JPH055583Y2

JPH055583Y2 -

Info

Publication number: JPH055583Y2
Application number: JP1986070998U
Authority: JP
Priority date: 1986-05-12
Filing date: 1986-05-12
Publication date: 1993-02-15
Anticipated expiration: 2001-05-12
Also published as: JPS62184577U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、地震体験装置に係り、更に詳しく
は、たくさんの人々に地震を体験させることがで
きるとともに、人々に地震を体感させるための振
動機構の構成を小型および安価に構成するものに
用いて好適なものである。

〔従来の技術〕

周知の通り、近時地震に関する関心が高まり非
難訓練等も広く実施されている。

このように、訓練を繰り返し行うことは勿論重
要なことであるが、地震が起きた時に最も大事な
ことは、あわてないことだと言われている。そこ
で、実際に地震を体験し、本物の地震が起きた時
にあわてないで済むようにするために、起震車と
呼ばれる地震体験装置が開発されている。

この起震車は、車輌荷台部位に垂直震動発生機
構と水平震動発生機構を配設し、それら双方の震
動発生機構を動力取出軸を介して車輌の出力軸に
より駆動させ、それにより前記双方の震動発生機
構上に関連載置されているハウスを設定条件に即
して震動させるようにしたものである。

そして、上記ハウス内に人々を乗せて地震の揺
れを体験させるとともに、ハウスの前に座席等を
並べて複数の人々に揺れているハウス内の様子を
観察できるようにしている。

上記従来技術によれば、ハウスに乗つている
人々に地震による揺れを身体に直かに体験させる
ことができるが、次の点において解決すべき点を
有している。

すなわち、上記ハウスの大きさを大きくするに
は、運搬や保管の問題、或はハウス振動機構の構
成が大掛かりとなるので限界がある。したがつ
て、上記ハウスの内部に入つて地震の揺れを実際
に体験できる人数は、１回について４〜５人程度
の少ない人数に制限される場合が多い。このた
め、従来の起震ハウスの場合は、地震による揺れ
を同時に体験できる人数を多くすることができな
い問題があつた。

ところで、多くの人に揺れ体験を経験させるこ
とができる装置として、実開昭61−4966号公報に
「体験装置」が提案されているとともに、実開昭
61−52042号公報に「有感運動付映写装置」が提
案されている。これらの公報に提案されている装
置は、複数の観客席が設けられているとともに前
方にスクリーンが設けられている。そして、上記
スクリーン上に揺れる場面が写し出されたら上記
観客席が設置されている床面を揺動させるように
構成している。したがつて、これらの装置はたく
さんの人々が同時に揺れ体験を経験することがで
きる利点がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このように床面を揺動させて複数の観
客席を揺動させるには、非常に大掛かりな装置が
必要となり、製造コストが高くなつてしまう問題
があつた。また、揺れにより家具等が倒れたりす
る場合は、スクリーン上に映し出されたものを見
るので、臨場感に欠ける問題があつた。更に、こ
のように多くの観客席が設けられているので、装
置全体が大きいものであつた。したがつて、手軽
に移動させ、種々の場所に出向いて揺れを体験さ
せるような使い方を行うことができない問題があ
つた。

本考案は上述の問題点にかんがみ、多くの人々
に同時に揺れを体験させることができ、しかも装
置構成が大掛かりとならず、したがつて、容易に
移動させたり安価に製作することができる地震体
験装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成する為に本考案は次の技術手段
を有する。

すなわち、実施例に対応する添付図面に使用し
た符号を用いて説明すると、全体形状が略箱形に
形成されていて、４つある側面のうちの一面が略
全面的に開口できるように構成されている起震ハ
ウス５と、上記起震ハウス５を垂直および水平方向に振動
させるための起震ハウス振動機構と、上記起震ハウス５の内部において地震を体験す
る人々が使用するために上記起震ハウス５の内部
に置かれた机や椅子等の家具類と、上記起震ハウス５の開口面を望む前方位置に配
置された複数の座ブトン２２と、上記各座ブトン２２に座している人に振動を与
えるために上記各座ブトン２２の内部に配設され
た座ブトン振動機構とを具備することを特徴とす
る地震体験装置である。

〔作用〕

本考案は、上記技術手段より成るので、使用す
るときは上記起震ハウス５に数人が乗り込むとと
もに、起震ハウス振動機構および座ブトン振動機
構を起動させる。これにより、上記起震ハウス５
が上記振動機構により振動させられるので、そこ
に乗つている人々は身体全体で揺れを体験するこ
とができる。

また、上記したようにこのときに起震ハウス５
に設けられている開口面の前方に配置されている
座ブトン２２も振動機構により振動させられるの
で、上記起震ハウス５の内部に乗つている人々の
みならず、上記座ブトン２２に座している多くの
人々も、実際に地震が起きている状態に近い状態
で家具類や人々が揺れている場面を見ることがで
きるとともに、自分自身も臨場感のある地震体験
を経験することができる。

〔実施例〕

次に、添付図面に従い本考案の好適な実施例を
詳述する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示し
ている。

図中２は、地震体験装置全体を示している。こ
の地震体験装置２は、起震ハウス５と上記起震ハ
ウス５に設けられている開口面の前に配置される
座ブトン２２により構成される。

上記起震ハウス５は、図示せざる車両の荷台上
に載置可能に構成されていて、上記車両に搭載さ
れて自由に移動することができるようになされて
いる。

そして、この起震ハウス５は、垂直震動機構及
び水平震動機構により、上下方向や水平方向に振
動されるようになされていて、この起震ハウス５
内に乗つている人々６に地震を体験させるために
用いられる。

また、起震ハウス５内で地震を体験している
人々６を観察する人達が座すために構成された座
ブトン２２は、ここに座している人達が起震ハウ
ス５内にいる人々とほぼ同様に地震の状態を感じ
られるようにするために、次のように構成されて
いる。すなわち、この座ブトン２２はベース７と
そのベース７上に配設された布製でふわふわして
いる座部８より成る。上記座部８とベース７の間
には、電磁マグネツト震動発生機構１３ｃが各々
取り付けられ、その電磁マグネツト発生機構１３
ｃの両側に補助スプリング１２ｃが取り付けられ
ている。

上記電磁マグネツト発生機構１３ｃの構造は互
いに同じであるので、それらの１つについて詳細
に説明する。上記座ブトン２２の座部８とベース
７の上下の間の空間２７が狭いので、電磁マグネ
ツト発生機構１３ｃの固定鉄心１４に巻き回した
電磁コイル１５及びＵ字形の上下振動体１６を横
に細長い形状にしてある。

そして、座部８を支持するために電磁マグネツ
ト発生機構１３ｃを３か所に設置し、そして補助
スプリング１２ｃを電磁マグネツト震動発生機構
１３ｃの各々ごとに２か所取り付けて重量を支持
している。

上記電磁マグネツト震動発生機構１３ｃには
各々上下振動体があり、上下振動体の自由端２４
に振動伝達部２５があり、その振動伝達部が座部
８の底面２３の振動受部１７と対面している。

上記振動受部の下面は、補助スプリング１２ｃ
の上部にも当り、Ｕ字形の上下振動体の振動伝達
部２５の上面も接している。

次に、上記構成について本考案の地震体験装置
の使用法について説明する。

この実施例の地震体験装置２は上記のように構
成されているので、これに座した人達を小刻みに
振幅を小さく震動させることができる。

すなわち、図示せざる送信機を操作して制御盤
１８を制御し通電すると、電磁マグネツト震動発
生機構１３ｃの固定鉄心に巻き回した電磁コイル
が励磁され、Ｕ字形の上下振動体の自由端が反発
弾性により振動し、即磁力が発生し、自由端が固
定鉄心側にひつぱられることによりＵ字形の上下
振動体が吸着され、又は補助スプリング１２ｃに
運動エネルギーが蓄えられ反発することにより上
下振動体の自由端が上下運動をすることにより、
小刻みな振動が発生する。これが振動伝達部２５
より座部８に振動が伝わる。

そして、上記座部８に座している人達が起震ハ
ウス５内の人々の揺れを観察しながら自分達自身
も座部８より小刻みに振動を受けることになり、
起震ハウス５内の人々だけが地震を体験している
のではなく、起震ハウス５の前に配置されている
座ブトン２２に座している人達がいる場所全体が
同様に揺れているように感じさせることができ、
本物の地震が起きているような臨場感を演出する
ことができる。

すなわち、起震ハウス５を観察する人達の座し
ている座ブトン２２を揺らすことにより、視覚だ
けでなく身体をもつて地震を直接体験をすること
ができ、実際に地震が起きたときにあわてないで
対処する訓練を行うことができる。

特に、本実施例において用いている座ブトン２
２は重量が軽いので、持ち運びが容易である。ま
た、内部に空間が設けてあるので、ふわふわして
座りごこちが良い。そして、構造が簡単であり、
製作費用が安く安全性にすぐれている等の利点を
有している。

〔考案の効果〕

以上詳述した如く本考案の地震体験装置は、起
震ハウス５の内部に入つている人々６のみなら
ず、上記起震ハウス５の前に配置された座ブトン
２２に座して地震の再現を観察している人達を振
動させることができるので、観察している人達に
も起震ハウス５内の人々６が体験しているのとほ
ぼ同様な地震体験を経験させることができる。ま
た、非常に多勢の人々に同時に地震体験を行わせ
ることができるにも拘らず構造が簡単であり、製
作費用を安くすることができる。これらによつ
て、地震が実際に発生した場合に、地震体験を非
常にたくさんの人々に同時に体験させることがで
きる地震体験装置を提供する等種々の利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、本考案の地震体験装置の一
実施例を示し、第１図は、床面に設置された起震
ハウスを観察する状態を示す斜視図、第２図は、
第１図中Ｂ−B′線に沿う部分拡大図を含む断面
図である。尚、図中、２……地震体験装置の全体構成、５
……起震ハウス、６……地震体験者、７……ベー
ス、８……座部、２２……座ブトン本体、２６…
…床、２７……空間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】全体形状が略箱形に形成されていて、４つある
側面のうちの一面が略全面的に開口できるように
構成されている起震ハウス５と、上記起震ハウス５を垂直および水平方向に振動
させるための起震ハウス振動機構と、上記起震ハウス５の内部において地震を体験す
る人々が使用するために上記起震ハウス５の内部
に置かれた机や椅子等の家具類と、上記起震ハウス５の開口面を望む前方位置に配
置された複数の座ブトン２２と、上記各座ブトン２２に座している人に振動を与
えるために上記各座ブトン２２の内部に配設され
た座ブトン振動機構とを具備することを特徴とす
る地震体験装置。