JPH0559095U - 既設管継手部の補修装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール剤の注入の良否を地上から容易に判別
できる既設管継手部の補修装置を提供する。 【構成並びに効果】既設管内を遠隔操作的に移動される
管内施工機に、管半径方向に遠隔操作的に拡張されて管
継手部を内周面側からシールする拡縮自在な筒状シール
部材と、該シール部材拡張によるシール状態下に管継手
部内にシール剤を注入する注入口とを備えた既設管継手
部の補修装置において、上記施工機に、上記管継手部に
於けるシール剤注入圧力を検知するための検知装置が備
えられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は既設管継手部の補修装置、更に詳しくは、管継手部へのシール剤の注 入操作時に、注入確認が可能な既設管継手部の補修装置に関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】

地中に埋設されたガス管などのような既設管においては、管継手部のシール部 は、通常継手部内の外側部のモルタル充填部と、内側部の繊維質充填部から構成 される。このシール部の構成要素のうち内側部の繊維質充填部は老朽化してくる と乾燥収縮してシール機能を低下乃至消失し、補修が必要になる。

【０００３】 従来このような管継手部の補修装置として、既設管内を牽引移動される管内施 工機に備えたゴム製筒状のシール部材を遠隔操作的に拡張し管継手部をシールし た状態でその内部の繊維質充填部内にシール剤を注入し、施工当初の湿潤状態に 復元させるような構成のものが提案されている。

【０００４】 管継手部のシール部の老朽化の度合は千差万別であり、とりわけ老朽化が進ん でいるものでは、管内面は腐食あるいは浮錆によりかなり凹凸状になっているの で、このような老朽化が進んでいるシール部に対しシール剤を注入しても、シー ル剤は補修装置の筒状シール部材と管内壁との間から逃げてしまい、繊維質充填 部には注入されない虞れがあった。

【０００５】 しかしながら従来のこの種補修装置では、シール剤の注入洩れを確認する手段 がなく、注入洩れによる未補修個所が見逃される危険性があり、補修の信頼性に 欠ける難点があった。

【０００６】 本考案はこのような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたもので ある。

【０００７】

【問題を解決するための手段】

本考案は、既設管内を遠隔操作的に移動される管内施工機に、管半径方向に遠 隔操作的に拡張されて管継手部を内周面側からシールする拡縮自在な筒状シール 部材と、該シール部材拡張によるシール状態下に管継手部内にシール剤を注入す る注入口とを備えた既設管継手部の補修装置において、上記施工機に、上記管継 手部に於けるシール剤注入圧力を検知するための検知装置を備えたことを特徴と する既設管継手部の補修装置に係る。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を添付図面にもとづき説明すると次の通りである。

【０００９】 本考案による補修装置は、既設管ａ内を遠隔操作的に移動される管内施工機１ を具備し、該施工機１の胴体部１ａには、遠隔操作的に管半径方向に拡張される ゴム製の筒状シール部材２が嵌装され、該シール部材２の両端部は、止着具３に より胴体部１ａに固縛されている。筒状シール部材２の外周面には注入口４が好 ましくはその下端部に開口され、該注入口４は伸縮管５（図３参照）、胴体部１ ａ内の液剤通路６及びホース７内の液剤通路８を順次経て、地上設置の液剤供給 部９に連絡されている。また胴体部１ａの外周面に、筒状シール部材２内に開口 されるように圧縮空気の給、排口１０が形成され、該口１０は胴体部１ａ内の空 気通路１１及びホース７内の空気通路１２を順次経て地上設置の圧縮空気供給部 １３に連絡されている。

【００１０】 このような構成の補修装置そのものは公知であり、管内施工機１を管継手部ｂ と位置合せし、次に筒状シール部材２を拡張し管継手部ｂを管内周面側からシー ルした後、シール剤を管継手部ｂ内の繊維質充填部ｂ１に注入することにより、 管継手部ｂの補修を行ない得る。シール剤としては、通常エチレングリコール、 その他エポキシ樹脂系の接着剤などが用いられる。

【００１１】 本考案に於ては、管継手部ｂ内へのシール剤注入の良、否を地上から確認する ために、施工機１に管継手部ｂ内の圧力を検知するための検知装置が備えられて いる。

【００１２】 図示の検知装置は、施工機１の中心軸線を挾さんで注入口４と向き合うように 、筒状シール部材２の外周面に開口された検知口１４を有し、該検知口１４は、 伸縮管１５（図３参照）、胴体部１ａ内の検知通路１６及びホース７内の検知通 路１７を順次経て地上設置の圧力計１８に連絡され、之等通路１６，１７内には 、水、油などの検知流体が充填されている。

【００１３】 補修対象の管継手部ｂ内にシール部としてのモルタル充填部ｂ２と繊維充填部 ｂ１とが実質的に欠損なしに残っている場合は、補修機の注入口４より管継手部 ｂ内に注入されたシール剤は管継手部ｂ内にとどまり、繊維質充填部ｂ１に含浸 されて行き、含浸が飽和状態に近づくにつれて管継手部ｂ内の圧力は上昇して行 く。この管継手部ｂ内の圧力は、検知口１４から検知通路内充填の検知流体を介 し、地上設置の圧力計１８に表示される。

【００１４】 管継手部ｂ内の圧力は、シール剤が筒状シール部材２と管内壁との間から洩れ なければ、繊維質充填部ｂ１が略々飽和含浸状態に達している限り、シール剤の 供給を停止しても、急激には降下しない。また圧力計１８に表示される圧力値は 比較的高い。従ってシール剤の供給停止後、圧力計１８に表示された圧力値が、 比較的高く、またしばらくの間例えば１分間程度、放置しても実質的に変化がな ければ、シール剤の注入が正常であることが判る。

【００１５】 一方シール剤が筒状シール部２と管内壁との間から洩れていると、管継手部ｂ 内の圧力はシール剤の注入を継続しても正常注入時ほどには高くはならない。ま た仮に高くなったとしても、シール剤の供給を停止すると直ちに降下してしまう 。従って圧力計１８に表示された圧力値が小さく及び／またはシール剤供給停止 後、圧力値が急激に降下すれば、シール剤の注入が正常でないことが判る。

【００１６】 検知装置として、図には管継手部内の圧力を検知口から検知液体を介し地上に 取り出すような構成のものを示したが、その他検知口に相当する部分に圧力セン サを設置し、圧力を電気信号に変換して地上に取り出すような構成のものでもよ い。

【００１７】

【効果】

本考案補修装置によれば、シール剤注入の良否を地上から判別でき、補修の信 頼性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例並びに管内設置状況を示す、
筒状シール部材縮小時の縦断面図である。

【図２】図１の２〜２線に沿う断面図である。

【図３】図１に示された本考案装置の筒状シール部材拡
張時の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 管内施工機 ２ 筒状シール部材 ４ 注入口 １０ 給、排口 １４ 検知口 １８ 圧力計

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 松井 宏祐 大阪府八尾市西山本町５丁目15番12号 (72)考案者 秋田 政則 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 東 邦瓦斯株式会社内 (72)考案者 杉木 豊 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 東 邦瓦斯株式会社内 (72)考案者 宮崎 康雄 大阪府大阪市東成区大今里南２−16−６ (72)考案者 大日向 正明 三重県名張市桔梗ヶ丘南３−３−20

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 既設管内を遠隔操作的に移動される管内
   施工機に、管半径方向に遠隔操作的に拡張されて管継手
   部を内周面側からシールする拡縮自在な筒状シール部材
   と、該シール部材拡張によるシール状態下に管継手部内
   にシール剤を注入する注入口とを備えた既設管継手部の
   補修装置において、上記施工機に、上記管継手部に於け
   るシール剤注入圧力を検知するための検知装置を備えた
   ことを特徴とする既設管継手部の補修装置。