JPH0559381A - 金属加工用潤滑油剤 - Google Patents

金属加工用潤滑油剤

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JPH0559381A
JPH0559381A JP21986491A JP21986491A JPH0559381A JP H0559381 A JPH0559381 A JP H0559381A JP 21986491 A JP21986491 A JP 21986491A JP 21986491 A JP21986491 A JP 21986491A JP H0559381 A JPH0559381 A JP H0559381A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐荷重性と潤滑性能とを備え、金属に
対する腐食性が殆どなく、しかも公害の心配がない金属
加工用潤滑油剤を提供すること。 【構成】 下記一般式(化1)に示されるポリオルガノ
フォスファーゼン化合物を0.05〜100重量%含有
することを特徴とする金属加工用潤滑油剤。 【化1】 [ただし、式中、nは3〜4であり、XおよびX1 は一
般式R1 −(OR2a−O−で示される基であり、こ
の一般式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基または
炭素数6〜18のアリ−ル基を表わし、R2 は炭素数
2、3または4の直鎖もしくは分岐のアルキレン基の単
独または複数の基のブロック、ランダムまたは交互の結
合であり、XおよびX1 は互いに同一であっても相違し
ていても良い。aは付加モル数を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属加工用潤滑油剤に関
し、さらに詳しくは、特定のポリオルガノフォスファー
ゼン化合物を含む金属加工用潤滑油剤に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、マ
シニングセンターに代表される金属加工機械の発達はめ
ざましいものがあり、高速化、多様化、自動化が著しい
進歩をとげている。
【0003】金属加工機械は、金属の塑性加工(圧延、
引き抜き、押し出し、深絞りなど)あるいは切削研磨加
工(施削、中ぐり、ドリル、リーマ、タップ、深穴、ブ
ローチ、歯切り、研磨加工)等を行なう機械であり、そ
の作動には、摩耗防止、摩擦熱の除去、加工性の向上等
のため、金属加工用潤滑油剤の使用が欠かせない。
【0004】従来から知られている金属加工用潤滑油剤
は、大別して不水溶性、乳化型、水溶性に分けられ、基
本的に基剤(鉱物油、油脂、合成油剤、水)、油性向上
剤、極圧添加剤、防錆防食剤、粘度調節剤(増粘剤、減
粘剤)、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、消泡剤、着
色剤などから構成されている。これらの成分のうち、金
属加工用潤滑油剤の潤滑性能に大きな影響を与えるもの
は、油性向上剤、極圧添加剤、基剤の三者であり、特に
油性向上剤と極圧添加剤とはいずれも各種加工への適合
性を決定する重要な因子である。
【0005】しかしながら、これらの成分の使用は、一
方では多くの問題点を抱えている。たとえば、油性向上
剤としては油脂類やワックス、ある種の合成物質などが
あるが、これらは金属との親和性によって生じる有機金
属膜の融点が低く、しかもその膜強度も限界があるの
で、高荷重を要する作業には適していない。極圧添加剤
としては、硫黄化合物、塩素化合物、燐化合物、重金属
含有化合物などが知られており、高荷重を要する過酷な
作業に欠かせないものである。
【0006】これらのうち、硫黄化合物としては硫化鉱
油、硫化油脂などがあり、比較的高温部で金属と反応し
て硫化金属を形成し、それが構成刃先の生成を防止し、
仕上げ面の粗さを減じ、工具の寿命を伸ばす効果があ
る。しかしながら、硫黄化合物は金属の表面にステイン
(汚れ)を発生させ、同時にバクテリアの繁殖の温床と
なるので、その分解生成物による腐食や不快臭は作業性
の点からしばしば問題となっている。
【0007】塩素化合物としては塩素化パラフィンや高
分子塩素化エステルなどがあり、前記硫黄化合物と同
様、金属と反応して金属塩化物を形成し、優れた極圧性
能を示すことが知られている。
【0008】しかし、塩素化合物は加工時以外でも徐々
に塩素を脱離して金属の表面を腐食するし、また塩素化
合物それ自体、発ガン性があり、さらには燃焼処理時に
発生するダイオキシンは環境汚染の元凶の一つとしてよ
く知られている。燐化合物は前記硫黄化合物や塩素化合
物ほどは耐荷重性はない。この燐化合物はステインの発
生が少ないという長所があるものの、バクテリアによる
分解が速やかで、潤滑油剤そのものの寿命を短くし、ま
た河川等の冨栄養化をもたらすので排水規制が厳しい。
【0009】最後に重金属含有化合物であるが、これは
言うまでもなく毒性の点で公害性が大きな問題点であ
る。本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。本
発明の目的は、優れた耐荷重性と潤滑性能とを備え、金
属に対する腐食性が殆どなく、しかも公害の心配のない
金属加工用潤滑油を提供することにある。
【0010】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ための本発明は、下記一般式(化1)に示されるポリオ
ルガノフォスファーゼン化合物を0.05〜100重量
%含有することを特徴とする金属加工用潤滑油剤であ
る。
【0011】
【化1】
【0012】[ただし、式中、nは3〜4であり、Xお
よびX1 は一般式R1 −(OR2a−O−で示される
基であり、この一般式中、R1 は炭素数1〜12のアル
キル基または炭素数6〜18のアリール基を表わし、R
2 は炭素数2、3または4の直鎖もしくは分岐のアルキ
レン基の単独または複数の基のブロック、ランダムまた
は交互の結合であり、XおよびX1 は互いに同一であっ
ても相違していても良い。aは付加モル数を示す。]前
記ポリオルガノフォスファーゼン化合物は、従来の極圧
添加剤に劣らぬ優れた潤滑性能と耐荷重性を備え、さら
に特筆すべきは金属に対する腐食性が殆どなく、しかも
公害の恐れは殆どない。
【0013】このポリオルガノフォスファーゼン化合物
について詳述する。前記(化1)で示される一般式にお
いて、R1 で示されるアルキル基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキ
シル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基等を挙げることができる。このアルキル
基は、炭素数が1〜12の範囲内であれば、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基等の置換基を有していて
も良い。R1 で示されるアルキル基として好ましいの
は、炭素数1〜10のアルキル基である。
【0014】前記(化1)で示される一般式において、
1 で示されるアリール基としては、フェニル基、ナフ
チル基およびアンスラセニル基等を挙げることができ
る。これらフェニル基、ナフチル基およびアンスラセニ
ル基等は、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル
基、例えばアイクロヘキシル基等のシクロアルキル基等
の置換基を有していても良い。R1 で示されるアリール
基として好ましいのはフェニル基である。
【0015】前記(化1)で示される一般式において、
2 で示されるアルキレン基として、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基を挙げることができる。また、a
は付加モル数を示し、通常、1〜50であり、好ましく
は1〜20であり、特に好ましくは2〜15である。−
(OR2a −O−において、複数のR2 は同一であっ
てもまた相違していても良く、異なるR2 が主鎖中に含
まれる場合には、異なるR2 がランダムまたは交互に配
列されていても良く、また、異なるR2 がブロック状に
配列されていても良い。
【0016】前記(化1)で示される一般式において、
nは3〜4である。このnは3および4の整数を示す
外、3と4との間の任意の数例えば、3.2、3.3、
3.4等の3を越える小数であっても良い。前記(化
1)で示されるポリオルガノフォスファーゼン化合物
は、nが3または4であるときには、単一種の化合物で
あるが、nが3を越える小数であるときには、複数種の
ポリオルガノフォスファーゼン化合物の混合物である。
【0017】本発明において、前記(化1)で示される
ポリオルガノフォスファーゼン化合物は、R1 およびR
2 の種類、−(OR2a −O−におけるOR2 のシー
ケンスによりポリオルガノフォスファーゼン化合物の特
性が種々に変化する。ポリオルガノフォスファーゼン化
合物は、例えば、R1 およびR2 における炭素数が多く
なると非水溶媒に対する親和性が大きくなると共に水不
溶性になり、R1 およびR2 における炭素数が少ないと
非水溶媒に対する親和性が小さくなり水溶性になる。ポ
リフォスファーゼン化合物のかかる性質を利用してさま
ざまの特性を有する金属加工用潤滑油剤が、このポリオ
ルガノフォスファーゼン化合物単独で、あるいは他の成
分と組み合わせることにより、形成される。
【0018】例えば、ポリオルガノフォスファーゼン化
合物のみからなる金属加工用潤滑油剤、すなわちポリオ
ルガノフォスファーゼン化合物を100%の割合で含有
する金属加工用潤滑油剤は、R1 が炭素数1〜18であ
るアルキル基もしくはアリール基であり、および/また
はR2 がプロピレン基もしくはブチレン基であり付加モ
ル数aが2以上であるときには、水不溶性金属加工油剤
として使用することもできる。
【0019】この水不溶性金属加工油剤であるこの発明
の金属加工用潤滑油剤は、従来の金属加工油剤に勝る潤
滑性を発揮するばかりでなく熱劣化や酸化劣化に対する
抵抗力が増加し、防錆防食剤を添加しなくても、被加工
物、装置を腐食させることがない。また粘度指数が高
く、流動点が低いため、寒冷地での加工に適するものと
なる、加えてステインの発生を防止する。
【0020】ポリオルガノフォスファーゼン化合物を1
00%の割合で含有する金属加工用潤滑油剤は、R1
炭素数1〜6であるアルキル基およびR2 がエチレン基
であるときには、水に対する親和性が大きく、水溶性に
なる。この水溶性のポリフォスファーゼン化合物のみか
らなる(100%)金属加工用潤滑油剤は、潤滑性に優
れており、熱劣化、酸化劣化に対する抵抗力が強く、粘
度指数も高く、ステインの発生もない。また、この金属
加工用潤滑油剤は、水洗いにて除去が可能であるので、
後工程での作業が容易になり、作業所内が油でベタベタ
しなくなり作業所内の環境が著しく向上する。
【0021】なお、ポリオルガノフォスファーゼン化合
物を100%の割合で含有する、換言するとポリオルガ
ノフォスファーゼン化合物のみからなる金属加工用潤滑
油剤は、一種のポリオルガノフォスファーゼン化合物で
形成することもできるし、二種以上のポリオルガノフォ
スファーゼン化合物の混合物により形成することもでき
る。これは前記一般式におけるnが3を超える小数であ
っても良いことから、理解されよう。
【0022】本発明の摺動面用潤滑剤は、前記一般式で
示されるポリオルガノフォスファーゼン化合物のみから
なる場合の他に、前記ポリオルガノフォスファーゼン化
合物と他の成分との混合である組成物として形成するこ
ともできる。本発明の金属加工用潤滑油剤が組成物であ
る場合、ポリオルガノフォスファーゼン化合物の含有量
は、通常0.05重量%以上100重量%未満である。
【0023】本発明の金属加工用潤滑油剤は、(1) 従来
の金属加工用潤滑油剤に新たに添加剤として、あるいは
各種極圧添加剤に代えてポリオルガノフォスファーゼン
化合物を添加する態様にて構成することもできるし、ま
た、(2) ポリオルガノフォスファーゼン化合物を主成分
として種々の添加剤を配合する態様にて構成することも
できる。
【0024】ところで、金属加工用潤滑油剤は、水不溶
性金属加工用潤滑油剤と、水溶性金属加工用潤滑油剤
(エマルジョン型金属加工用潤滑油剤を含む。)とに大
別することができ、また、切削加工用潤滑油剤と、研削
加工用潤滑油剤と、圧延加工用潤滑油剤と、塑性加工用
潤滑油剤とに大別することもできる。いずれにおいて
も、金属加工用潤滑油剤は、基剤、油性向上剤、極圧添
加剤、防錆防食剤、粘度調整剤、酸化防止剤、安定剤、
界面活性剤、消泡剤、着色剤等が目的に応じて配合され
ている。
【0025】前記態様(1) においては、ポリオルガノフ
ォスファーゼン化合物の添加量は、通常、本発明の金属
加工用潤滑油剤に対して、少なくとも0.5%である。
この場合、ポリオルガノフォスファーゼン化合物は、金
属加工用潤滑油剤中において少量成分として位置付けら
れる。しかしながら、このポリオルガノフォスファーゼ
ン化合物は、前記配合割合で添加することにより、その
置換基XおよびX1 によって、種々の利点を金属加工用
潤滑油剤に付与することができる。
【0026】具体的には、潤滑性を向上させることがで
きる。粘度を調節することができる。流動点を降下させ
ることができる。さらには、ステインの発生を防止する
ことができるという利点を挙げることができる。前記態
様(2) においては、各種添加剤の添加量は、通常、ポリ
オルガノフォスファーゼン化合物に対して、多くとも4
0%である。この場合、ポリオルガノフォスファーゼン
化合物を主成分として種々の添加剤を配合することによ
り、高負荷加工、高速加工、及び精密加工等の加工工程
において必要とされる要求性能に対して、適格な対応が
可能になるという利点を金属加工用潤滑油剤に付与する
ことができる。
【0027】また、ポリオルガノフォスファーゼン化合
物が水溶性であるときには、水を希釈剤として、あるい
は水を添加剤としてこれらを混合してなる金属加工用潤
滑油剤とすることもできる。以上に詳述したように、こ
の発明におけるポリオルガノフォスファーゼン化合物
は、前記R1 およびR2 の種類や繰り返し単位数nおよ
び付加モル数を選択することにより、水に対する親和性
を発揮し、あるいは非水溶媒に対する親和性を発揮した
りする。したがって、ポリオルガノフォスファーゼン化
合物の特性を調節し、またポリオルガノフォスファーゼ
ン化合物の含有量を調節することにより、種々の特性を
備えた金属加工用潤滑油剤が構成される。
【0028】かかるポリオルガノフォスファーゼン化合
物は、公知の方法によって製造することができ、たとえ
ば、ホスホニトリルハライドトリマーあるいは、ホスホ
ニトリルテトラマーあるいはこれらの任意の割合の混合
物とR1−(OR2a −O−M(ただし、Mはアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を示す。)とを反応させ
ることにより容易に合成することができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明に用いるポリオルガノフォスフ
ァーゼン化合物の具体的な合成例を説明する。なお、本
発明は以下の合成例に限定されない。 (合成例1)オートクレーブにブチルジグリコール32
4g(2モル)と触媒として水酸化カリウムをブチルジ
グリコールの約1重量%分である3.3gを仕込み、窒
素ガスにて圧力3kg/cm2 で3回置換した後120
℃に加熱した。
【0030】続いて、プロピレンオキサイド464g
(8モル)を内圧8kg/cm2 以下に保ちながら約8
時間で導入した後、3時間140℃に保温し反応を完結
させ取り出した。アルカリ分をリン酸で中和し、水洗後
温度140℃まで加熱脱水し、セライトで濾過して77
2g、収率98%の生成物を得た。生成物の物性値は、
水分が0.05重量%、pHが6.8、水酸基価が14
5.7、40℃における粘度が10.4mm2 /S、凝
固点が−60℃以下であった。
【0031】次に、コンデンサー、撹拌装置、温度計を
備えた四ッ口フラスコに上記生成物(水酸基価より分子
量計算、分子量385.04)を235g(0.61モ
ル)とトルエン500mlとを仕込み、冷却下で金属ナ
トリウム片15g(0.65モル)を投入し、ナトリウ
ムが完全に溶解するまで40℃で4時間反応させた。
【0032】この反応液にトルエン250mlに溶解し
たホスホニトリルクロリドトリマー(融点112〜11
4℃)36.5g(0.105モル)の溶液を50℃で
滴下し、還流下に、温度110〜115℃で4時間かけ
て反応を行なった。反応生成物に少量の水と希塩酸を加
え共沸脱水し、生成塩化ナトリウムを遠心分離後更に水
洗、乾燥し、減圧下で脱トルエンを行ない、235gの
淡黄色透明な生成物を得た。
【0033】JISK0070にて水酸基価を測定した
ところ、0.3でJISK2241による塩素分の分析
法では塩素0.02%であった。赤外線スペクトル分析
(日本分光株式会社製IR810型)の結果、3250
cm-1のOHの吸収がなくなり、C−O−Pアリファテ
ックの吸収である1,424cm-1が現れ、ヘキサキス
(ブチルジオキシエチレンテトラオキシプロピレンオキ
シ)環状トリホスホニトリルエステルの構造を示してい
た。この物質の密度は0.99/gcm3 、粘度40℃
75.5mm2 /S、100℃、14.8mm2
S、流動点−47.5℃であった。
【0034】(合成例2)オートクレーブにブチルジグ
リコール162g(1.0モル)と触媒として水酸化カ
リウムをブチルジグリコールの約1重量%1.65gを
仕込み、窒素ガスにて圧力3kg/cm2 で3回置換し
た後、120℃に加熱した。続いて、プロピレンオキサ
イド465g(8.01モル)を内圧8kg/cm2
下に保ちながら約8時間で導入した後、3時間140℃
に保温し、反応を完結させ取り出した。
【0035】アルカリ分をリン酸で中和し、水洗後温度
140℃まで加熱、脱水し、セライトで濾過して608
g収率97%の生成物を得た。生成物の物性値は、水分
が0.05重量%、pHが7.0、水酸基価が90、4
0℃における粘度が21.7mm2 /S、凝固点が−6
0℃以下であった。
【0036】次に、コンデンサー、撹拌装置、温度計を
備えた四ッ口フラスコに上記生成物(水酸基価より分子
量計算、分子量623.3)を374g(0.60モ
ル)とトルエン700mlを仕込み、冷却下で金属ナト
リウム片14.2g(0.617モル)を投入し、ナト
リウムが完全に溶解するまで40℃で4時間反応させ
た。この反応液にトルエン250mlに溶解したホスホ
ニトリルクロリドトリマー(融点112−114℃)3
6g(0.104モル)の溶液を50℃で滴下し、還流
下、温度110〜115℃で4時間反応を行なった。
【0037】反応生成物に少量の水と希塩酸を加え共沸
脱水し、生成塩化ナトリウムを遠心分離後、更に水洗、
乾燥させ、減圧下でトルエンを溜去し、370gの淡黄
色透明な液体を得た。前記合成例1と同様に水酸基価を
測定したところ、0.2で、塩素分は0.03%であっ
た。赤外線スペクトル分析の結果、3250cm-1のO
Hの吸収が殆どなくなり、C−O−Pアリファテックの
吸収である1424cm-1があらわれ、ヘキサキス(ブ
チルジオキシエチレンオクタオキシプロピレンオキシ)
環状ホスホニトリルエステルの構造を示していた。この
物質の密度は、15/4℃で0.98g/cm3 、粘度
40℃ 155mm2 /S、100℃ 29.4mm2
/S、流動点−50℃であった。
【0038】(合成例3)前記合成例1と同様にオート
クレーブに2−エチルヘキシルジグリコール437g
(2.0モル)と、触媒として水酸化カリウムを2−エ
チルヘキシルジグリコールの約1重量%4.4gを仕込
み、窒素ガスにて圧力3kg/cm2 で3回置換した後
120℃に加熱した。続いてプロピレンオキサイド46
5g(8.01モル)を内圧8kg/cm2以下に保ち
ながら約8時間で導入した後、3時間140℃に保温し
反応を完結させ取り出した。
【0039】アルカリ分をリン酸で中和し、水洗後温度
140℃まで加熱、脱水し、セライトで濾過して883
g、収率98%の生成物を得た。生成物の物性値は水分
0.03重量%、pH6.8、水酸基価125、粘度4
0℃ 11.5mm2 /S、凝固点−60℃以下であっ
た。次に、コンデンサー、撹拌装置、温度計を備えた四
ッ口フラスコに上記生成物(水酸基価より分子量計算、
分子量448.8)を270g(0.602モル)とト
ルエン500mlを仕込み、冷却下で金属ナトリウム片
14g(0.609モル)を投入し、ナトリウムが完全
に溶解するまで40℃で4時間反応させた。
【0040】この反応液にトルエン250mlに溶解し
たホスホニトリルクロリドトリマー(融点112〜11
4℃)35.5g(0.102モル)の溶液を50℃で
滴下し、還流下、温度110〜115℃で4時間反応を
行なった。反応生成物に少量の水と希塩酸を加え共沸脱
水し、生成塩化ナトリウムを遠心分離後、更に水洗、乾
燥させ減圧下でトルエンを溜去し、270gの淡黄色透
明な液体を得た。
【0041】前記合成例1と同様に水酸基価を測定した
ところ、0.2で、塩素分0.02%であった。赤外線
スペクトル分析の結果、3250cm-1のOHの吸収が
殆どなくなり、C−O−Pアリファテックの吸収である
1424cm-1が現れ、ヘキサキス(2−エチルヘキシ
ルジオキシエチレンテトラオキシプロピレンオキシ)環
状ホスホニトリルエステルの構造を示していた。この物
質の密度は15/4℃で0.98g/cm3 、粘度40
℃ 84mm2/S 100℃ 15.86mm2 /S
で流動点は−50℃であった。
【0042】(実施例1、比較例1)前記合成例に準じ
て、ヘキサキス(ブチルヘキサオキシプロピレンオキ
シ)環状ホスホニトリルエステル(ポリホスファーゼン
化合物1)、ヘキサキス(2−エチルヘキシルテトラオ
キシプロピレンオキシ)環状ホスホニトリルエステル
(ポリホスファーゼン化合物2)、ヘキサキス(メチル
オキシエチレンペンタオキシプロピレンオキシ)環状ホ
スホニトリルエステル(ポリホスファーゼン化合物
3)、ヘキサキス(メチルデカオキシエチレンオキシ)
環状ホスホニトリルエステル(ポリホスファーゼン化合
物4)を合成した。
【0043】これらのポリホスファーゼン化合物を基に
して表1に示す組成の試料を形成した。
【0044】
【表1】
【0045】これらの試料(イ) 〜(ヌ) につき、以下の試
験を行った。その結果を表2に示した。 <油性試験>試料に付き、曽田式振子試験機II型を使用
して油性試験を実施し、摩擦係数を測定した。試験条件
は以下の通りである。
【0046】初期振幅;0.5ラジアン Pmin=74kg/mm2 、 Pmax=111kg/mm2 試験回数;3回 試験温度;25℃ <耐荷重性能試験>試料につき、曽田式耐荷重性能試験
機(四球式)を用いてJIS K 2519に規定する
潤滑油耐荷重性能試験方法にしたがって焼き付き荷重を
測定した。試験条件は以下の通りである。 回転数 ;750rpm 荷重 ;ステップバイステップ式 限界圧力;15kg/cm
【0047】
【表2】
【0048】(実施例2および比較例2)前記試料
(イ) 〜(ロ) および表3に示す組成の試料(ル) 〜(タ)
につき、以下の試験を行った。その結果を表2に示し
た。
【0049】
【表3】
【0050】<実用性能評価試験(その1)>大隈豊和
製マシニングセンター(ミラック5H)の潤滑油系配管
内をあらかじめ試料によって洗浄した後に、潤滑油タン
クに試料を注入し、ミラック5Hの定常運転条件にてフ
ライス加工を7日間継続した(加工物の形状、加工の目
的により加工内容に若干の相違があるが、加工液の使用
状況はほぼ同一である。)。加工の概要および評価項目
を以下に示す。結果を表4に示した。
【0051】加工の概要 加工の内容・・・・・溝の形成 被削材・・・・・・・S35C鋼板 加工条件 回転数・・・・・・200rpmを標準とし、加工精度
良好なものは回転数を挙げてテストした。 送り速度・・・・・30mm/分を標準とし、加工精度
良好なものは送り速度を上げてテストした。 使用工具・・・・・・エンドミル−S4(外径20φ、
全長130mm、歯長770mm) 評価項目 仕上り状況・・・・・加工における要求面粗度を満足す
る範囲内で、最終加工物の面粗度を測定した。 刃物の寿命・・・・・加工における要求面粗度を満足す
る仕上りが得られた延べ加工長さで示す。すなわち、加
工部の長さに個数を乗じた値である。
【0052】
【表4】
【0053】<実用性能評価試験(その2)>中村留精
密工業(株)製NC旋盤[TMC−3]の潤滑油系配管
内をあらかじめ試料によって洗浄した後に、潤滑油タン
クに試料を注入し、TMC−3の定常運転条件にて端面
溝加工を3〜7日間継続した(加工物の形状、加工の目
的により加工内容に若干の相違があるが、加工液の使用
状況はほぼ同一である。)。なお、加工不良、装置の異
常、作業環境の異常が発生した場合にはその時点で作業
を中止した。加工の概要および評価項目を以下に示す。
結果を表5に示した。
【0054】加工の概要 加工の内容・・・・・チューブフランジの端面に外径4
5mm、内径35mm、および深さ5mmのドーナツ状
の溝の形成 被削材・・・・・・・SCM−435 加工条件 回転数・・・・・・400rpmを標準とし、加工精度
良好なものは回転数を挙げてテストした。 送り速度・・・・・0.05mm/分を標準とし、加工
精度良好なものは送り速度を上げてテストした。 使用工具・・・・・・端面溝入れトレーパニング用ホル
ダー(R152S−2525×12)にチップ(TNC
150)を装着してなる。 評価項目 仕上り状況・・・・・加工における要求面粗度を満足す
る範囲内で、最終加工物の面粗度を測定した。 加工数量・・・・・・加工における要求面粗度を満足す
る仕上りが得られた延べ加工数量
【0055】
【表5】
【0056】<実用性能評価試験(その3)>日東真金
(株)製ベンダー[350R]の潤滑油系配管内をあら
かじめ試料によって洗浄した後に、潤滑油タンクに試料
を注入し、ベンダーの定常運転条件にて端面溝加工を3
日間継続した(加工物の形状、加工の目的により加工内
容に若干の相違があるが、加工液の使用状況はほぼ同一
である。)。なお、加工不良、装置の異常、作業環境の
異常が発生した場合にはその時点で作業を中止した。加
工の概要および評価項目を以下に示す。結果を表6に示
した。
【0057】加工の概要 加工の内容・・・・・パイプを曲げる。 被削材・・・・・・・角パイプ(SUS304) 加工条件 曲げ角度・・・・・85。
【0058】曲げ径・・・・・・200R サイズ・・・・・・50mm×25mm×1.5mm 評価項目 不良品発生率・・・・加工における要求仕上り精度に満
たない不良品の発生率を示し、5%を超すものについて
は試験を中止した。 製品の打痕・・・・・製品の仕上り面における打痕の発
生率
【0059】
【表6】
【0060】<実用性能評価試験(その4)>伊藤プレ
ス(株)製のプレス加工機の潤滑油系配管内をあらかじ
め試料によって洗浄した後に、潤滑油タンクに試料を注
入し、ベンダーの定常運転条件にて深絞り加工を3〜4
日間継続した(加工物の形状、加工の目的により加工内
容に若干の相違があるが、加工液の使用状況はほぼ同一
である。)。なお、加工不良、装置の異常、作業環境の
異常が発生した場合にはその時点で作業を中止した。加
工の概要および評価項目を以下に示す。結果を表7に示
した。
【0061】加工の概要 加工の内容・・・・電気部品防水カバーの製造 被削材・・・・・・平板(SUS18−8) サイズ;300mm×50mm×1.6mm 評価項目 金型の寿命・・・・加工における要求仕上り精度を満足
する製品の加工数。
【0062】
【表7】
【0063】
【発明の効果】本発明の金属加工用潤滑油剤は、特定の
ポリオルガノフォスファーゼン化合物を含むので、優れ
た耐荷重性と潤滑性能とを備え、金属に対する腐食性が
殆どなく、しかも公害の心配がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:20 40:22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1)に示されるポリオル
    ガノフォスファーゼン化合物を0.05〜100重量%
    含有することを特徴とする金属加工用潤滑油剤。 【化1】 [ただし、式中、nは3〜4であり、XおよびX1 は一
    般式R1 −(OR2a−O−で示される基であり、こ
    の一般式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基または
    炭素数6〜18のアリール基を表わし、R2 は炭素数
    2、3または4の直鎖もしくは分岐のアルキレン基の単
    独または複数の基のブロック、ランダムまたは交互の結
    合であり、XおよびX1 は互いに同一であっても相違し
    ていても良い。aは付加モル数を示す。]
  2. 【請求項2】 前記一般式中の付加モル数aが1〜50
    である請求項1に記載の金属加工用潤滑油剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010069524A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Bridgestone Corp 湿式伸線加工用潤滑剤および湿式伸線方法
CN107406797A (zh) * 2015-03-30 2017-11-28 出光兴产株式会社 切削·研削加工油组合物

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