JPH0557207U - 防護ネット付布板足場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的に優れ、簡便に着脱することができる
防護ネットを内蔵するとともに、足場組上げ作業の安全
性の向上を図ることができる防護ネット付布板足場を提
供する。 【構成】 この防護ネット付布板足場１は、布板本体３
と、防護ネット４を巻き取る防護ネット巻取装置５と、
防護ネット４の取出し溝６と、当該防護ネット付布板足
場１の一段上位に位置する防護ネット付布板足場１の防
護ネット４の先端４ａを係止する係止部７とを備えてい
る。防護ネット巻取装置５は、布板本体３の裏側空間Ａ
に横架された支軸５０に巻取ローラー５１が軸支されて
いるとともに、支軸５０に巻取レバー５２がギヤボック
ス５３を介して連結されて構成されている。ギヤボック
ス５３は、巻取ローラー５１の逆回転を規制するつめ車
５４およびつめ５５を備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は足場の建枠上に架け渡される布板足場に防護ネットが収納され得る防 護ネット付布板足場に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建築現場では、図６に示すように、建枠２上に歩み板となる布板足場２ ０１を架け渡しながら、地面から建物の最上部まで足場２００を組み上げ、該足 場２００に建物の数階分の高さに相当する長さの防護ネット２０４を、その外周 縁部を上下の布板足場２０１や左右の建枠２に縛るなどして取り付けていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、防護ネットは、その一部分に傷などが付くと使用不可能となるので 、上記した防護ネット２０４のように、その長さが長いと、非常に不経済である という問題点があった。

【０００４】 また、上記した防護ネット２０４のように、その長さが長いと、防護ネット２ ０４を保管する際や運搬する際などに、畳んだ防護ネット２０４が非常に嵩ばり 不便であるという問題点があった。

【０００５】 さらに、上記した防護ネット２０４は最後に取り付けられるため、足場２００ の組上げ作業中における作業者の転落事故や建材等の落下事故などを防ぐことが できないという問題点があった。

【０００６】 さらにまた、上記した防護ネット２０４では、その取付けや取外しに非常に手 間を要し面倒であるという問題点があった。

【０００７】 この考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、経済的に優れ、簡 便に着脱することができる防護ネットを内蔵するとともに、足場組上げ作業の安 全性の向上を図ることができる防護ネット付布板足場を提供することを目的とし ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の防護ネット付布板足場においては、布板 本体の裏面に防護ネット巻取装置を収納するとともに、布板本体に防護ネットの 取出し溝を設け、該取出し溝に防護ネットの先端を係止する係止部を設けた。

【０００９】

【作用】

上記のように構成された防護ネット付布板足場を用いて足場を組み上げると、 防護ネットが各布板本体に個々に収納される程度の大きさに細分化されるため、 使用不可能となった防護ネットの廃棄量が少なくて済む。

【００１０】 また、防護ネットの非使用時には、防護ネットが防護ネット巻取装置により巻 き取られて布板本体の裏側に収納されるため、布板本体とともに防護ネットを保 管したり運搬することができる。

【００１１】 さらに、布板本体の裏側に防護ネットが収納されるため、建枠に布板本体を架 け渡した直後に防護ネットを引き出して取り付けることができる。

【００１２】 さらにまた、防護ネットの上縁部は防護ネット巻取装置に取り付けられる一方 、その下縁部は一段下位の布板本体の取出し溝に設けられた係止部に係止される ため、防護ネットの左右両縦縁部を左右の建枠に縛るだけで防護ネットの取付け が済む。

【００１３】

【実施例】

本考案に係る足場の実施例を図１乃至図４に示し、以下に説明する。 図１は防護ネット付布板足場を用いて構築されている足場の部分斜視図、図２ は防護ネット付布板足場を用いて構築された足場の要部側面断面図、図３は防護 ネットが収納された状態の要部斜視図、図４は防護ネットが引き出された状態の 要部斜視図である。

【００１４】 この防護ネット付布板足場１は、図１に示すように、足場１００の建枠２上に 歩み板として架け渡される布板本体３に防護ネット４（養生シート等も含む。） が収納されるようになっているもので、図２に示すように、防護ネット４を巻き 取る防護ネット巻取装置５と、防護ネット４の取出し溝６と、防護ネット４の先 端４ａを係止する係止部７とを備えている。

【００１５】 前記布板本体３は、図１乃至図４に示すように、矩形状をした平板３０の外周 端部にリブとなる側板３１乃至３４が設けられてできている。側板３１，３２， ３３，３４は、夫々、布板本体３の外（屋外）側、左右両側、建物側の側板であ る。

【００１６】 前記防護ネット４は、図１または図２に示すように、足場１００の外側（図２ の紙面左側）を覆って、作業者の転落事故や建材等の落下事故などを防ぐもので ある。防護ネット４の横方向（水平方向）の寸法は布板本体３の長手方向の寸法 と略同程度で、縦方向（鉛直方向）の寸法は丁度足場１００の一階分を覆う程度 である。 防護ネット４の先端４ａには、図２乃至図４に示すように、先端４ａの全長に 亘って例えば丸棒でできた弛み防止棒４０が取り付けられている。この弛み防止 棒４０は防護ネット４の先端４ａの弛みやばたつきを防いで防護ネット４を張り 詰めるために設けられている。 また、防護ネット４の左右両縦縁部には、左右の建枠２，２に縛り付けるため の針金等を通す通し孔４１が設けられている。

【００１７】 前記防護ネット巻取装置５は、図２に示すように、防護ネット４を巻き取るた めのもので、布板本体３の裏側空間Ａ（前記平板３０および前記側板３１乃至３ ４によって形成されている。）に設けられている。防護ネット巻取装置５は、布 板本体３の前記側板３２，３３間に支軸５０が横架され、該支軸５０に巻取ロー ラー５１が軸支されているとともに、支軸５０の一端に巻取レバー５２がギヤボ ックス５３を介して例えば布板本体３の下側から連結されて構成されている。 巻取ローラー５１には、防護ネット４が着脱可能に取り付けられている。防護 ネット４を交換する時の作業性等を考慮して、巻取ローラー５１を布板本体３に 対して着脱可能にしてもよい。 巻取レバー５２は、巻取ローラー５１の巻取操作を容易に行わせ得るためのも ので、取外し可能になっていてもよい。 ギヤボックス５３は、巻取ローラー５１の逆回転を規制するとともに、巻取レ バー５２の回転を巻取ローラー５１に伝達させるためのもので、つめ車５４およ びかさ歯車（図示省略）等を備えている。このつめ車５４につめ５５をかみ合わ せることにより、一旦張り詰めた防護ネット４が弛むのを防止している。つめ５ ５のかみ合わせを解除すれば、巻取ローラー５１を逆回転させて巻取ローラー５ １から防護ネット４を引き出すことができる。

【００１８】 前記取出し溝６は、図２乃至図４に示すように、布板本体３の裏側空間Ａから 外側へ防護ネット４を通すためのもので、布板本体３の前記側板３１にその一端 から他端まで、スリット状に設けられている。防護ネット４を巻き取った時には 、この取出し溝６中に防護ネット４の前記弛み防止棒４０が収納され、防護ネッ ト４を引き出した時には、防護ネット４が取出し溝６を通って足場１００の外側 に垂れ下がるようになっている。

【００１９】 前記係止部７は、当該防護ネット付布板足場１の一段上位に位置する防護ネッ ト付布板足場１から引き出された防護ネット４の先端４ａを係止するもので、取 出し溝６の両側端部に夫々設けられている。この係止部７は、例えば布板本体３ の前記側板３１，３２，３３が取出し溝６中に鈎状に突出することにより形成さ れていて、前記弛み防止棒４０の両側端部を被係止部４０ａ，４０ａとして係脱 可能に係止させるようになっている。

【００２０】 上記実施例によれば、布板本体３に従来よりも細分化された防護ネット４が収 納されているため、傷付いて使用不可能となった防護ネットの廃棄量が少なくて 済むとともに、防護ネット４の着脱が容易で足場１００の組上げ・解体作業の手 間を省くこともできるので、経済性に優れているだけでなく、布板本体３ととも に防護ネット４を保管したり運搬したりすることができるので、防護ネット４の 保管場所を設けたり、防護ネット４を単体で運搬する必要がない。 また、建枠２，２間に布板本体３を架け渡した直後に防護ネット４を引き出せ ば、足場１００を組み立てる際の作業者の転落防止等にも役立つ。

【００２１】 なお、上記実施例においては、巻取ローラー５１は巻取レバー５２を介して巻 取操作されるとしたが、これに限定されるものではなく、例えばロールブライン ドのように巻取ローラー５１自体に巻取り状態に復帰させるばね等の巻取付勢手 段を設けてもよいし、巻取ローラー５１にその外部に設けたモーター等の駆動源 からベルト等を介して巻取り状態に復帰させる動力を伝達するなど、巻取ローラ ー５１に防護ネット４を巻き取ることができれば、如何様に巻取操作を行っても よい。

【００２２】 また、上記実施例においては、防護ネット４の弛み防止棒４０を布板本体３の 係止部７に係止させるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば布板本 体３と防護ネット４とをリングにフックを引掛けることによって係止させるよう にしてもよいし、図５に示した変形例のように、建枠２の下端部に弛み防止棒４ ０を係止させる係止部２０を設けるなど、防護ネット４の先端４ａを係脱可能に 係止させることができれば、如何様に係止させてもよい。建枠２に係止部２０を 設ければ、足場１００の１階部分の防護ネット４を係止させるのに都合がよい。 なお、足場１００の１階部分については、足場１００のベース金具８に弛み防 止棒４０を係止させる係止部を設けてもよい。

【００２３】

【考案の効果】 本考案に係る防護ネット付布板足場によれば、平板状の布板本体と、この布板 本体の裏面に収納された防護ネット巻取装置とを具備し、前記布板本体には防護 ネットの取出し溝が設けられるとともに、この取出し溝には防護ネットの先端を 係止する係止部が設けられているため、一枚の防護ネットが各布板本体に個々に 収納される程度の大きさに細分化される。従って、この防護ネット付布板足場を 用いれば、傷付いて使用不可能となった防護ネットの廃棄量が少なくて済むので 、経済性に優れている。

【００２４】 また、防護ネットの非使用時には、防護ネットが防護ネット巻取装置により巻 き取られて布板本体の裏側に収納されるため、布板本体とともに防護ネットを保 管したり運搬したりすることができるので、防護ネットの保管場所を設けたり、 防護ネットを単体で運搬する必要がない。

【００２５】 さらに、建枠に布板本体を架け渡した直後に防護ネットを引き出して取り付け ることができるので、足場の組上げ作業中における作業者の転落事故や建材等の 落下事故などを防ぐことができる。

【００２６】 さらにまた、引き出した防護ネットの先端を一段下位の布板本体の係止部に係 止させるとともに、その防護ネットの左右両縦縁部を左右の建枠に縛るだけで防 護ネットを取り付けることができるので、防護ネットを簡便に着脱することがで き、足場の組上げ・解体作業の手間を省力化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例における防護ネット付布板足場を用い
て構築されている足場の部分斜視図である。

【図２】本実施例における防護ネット付布板足場を用い
て構築された足場の要部側面断面図である。

【図３】本実施例における防護ネット付布板足場に防護
ネットが収納された状態の要部斜視図である。

【図４】本実施例における防護ネット付布板足場から防
護ネットが引き出された状態の要部斜視図である。

【図５】本実施例の変形例における足場の要部側面断面
図である。

【図６】従来の足場の部分斜視図である。

【符号の説明】

１ 防護ネット付布板足場 ２ 建枠 ３ 布板本体 ４ 防護ネット ４ａ 先端 ５ 防護ネット巻取装置 ６ 取出し溝 ７ 係止部 １００ 足場

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足場の建枠上に架け渡されて歩み板とな
   る布板足場において、平板状の布板本体と、この布板本
   体の裏面に収納された防護ネット巻取装置とを具備し、
   前記布板本体には防護ネットの取出し溝が設けられると
   ともに、この取出し溝には防護ネットの先端を係止する
   係止部が設けられていることを特徴とする防護ネット付
   布板足場。