JPH0555843U - 結束装置の巻紐収納構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紐の高速繰り出しに伴うキンク現象の発生を
防止するとともに、巻紐のガタつきを防止することがで
きる巻紐収納構造を提供する。 【構成】 結束装置の内取り式の巻紐収納構造におい
て、前記巻紐３の紐繰り出し口の反対側に設けた支持部
材１０から、巻紐３の内方中心に沿って延びる筒状体１
２と、巻紐３を載置支持する受け台１１とを片持ち状に
延設し、前記筒状体１２の内方を挿通した後、筒状体１
２の先端部から屈曲して、径方向に拡縮自在で、かつ、
巻紐３の内面を径方向外方に向けて押圧付勢する複数の
バネ線材１３を配設するとともに、前記筒状体１２の先
端部を前記受け台１１の先端部よりも紐繰り出し方向上
手側に所定距離入り込んだ位置で、かつ、受け台１１の
先端部が巻紐３の端部よりも紐繰り出し方向上手側に所
定距離入り込む位置になるよう形成してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ノッタービル方式の結束機構に向けて繰り出し供給される結束用紐 を多数回巻回して筒状に構成した巻紐を機体側支持ケースに載置収納するよう構 成するとともに、この巻紐の巻回内側の紐端部から紐を外方に繰り出すよう構成 してある結束装置の巻紐収納構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記結束装置の巻紐収納構造において、従来では、例えば特開平２−１３５０ ２３号公報に開示されるように、巻紐の内方側にその軸芯に沿って片持ち状にガ イド棒を配設するとともに、このガイド棒と紐挿通孔との間に間隙を設ける構造 のものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来構造は、結束機構により紐の高速繰り出しに伴い紐の慣性に起因して 、結束作動が終了した後に巻紐内部において紐が過剰に繰り出され、巻紐内部に おいて、規則正しく筒状に巻回された状態から紐が自由状態でループ状に絡み合 うのを前記ガイド棒の外周面に沿わせて支持させることで、ループ状に絡み合っ た状態で次回結束作動時に高速で繰り出され、捩じれた状態で張力を受けて紐が 切断されてしまう、いわゆるキンク現象の発生を防止するようにしたものである 。 しかし、上記従来構造においても、ガイド棒と巻紐内周面との間に空間が存在 するので、巻紐からの紐の過剰繰り出しは防止することは出来ず、又、上記空間 内において紐が自由状態で絡み合うおそれがあり、キンク現象の発生を有効に防 止するには不十分であり、未だ、改善の余地があった。 本考案は上記不具合点を解消することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案の特徴構成は、冒頭に記載した結束装置の巻紐収納構造において、前記 巻紐の紐繰り出し口の反対側に設けた支持部材から、巻紐の内方中心に沿って延 びる筒状体と、巻紐を載置支持する受け台とを片持ち状に延設し、前記筒状体の 内方を挿通した後、筒状体の先端部から屈曲して、径方向に拡縮自在で、かつ、 巻紐の内面を径方向外方に向けて押圧付勢する複数のバネ線材を配設するととも に、前記筒状体の先端部を前記受け台の先端部よりも紐繰り出し方向上手側に所 定距離入り込んだ位置で、かつ、受け台の先端部が巻紐の端部よりも紐繰り出し 方向上手側に所定距離入り込む位置になるよう形成してある点にある。

【０００５】

【作用】

巻紐が機体側支持ケースに収納された結束作動状態で、巻紐の内周面は複数の バネ線材により径方向外方に向けて押圧付勢されるので、結束機構の作動に伴う 紐の高速繰り出しが行われた場合であっても、繰り出し紐はバネ線材により押圧 されて過剰繰り出しが有効に阻止される。紐の消費に伴って巻紐の内径が変化し ても、バネ線材は弾性変形してその径変化に追随することができ、このような過 剰繰り出し阻止作用は常に維持できることになる。又、筒状体の先端部は巻紐の 端部よりも内方に入り込んでいるので、紐のケース外方への出口付近に紐の繰り 出し用余裕空間が形成され、又、バネ線材の先端部分は円弧状の滑らかな曲線に なるので、紐のすりぬけが容易に行われる。 しかも、前記筒状体と受け台とは支持部材に形成されるから、巻紐を受け台に 装着したユニット状態で機体側支持ケースに装填でき、このような装填作業にあ たり、受け台の先端部が巻紐の端部よりも内方に入り込んでいるので、受け台が 機体側ケースに先当たりして巻紐と機体側ケースとの間に隙間が生じてケース内 で巻紐がガタつくのを有効に阻止できる。

【０００６】

【考案の効果】

従って、紐の外方への抜け出しを円滑に行えるとともに、結束装置による紐の 高速繰り出しに伴う紐の過剰繰り出しを、紐の消費具合に関係なく阻止すること ができ、キンク現象による紐切れの発生を有効に防止することができるものとな った。しかも、巻紐の装着作業もユニット状態で楽に行え、機体側ケースの紐繰 り出し口が形成される箇所に巻紐の端部を接するよう装填することにより、巻紐 のガタつきを阻止することができるものとなった。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を図面に基いて説明する。 図４にコンバインの結束装置を示している。この結束装置は周知構造のノッタ ービル方式の結束機構１により結束用紐２で排ワラを結束して機体外方に放出す るよう構成され、結束用紐２を筒状に多数巻回した巻紐３を巻紐収納部４に載置 支持して、この巻紐３の内方側から外方に繰り出して結束機構１に供給するよう 構成してある。 次に、前記巻紐収納部４の構成について説明する。前記巻紐３は、フレーム５ に連結固定された機体側支持ケース６内に載置支持され、該ケース６に形成した 紐繰り出し口７を通した後、結束機構１による高速繰り出し時に過剰にケース外 方繰り出されて紐２が垂れ下がり状態になり絡み合うのを摩擦式紐ブレーキ８に より防止するよう構成してある。そして、図１に示すように、巻紐３はその内部 での紐２の過剰繰り出しを防止する過剰繰り出し防止装置９に装着したユニット 状態で、支持ケース６に載置収納させるよう構成してある。前記過剰繰り出し防 止装置９は、図３に示すように、紐繰り出し口７の反対側に位置する円板状の支 持部材１０から巻紐３を載置支持する樋状の受け台１１と、巻紐３の内方におい てその軸芯にほぼ沿った位置に配備される筒状体１２とを片持ち状に一体延設し てあり、前記筒状体１２の内方を挿通した後、筒状体１２の先端部から屈曲して 、巻紐径方向に拡縮自在で、かつ、巻紐３の内面を径方向外方に向けて押圧付勢 する２本のバネ線材１３を配設してある。このバネ線材１３の遊端側は支持部材 １０に形成した径方向に沿う長孔１４を挿通して外方に延出させてあり、かつ、 紐２の繰り出しに伴って連持ちされて移動しないよう折曲げて抜け止め係止部１ ３ａを形成してある。又、他端部も同様に鉤形に屈曲成形して筒状体１２の軸芯 方向に沿う移動を阻止するよう構成してある。各バネ線材１３は直径方向に振り 分け配備され、支持部材１０のバネ線材１３の配設箇所の周方向中間箇所には支 持ケース６との間に介在して支持部材１０を紐繰り出し口７側に弾性的に押圧す るスポンジ部材１５を配備してある。そして、前記筒状体１２の先端部１２ａを 前記受け台１１の先端部１１ａよりも紐繰り出し方向上手側に所定距離入り込ん だ位置で、かつ、受け台１１の先端部１１ａが巻紐３の端部よりも所定距離入り 込む位置になるよう形成してある。 このように構成すると、巻紐３の内径が小さいときは、図１に示すように、バ ネ線材１３の途中部における押圧作用部１３ｂが縮退して有効に巻紐内周面に作 用し、紐２の消費に伴って巻紐３の内径が徐々に大きくなっても、図２に示すよ うに、バネ線材１３は径方向外方に追従して弾性的に拡径して、巻紐内周面に作 用することができる。このとき、バネ線材１３の遊端側は前記長孔１４に沿って 径方向外方に移動が許容される。又、巻紐３を装着する際には、巻紐３を支持ケ ース６に装着した状態で、受け台１１の先端よりも巻紐３の端部が先にケース側 面に接当して前記スポンジ部材１５による押圧作用が確実に行われ、巻紐３のガ タつきが防止できる。そして、筒状体１２から外方に屈曲されるバネ線材１３は 滑らかな円弧状を呈し、かつ、その先端部と紐繰り出し口７との間には、紐２の 抜け出しのための融通空間が形成され、紐２の抜け出しを円滑に行えるものにな る。

【０００８】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】巻紐収納部の断面図

【図２】巻紐収納部の断面図

【図３】過剰繰り出し防止装置の斜視図

【図４】結束装置の背面図

【符号の説明】

１ 結束機構 ２ 結束用紐 ３ 巻紐 １０ 支持部材 １１ 受け台 １２ 筒状体 １３ バネ線材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノッタービル方式の結束機構（１）に向
   けて繰り出し供給される結束用紐（２）を多数回巻回し
   て筒状に構成した巻紐（３）を機体側支持ケース（６）
   に載置収納するよう構成するとともに、この巻紐（３）
   の巻回内側の紐端部から紐（２）を外方に繰り出すよう
   構成してある結束装置の巻紐収納構造であって、前記巻
   紐（３）の紐繰り出し口の反対側に設けた支持部材（１
   ０）から、巻紐（３）の内方中心に沿って延びる筒状体
   （１２）と、巻紐（３）を載置支持する受け台（１１）
   とを片持ち状に延設し、前記筒状体（１２）の内方を挿
   通した後、筒状体（１２）の先端部から屈曲して、径方
   向に拡縮自在で、かつ、巻紐（３）の内面を径方向外方
   に向けて押圧付勢する複数のバネ線材（１３）を配設す
   るとともに、前記筒状体（１２）の先端部を前記受け台
   （１１）の先端部よりも紐繰り出し方向上手側に所定距
   離入り込んだ位置で、かつ、受け台（１１）の先端部が
   巻紐（３）の端部よりも紐繰り出し方向上手側に所定距
   離入り込む位置になるよう形成してある結束装置の巻紐
   収納構造。