JPH0558014B2 - - Google Patents

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JPH0558014B2
JPH0558014B2 JP14665185A JP14665185A JPH0558014B2 JP H0558014 B2 JPH0558014 B2 JP H0558014B2 JP 14665185 A JP14665185 A JP 14665185A JP 14665185 A JP14665185 A JP 14665185A JP H0558014 B2 JPH0558014 B2 JP H0558014B2
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aromatic
solvent
ketone
polymer
polymerization
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Tsuneaki Tanabe
Isaburo Fukawa
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は結晶性芳香族ポリエーテルケトンの改
良された製造方法に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は、特定の反応溶媒と特定の
アルカリを用いて耐熱性、耐薬品性、機械的強度
などに優れた、高分子量の高結晶性芳香族ポリエ
ーテルケトンを工業的有利に製造する方法に関す
るものである。 従来の技術 近年、エーテル基及びケトン基を介してフエニ
レン基が連結された結晶性芳香族ポリエーテルケ
トンは、優れた耐熱性、耐薬品性、機械的強度な
どを有することから、各種分野における成形材料
として注目されている。 この芳香族ポリエーテルケトンの製造方法とし
ては、これまで例えばケトン基を含むビスフエノ
ールのジアルカリ金属塩とケトン基を含むジハロ
ゲノ化合物とを芳香族スルホンの存在下で250〜
400℃の温度に加熱する方法(特公昭57−22938号
公報)、ケトン基を含むハロフエノールをアルカ
リ金属炭酸塩とともに、N−メチルピロリドン、
脂肪族スルホン又は芳香族スルホン化合物中で
200〜400℃の温度に加熱する方法(米国特許第
4113699号明細書)などが知られている。 ところで、一般に高分子量の重合体を生成させ
るには、生成した重合体が溶解するような重合媒
質中で反応を進行させることが必要であるが、結
晶性芳香族ポリエーテルケトンの場合は、このよ
うな重合媒質中に低温下では不溶なため、300℃
以上という高温下で重合を行わなけらばならな
い。したがつて、高分子量の結晶性芳香族ポリエ
ーテルケトンの製造方法においては、高温におい
ても安定であり、しかも適度の極性をもつ重合用
溶媒を選択することが重要な要件となつている。 従来、このような重合用溶媒としては、前記し
たように、脂肪族スルホン、芳香族スルホン、N
−メチルピロリドンなどが用いられているが、芳
香族スルホンを用いても、特に高結晶性、高融点
の重合体を目的とする場合には、高温下で長時間
の反応が必要であるため、ゲル化や着色など好ま
しくない現象を伴うという欠点があるし、N−メ
チルピロリドンや、スルホランのような脂肪族ス
ルホンは、熱的に不安定で、その重合用溶媒とし
ての能力が芳香族スルホンに比べ劣るため、これ
らを用いても高分子量の高結晶性芳香族ポリエー
テルケトンを得ることが困難であつた。 発明が解決しようとする問題点 本発明の第1の目的は、耐熱性、耐薬品性、機
械的強度などが優れた高分子量の高結晶性芳香族
ポリエーテルケトンを得るための改良された製造
方法を提供することである。 本発明の第2の目的は、高温下において安定で
あり、かつ適度の極性をもつ特定の重合用溶媒を
用いることにより、高分子量の高結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンを容易に製造しうる方法を提供
することである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究を
重ねた結果、原料として芳香族ジヒドロキシ化合
物とジフルオロ芳香族ケトンとを、あるいはモノ
ヒドロキシモノフルオロ芳香族ケトンを単独で用
い、炭酸アルカリの存在下にこれらを縮合重合さ
せる際に、重合用溶媒としてある種の芳香族ケト
ン化合物を用いることにより、その目的を達成し
うることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至つた。 すなわち、本発明は、溶媒中において炭酸アル
カリの存在下に、芳香族ジヒドロキシ化合物成分
の少なくとも1種とジフルオロ芳香族ケトン成分
の少なくとも1種とを縮合重合させるか、あるい
はモノヒドロキシモノフルオロ芳香族ケトン成分
の少なくとも1種を縮合重合させて結晶性芳香族
ポリエーテルケトンを製造するに当り、溶媒とし
て、一般式 (式中のR及びR′は、それぞれ水素原子、炭
素数1〜3のアルキル基又はフエニル基であつ
て、これらはたがいに同じでも又は異なつていて
もよい)で表わされる芳香族ケトン化合物を用い
ることを特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性
芳香族ポリエーテルケトンの製造方法を提供する
ものである。 本発明方法における縮合重合反応は、例えば遊
離状のヒドロキシル基をもつ芳香族ジヒドロキシ
化合物とジフルオロ芳香族ケトン成分との実質的
等モル混合物を、所定の溶媒中、炭酸アルカリの
存在下で加熱するか、あるいは、モノヒドロキシ
モノフルオロ芳香族ケトン成分として遊離状のヒ
ドロキシル基をもつものを用い、これを所定の溶
媒中、炭酸アルカリの存在下で加熱することによ
り行うことができる。 本発明方法において原料として用いる芳香族ジ
ヒドロキシ化合物成分には、一般式 HO−Ar−OH …() (式中のArは芳香族残基である) で表わされる二価フエノールがあり、このような
ものとしては、例えばヒドロキノンなどの単核二
価フエノール、4,4′−ジヒドロキシビフエニル
などのジヒドロキシポリフエニル、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフエニル)プロパン、ビス(4
−ヒドロキシフエニル)メタン、4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフエノン、4,4′−ジヒドロキシジ
フエニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフエ
ニルスルフイド、4,4′−ジヒドロキシテレフタ
ロフエノン、4,4′−ジヒドロキシイソフタロフ
エノンなどのビスフエノール類及びこれらの核置
換体などを挙げることができる。 このような芳香族ジヒドロキシ化合物成分の中
で特に好適なものは、ヒドロキノン及び4,4′−
ジヒドロキシベンゾフエノンである。 これらの二価フエノールは単独で用いてもよい
し、また2種以上の混合物として用いてもよい。 次に、この芳香族ジヒドロキシ化合物成分と縮
合させるジフルオロ芳香族ケトン成分としては、
例えば一般式 F−Ar′−F …() (式中のAr′は少なくとも1個のベンゾフエノン
単位を含む芳香族残基、Fは末端芳香族環のケト
ン基に対しオルト位置又はパラ位置に結合してい
る) で表わされるジフルオロベンゼノイド化合物が用
いられる。 このようなジフロオロベンゼノイド化合物の中
で、好適なものとしては、一般式 (式中のFの結合位置は前記と同じ意味をも
ち、Zはエーテル基、チオエーテル基、カルボニ
ル基、スルホン基又は二価アルキレン基、x及び
yは1〜3の整数である) で表わされる化合物を挙げることができる。 このような化合物としては、例えば4,4′−ジ
フルオロベンゾフエノン、2,4′−ジフルオロベ
ンゾフエノン、ビス−1,4−(4−フルオロベ
ンゾイル)ベンゼン、ビス−1,3−(4−フル
オロベンゾイル)ベンゼン、ビス−4,4′−(4
−フルオロベンゾイル)ビフエニル、ビス−4,
4′−(4−フルオロベンゾイル)ジフエニルエー
テルなどがある。これらのジフルオロ芳香族ケト
ンは単独で用いてもよいし、また2種以上混合し
て用いてもよい。 前記一般式()のジフロロベンゼノイド化合
物の中で、フツ素原子が、ケトン基の結合位置に
対してパラ位置に結合しているものが高融点、高
結晶性の重合体を得るために特に有利である。特
に好適なものは、4,4′−ジフルオロベンゾフエ
ノン及びビス−1,4−(4−フルオロベンゾイ
ル)ベンゼンである。そして、還元粘度0.6以上
という高重合度の結晶性芳香族ポリエーテルケト
ンを得るには、前記のようなジフルオロベンゼノ
イド化合物を使用することが必要で、例えばジク
ロロベンゼノイド化合物を使用すると、重合度が
上りにくく、また長時間重合により重合度を上げ
た場合、得られた重合体は分枝化又は架橋化しや
すく、熱的に安定なものが得られない。しかし、
生成する重合体の特性が損われない範囲におい
て、ジクロロベンゾフエノンやビス−1,4−
(4−クロロベンゾイル)ベンゼンなどを併用す
ることもできる。 次に、別法の原料として用いるモノヒドロキシ
モノフルオロ芳香族ケトン成分には、一般式 F−Ar′−OH …() (式中のAr′及びFは前記と同じ意味をもつ) で表わされる少なくとも1個のベンゾフエノン単
位を含むフルオロフエノールがあり、このような
ものとしては、例えば4−フルオロ−4′−ヒドロ
キシベンゾフエノン、4−(4−フルオロベンゾ
イル)−4′−ヒドロキシビフエニル、4−(4−フ
ルオロベンゾイル)−4′−ヒドロキシジフエニル
エーテル、4−フルオロ−4′−ヒドロキシテレフ
タロフエノン、4−フルオロ−4′−ヒドロキシイ
ソフタロフエノンなどを挙げることができる。 これらのフルオロフエノールは単独で用いても
よいし、2種以上混合して用いてもよい。 前記のフルオロフエノールの中で特に好適に用
いられるものは、4−フルオロ−4′−ヒドロキシ
ベンゾフエノンである。 そして、この場合も、還元粘度0.6以上の高重
合度の結晶性芳香族ポリエーテルケトンを得るに
は、前記のようなモノヒドロキシモノフルオロ芳
香族ケトンを使用することが必要で、他のハロゲ
ン化芳香族ケトン例えばモノヒドロキシモノクロ
ロ芳香族ケトンを用いてもこのような高重合度を
有するものは得られない。しかし、生成する重合
体の特性を損わない範囲において、4−クロロ−
4′−ヒドロキシベンゾフエノンなどのクロロフエ
ノールを併用することができる。 本発明方法においては、重合用溶媒として、一
般式 (式中のR及びR′は前記と同じ意味をもつ) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることが
必要である。また、該化合物は、Rがフエニル基
の場合、ベンゾフエノン骨格のベンゼン環と縮合
していてもよい。 このような化合物としては、例えばベンゾフエ
ノン、4−メチルベンゾフエノン、4−フエニル
ベンゾフエノン、ナフチルフエニルケトン、4,
4′−ジメチルベンゾフエノンなどがあり、これら
の中で特にベンゾフエノンが熱的に安定で、入手
しやすく、好適である。 これらの溶媒はそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。さらに所望
に応じ本発明の目的を損わない範囲で、他の溶
媒、例えばジフエニルスルホン、キサントンなど
と併用することもできる。 本発明方法において用いられる炭酸アルカリ
は、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又はこ
れらの混合物である。 本発明方法に従つて、前記一般式()の二価
フエノールと一般式()のジフルオロベンゼノ
イド化合物とを縮合させる場合には、前記一般式
()で表わされる芳香族ケトン化合物中に、所
定量の二価フエノールとジフルオロベンゼノイド
化合物とアルカリとを加え、200〜400℃に加熱
し、反応させる。この際の二価フエノールとジフ
ルオロベンゼノイド化合物とは実質的に等モルず
つ用い、一方の過剰量が5モル%を越えないよう
にするのが望ましい。 また、この際のアルカリの使用量としては、そ
のアルカリ金属原子の量がヒドロキシル基1モル
当り0.3〜2グラム原子になるような範囲が選ば
れる。 この方法においては、原料の二価フエノールと
ジフルオロベンゼノイド化合物のほかに、所望に
応じ、さらに生成する重合体の特性が損われない
範囲で、前記一般式()のフルオロフエノール
や、4,4′−ジクロロジフエニルスルホン、4,
4′−ジヒドロキシジフエニルスルホンなどを併用
することもできる。この場合、反応系における全
ヒドロキシル基とハロゲン原子とのモル比が1:
0.95ないし1:1.05の範囲内になるような割合を
選ぶのが望ましい。 また、本発明方法に従つて、前記一般式()
のフルオロフエノールを縮合させる場合には、前
記一般式()で表わされる芳香族ケトン化合物
中に、所定量のフルオロフエノールとアルカリと
を加え、200〜400℃に加熱し、反応させる。 この際、所望に応じ少量の二価フエノール又は
ジフルオロベンゼノイド化合物を分子量調節剤と
して添加することもできる。この添加量について
は、反応系におけるヒドロキシル基とハロゲン原
子のモル比が1:0.95ないし、1:1.05の範囲に
なるように添加することが好ましい。 本発明方法においては、いずれの実施態様にお
いても、200〜400℃の温度で5分間ないし25時間
加熱することによつて、所望の重合体を得ること
ができる。200℃未満の反応温度では、生成した
重合体が低重合度のままで析出してくるため、目
的とする高分子量の結晶性重合体を得ることがで
きないし、また、400℃よりも高い反応温度を用
いるとゲル化のような望ましくない副反応が著し
くなる。特に好ましい反応温度は280〜340℃の範
囲で選ばれる。 本発明方法において重合溶媒として用いる前記
一般式()で表わされる芳香族ケトン化合物の
使用量については特に制限はなく、従来の結晶性
芳香族ポリエーテルケトンの製造に際して通常用
いられる重合用溶媒の使用量の範囲の中から任意
に選ぶことができる。通常、この範囲は、原料の
合計量に対し、重量比で1:0.8ないし1:5の
範囲である。 このようにして、還元粘度0.6以上の高重合度
の結晶性芳香族ポリエーテルケトンを製造するこ
とができる。 ところで、従来、重合溶媒として芳香族ケトン
化合物であるベンゾフエノンを使用した場合に
は、高重合度のポリエーテルケトンやポリエーテ
ルスルホンが得られず、高重合度のものを得るに
は、スルホンやスルホキシドのような高い極性の
溶媒を用いることが必要であると考えられてい
た。例えば、ビス−(4−ヒドロキシフエニル)
ケトンのジカリウム塩(0.075モル)とビス−(4
−クロロフエニル)ケトン(0.045モル)とビス
−(4−クロロフエニル)スルホン(0.030モル)
とを、ベンゾフエノン中で290℃、17時間反応し
て得られた重合体は還元粘度が0.14という低重合
度のものであり、この場合、ジフエニルスルホン
を溶媒として用いた場合にはじめて還元粘度2.57
という高重合度のものが得られている(特公昭57
−22938号公報実施例2)。 さらに、ビスフエノールAのジカリウム塩とジ
クロロジフエニルスルホンとを反応させてポリス
ルホンを製造する際に、重合溶媒としてベンゾフ
エノンを使用した場合には、高重合度ポリマーが
得られないということも報告されている〔「ジヤ
ーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(J.
Polymer Science)」パートA−1、第5巻、第
2379ページ(1967年)〕。 このように、従来、高重合度の芳香族ポリエー
テルを親核的置換反応により製造するためには、
高度の極性を有する溶媒であるスルホン又はスル
ホキシド溶媒を使用することが必須条件であると
されていた。 したがつて、本発明において、ジフルオロベン
ゼノイド化合物と二価フエノールとを、あるいは
フルオロフエノール単独をアルカリの存在下に縮
合重合させる際に、重合溶媒として芳香族ケトン
化合物を用いることにより、高分子量の高結晶性
芳香族ポリエーテルケトンが得られたことは、全
く予想外のことであつた。 これは、モノマーであるジハロベンゼノイド化
合物あるいはハロフエノールのハロゲン原子とし
て、反応性の大きなフツ素を用いたこと、及び生
成重合体に対して該芳香族ケトン化合物が優れた
溶解性を有することが、大きく寄与しているため
と思われる。 このことは、例えば、
【式】(濃硫酸中25 ℃におけるηsp/c=0.8、融点367℃)及び (濃硫酸中25℃におけるηsp/c=0.8、融点340
℃)の重合体それぞれ5gが溶媒10gに均一に溶
解して33重量%溶液となる温度は、溶媒としてジ
フエニルスルホンを用いる場合、それぞれ315℃
及び295℃であるのに対し、ベンゾフエノンを用
いる場合、それぞれ300℃及び280℃である事実や
あるいは重合中においても、例えばモノマーとし
て4−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゼフエノン
を、アルカリとして炭酸カリウムを用い、重合体
濃度を約40重量%になるようにした系では、300
℃で5時間反応した場合、溶媒としてベンゾフエ
ノンを用いたときには、生成した重合体は完全に
溶解しており、反応液は粘稠で曳糸性を示すが、
ジフエニルスルホンを溶媒として用いたときに
は、生成重合体は完全には溶解しておらず、反応
液は曳糸性に乏しい事実から推測される。 発明の効果 本発明の結晶性芳香族ポリエーテルケトンの製
法においては、重合溶媒として、従来の方法と異
なり、生成する重合体に対する溶解性に優れた芳
香族ケトン化合物を用いていることから、高分子
量の高結晶性重合体が極めて容易に得られ、ま
た、生成した重合体が該溶媒に良好に溶解するた
め、系のかきまぜが円滑に行われて、局部的な過
熱によるゲルの生成が抑制される。 また本発明で用いる溶媒は、その構造から明ら
かなように酸化性に乏しいため、モノマーのフエ
ノール類を酸化するおそれがなく、また、それ自
体熱的に安定であつて、繰り返し使用が可能であ
る上に、発生する重合体に分枝などの異種構造を
生じさせにくいなどの利点を有している。 さらに、本発明で用いられる芳香族ケトン化合
物は、従来用いられている芳香族スルホン化合物
に比べて、工業的に生産されていて入手が容易で
あり、一般に安価であること、融点が低いので
(ベンゾフエノン48℃、ジフエニルスルホン128
℃)、実質的に液体溶媒としての取り扱いが可能
で、かつ回収精製操作が容易であること、さらに
はベンゾフエノンについては、沸点(306℃)が
重合温度として通常採用されている温度範囲
(280〜340℃)にあるので、溶媒の蒸発潜熱を利
用して重合温度の制御が可能で、局部加熱が起り
にくく、均一温度での重合が容易であることな
ど、多くの特徴を有している。 また、本発明方法で得られた高分子量の高結晶
性芳香族ポリエーテルケトンは、耐熱性、耐薬品
性、機械的強度などに優れており、単独で構造
材、フイルム、繊維、フイブリル、被覆材などに
用いることができ、さらには他のポリマーとのブ
レンド物として、あるいはガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、ケイ酸カル
シウムなどの強化材又は充てん剤を混合した複合
材料としても用いられる。 実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によつてなんら限定さ
れるものではない。 実施例 1 窒素導入口、窒素排出口、温度計及びかきまぜ
器を装着した100mlのセパラブルフラスコに、4,
4′−ジフルオロベンゾフエノン10.91g(0.05モ
ル)、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン10.71
g(0.05モル)、炭酸カリウム7.19g(0.052モル)
及びベンゾフエノン40gを入れ、窒素置換した。
これを窒素シール下で1時間を要して室温から
300℃まで昇温したのち、300℃で6時間反応させ
た。次いで、ジクロロジフエニルスルホン4gを
加えて末端安定化させ、得られた反応物を冷却
後、水中で粉砕したのち、温アセトンで2度、温
水で2度、さらに温アセトンで1度洗浄して白色
の重合体粉末18.9gを得た。収率は96%であつ
た。 得られた重合体の構造は
【式】である。 この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸
(比重1.84)中、25℃における還元粘度(ηsp/
c)は0.81dl/g、DSC(昇温速度(10℃/分)
より求めた融点は367℃であつた。 この重合体を400℃で熱プレスしたのち急冷す
ることにより淡黄色透明で強度のすぐれたフイル
ムが得られた。 実施例 2 実施例1において、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン(0.05モル)及び4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフエノン(0.05モル)の代りに、40−フル
オロ−4′−ヒドロキシベンゾフエノン21.62g
(0.1モル)を用いる以外は、実施例1と全く同様
にして、白色重合体粉末19.6gを得た。収率は99
%であつた。 この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/cは1.57dl/g、DSCより求
めた融点は367℃であつた。 得られた重合体の構造は
【式】である。 実施例 3 実施例1における4,4′−ジヒドロキシベンゾ
フエノン0.05モルの代りに、ヒドロキノン5.506
g(0.05モル)を用いる以外は、実施例1と全く
同様にして、白色重合体粉末14.1gを得た。収率
は98%であつた。 得られた重合体の構造は である。 この重合体は、濃硫酸中、25℃におけるηsp/
cが1.28dl/g、DSCより求めた融点が340℃で
あつた。またこの重合体中にもゲルの生成は認め
られず、380℃での熱プレスにより強度のすぐれ
たフイルムを得ることができた。 実施例 4 実施例1において、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン0.05モルの代りにビス(4−フルオロベ
ンゾイル)ベンゼン16.12g(0.05モル)を、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフエノン0.05モルの代り
にハイドロキノン5.506g(0.05モル)を用いる
以外は、実施例1と全く同様にして、白色重合体
粉末19.3gを得た。収率は98%であつた。 この重合体は、濃硫酸中25℃におけるηsp/c
が0.83dl/g、DSCより求めた融点が366℃であ
つた。また、この重合体にもゲルの生成は認めら
れず、400℃での熱プレスにより強度のすぐれた
フイルムを得ることができた。 得られた重合体の構造は である。 実施例 5 ベンゾフエノンの代りに、4−フエニルベンゾ
フエノンを溶媒として用いる以外は、実施例1と
同様にして白色重合体粉末18.4gを得た。 この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/cは0.78dl/gであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶媒中において、芳香族ジヒドロキシ化合物
    成分の少なくとも1種と、ジフルオロ芳香族ケト
    ン成分の少なくとも1種とを炭酸アルカリの存在
    下に縮合重合させて結晶性芳香族ポリエーテルケ
    トンを製造するに当り、溶媒として、一般式 (式中のR及びR′は、それぞれ水素原子、炭
    素数1〜3のアルキル基又はフエニル基であつ
    て、これらはたがいに同じでも又は異なつていて
    もよい) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることを
    特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性芳香族ポ
    リエーテルケトンの製造方法。 2 溶媒中において、モノヒドロキシモノフルオ
    ロ芳香族ケトン成分の少なくとも1種を炭酸アル
    カリの存在下に縮合重合させて結晶性芳香族ポリ
    エーテルケトンを製造するに当り、溶媒として、
    一般式 (式中のR及びR′は、それぞれ水素原子、炭
    素数1〜3のアルキル基又はフエニル基であつ
    て、これらはたがいに同じでも又は異なつていて
    もよい) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることを
    特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性芳香族ポ
    リエーテルケトンの製造方法。
JP14665185A 1985-02-27 1985-07-05 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造方法 Granted JPS627730A (ja)

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JP14665185A JPS627730A (ja) 1985-07-05 1985-07-05 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造方法
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