JPH0557459B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、Ｖベルト式無段変速機の伝動用無端
ベルトに関する。

［従来の技術］ 従来、Ｖベルト式無段変速機の伝動用無端ベル
トとして特開昭57−22442号広報（米国特許第
4313730号明細書）に開示のものがある。この無
端ベルトは、リンク片を相互にピン連結してリン
クを構成し、その周回方向に対して直角な方向に
リンクを取囲むブロツクを介してプーリからリン
クへ、あるいはリンクからプーリへ動力を伝達す
る構成とされており、ブロツクの両側傾斜面に加
わる荷重は、直接リンクを構成する各リンク片に
伝えられる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記のような従来の伝動用無端ベ
ルトでは、プーリと接触して動力伝達すべくリン
クを取囲むように設けられたブロツクは、プーリ
に係合してトルクを伝達するので、プーリからの
押付力により発生する径方向外向きの力は、ブロ
ツクを介して、それに当接し且つそれに対して摺
動するリンク片が直接受けることになり、リンク
片とブロツクとの係合面で摩耗が生じ、リンクの
耐久性を損ねるという問題点があつた。

本発明は、上記問題点を解決するものであり、
プーリからの押付力により発生する径方向外向き
の力によるブロツクとリンク片との摺接と、それ
による摩耗を防止することでリンクの耐久性の向
上を図り、各ブロツクに対する伝達荷重の負担を
減らすことでブロツクの耐久性の向上を図り、そ
れらの奏合で使用時の振動、騒音を減少させた伝
動用無端ベルトを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため本発明は、Ｖベルト
式無段変速機の一対のプーリ間に巻掛けられる伝
動用無端ベルトにおいて、複数のリンク片と、各
前記リンク片をそれに隣接するリンク片に関節運
動可能に連結する連結手段と、前記リンク片の連
結されたリンクを挿通されるリンク挿通用穴を有
すると共に、前記両プーリと当接する側面を有
し、各々が隣接する前記連結手段に挟持されて前
記リンク片との間に間〓を保つて前記リンクに装
着される連結手段押圧ブロツクと、前記リンクを
挿通されるリンク挿通用穴を有すると共に、前記
両プーリと当接する側面を有し、荷重を前記連結
手段押圧ブロツクとの間で伝達すべく隣接する前
記連結手段押圧ブロツクの間に前記連結手段への
当接により径方向支持されて前記リンク片との間
に間〓を保つて前記リンクに装着される荷重ブロ
ツクとから成ることを特徴とする。

〔作用〕

上記構成よりなる本発明では、入力側のプーリ
が各ブロツクを挟持してブロツクにトルクを伝達
し、各ブロツクは連結手段押圧ブロツクを介して
連結手段を押圧する。そして、連結手段からリン
ク片に周回方向の引張力が作用してトルクが伝達
される。また、各ブロツクが径方向外向きに弾き
出されるように作用する力（外方向集中荷重）は
全て連結手段が承ける。このため、リンク片は外
方向集中荷重を受けない。出力側のプーリには、
前記と逆の経路で各ブロツクからプーリにトルク
伝達が成される。

〔発明の効果〕

このように、本発明によれば、各ブロツクとリ
ンク片との間に間〓が保たれるため、両者の摺接
による摩耗を防いで、リンクの耐久性を向上させ
ることができるばかりでなく、荷重ブロツクと連
結手段押圧ブロツクが共にプーリの円錐面に接す
るため、ブロツクのプーリに対するかみこみピツ
チが短縮され、それにより各ブロツクに対する伝
達荷重の負担を減らすことができるため、伝動時
の振動、騒音が減少する。

［実施例］ 本発明の伝動用無端ベルトを図に示す一実施例
に基づき説明する。なお、第１図は第２図のＢ−
Ｂ断面、第２図は第１図のＡ−Ａ断面を示す。

本発明の伝動用無端ベルト１は、一対のプーリ
（図示しない）間に掛けわたされて、前記両プー
リ間を伝動し、本実施例では、相互に重ね合せた
リンク片３よりなる複数のリンクＬと、該リンク
Ｌの関節運動を可能とするように各リンクＬを隣
接するリンクＬに結合する連結手段である棒状ピ
ン（以下ピンと略す）Ｐと、隣接したピンＰの間
に保持された連結手段押圧ブロツクであるピン押
圧ブロツク６と、隣接する該ピン押圧ブロツク６
の間で前記ピンＰの一方がわPaおよび他方がわ
Pbを覆う一方の荷重ブロツク７および他方の荷
重ブロツク８とからなる。

ピン押圧ブロツク６は、第３図に示す如く、両
側面６１ａ，６１ｂはプーリの円錐形接触面に接
触するよう上端縁６２から下端縁６３に向つて幅
を縮少する傾斜接触面６４を形成した台形状の形
状とされ、中心部にリンクＬを挿通するためにリ
ンクＬの連綴方向に矩形状のリンク挿通用穴６５
を形成され、該ピンＰに当接する部分である曲面
状突部６７ａ，６７ｂ，６７ｃ，６７ｄを有して
いる。

一方の荷重ブロツク７は、第５図に示す如く、
両側面７１ａ，７１ｂはプーリの円錐形接触面に
接触するよう上端縁７２から下端縁７３に向つて
幅を縮少する傾斜接触面７４を形成した台形状の
形状とされ、且つ他方の荷重ブロツク８と対を成
して、隣接する異なるピン押圧ブロツク６のそれ
ぞれの連綴面６６ａ，６６ｂに当接する厚さとさ
れ、また一方および他方の連綴面７５ａ，７５ｂ
には伝動用無端ベルト１の曲節運動を可能とする
ため中心方向へ収斂するテーパ面７０ａ，７０ｂ
を形成され一方の連綴面７５ａから他方の連綴面
７５ｂにはリンクＬを挿通する矩形状のリンク挿
通用穴７６を形成され、該リンク挿通用穴７６と
一体的に形成され、リンク挿通用穴７６の中央部
の両側内壁７７ａ，７７ｂにピンＰに外嵌される
ピン係止用凹所７８ａ，７８ｂが形成されてい
る。

他方の荷重ブロツク８は第４図に示す如く、両
側面８１ａ，８１ｂはプーリの円錐形接触面に接
触するよう上端縁８２から下端縁８３に向つて幅
を縮少する傾斜接触面８４を形成した台形状の形
状とされ、且つ他方の荷重ブロツク７と対を成し
て、隣接する異なるピン押圧ブロツク６のそれぞ
れの連綴面６６ａ，６６ｂに当接する厚さとさ
れ、また一方および他方の連綴面８５ａ，８５ｂ
には伝動用無端ベルト１の曲節運動を可能とする
ため中心方向へ収斂するテーパ面８０ａ，８０ｂ
を形成され一方の連綴面８５ａから他方の連綴面
８５ｂにはリンクＬを挿通する矩形状のリンク挿
通用穴８６を形成され、該リンク挿通用穴８６と
一体的に形成され、リンク挿通用穴８６の中央部
の両側内壁８７ａ，８７ｂにピンＰに外嵌される
ピン係止用凹所８８ａ，８８ｂが形成されてい
る。

リンクＬは一端寄りに一方のピン穴４および他
端寄りに他方のピン穴５が穿設され、厚さ方向に
並列された多数の金属薄板製リンク片３からな
る。このリンクＬは両端部３１Ａ，３１Ｂ、中央
部３１Ｃが押圧ブロツク６のリンク挿通用穴６５
に嵌め込まれ、一方のピン穴部３２Ａおよび他方
のピン穴部３２Ｂが一方の荷重プロツク７および
他方の荷重ブロツク８のリンク挿通用穴７６，８
６に嵌め込まれ、リンク片３の一方のピン穴４お
よび他方のピン穴５と合致するよう重ねられ、厚
さ方向に多数並列されたリンクＬの各リンク片３
の一方のピン穴４および他方のピン穴５を、ピン
Ｐによつて枢着されて無端ベルト状のチエーン２
が形成される。リンク片３の板幅はピン押圧ブロ
ツク６、一方の荷重ブロツク７および他方の荷重
ブロツク８のリンク挿通用穴６５，７６，８６に
おける上下端縁６２，６３，７２，７３，８２，
８３方向の幅より若干狭い幅とされ、一方のピン
穴４にピンＰを嵌装された多数のリンク片３はピ
ン押圧ブロツク６、一方の荷重ブロツク７および
他方の荷重ブロツク８のリンク挿通用穴６５，７
６，８６中に挿通され、ピンＰ間に１個ずつピン
押圧ブロツク６が挟持され、リンクＬの各棒状ピ
ンＰ間に１個ずつ一方の荷重ブロツク７および他
方の荷重ブロツク８が配設され、各リンク片３の
一方のピン穴４および他方のピン穴５間の距離
は、該一方のピン穴４および他方のピン穴５にピ
ンＰを嵌入したとき、各ピンＰがピン係止用凹所
７８ａ，７８ｂ，８８ａ，８８ｂに係止して一方
の荷重ブロツク７および他方の荷重ブロツク８を
挟持して、ピン押圧ブロツク６、一方の荷重ブロ
ツク７および他方の荷重ブロツク８を脱落せしめ
ない長さとする。また、リンクＬのリンク片３
は、一方のピン穴４と他方のピン穴５の内壁４
ａ，５ａに曲面状突部４ｂ，５ｂを形成して、該
曲面状突部４ｂ，５ｂとピンＰの中央部９２とを
ころがり接触させて関節運動を可能にしている。

ピンＰは、ほぼ長方形断面の角柱状とされ、そ
の長縁９１ａ，９１ｂ間に挟まれる中央部は凹曲
面とされており、該中央部９２とピン押圧ブロツ
ク６の曲面状突部６７ａ，６７ｂ，６７ｃ，６７
ｄを当接させてピン押圧ブロツク６を支持して、
リンクＬとピン押圧ブロツク６とを直接に当接さ
せないようにしている。

つぎに上記のリンクＬおよびピンＰにより形成
されたチエーン２にピン押圧ブロツク６、一方の
荷重ブロツク７および他方の荷重ブロツク８を装
着せしめる本実施例の伝動用無端ベルト１の組付
を第２図に基づき説明する。

(イ) 第１層目の第１節リンク片３１ａの他方のピ
ン穴５１ａと第２層目の第１節リンク片３２ａ
の一方のピン穴４２ａとを合せて第１ピンＰ１
で枢着し、第１層目の第１節リンク片３１ａの
一方のピン穴４１ａがわより第１番目の他方の
荷重ブロツク８ａおよび第１番目の一方の荷重
ブロツク７ａを第１ピンＰ１を係止するよう嵌
め、さらに第１番目のピン押圧ブロツク６ａを
第１層目の第１節リンク片３１ａに嵌める。

(ロ) つぎに第１層目の第１節リンク片３１ａの一
方のピン穴４１ａと第３層目の第１節リンク片
３３ａの他方のピン穴５３ａとを合せて第２ピ
ンＰ２で枢着し、第１番目の他方の荷重ブロツ
ク８ａ、第１番目の一方の荷重ブロツク７ａ、
および第１番目のピン押圧ブロツク６ａと同方
向よりを第２番目の他方の荷重ブロツク８ｂ、
第２番目の一方の荷重ブロツク７ｂ、ピン押圧
ブロツク６ｂの順に嵌める。

(ハ) つぎに第２層目の第２節リンク片３２ｂの他
方のピン穴５２ｂと第３層目の第１節リンク片
３３ａの一方のピン穴４３ａとを合せて第３ピ
ンＰ３で枢着し、第２番目の他方の荷重ブロツ
ク８ｂ、第２番目の一方の荷重ブロツク７ｂ、
第２番目のピン押圧ブロツク６ｂと同方向より
第３番目の他方の荷重ブロツク８ｃ、第３番目
の一方の荷重ブロツク７ｃ、第３番目のピン押
圧ブロツク６ｃの順に嵌める。

(ニ) 第３層目の最終節リンク片３３ｎを装着した
後、ピン押圧ブロツク６ｎを第３層目の最終節
リンク片３３ｎに嵌め、第２層目の第１節リン
ク片３２ａの他方のピン穴５２ａと第３層目の
最終節リンク片３３ｎの一方のピン穴４３ｎと
を最終ピンpnで枢着し、第６図と第７図に示
す最終の他方の荷重ブロツク８ｎと、最終の一
方の荷重ブロツク７ｎとを組付ける。

最終の他方の荷重ブロツク８ｎは、第６図に
示す如く、上端縁８２の中央部の一部８２１を
別体で形成し、リンクＬに装着後中央部の一部
８２１を嵌め、溶接などで結合させる。

最終の一方の荷重ブロツク７ｎは、第７図に
示す如く、上端縁７２の中央部の一部８２１を
別体で形成しリンクＬに装着後中央部の一部８
２１を嵌め、溶接などで結合させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の伝動用無端ベルトの一実施例
の側面断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、
第３図は本発明の伝動用無端ベルトの一実施例に
かかるピン押圧ブロツク、棒状ピン、リンク片の
斜視図、第４図は本発明の伝動用無端ベルトの一
実施例にかかる他方の荷重ブロツクの斜視図、第
５図は本発明の伝動用無端ベルトの一実施例にか
かる一方の荷重ブロツクの斜視図、第６図は本発
明の伝動用無端ベルトの一実施例にかかる最終の
他方の荷重ブロツクの斜視図、第７図は本発明の
伝動用無端ベルトの一実施例にかかる最終の一方
の荷重ブロツクの斜視図である。 図中 １……伝動用無端ベルト ２……チエー
ン ３……リンク片 ６……ピン押圧ブロツク
７……一方の荷重ブロツク ８……他方の荷重ブ
ロツク Ｌ……リンク Ｐ……棒状ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ｖベルト式無段変速機の一対のプーリ間に巻
   掛けられる伝動用無端ベルトにおいて、 複数のリンク片と、 各前記リンク片をそれに隣接するリンク片に関
   節運動可能に連結する連結手段と、 前記リンク片の連結されたリンクを挿通される
   リンク挿通用穴を有すると共に、前記両プーリと
   当接する側面を有し、各々が隣接する前記連結手
   段に挟持されて前記リンク片との間に間〓を保つ
   て前記リンクに装着される連結手段押圧ブロツク
   と、前記リンクを挿通されるリンク挿通用穴を有
   すると共に、前記両プーリと当接する側面を有
   し、荷重を前記連結手段押圧ブロツクとの間で伝
   達すべく隣接する前記連結手段押圧ブロツクの間
   に前記連結手段への当接により径方向支持されて
   前記リンク片との間に間〓を保つて前記リンクに
   装着される荷重ブロツクと から成ることを特徴とする伝動用無端ベルト。