JPH0559056A - キサンチン誘導体 - Google Patents

キサンチン誘導体

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JPH0559056A
JPH0559056A JP3812092A JP3812092A JPH0559056A JP H0559056 A JPH0559056 A JP H0559056A JP 3812092 A JP3812092 A JP 3812092A JP 3812092 A JP3812092 A JP 3812092A JP H0559056 A JPH0559056 A JP H0559056A
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JP
Japan
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compound
formula
reaction
acid
solvent
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Application number
JP3812092A
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English (en)
Inventor
Fumio Suzuki
文夫 鈴木
Junichi Shimada
純一 島田
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I) (式中、R1 およびR2 は同一または異なって、アリル
またはプロパルギルを表わし、R3 は水素または低級ア
ルキルを表わし、X1 およびX2 は同一または異なっ
て、酸素または硫黄原子を表わし、Yは単結合またはア
ルキレンを表わし、nは0または1を表わす)で表わさ
れるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される
塩。 【効果】 式(I)またはその薬理的に許容される塩
は、アデノシンA1 受容体に対し選択的に拮抗作用を示
し、利尿剤および腎保護剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、利尿作用および腎保護
作用を有する新規キサンチン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】8−(1−アダマンチル)−1,3,7−ト
リメチルキサンチンがTetrahedron Lett.,27, 6337(198
6)に記載されているが、その薬理作用については知られ
ていない。また、8−(1−アダマンチル)−1,3−ジ
プロピルキサンチンがアデノシンA1 拮抗作用を有して
いることが J.Med.Chem., 33, 1906(1990)に記載されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アデノシン
受容体拮抗薬で特に選択的にアデノシンA1 受容体拮抗
作用を有する化合物が、強い利尿、腎保護作用を有する
という知見のもとに、新規キサンチン誘導体を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明により式(I)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 およびR2 は同一または異な
って、アリルまたはプロパルギルを表わし、R3 は水素
または低級アルキルを表わし、X1 およびX2 は同一ま
たは異なって、酸素または硫黄原子を表わし、Yは単結
合またはアルキレンを表わし、nは0または1を表わ
す)で表わされるキサンチン誘導体〔以下、化合物
(I)という。他の式番号の化合物についても同様であ
る〕またはその薬理的に許容される塩が提供される。
【0007】化合物(I)の各基の定義において、低級
アルキルは、直鎖または分岐状の炭素数1〜6の、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、sec −ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
ネオペンチル、ヘキシル等を包含する。またアルキレン
は、直鎖または分岐状の炭素数1〜4の、例えばメチレ
ン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチル
メチレン、プロピレン、エチルエチレン等を包含する。
【0008】化合物(I)の薬理上許容される塩は薬理
上許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機
アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。化合物
(I)の薬理上許容される酸付加塩としては、塩酸塩、
硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸
塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が
あげられ、薬理上許容される金属塩としてはナトリウム
塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、
カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩のほか、アルミニ
ウム塩、亜鉛塩もあげられ、アンモニウム塩としてはア
ンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげら
れ、薬理上許容される有機アミン付加塩としてはモルホ
リン、ピペリジン等の付加塩、薬理上許容されるアミノ
酸付加塩としてはリジン、グリシン、フェニルアラニン
等の付加塩があげられる。
【0009】次に化合物(I)の製造法について説明す
る。化合物(I)において、R3 が水素である化合物
(I−1)は、次の反応工程に従い得ることができる。
【0010】
【化3】
【0011】〔式中、Qは、
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Yおよびnは前記と同義である)
を、Halは塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子を表わ
し、R1 、R2 、X1 およびX2 は前記と同義である〕 工程1:公知の方法(例えば、特開昭59−42383 号公
報)に準じて得られるウラシル誘導体(II)とカルボン
酸 (III)あるいはその反応性誘導体とを反応させること
により化合物(IV)を得ることができる。
【0014】ここでカルボン酸の反応性誘導体として
は、酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライド類、p−ニ
トロフェニルエステル、N−オキシコハク酸イミドエス
テル等の活性エステル類、市販の酸無水物類あるいは1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド等のカルボジイミドを用い生成さ
れる酸無水物類、炭酸モノエチルエステル、炭酸モノイ
ソブチルエステル等との混合酸無水物類などがあげられ
る。
【0015】反応は、化合物(III) を用い、無溶媒で50
〜200 ℃に加熱することによって行うこともできるが、
反応性誘導体として反応させる場合は、ペプチド化学で
常用される方法に準じて実施することができる。例え
ば、反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、
二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素類、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドおよび必要により水等が適
宜選択され、反応温度は−80〜50℃で行われ、0.5〜2
4時間で反応は終了する。また必要により、1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール等の添加剤あるいはピリジン、
トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、N−メチ
ルモルホリン等の塩基の共存下に行うことが反応を有利
に実施出来る場合もある。また反応性誘導体は反応系中
に生成させ単離せずに用いてもよい。 工程2:化合物(IV)を塩基の存在下(A法)、脱水剤
での処理(B法)または加熱(C法)により閉環した目
的化合物(I−1)を得ることができる。
【0016】A法で好適に使用される塩基としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物が例示される。反応溶媒は、水、メタノール、エタ
ノール等の低級アルコール類、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシドなどが単独もしくは混合して用いら
れ、反応は室温から180℃で、通常10分〜6時間で
終了する。
【0017】B法における脱水剤としては、例えば塩化
チオニル等のハロゲン化チオニル、オキシ塩化リン等の
オキシハロゲン化リンが用いられ、無溶媒あるいは、塩
化メチレン、クロロホルム、二塩化エタン等のハロゲン
化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等の反応に不活性な溶媒中、室温から180℃で
行なわれ、通常0.5〜12時間で終了する。
【0018】C法は、ジメチルスルホキシド、ジメチル
ホルムアミド、ダウサーモA(ダウケミカル社)等の極
性溶媒中、50〜200℃に加熱することにより化合物
(I−1)を得ることができる。 工程3:化合物(II)とアルデヒド(V)を、例えば酢酸
とメタノール、エタノール等の低級アルコール類との混
合溶媒中、−20〜100℃で反応させることによりシ
ッフ塩基(VI)を得ることができる。 工程4:化合物(VI)を酸化的環化反応に付すことによ
り目的化合物(I−1)を得ることができる。
【0019】適当な酸化剤としては、例えば酸素、塩化
第二鉄、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、ジエチルア
ゾジカルボキシレート等が例示される。反応は、必要に
より上記酸化剤の存在下に、メタノール、エタノール等
の低級アルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素類、あるいはトルエン、キシレン、
ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類などの反応に不活
性な溶媒中、室温から180℃に加熱することによって
実施される。 工程5:公知の方法(例えば、特開昭61−5082号公報)
に準じて得られるウラシル誘導体(VII)とアミン(VIII)
とをメタノール、エタノール等の低級アルコール類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの反応
に不活性な溶媒単独もしくは混合溶媒中、通常50〜1
50℃に加熱することにより化合物(IX)を得ることが
できる。 工程6:化合物(IX)とニトロソ化剤の亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸イソアミル等の亜硝酸誘導体とを希塩酸等の
酸性条件下に、メタノール、エタノール等の低級アルコ
ール類など反応に不活性な溶媒中、通常、室温から溶媒
の沸点で加熱することにより、化合物(I−1)を得る
ことができる。
【0020】化合物(I)においてR3 が低級アルキル
である化合物(I−2)は、次の反応工程に従い得るこ
とができる。
【0021】
【化5】
【0022】(式中、R1 、R2 、X1 、X2 およびQ
は前記と同義であり、R3aはR3 の定義中、低級アルキ
ルの場合を表わす) 工程7:上記した製造法で得られる(I−1)とアルキ
ル化剤とを必要により塩基の存在下に反応させることに
より化合物(I−2)を得ることができる。
【0023】適当なアルキル化剤としては、アルキルハ
ライド類、ジアルキル硫酸類、ジアゾアルカン類等が例
示される。塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム等
の水素化アルカリ金属およびナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドなど
があげられ、反応は0〜180℃で通常0.5〜24時間
で終了する。
【0024】化合物(I)においてX2 が硫黄である化
合物(I−4)は、次の反応工程に従い得ることができ
る。
【0025】
【化6】
【0026】(式中、R1 、R2 、R3 、X1 およびQ
は前記と同義である) 工程8:上記した製造法で得られる(I−3)〔化合物
(I)において、X2 が酸素である化合物〕を適当なチ
オ化剤と反応させることにより、目的化合物(I−4)
を得ることができる。チオ化剤としては五硫化リン等が
例示される。反応溶媒としてはジメチルホルムアミド、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の他に、より好まし
くはピリジン等が使用される。反応は50〜180℃で
行われ、通常10分〜36時間で終了する。
【0027】化合物(I)においてR3 が水素、X2
酸素である化合物(I−5)は、次の反応工程に従い得
ることができる。
【0028】
【化7】
【0029】(式中、R1 、R2 、X1 およびQは前記
と同義である) 工程9:上記した工程1〜6の製造法に準じて得られる
(X)と当量のアルキル化剤とを、必要により塩基の存
在下に反応させることにより化合物(I−5)を得るこ
とができる。
【0030】適当なアルキル化剤としては、アリルブロ
マイドあるいはプロパルギルブロマイド等のアルキルハ
ライド類、p−トルエンスルホン酸プロパルギルあるい
は、メタンスルホン酸アリル等のスルホン酸エステル等
が例示される。塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウ
ム等の水素化アルカリ金属およびナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシ
ド等が例示される。反応溶媒は、メタノール、エタノー
ル等の低級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等が単独もしくは混合して用いられ、反応
は室温から180℃で、通常10分〜6時間で終了す
る。
【0031】上述した製造法における中間体および目的
化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾
過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグ
ラフィー等に付して単離精製することができる。また中
間体においては、特に精製することなく次の反応に供す
ることもできる。化合物(I)の塩を取得したいとき、
化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精
製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適
当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加え塩を
形成させればよい。
【0032】また、化合物(I)およびその薬理上許容
される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在
することもあるが、これら付加物も本発明に包含され
る。なお、化合物(I)の中には光学異性体が存在する
が、本発明はすべての可能な立体異性体およびそれらの
混合物も包含される。化合物(I)またはその薬理的に
許容される塩は、アデノシン受容体のA1 受容体に対し
選択的に拮抗作用を示し、利尿作用および腎保護作用を
有している。従って、化合物 (I) またはその薬理的に
許容される塩は、利尿剤および腎保護剤として有用であ
る。
【0033】次に化合物 (I) の薬理作用について試験
例で説明する。 試験例1 急性毒性試験 体重20±1gのdd系雄マウスを1群3匹用い、試験化合
物を経口投与した。投与後7日後の死亡状況を観察し最
小致死量(MLD) 値を求めた。化合物1はMLD>300mg
/kgであり、毒性が弱く幅広い用量範囲で安全に用いる
ことができる。 試験例2 アデノシンA1 受容体拮抗作用 Bruns らの方法〔Proc.Natl.Acad.Sci., 77 , 5547(198
0)〕に若干の改良を加えて行った。
【0034】モルモット大脳を、氷冷した50mMトリスヒ
ドロキシメチルアミノメタン塩酸(TrisHCl) 緩衝液(pH
7.7)中で、ポリトロンホモジナイザー(Kinematica 社
製)で懸濁した。懸濁液を遠心分離(50,000×g、10分
間) し、得られた沈澱に再び同量の50mM Tris HCl 緩衝
液を加えて再懸濁し、同様の遠心分離を行った。最終沈
澱物に、100mg (湿重量) /mlの組織濃度になるよう
に、50mM TrisHCl緩衝液を加え、懸濁した。この組織懸
濁液をアデノシンデアミナーゼ0.02ユニット/mg組織(S
igma社製) の存在下、37℃で30分間保温した。次い
で、この組織懸濁液を遠心分離 (50,000×g、10分間)
し、得られた沈澱に、10mg (湿重量) /mlの濃度になる
ように、50mM TrisHCl緩衝液を加え、懸濁した。
【0035】上記調製した組織懸濁液1mlにトリチウム
で標識したシクロヘキシルアデノシン (3 H −CHA :27
キュリー/mmol ; New England Nuclear社製) 50μl
(最終濃度1.1nM)と試験化合物50μlを加えた。25
℃、90分間静置後、ガラス繊維濾紙(GF/C;Whatman 社
製) 上で急速吸引濾過し、ただちに氷冷した5mlの50mM
Tris HCl 緩衝液で3回洗浄した。ガラス繊維濾紙をバ
イアルびんに移し、シンチレーター(EX−H ;和光純薬
工業社製) を加え、放射能量を液体シンチレーションカ
ウンター(Packard社製) で測定した。
【0036】試験化合物のA1 受容体結合(3H-CHA結
合)に対する阻害率の算出は、次式により求めた。
【0037】
【数1】
【0038】(注)全結合量とは、試験化合物非存在下
での3H-CHA結合放射能量である。非特異的結合量とは、
10μM N6-(L-2-フェニルイソプロピル)アデノシン(Si
gma 社製)存在下での3H-CHA結合放射能量である。薬物
存在下での結合量とは、各種濃度の試験化合物存在下で
3H-CHA結合放射能量である。
【0039】その結果を第1表に示す。なお、表中の阻
害定数(Ki値)は、Cheng-Prusoffの式より求めた。
【0040】
【表1】
【0041】試験結果によれば、化合物1は 3H −CHA
結合(A1 受容体結合)をほぼ完全に抑制した。 試験例3 利尿作用 ウイスターラット(雄性;150〜300g)を、摂食
を遮断して18時間飢餓状態にした後使用した。試験化合
物を試験ラットに経口投与し、尿を6時間採取した。実
験は、1群ラット3匹とし、試験化合物当り3群につい
て実施した。尿をメスシリンダーで計量し、尿中電解質
(Na+ およびK+ ) を炎光光度計(日立製 775A)で測
定した。
【0042】結果を第2表に示す。なお、表中のパラメ
ーターはすべて薬物無処理のラットを対照として、比較
して表わし、増加率を表示した。
【0043】
【表2】
【0044】試験結果によれば、化合物1はアミノフィ
リンあるいはフロセミドを上回る利尿作用を示した。 試験例4 腎保護作用(グリセロール誘発腎不全モデ
ル) 腎機能が低下し、体液の恒常性が維持できなくなった状
態が腎不全である。ラットにグリセロールを皮下または
筋肉注射すると、尿細管障害を特徴とする急性腎不全が
惹起されることが知られている〔Can. J. Physiol. Pha
rmacol., 65,42(1987)〕。
【0045】ウィスターラット(雄性)を、摂水を遮断
して18時間後に使用した。試験化合物を腹腔内投与(投
与量;0.1ml/100g)し、30分後ラットをエーテル麻酔
し、背中の皮をつまんで50%グリセロール0.8ml/100g
を皮下投与した。グリセロール投与24時間後、ラットを
エーテル麻酔し、下行大動脈より5ml採血した。採血し
たサンプルは30分以上放置後、3000rpm,10分間遠心
分離し、得られた血清中のクレアチニン量、尿素窒素量
を共にオートアナライザー(オリンパスAU510)を
用いて測定〔クレアチニンテスト(Jaffe' 法)、尿素窒
素テスト(酵素法)、共にオリンパス AU500/550 専用
試薬「片山」を使用〕するか、あるいはクレアチニン
量、尿素窒素量を各々クレアチニン−テストワコー(Jaf
fe' 法)、尿素窒素テストワコー(ジアセチルモノオキ
シム直接法)(共に和光純薬社製)を用いて測定した。
【0046】他方、採血したラットの左側の腎臓を摘出
し、ホルマリン入りのバイアルびんに入れた。同様に摘
出した薬物無処理ラットの腎臓を対照として、病理所見
用の試料とした。結果を第3表に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】なお、試験結果について対照群と試験化合
物群との間で統計処理〔有意差検定Student's t-test(n
=8 〜10)〕を行った。試験結果によれば、化合物1は
0.1mg/kg腹腔内投与により、血清クレアチニン量およ
び血清尿素窒素量の上昇を有意に抑制した(p<0.00
1)。一方、10mg/kg腹腔内投与により、アミノフィリ
ンは弱い抑制傾向しか示さず、フロセミドは悪化傾向を
示した。また、化合物1は、摘出腎臓の病理所見におい
ても有意な改善傾向を示した。
【0050】化合物(I)またはその薬理上許容される
塩はそのままあるいは各種の製薬形態で使用することが
できる。本発明の製薬組成物は活性成分として、有効な
量の化合物(I)またはその薬理上許容される塩を薬理
上許容される担体と均一に混合して製造できる。これら
の製薬組成物は、経口的または注射による投与に対して
適する単位服用形態にあることが望ましい。
【0051】経口服用形態にある組成物の調製において
は、何らかの有用な薬理的に許容しうる担体が使用でき
る。例えば懸濁剤およびシロップ剤のような経口液体調
製物は、水、シュークロース、ソルビトール、フラクト
ースなどの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコールなどのグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、
大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類
などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント
などのフレーバー類などを使用して製造できる。粉剤、
丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラクトース、グルコー
ス、シュークロース、マンニトールなどの賦形剤、でん
粉、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結
合剤、脂肪酸エステルなどの表面活性剤、グリセリンな
どの可塑剤などを用いて製造できる。錠剤およびカプセ
ル剤は投与が容易であるという理由で、最も有用な単位
経口投与剤である。錠剤やカプセル剤を製造する際には
固体の製薬担体が用いられる。
【0052】また注射剤の溶液は、蒸留水、塩溶液、グ
ルコース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物から
成る担体を用いて調製することができる。この際、適当
な溶解補助剤および懸濁剤を用いて溶液、懸濁液あるい
は分散液として調製される。化合物(I)もしくはその
薬理的に許容される塩の有効容量および投与回数は、投
与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通
常1日当り、1〜50mg/kgを3〜4回に分けて投与する
のが好ましい。
【0053】以下に、本発明の実施例および参考例を示
す。
【0054】
【実施例】
実施例1 1,3−ジアリル−8−(3−ノルアダマンチル)キサン
チン(化合物1) 3−ノルアダマンタンカルボン酸1.65g (9.91ミリモ
ル)をピリジン20mlに溶解させ、0℃で塩化チオニル0.
80ml(10.8ミリモル)を滴下した。室温で1時間攪拌し
た後、再び0℃に冷却し、5,6−ジアミノ−1,3−ジア
リルウラシル〔Naunyn−Schmiedeberg's Arch. Pharmac
ol., 336, 204(1987) 〕2.00g(9.01ミリモル)の塩化
メチレン20ml溶液を滴下した。反応液を更に1時間室温
で攪拌を続けた後、減圧下濃縮し、水100ml に注入し
た。クロロホルム30mlで3回抽出し、有機層を飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧
下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒;2%メタノール/クロロホルム)で分離
・精製し、6−アミノ−1,3−ジアリル−5−(ノルア
ダマンタン−3−カルボニルアミノ)ウラシル2.44g
(収率73%)を不定形状物質として得た。
【0055】NMR(90MHz ;CDCl3 ) δ(ppm) : 7.41(1
H, brs), 6.20〜5.10(8H, m), 4.80 〜4.45(4H, m), 2.
76(1H, t), 2.50〜1.50(12H, m) 上記化合物2.29g(6.19ミリモル)に2規定水酸化ナト
リウム水溶液27mlおよびジオキサン14mlを加え1時
間加熱還流した。冷却後、濃塩酸で反応液を中和し、ク
ロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し
た。得られた粗結晶をイソプロパノール−水から再結晶
し、化合物1を 1.55 g(収率71%)白色板状晶とし
て得た。
【0056】融点:202.0 〜204.3 ℃ 元素分析(%):C20244 2 計算値 ; C 68.16,H 6.86, N 15.89 実測値 ; C 68.20,H 6.97, N 15.63 IR(KBr) νmax (cm -1) :3190, 2940, 1704, 1658, 16
51, 1550, 1498 NMR(90MHz ;CDCl3 ) δ(ppm) : 6.30 〜5.70(2H, m),
5.60 〜5.00(4H, m), 4.90 〜4.60(4H, m), 2.80(1H,
t), 2.55〜1.50(12H, m) MS(m/e):352(M+
【0057】実施例2 3−アリル−8−(3−ノルアダマンチル)−1−プロ
パルギルキサンチン(化合物2) 参考例1で得られる3−アリル−8−(3−ノルアダマ
ンチル)キサンチン1.10g(3.21ミリモル)をジメチル
ホルムアミド32mlに溶解し、氷冷下60%水素化ナトリウ
ム257mg(6.42ミリモル)を加えた。室温で30分間攪拌
後、プロパルギルブロマイド0.25ml(3.36ミリモル)を
ゆっくりと滴下した。室温で4時間攪拌後、得られた反
応液を水 300mlに注入した。反応液を1規定塩酸で中和
後、クロロホルム50mlで3回抽出し、有機層を水で2回
ついで飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をフラッシュクロ
マトグラフィー(溶出溶媒:40%酢酸エチル/ヘキサ
ン)で分離・精製した後、得られた粗結晶をジメチルス
ルホキシド−水から再結晶し、化合物2を 110mg(収率
23%)白色粉末として得た。
【0058】融点:256.3 〜257.1 ℃ 元素分析(%):C20224 2 計算値 ; C 68.55,H 6.32, N 15.98 実測値 ; C 68.62,H 6.45, N 16.05 IR(KBr) νmax (cm -1) :1700, 1659, 1649, 1548, 14
96 NMR(270MHz;CDCl3 ) δ(ppm) : 11.58(1H, brs), 6.1
0 〜 5.90(1H,m), 5.45〜5.20(2H, m), 4.90 〜4.70(4
H, m), 2.80(1H, t), 2.50〜 1.90(8H, m), 1.80〜1.60
(5H, m) MS(m/e):350(M+
【0059】参考例1 3−アリル−8−(3−ノルアダマンチル)キサンチン 3−ノルアダマンタンカルボン酸3.22g(19.4ミリモ
ル)をピリジン80mlに溶解し、氷冷下塩化チオニル1.54
ml(21.1ミリモル)を滴下した。室温で50分間攪拌した
後、1−アリル−5,6 −ジアミノウラシル(米国特許2,
673,848 号公報)3.21g(17.6ミリモル)を氷冷下ゆっ
くりと加えた。室温で2時間攪拌後、得られた反応液を
減圧濃縮した。残渣をクロロホルム/メタノール(5:
1)で5回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧下留去した。残渣に、ジオキサン30mlお
よび1規定水酸化ナトリウム水溶液60mlを加え、30分間
加熱還流した。冷却後、反応液を1規定塩酸で中和後、
クロロホルム50mlで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で
1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧
下留去し、表記化合物を4.92g(収率90%)淡黄色板状
晶として得た。
【0060】融点:>270℃(エタノール−水より再
結晶) 元素分析(%):C17204 2 計算値 ; C 65.36,H 6.45, N 17.93 実測値 ; C 64.98,H 6.72, N 17.86 IR(KBr) νmax (cm -1) :1685, 1648, 1643, 1498, 14
25 NMR(90MHz ;CDCl3 ) δ(ppm) : 12.10(1H, brs), 7.2
0(1H, s), 6.20〜5.65(1H, m), 5.45 〜5.05(2H, m),
4.80 〜4.45(2H, m), 2.71(1H, t),2.55〜1.50(12H,m)
【0061】製剤例1 錠剤 常法により、次の組成からなる錠剤を作成する。
【0062】 化合物1 20mg 乳 糖 60mg 馬鈴薯でんぷん 30mg ポリビニルアルコール 3mg ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、アデノシンA1 受容体
に対し選択的に拮抗作用を示し、利尿作用および腎保護
作用を有する新規キサンチン誘導体が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一または異なって、アリル
    またはプロパルギルを表わし、R3 は水素または低級ア
    ルキルを表わし、X1 およびX2 は同一または異なっ
    て、酸素または硫黄原子を表わし、Yは単結合またはア
    ルキレンを表わし、nは0または1を表わす)で表わさ
    れるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される
    塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998005334A1 (en) * 1996-08-07 1998-02-12 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Fat emulsion containing xanthine derivative
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JP2003513982A (ja) * 1999-11-12 2003-04-15 バイオジェン インコーポレイテッド アデノシンレセプターアンタゴニストとしてのポリシクロアルキルプリン

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