方法Info
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- JPH0559545A JPH0559545A JP24021391A JP24021391A JPH0559545A JP H0559545 A JPH0559545 A JP H0559545A JP 24021391 A JP24021391 A JP 24021391A JP 24021391 A JP24021391 A JP 24021391A JP H0559545 A JPH0559545 A JP H0559545A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸化物超電導体薄膜をスパッタリングで作製
する際に、基板ホルダ−とシャッタ−をタ−ゲットと同
じ材質にすることによって基板上の膜に不純物が混入し
ないようにする。 【構成】 超電導体タ−ゲット14と基板ホルダ−36
の間にシャッタ−32を配置する。基板ホルダ−36と
シャッタ−32はタ−ゲット14と同じ材質で作る。基
板ホルダ−36やシャッタ−32が、タ−ゲット14の
エロ−ジョン領域Aから飛来する酸素負イオンの衝撃を
受けても、そこから飛散する粒子は膜に対して不純物と
ならない。また、基板38をタ−ゲット14のスパッタ
リングされない中央部分に対向して配置することによ
り、基板38はエロ−ジョン領域Aから飛来する酸素負
イオンの衝撃を受けない。
する際に、基板ホルダ−とシャッタ−をタ−ゲットと同
じ材質にすることによって基板上の膜に不純物が混入し
ないようにする。 【構成】 超電導体タ−ゲット14と基板ホルダ−36
の間にシャッタ−32を配置する。基板ホルダ−36と
シャッタ−32はタ−ゲット14と同じ材質で作る。基
板ホルダ−36やシャッタ−32が、タ−ゲット14の
エロ−ジョン領域Aから飛来する酸素負イオンの衝撃を
受けても、そこから飛散する粒子は膜に対して不純物と
ならない。また、基板38をタ−ゲット14のスパッタ
リングされない中央部分に対向して配置することによ
り、基板38はエロ−ジョン領域Aから飛来する酸素負
イオンの衝撃を受けない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板ホルダ−およびシ
ャッタ−の材質を改良した平板マグネトロンスパッタリ
ング方法に関する。
ャッタ−の材質を改良した平板マグネトロンスパッタリ
ング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Y系やBi系などの酸化物超電導体の薄
膜作製には、量産性に優れて操作性の容易な平板マグネ
トロンスパッタリング装置が主に用いられている。図3
は従来の平板マグネトロンスパッタリング装置の正面断
面図である。真空容器2は排気系4で排気される。ガス
導入系6はガスボンベ8と流量調節弁10とからなる。
この従来例では1系統のガス導入系を使用しているが、
反応性スパッタリングを行なう場合など、必要に応じて
多系統のガス導入系を用いた装置もある。タ−ゲット電
極(カソ−ド)12は、タ−ゲット14と、これを保持
するタ−ゲットホルダ−16で構成される。タ−ゲット
ホルダ−16の内部にはヨ−ク18に固定された磁石2
0が収容されている。タ−ゲット14と磁石20はタ−
ゲットホルダ−16内を流れる冷却水22によって冷却
される。タ−ゲット電極12の周囲には絶縁材26を介
してタ−ゲットシ−ルド24が配置されている。タ−ゲ
ット電極12には電力供給手段28が接続されている。
電力供給手段28は、直流電源を用いるか、あるいはイ
ンピ−ダンス整合器と高周波電源との組み合わせを用い
る。
膜作製には、量産性に優れて操作性の容易な平板マグネ
トロンスパッタリング装置が主に用いられている。図3
は従来の平板マグネトロンスパッタリング装置の正面断
面図である。真空容器2は排気系4で排気される。ガス
導入系6はガスボンベ8と流量調節弁10とからなる。
この従来例では1系統のガス導入系を使用しているが、
反応性スパッタリングを行なう場合など、必要に応じて
多系統のガス導入系を用いた装置もある。タ−ゲット電
極(カソ−ド)12は、タ−ゲット14と、これを保持
するタ−ゲットホルダ−16で構成される。タ−ゲット
ホルダ−16の内部にはヨ−ク18に固定された磁石2
0が収容されている。タ−ゲット14と磁石20はタ−
ゲットホルダ−16内を流れる冷却水22によって冷却
される。タ−ゲット電極12の周囲には絶縁材26を介
してタ−ゲットシ−ルド24が配置されている。タ−ゲ
ット電極12には電力供給手段28が接続されている。
電力供給手段28は、直流電源を用いるか、あるいはイ
ンピ−ダンス整合器と高周波電源との組み合わせを用い
る。
【0003】電力供給手段28からの電力をタ−ゲット
電極12に供給すると真空容器2内にプラズマ30が発
生する。プラズマ中の正イオンはタ−ゲット14の表面
を衝撃してタ−ゲットをスパッタリングする。プラズマ
30は、タ−ゲット14の背面の磁石20の作用によっ
てタ−ゲット14の表面近傍のマグネトロン領域に収束
される。したがって、この領域に面する部分のタ−ゲッ
ト表面がスパッタリングされる。シャッタ−32を開け
ることにより、スパッタリングされたタ−ゲット粒子は
基板ホルダ−36に取り付けられた基板38の表面上に
膜となって堆積する。基板ホルダ−36の内部には基板
を加熱するためのヒ−タ34が設けられている。基板ホ
ルダ−36は通常は接地電位またはフロ−ティング電位
である。装置によっては基板ホルダ−36に任意の電圧
を印加できるようにしたものもある。
電極12に供給すると真空容器2内にプラズマ30が発
生する。プラズマ中の正イオンはタ−ゲット14の表面
を衝撃してタ−ゲットをスパッタリングする。プラズマ
30は、タ−ゲット14の背面の磁石20の作用によっ
てタ−ゲット14の表面近傍のマグネトロン領域に収束
される。したがって、この領域に面する部分のタ−ゲッ
ト表面がスパッタリングされる。シャッタ−32を開け
ることにより、スパッタリングされたタ−ゲット粒子は
基板ホルダ−36に取り付けられた基板38の表面上に
膜となって堆積する。基板ホルダ−36の内部には基板
を加熱するためのヒ−タ34が設けられている。基板ホ
ルダ−36は通常は接地電位またはフロ−ティング電位
である。装置によっては基板ホルダ−36に任意の電圧
を印加できるようにしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Y−Ba−Cu−O系
やBi−Sr−Ca−Cu−O系に代表される酸化物超
電導体のスパッタリングによる薄膜作製においては、酸
化物超電導体のタ−ゲットから2次イオンとして酸素負
イオンが放出される。この酸素負イオンはカソ−ドシ−
ス内の電界により加速され、タ−ゲットに対面するシャ
ッタ−や基板ホルダ−あるいは基板の表面を衝撃する。
図3に示したような従来の平板マグネトロンスパッタリ
ング装置では、タ−ゲットがスパッタリングされる領域
(エロ−ジョン領域)は、マグネトロン領域に形成され
るプラズマ30に面した部分であり、そして、シャッタ
−や基板ホルダ−あるいは基板が酸素負イオンの衝撃を
受ける部分はこのエロ−ジョン領域に対面する部分にほ
ぼ等しい。これらの部分では酸素負イオンの衝撃によっ
てシャッタ−や基板ホルダ−あるいは基板そのものがス
パッタリングされる。従来の装置では基板ホルダ−やシ
ャッタ−はステンレス鋼などでできており、また基板は
MgOやSrTiO3などでできている。そのため、そ
れらからスパッタリングされた粒子は不純物として直接
膜中に取り込まれたり、タ−ゲット表面に付着して再び
スパッタリングされて膜中に取り込まれたりする。この
様にして取り込まれる不純物は、形成された超電導薄膜
の臨界温度の低下や結晶欠陥などを引き起こし、膜特性
の劣化の原因となる。また、基板上に堆積した膜が酸素
負イオンによる衝撃を受けて再スパッタリングされる
と、膜の組成比が変化したり、膜がダメ−ジを受けたり
する。
やBi−Sr−Ca−Cu−O系に代表される酸化物超
電導体のスパッタリングによる薄膜作製においては、酸
化物超電導体のタ−ゲットから2次イオンとして酸素負
イオンが放出される。この酸素負イオンはカソ−ドシ−
ス内の電界により加速され、タ−ゲットに対面するシャ
ッタ−や基板ホルダ−あるいは基板の表面を衝撃する。
図3に示したような従来の平板マグネトロンスパッタリ
ング装置では、タ−ゲットがスパッタリングされる領域
(エロ−ジョン領域)は、マグネトロン領域に形成され
るプラズマ30に面した部分であり、そして、シャッタ
−や基板ホルダ−あるいは基板が酸素負イオンの衝撃を
受ける部分はこのエロ−ジョン領域に対面する部分にほ
ぼ等しい。これらの部分では酸素負イオンの衝撃によっ
てシャッタ−や基板ホルダ−あるいは基板そのものがス
パッタリングされる。従来の装置では基板ホルダ−やシ
ャッタ−はステンレス鋼などでできており、また基板は
MgOやSrTiO3などでできている。そのため、そ
れらからスパッタリングされた粒子は不純物として直接
膜中に取り込まれたり、タ−ゲット表面に付着して再び
スパッタリングされて膜中に取り込まれたりする。この
様にして取り込まれる不純物は、形成された超電導薄膜
の臨界温度の低下や結晶欠陥などを引き起こし、膜特性
の劣化の原因となる。また、基板上に堆積した膜が酸素
負イオンによる衝撃を受けて再スパッタリングされる
と、膜の組成比が変化したり、膜がダメ−ジを受けたり
する。
【0005】本発明の目的は、基板ホルダ−やシャッタ
−に起因する不純物が基板上の膜中に混入しない平板マ
グネトロンスパッタリング方法を提供することである。
−に起因する不純物が基板上の膜中に混入しない平板マ
グネトロンスパッタリング方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る平板マグネトロンスパッタリング方
法では、シャッタ−と基板ホルダ−の材質を改良してい
る。すなわち、シャッタ−の少なくともタ−ゲットのス
パッタリング領域に対面する表面部分を、基板上に堆積
すべき膜に含まれる元素のみからなる材質で形成し、基
板ホルダ−の少なくともタ−ゲットのスパッタリング領
域に対面する表面部分も、基板上に堆積すべき膜に含ま
れる元素のみからなる材質で形成している。
めに、本発明に係る平板マグネトロンスパッタリング方
法では、シャッタ−と基板ホルダ−の材質を改良してい
る。すなわち、シャッタ−の少なくともタ−ゲットのス
パッタリング領域に対面する表面部分を、基板上に堆積
すべき膜に含まれる元素のみからなる材質で形成し、基
板ホルダ−の少なくともタ−ゲットのスパッタリング領
域に対面する表面部分も、基板上に堆積すべき膜に含ま
れる元素のみからなる材質で形成している。
【0007】「基板上に堆積すべき膜に含まれる元素の
みからなる材質」(以下、特定材質と呼ぶ。)としては
次のような材質を含む。まず、堆積すべき膜と同じ材質
のタ−ゲットを用いるスパッタリング方法では、タ−ゲ
ットと同じ材質か、あるいはタ−ゲットに含まれる元素
のすべてあるいは一部のみからなる材質が該当する。た
とえば、Y−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体薄膜を
作製する際に、堆積すべき膜と同じ組成比を有するY−
Ba−Cu−O系のタ−ゲットを使う場合を考えると、
このタ−ゲットと同じ材質で基板ホルダ−やシャッタ−
を作ることができる。あるいは、基板上の堆積膜とタ−
ゲットとの間で組成比がずれることを考慮して、タ−ゲ
ットとは組成比の異なるY−Ba−Cu−O系の物質で
基板ホルダ−やシャッタ−を作ることもできる。
みからなる材質」(以下、特定材質と呼ぶ。)としては
次のような材質を含む。まず、堆積すべき膜と同じ材質
のタ−ゲットを用いるスパッタリング方法では、タ−ゲ
ットと同じ材質か、あるいはタ−ゲットに含まれる元素
のすべてあるいは一部のみからなる材質が該当する。た
とえば、Y−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体薄膜を
作製する際に、堆積すべき膜と同じ組成比を有するY−
Ba−Cu−O系のタ−ゲットを使う場合を考えると、
このタ−ゲットと同じ材質で基板ホルダ−やシャッタ−
を作ることができる。あるいは、基板上の堆積膜とタ−
ゲットとの間で組成比がずれることを考慮して、タ−ゲ
ットとは組成比の異なるY−Ba−Cu−O系の物質で
基板ホルダ−やシャッタ−を作ることもできる。
【0008】さらに、堆積すべき膜とは異なる材質のタ
−ゲットを用いるスパッタリング方法(すなわち反応性
ガスを導入してタ−ゲットをスパッタリングする方法)
では、上述の特定材質として、反応性ガスに含まれる元
素およびタ−ゲットに含まれる元素のすべてあるいは一
部のみからなる材質を用いることができる。
−ゲットを用いるスパッタリング方法(すなわち反応性
ガスを導入してタ−ゲットをスパッタリングする方法)
では、上述の特定材質として、反応性ガスに含まれる元
素およびタ−ゲットに含まれる元素のすべてあるいは一
部のみからなる材質を用いることができる。
【0009】また、シャッタ−と基板ホルダ−は、その
全体を上記特定材質で作る必要はなく、タ−ゲットに対
面する側の表面にだけ特定材質の被覆層を形成してもよ
い。
全体を上記特定材質で作る必要はなく、タ−ゲットに対
面する側の表面にだけ特定材質の被覆層を形成してもよ
い。
【0010】上述のように基板ホルダ−とシャッタ−の
材質を改良することに加えて、基板の配置位置をも特定
することが好ましい。すなわち、スパッタリングされな
いタ−ゲット中央部分の領域よりも寸法の小さい基板を
タ−ゲット中央部分に対向して配置する。
材質を改良することに加えて、基板の配置位置をも特定
することが好ましい。すなわち、スパッタリングされな
いタ−ゲット中央部分の領域よりも寸法の小さい基板を
タ−ゲット中央部分に対向して配置する。
【0011】
【作用】上記のように、シャッタ−および基板ホルダ−
の少なくともタ−ゲットのスパッタリング領域に対面す
る表面部分を特定材質で形成することにより、シャッタ
−や基板ホルダ−が酸素負イオンに衝撃されてそのスパ
ッタリングされた粒子が基板上の膜中に混入しても、こ
の混入粒子は膜の構成元素のみからなるので、不純物と
はならない。また、基板の寸法を、スパッタリングされ
ないタ−ゲット中央部分の領域より小さくして、この中
央部分に対向して基板を配置することにより、タ−ゲッ
トのスパッタリング領域から放出される酸素負イオンの
衝撃による基板自体のスパッタリングや基板上の膜の再
スパッタリングが生じなくなる。
の少なくともタ−ゲットのスパッタリング領域に対面す
る表面部分を特定材質で形成することにより、シャッタ
−や基板ホルダ−が酸素負イオンに衝撃されてそのスパ
ッタリングされた粒子が基板上の膜中に混入しても、こ
の混入粒子は膜の構成元素のみからなるので、不純物と
はならない。また、基板の寸法を、スパッタリングされ
ないタ−ゲット中央部分の領域より小さくして、この中
央部分に対向して基板を配置することにより、タ−ゲッ
トのスパッタリング領域から放出される酸素負イオンの
衝撃による基板自体のスパッタリングや基板上の膜の再
スパッタリングが生じなくなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。以下の各図において、同一の要素には同一の
符号を付し、また真空容器及びガス導入系、排気系、電
力供給系等の装置構成については、図3に示した従来の
装置と同様であるので、それらの図示及び説明を省略す
る。
説明する。以下の各図において、同一の要素には同一の
符号を付し、また真空容器及びガス導入系、排気系、電
力供給系等の装置構成については、図3に示した従来の
装置と同様であるので、それらの図示及び説明を省略す
る。
【0013】図1は、本発明のスパッタリング方法を実
施するためのスパッタリング装置の一例を示す正面断面
図であって、真空容器内部の構成だけを示してある。酸
化物超電導体のタ−ゲット14と基板ホルダ−36との
間にはシャッタ−32が配置される。この実施例では、
基板ホルダ−36とシャッタ−32はタ−ゲット14と
同じ材質で作られている。タ−ゲット14がスパッタリ
ングされる領域すなわちエロ−ジョン領域Aからは、ス
パッタリングされた粒子と共に酸素負イオンが放出され
る。酸素負イオンは、カソ−ドシ−スの電界に加速され
てタ−ゲット表面に対してほぼ垂直に飛んで行き、その
飛行領域40は一点鎖線の内部の範囲となる。酸素負イ
オンは、実際は、タ−ゲットから放出されるときにタ−
ゲット表面に平行な成分をある程度もっているので、酸
素負イオンが飛行する領域40は図のようにタ−ゲット
14から離れるにしたがって多少広がる。領域Bはシャ
ッタ−32が酸素負イオンの衝撃を受ける部分である。
領域Cは基板ホルダ−36が酸素負イオンの衝撃を受け
る部分である。この実施例では、基板ホルダ−36とシ
ャッタ−32をタ−ゲット32と同じ材質で形成してあ
るので、領域BやCが酸素負イオンの衝撃によりスパッ
タリングされてそのスパッタリングされた粒子が基板3
8上の膜に混入しても、不純物とはならない。
施するためのスパッタリング装置の一例を示す正面断面
図であって、真空容器内部の構成だけを示してある。酸
化物超電導体のタ−ゲット14と基板ホルダ−36との
間にはシャッタ−32が配置される。この実施例では、
基板ホルダ−36とシャッタ−32はタ−ゲット14と
同じ材質で作られている。タ−ゲット14がスパッタリ
ングされる領域すなわちエロ−ジョン領域Aからは、ス
パッタリングされた粒子と共に酸素負イオンが放出され
る。酸素負イオンは、カソ−ドシ−スの電界に加速され
てタ−ゲット表面に対してほぼ垂直に飛んで行き、その
飛行領域40は一点鎖線の内部の範囲となる。酸素負イ
オンは、実際は、タ−ゲットから放出されるときにタ−
ゲット表面に平行な成分をある程度もっているので、酸
素負イオンが飛行する領域40は図のようにタ−ゲット
14から離れるにしたがって多少広がる。領域Bはシャ
ッタ−32が酸素負イオンの衝撃を受ける部分である。
領域Cは基板ホルダ−36が酸素負イオンの衝撃を受け
る部分である。この実施例では、基板ホルダ−36とシ
ャッタ−32をタ−ゲット32と同じ材質で形成してあ
るので、領域BやCが酸素負イオンの衝撃によりスパッ
タリングされてそのスパッタリングされた粒子が基板3
8上の膜に混入しても、不純物とはならない。
【0014】基板38は、タ−ゲット14のスパッタリ
ングされない中央部分に対向して配置している。そし
て、基板38の直径はこの中央部分の直径より小さくし
てある。これにより、基板38は酸素負イオンからの衝
撃を受けることがない。酸化物超電導体薄膜を作製する
場合に、基板上の膜が酸素負イオンに衝撃されると、組
成比のずれなどの悪影響が生じることが知られている
が、この実施例のように基板を配置すると、このような
悪影響をも避けることができる。
ングされない中央部分に対向して配置している。そし
て、基板38の直径はこの中央部分の直径より小さくし
てある。これにより、基板38は酸素負イオンからの衝
撃を受けることがない。酸化物超電導体薄膜を作製する
場合に、基板上の膜が酸素負イオンに衝撃されると、組
成比のずれなどの悪影響が生じることが知られている
が、この実施例のように基板を配置すると、このような
悪影響をも避けることができる。
【0015】この実施例は、円形タ−ゲットに関するも
のであり、タ−ゲット14、シャッタ−32、基板ホル
ダ−36、基板38はすべて円形である。したがって、
領域A、B、Cはすべて環状になっている。なお、矩形
タ−ゲットを利用する平板マグネトロンスパッタリング
装置においても本発明を適用できるのはもちろんであ
る。
のであり、タ−ゲット14、シャッタ−32、基板ホル
ダ−36、基板38はすべて円形である。したがって、
領域A、B、Cはすべて環状になっている。なお、矩形
タ−ゲットを利用する平板マグネトロンスパッタリング
装置においても本発明を適用できるのはもちろんであ
る。
【0016】図2は、本発明の別の実施例を示す。この
実施例では、基板ホルダ−36のタ−ゲット14に対面
する側の表面に、タ−ゲットと同じ材質の被覆層37を
形成してある。基板ホルダ−36の本体はステンレス鋼
でできている。シャッタ−32についても同様に、タ−
ゲット14に対面する側の表面に、タ−ゲットと同じ材
質の被覆層33を形成してある。シャッタ−32の本体
はステンレス鋼でできている。このように構成すること
によって、図1の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
実施例では、基板ホルダ−36のタ−ゲット14に対面
する側の表面に、タ−ゲットと同じ材質の被覆層37を
形成してある。基板ホルダ−36の本体はステンレス鋼
でできている。シャッタ−32についても同様に、タ−
ゲット14に対面する側の表面に、タ−ゲットと同じ材
質の被覆層33を形成してある。シャッタ−32の本体
はステンレス鋼でできている。このように構成すること
によって、図1の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0017】図2では、基板ホルダ−36およびシャッ
タ−32のタ−ゲット14に対面する側の全面に被覆層
37、33を形成してあるが、領域B、Cだけに被覆層
37、33を形成してもよい。
タ−32のタ−ゲット14に対面する側の全面に被覆層
37、33を形成してあるが、領域B、Cだけに被覆層
37、33を形成してもよい。
【0018】被覆層37、33を形成する方法として
は、(1)タ−ゲットと同じ材質を揮発性の溶媒に溶か
して基板ホルダ−36およびシャッタ−32に塗布し、
熱処理を行って形成する。(2)真空蒸着法により形成
する。などの方法がある。なお、被覆層37、33は酸
素負イオンによるスパッタリングによって徐々に薄くな
っていくので、必要に応じて繰り返し形成する必要があ
る。
は、(1)タ−ゲットと同じ材質を揮発性の溶媒に溶か
して基板ホルダ−36およびシャッタ−32に塗布し、
熱処理を行って形成する。(2)真空蒸着法により形成
する。などの方法がある。なお、被覆層37、33は酸
素負イオンによるスパッタリングによって徐々に薄くな
っていくので、必要に応じて繰り返し形成する必要があ
る。
【0019】本発明の方法は、酸素負イオンを放出しや
すい材質のタ−ゲットを利用する場合すなわち酸化物タ
−ゲットを利用する場合に効果的である。その中でも、
酸化物超電導体タ−ゲットを利用する場合に特に適して
いる。本発明の方法によって作製できる酸化物超電導体
としては、X−Z−Cu−O系(ただし、Xは、Sc、
Y、La、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y
b、およびその他のランタノイドにより選ばれた1種、
またZは、Ba、Sr、Caより選ばれた1種であ
る。)、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Bi−Pb−
Sr−Ca−Cu−O系、およびTl−Ba−Ca−C
u−O系がある。
すい材質のタ−ゲットを利用する場合すなわち酸化物タ
−ゲットを利用する場合に効果的である。その中でも、
酸化物超電導体タ−ゲットを利用する場合に特に適して
いる。本発明の方法によって作製できる酸化物超電導体
としては、X−Z−Cu−O系(ただし、Xは、Sc、
Y、La、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y
b、およびその他のランタノイドにより選ばれた1種、
またZは、Ba、Sr、Caより選ばれた1種であ
る。)、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Bi−Pb−
Sr−Ca−Cu−O系、およびTl−Ba−Ca−C
u−O系がある。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、シャッタ−および基板
ホルダ−の少なくともタ−ゲットのスパッタリング領域
に対面する表面部分を、基板上に堆積すべき膜に含まれ
る元素のみからなる材質で形成することにより、シャッ
タ−や基板ホルダ−が酸素負イオンに衝撃されてそのス
パッタリングされた粒子が基板上の膜中に混入しても、
この混入粒子は膜の構成元素のみからなるので、不純物
とはならない。また、基板の寸法を、タ−ゲットがスパ
ッタリングされないタ−ゲット中央部分の領域より小さ
くして、この中央部分に対向して基板を配置することに
より、基板が酸素負イオンの衝撃を受けなくてすむ。本
発明の方法は特に酸化物超電導体薄膜を作製するときに
効果的である。
ホルダ−の少なくともタ−ゲットのスパッタリング領域
に対面する表面部分を、基板上に堆積すべき膜に含まれ
る元素のみからなる材質で形成することにより、シャッ
タ−や基板ホルダ−が酸素負イオンに衝撃されてそのス
パッタリングされた粒子が基板上の膜中に混入しても、
この混入粒子は膜の構成元素のみからなるので、不純物
とはならない。また、基板の寸法を、タ−ゲットがスパ
ッタリングされないタ−ゲット中央部分の領域より小さ
くして、この中央部分に対向して基板を配置することに
より、基板が酸素負イオンの衝撃を受けなくてすむ。本
発明の方法は特に酸化物超電導体薄膜を作製するときに
効果的である。
【図1】本発明のスパッタリング方法を実施するための
装置の一例の真空容器内部の構成を示す正面断面図であ
る。
装置の一例の真空容器内部の構成を示す正面断面図であ
る。
【図2】本発明の別の実施例における図1と同様の正面
断面図である。
断面図である。
【図3】従来のスパッタリング装置の正面断面図であ
る。
る。
14 タ−ゲット 32 シャッタ− 36 基板ホルダ− 38 基板 40 酸素負イオン飛行領域 A エロ−ジョン領域
Claims (6)
- 【請求項1】 タ−ゲットの背面に磁石を配置した平板
マグネトロンカソ−ドを用いて基板上に膜を堆積する平
板マグネトロンスパッタリング方法において、タ−ゲッ
トと基板の間に配置したシャッタ−の少なくともタ−ゲ
ットのスパッタリング領域に対面する表面部分を、基板
上に堆積すべき膜に含まれる元素のみからなる材質で形
成し、基板ホルダ−の少なくともタ−ゲットのスパッタ
リング領域に対面する表面部分も、基板上に堆積すべき
膜に含まれる元素のみからなる材質で形成することを特
徴とする平板マグネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項2】 スパッタリングされないタ−ゲット中央
部分の領域よりも小さい基板をこのタ−ゲット中央部分
に対向して配置したことを特徴とする請求項1記載の平
板マグネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項3】 前記シャッタ−と前記基板ホルダ−とを
タ−ゲットと同じ材質で形成したことを特徴とする請求
項1記載の平板マグネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項4】 前記シャッタ−のタ−ゲットに対面する
側の表面および前記基板ホルダ−のタ−ゲットに対面す
る側の表面にタ−ゲットと同じ材質の被覆層を形成した
ことを特徴とする請求項1記載の平板マグネトロンスパ
ッタリング方法。 - 【請求項5】 酸化物タ−ゲットを用いて基板上に酸化
物薄膜を作製することを特徴とする請求項1から4のい
ずれかに記載の平板マグネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項6】 酸化物超電導体タ−ゲットを用いて基板
上に酸化物超電導体薄膜を作製することを特徴とする請
求項1から4のいずれかに記載の平板マグネトロンスパ
ッタリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24021391A JPH0559545A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 平板マグネトロンスパツタリング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24021391A JPH0559545A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 平板マグネトロンスパツタリング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559545A true JPH0559545A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17056136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24021391A Pending JPH0559545A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 平板マグネトロンスパツタリング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0559545A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013082961A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Ulvac Japan Ltd | スパッタ装置 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP24021391A patent/JPH0559545A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013082961A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Ulvac Japan Ltd | スパッタ装置 |
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