JPH0556989A - 紫外線吸収能を有する眼内レンズ - Google Patents

紫外線吸収能を有する眼内レンズ

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JPH0556989A
JPH0556989A JP3252888A JP25288891A JPH0556989A JP H0556989 A JPH0556989 A JP H0556989A JP 3252888 A JP3252888 A JP 3252888A JP 25288891 A JP25288891 A JP 25288891A JP H0556989 A JPH0556989 A JP H0556989A
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JP
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intraocular lens
weight
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casting
ultraviolet
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JP3252888A
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Tomoji Honda
智士 本田
Isao Kaetsu
勲 嘉悦
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TOKYO KEIKAKU KK
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TOKYO KEIKAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 メチルメタクリレ−ト50〜90重量部、下
式(1)で示される二官能性アクリルエステル(又はメ
タクリルエステル)5〜30重量部、αメチルスチレン
3〜20重量部からなる特定された混合モノマ−100
重量部 当り、下式(2)で示されるラジカル重合性の
官能基を有する紫外線吸収剤を0.05〜8.0重量部
を混合、キャスティング共重合後、研削、研磨、加工す
ることによって、得られる紫外線吸収効果が大きく、紫
外線吸収剤の溶出のないことを特徴とする紫外線吸収能
を有する眼内レンズ (ここで、XはH又はCH、Rは、C〜Cのア
ルキル基又は、 nは1〜3の整数を示す) (ここで、X又は、H又はCH基Rは、C〜C
10のアルキル置換基を示す) 【効果】 目の光障害、特に、網膜光障害の一因とされ
る紫外線を防止する効果があって、且つ、目の障害とな
る紫外線吸収剤の溶出のない眼内レンズを得ることが出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収効果が大き
く、紫外線吸収剤の溶出のない眼内レンズに関するもの
である。更に詳しく述べると、ラジカル重合性の官能基
を有する紫外線吸収剤を眼内レンズ樹脂モノマーとキャ
スティング共重合することにより、レンズ樹脂に結合さ
せた溶出のない安全な眼内レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本来、眼内レンズの用途は、視力補正を
主眼とするものであるが、そのほかに紫外線や強い光り
から眼を守るという効果も求められている。感光器官で
ある眼は、自然界から、又、人工的にも種々の電磁波に
曝されている。特に、強い太陽光線等に含まれる強い過
剰な、エネルギーは、眼球に障害を及ぼすことは、紫外
線による角膜上皮障害や、赤外線による白内障からも理
解される。
【0003】例えば、波長300nm以下の紫外線は、
角膜で吸収され易いと考えられているが、波長300n
mより長い紫外線は、水晶体や、網膜に迄達すると言わ
れる。特に、ヒト水晶体は、これら、紫外線を、比較的
良く吸収し、網膜障害への影響を防ぐフィルターの役割
があると考えられているが、白内障術後等に用いられる
眼内レンズを透過する、これら紫外線による網膜に及ぼ
す影響が、最近特に、問題視されている。
【0004】眼内レンズとして多用されているアクリル
系樹脂レンズは、300〜400nmの波長の光を自由
に、透過させる。この為、眼内レンズを構成する樹脂材
料に紫外線吸収剤を添加し、紫外線遮蔽機能を持たせ、
網膜への影響を防止しようとの試みは、極めて意義のあ
ることと言える。通常、眼内レンズにこの紫外線防止機
能を付与するには、眼内レンズ樹脂に紫外線吸収剤を添
加することにより、達成することが可能である。
【0005】しかしながら、一般に、紫外線吸収剤は、
低分子量であり皮膚や体に接触した場合、皮膚内や、体
内に拡散し易く、逆に、紫外線吸収剤による障害が生じ
ることが、懸念されている。単に眼内レンズ樹脂にこの
様な紫外線吸収剤を添加しただけでは、長時間の内に、
眼内に低分子量の紫外線吸収剤が、溶出、拡散し、目
に、悪影響を与えてしまう。この意味から、紫外線吸収
効果があって、且つ紫外線吸収剤の溶出のない眼内レン
ズが強く待ち望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、目の光障害、特に、網膜光障害の一因とされる紫
外線を防止する効果があって、且つ、目の障害となる紫
外線吸収剤の溶出のない眼内レンズを得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような眼
内レンズを得べく検討を重ねた結果得られたものであ
る。即ち、後述する特定の樹脂モノマ−とラジカル重合
性の官能基を有する特定された紫外線吸収剤とをキャス
ティング共重合し、これを研削、研磨、加工することに
より、紫外線吸収剤を眼内レンズ樹脂に固定し、目の光
障害の一因とされる紫外線を防止する効果があって、且
つ、目の障害となる紫外線吸収剤の溶出のない眼内レン
ズを得ることを可能にした。以下、本発明を詳述する。
【0008】本発明で用いられるラジカル重合性の官能
基を有する特定された紫外線吸収剤は、下記、化3(構
造式2)で示される。この特定された紫外線吸収剤は、
本発明の目的が、目の光障害の一因とされる紫外線を防
止する効果と、目の障害となる紫外線吸収剤が眼内で溶
出しないという二つであるので、この双方の目的を達成
するものでなくてはならない。この二つの目的を、満足
させるために、本発明では、化3(構造式2)で示され
る紫外線吸収剤が使用される。これは、紫外線吸収能を
有する部位をラジカル重合性の官能基で結合された構造
を有している。ここで、ラジカル重合性の官能基がアク
リルまたは、メタクリル基であるのは、後述する眼内レ
ンズ樹脂モノマーとのキャスティング共重合性を良好に
行わせ、該紫外線吸収剤を完全に眼内レンズ樹脂と共有
結合させ、紫外線吸収剤を眼内に如何なる条件下でも溶
出することを防止させるためである。
【0009】
【化3】
【0010】又、化3(構造式2)で示される該紫外線
吸収剤の紫外線吸収能を有する部位にフェニル−ベンゾ
トリアゾールの構造を用いているのは、この構造が、後
述する本発明の眼内レンズ樹脂と相溶性に優れ、眼内レ
ンズとして、必須の光学的な透明性を有することが出
来、光学的な歪のない良好なレンズが得られる為と、目
特に、網膜光障害の一因とされる紫外線を殆ど400n
m近傍まで防止する効果に著しい為である。又、化3
(構造式2)で示される該紫外線吸収剤は、キャスティ
ングラジカル重合時にも安定で、分解することがなく、
本発明の紫外線吸収剤を経時的にも眼内に溶出すること
を防止させるという目的にも合致するものである。
【0011】該化3(構造式2)で示される紫外線吸収
剤の例を挙げると次のようなものがある。 2ーハイドロキシー3ーアクリルアミノー5ーエチルフェニルベ
ンゾトリアゾール、2ーハイドロキシー4ーメタクリルアミ
ノー5ーイソプロピルフェニルベンゾトリアゾール、2ーハ
イドロキシー3ーアクリルアミノフェニルベンゾトリアゾ
ール、2ーハイドロキシー4ーメタクリルアミノフェニルベ
ンゾトリアゾール、2ーハイドロキシー3ーアクリルアミノー
5ー(nーオクチル)フェニルベンゾトリアゾール2ーハイドロ
キシー3ーメタクリルアミノー5ーネオペンチルフェニルベン
ゾトリアゾール、2ーハイドロキシー4ーメタクリルアミノー
5ーネオペンチルフェニルベンゾトリアゾール、2ーハイド
ロキシー4ーアクリルアミノー5ー(ターシャリーブチル)フェニルベ
ンゾトリアゾール、2ーハイドロキシー3ーメタクリルアミ
ノー5ー(2エチルヘキシル)フェニルベンゾトリアゾール、
2ーハイドロキシー3ーアクリルアミノー5ー(2エチルヘキシ
ル)フェニルベンゾトリアゾール、等である。しかし、
ここに挙げた例は、ほんの一例であり、本発明では、こ
れらだけに、限定されるものではない。
【0012】該化3(構造式2)で示される紫外線吸収
剤の使用量は、その眼内レンズの紫外線防止の目的の程
度にもよるが、通常、本発明では、眼内レンズ樹脂を構
成するモノマ−100重量部 当り、0.05ないし
8.0重量部が好ましい範囲として用いられる。0.0
5重量部より少ないと紫外線防止の効果が期待できない
し、逆に、8.0重量部より多く用いても、その紫外線
防止の効果の著しい向上が、期待出来ないためである。
本発明では、より好ましくは0.06ないし5.0重量
部が用いられる。
【0013】次に、本発明で用いられる眼内レンズ樹脂
をなす特定のモノマ−とは、該化3(構造式2)で示さ
れる紫外線吸収剤とラジカル重合性が極めて良く、且つ
容易に重合硬化し、容易に眼内レンズに研削、研磨、加
工できるものが必要である。この意味から、重合が、三
次元架橋するものが更に好ましい。更に、硬化樹脂は眼
内レンズに用いられるため光学的に均一に重合が進行す
るような組成である必要がある。この様なことを配慮
し、本発明のモノマ−は、以下の組成のものが用いられ
る。
【0014】即ち、メチルメタクリレ−ト50〜90重
量部、化4(構造式1)で示されるジアクリルエステル
(または、ジメタクリルエステル) 5〜30重量部、
αメチルスチレン 3〜20重量部が用いられる。メチ
ルメタクリレ−トは、透明で光学特性が良く比較的活性
の低いラジカル重合開始剤でも良好に重合が進行し、化
3(構造式2)で示される該紫外線吸収剤とラジカル重
合性が極めて良いので本発明では、主成分として用いら
れる。しかし、これが90重量部を越すと耐熱性が悪く
なり、架橋効果も乏しくなるので、眼内レンズとして、
充分な耐熱性を持たすことが出来ない。一般に眼内レン
ズは、研削、研磨加工にて製造するが、この際、安定し
たレンズ形状を維持するためには、耐熱性を必要とする
が、これを損なう恐れがある。その意味から50〜90
重量部が用いられる。
【0015】
【化4】
【0016】化4(構造式1)のモノマ−は、その官能
基が、メチルメタクリレ−トや、化3(構造式2)で示
される該紫外線吸収剤と同じアクリル基もしくは、メタ
クリル基であるので、両者とのキャスティング共重合性
に富み、又、二官能性であるので、架橋効果が著しく樹
脂を研削、研磨加工するために欠くことが出来ない。し
かも、樹脂が、耐熱性が有って、かつ、眼内レンズに必
要な、柔軟性を保持することが出来る。しかし、これが
30重量部を越すと三次元架橋が進みすぎ、かえって脆
くなり、研削、加工が、不可能になるだけでなく、眼内
レンズとしても割れ易い危険なものとなる可能性があ
る。また、5重量部より少ないと、逆に、架橋効果が不
十分で、耐熱性がなく、また研削、研磨、加工性にも欠
けることになる。それ故、良好な眼内レンズとして、5
〜30重量部が好ましい範囲として用いられる。
【0017】化4(構造式1)のモノマ−中、R1がC4
〜C8 のアルキル基または、下記化5でnが1〜3の整
数が用いられている理由は、R1がC4より小さいと架橋
効果が著しく、キャスティング重合時に、均一な共重合
体が得にくいだけでなく、柔軟性に欠ける眼内レンズと
なる欠点がある為である。即ち、共重合体に、亀裂を生
じたり、光学的な歪が生じたりする場合がある。又、更
に、架橋が進みすぎると、樹脂が脆くなり易く、研削、
加工が不可能になるだけでなく、眼内レンズとしても割
れ易い危険なものとなる可能性があるためである。逆
に、R1が、C8より大きいかnが3より大きい場合、架
橋効果が低下し、樹脂が柔軟になり過ぎ耐熱性が低下す
る。これに依って、共重合体を、研削、研磨、加工して
も充分な光学的表面を得ることが出来ない等、加工性が
低下し、良好な透明性を有する眼内レンズとならない。
又、安定した設計されたレンズ形状を維持するだけの耐
熱性が損なわれる恐れがある。この為、化4(構造式
1)のモノマ−中、R1は、C4〜C8 のアルキル基また
は、化5でnが1〜3の整数が好ましい範囲として、用
いられる。
【0018】
【化5】
【0019】次に、本発明では、αメチルスチレンが眼
内レンズ樹脂の必須の成分として用いられる。αメチル
スチレンは、重合反応を、均一に進行させるために、本
発明では、欠かせない成分である。得られる共重合体樹
脂が光学的な均一性を持つために(特に樹脂中の歪を取
るために)用いられるものである。本発明で用いられる
眼内レンズ樹脂のモノマーであるメチルメタクリレート
や、化4(構造式1)のモノマ−は、そのラジカル重合
性の官能基がメタクリル基や、アクリル基であるので、
重合性に富み、キャスティング重合時に、重合が、暴走
し易く光学的な歪を生じ易い。αメチルスチレンは、こ
のキャスティング重合時の暴走を押え、重合を円滑に行
わせる効果がある。しかし、やや重合性に欠け20重量
部を越して用いられると、未重合になりやすい。また、
3重量部より少ないと、樹脂に歪を生じ易く、用いる意
味を見いだせない。そのため、本発明では、αメチルス
チレンの使用は、3〜20重量部が好ましい範囲として
用いられる。
【0020】本発明で用いられる化4(構造式1)のモ
ノマ−の具体例を示すと、1、4ーフ゛チレンク゛リコ-ルシ゛アクリレ-ト(シ゛
メタクリレ-ト)、1、5ーヘ゜ンテンク゛リコ-ルシ゛アクリレ-ト(シ゛メタクリレ-ト)、1、8-
オクテンク゛リコ-ルシ゛アクリレ-ト(シ゛メタクリレ-ト)、1、3ーフ゛チレンク゛リコ-ルシ゛アク
リレ-ト(シ゛メタクリレ-ト)、1、4ーヘ゜ンテンク゛リコ-ルシ゛アクリレ-ト(シ゛メタクリレ-
ト)、シ゛エチレンク゛リコ-ルシ゛アクリレ-ト(シ゛メタクリレ-ト)、トリエチレンク゛リコ-ルシ
゛アクリレ-ト(シ゛メタクリレ-ト)、等を挙げることが出来るが、本発
明では、これ等のみに限定されない。
【0021】次に、本発明では、メチルメタクリレ−ト
50〜90重量部、前記化4(構造式1)で示されるジ
アクリルエステル(または、ジメタクリルエステル)5
〜30重量部、αメチルスチレン3〜20重量部が混合
され、更に、これらモノマ−100重量部当り、化3
(構造式2)で示されるラジカル重合性の官能基を有す
る紫外線吸収剤を0.05ないし8.0重量部が混合さ
れる。本発明のモノマ−組成は、溶解性に優れ、該化3
(構造式2)で示されるラジカル重合性の官能基を有す
る紫外線吸収剤を均一に溶解させることが出来る。溶解
混合された本発明のモノマ−組成は、ラジカル重合開始
剤を添加し好ましい形状にキャスティング塊状重合され
る。この際、雰囲気を窒素下に置くことも有用な手段と
なり得る。又、キャスティング重合の容器は、特に限定
はなく、ガラス、各種のプラスチック、各種の金属で出
来た任意の形状のものであり得る。本発明に於て、ラジ
カル重合開始剤もとくに限定はなく、通常のラジカル重
合開始剤が用いられ、その種類に応じて重合温度を30
℃〜130℃程度、2〜30時間程度の範囲で加温さ
れ、重合成型される。
【0022】この様にして、得られた本発明になるキャ
スティング共重合体は、無色透明で、適度に三次元架橋
が行われており、耐熱性が有り、且つ柔軟で、研削、研
磨加工特性に秀でており、容易に透明な表面を有し、目
的とする形状を有する眼内レンズに、加工することが出
来る。本発明で得られた眼内レンズは、目特に、網膜光
障害の一因とされる紫外線を防止する効果と、目の障害
となる紫外線吸収剤が眼内で溶出しないという二つの大
きな特徴をもつ有用なものである。以下、本発明を実施
例で説明を加える。
【0023】実施例 1.2ーハイドロキシー4ーメタクリ
ルアミノー5ーイソプロピルフェニルベンゾトリアゾール
0.30重量部をメチルメタクリレ-ト89重量部 、トリエチレンク゛リコ-
ルシ゛メタクリレ-ト6重量部、及びαメチルスチレン5重量部の
混合モノマ−中に溶解させ、均一に混合させた後、ラジ
カル重合開始剤として、ラウロイルパ−オキサイド1.
2重量部を添加し、脱気した後、2枚の平行なガラス板
から出来た反応容器中に注入した。これを、重合炉に入
れ、50℃で5時間、55℃で5時間、60℃で12時
間、100℃で2時間重合硬化させ無色透明の平板状架
橋共重合体を得た。取り出したこの共重合体を更に、1
30℃で2時間熱処理を行った。この平板の重合体は、
容易に研削、研磨加工が可能であり、前房型のフレキシ
ブル(flexible)レンズを作成することが出来
た。次に、この共重合体の紫外部における吸収特性を図
1に示す。即ち、この本発明の眼内レンズは、その吸収
が、フェニルベンゾトリアゾール誘導体による有効な、
紫外線吸収効果を有していることが確認された。次に、
実施例 1.で作製したこの前房型flexible眼
内レンズを37℃のもと、多量のアセトン中に48時間
浸漬させた。48時間後に、該レンズを取り出したとこ
ろ、浸漬前後で該レンズの重量は、全く変化しておら
ず、該レンズは、三次元に充分架橋されており、溶解な
どされない、全く安定な材料であることを示している。
しかも、この眼内レンズを浸漬させておいたアセトンの
ガスクロ分析を行った結果、アセトン中には、レンズか
らの溶出物は、全く認められず、紫外線吸収剤は、該レ
ンズ樹脂に完全に結合していることが確認された。次
に、この眼内レンズを沸騰水中に、10分間入れたが、
外形上の変化も吸収特性も前後で変化しておらず、耐熱
性の高い安定した材料であることが示された。
【0024】実施例 2.2ーハイドロキシー3ーメタクリ
ルアミノー5ーネオペンチルフェニルベンゾトリアゾール
0.21 重量部をメチルメタクリレ-ト84重量部、フ゛チレンク゛リコ-ル
シ゛メタクリレ-ト10重量部及びαメチルスチレン6重量部の
混合モノマ−中に溶解させ、均一に混合させた後、ラジ
カル重合開始剤として、ラウロイルパ−オキサイド1.
2重量部を添加し、脱気した後、2枚の平行なガラス板
から出来た反応容器中に注入した。これを、重合炉に入
れ、50℃で5時間、55℃で5時間、60℃で12時
間、100℃で2時間重合硬化させ平板状架橋共重合体
を得た。取り出したこの共重合体を更に、130℃で2
時間熱処理を行った。この平板状重合体は、容易に研
削、研磨加工が可能であり、シアリング(Sheari
ng)型後房レンズを容易に作成することが出来た。次
に、この眼内レンズの紫外部における吸収特性を図2に
示す。即ち、この本発明の実施例 2.の眼内レンズ
は、その吸収が、フェニルベンゾトリアゾール誘導体に
よる有効な紫外線吸収効果を有していることが確認され
た。次に、実施例 2.で作製したこの眼内レンズを実
施例 1.と同条件の37℃のもと、多量のアセトン中
に48時間浸漬させた。48時間後に、該眼内レンズを
取り出したところ、浸漬前後でレンズの重量は、全く変
化しておらず、該眼内トレンズも、三次元に充分架橋さ
れており、溶解などされない、全く安定な材料であるこ
とを示している。しかも、実施例 1.と同様に、この
眼内レンズを浸漬させておいたアセトンのガスクロ分析
を行った結果、アセトン中には、レンズからの溶出物
は、全く認められず、紫外線吸収剤は、眼内レンズ樹脂
に完全に結合していることが、確認された。次に、この
眼内レンズを沸騰水中に10分間入れたが、外形上の変
化も吸収特性も前後で変化しておらず耐熱性の高い安定
した有用な材料であることが示された。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、目の
光障害、特に、網膜光障害の一因とされる紫外線を防止
する効果があって、且つ、目の障害となる紫外線吸収剤
の溶出のない眼内レンズを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の紫外部における吸収特性を
示すグラフである。
【図2】本発明の実施例2の紫外部における吸収特性を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチルメタクリレ−ト50〜90重量部、
    下記化1(構造式1)で示される二官能性アクリルエス
    テル(または、メタクリルエステル)5〜30重量部、
    αメチルスチレン 3〜20重量部からなる特定された
    混合モノマ−100重量部当り、下記化2(構造式2)
    で示されるラジカル重合性の官能基を有する紫外線吸収
    剤を0.05ないし8.0重量部を混合、キャスティン
    グ共重合後、研削、研磨、加工することによって、得ら
    れる紫外線吸収効果が大きく、紫外線吸収剤の溶出のな
    いことを特徴とする紫外線吸収能を有する眼内レンズ 【化1】 【化2】
JP3252888A 1991-09-05 1991-09-05 紫外線吸収能を有する眼内レンズ Pending JPH0556989A (ja)

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