JPH0555658A - 積層型圧電アクチユエータおよびその製造方法 - Google Patents

積層型圧電アクチユエータおよびその製造方法

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JPH0555658A
JPH0555658A JP3235744A JP23574491A JPH0555658A JP H0555658 A JPH0555658 A JP H0555658A JP 3235744 A JP3235744 A JP 3235744A JP 23574491 A JP23574491 A JP 23574491A JP H0555658 A JPH0555658 A JP H0555658A
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piezoelectric ceramic
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piezoelectric
electrode
piezoelectric actuator
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留治 大野
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
Yoshiaki Fuda
良明 布田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であって接着剤を用いないで変位
方向の長さを長くすることができ、ガラス層による絶縁
を不要にし、かつ、伸縮変位の抑制の度合が少ない積層
型圧電アクチュエータおよびその製造方法を提供するこ
とにある。 【構成】 圧電セラミックスシート1と電極層11とが
交互に積層された角柱状の積層型圧電アクチュエータに
おいて、前記各電極層11は、前記圧電セラミックスシ
ート1の長さ方向と平行な複数個の帯状電極12,13
からなり、これらの帯状電極12,13は、相互に隣り
合う帯状電極12,13のそれぞれ異なる端部が前記圧
電セラミックスシート1の端面または端面付近まで位置
するように形成し、かつ、これらの帯状電極12,13
を前記圧電セラミックスシート1の端面または端面近傍
において外部共通電極4a,4bに接続してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆圧電効果を利用し、
電気的入力エネルギーを変位や力などの機械エネルギー
に変換する積層型圧電アクチュエータおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の積層型圧電アクチュエー
タの構造概略図である。図5において、従来の圧電アク
チュエータは、圧電特性を有するセラミックス部21
と、銀パラジウムからなる内部電極層22を交互に積層
した部分と、上下両端部の圧電特性を有しないセラミッ
クス部26a,26bとからなっている。圧電的に活性
なセラミックス部の間に形成された内部電極層22は、
一層おきに正電極と負電極とからなる対向電極を構成し
て交互に積層されており、正電極と負電極の電極端対向
する側面に露出し、正電極と負電極の電極端の一方は、
それぞれ異なる側面でそれぞれガラスから成る電気絶縁
部23によって電気絶縁処理されている。前記側面に露
出している正、負それぞれの内部電極は一層おきにガラ
スフリットを含む銀薄膜からなる外部電極24a,24
bに接続され、さらに前記外部電極に外部リード線25
a,25bを接続している。このような構成において外
部リード線25a,25bに所望の電圧を印加すると、
積層された複数枚の圧電的に活性なセラミックス部21
それぞれにこの印加電圧が印加され、それぞれの圧電セ
ラミックスには逆圧電効果により厚さ方向の伸縮歪が発
生し、これらが全て加算されて、圧電アクチュエータの
積層方向に伸縮変位を得ることが出来る。この積層型圧
電アクチュエータの側面は、前記ガラス絶縁された部分
を除き、外部電極形成面を含め、対向内部電極22の端
部が露出した構造となっており、前記積層型圧電アクチ
ュエータの電気的絶縁を確保するために、積層型圧電ア
クチュエータの側面には、図6に示すように厚さが約
0.5mmの樹脂コーティング31が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図5および図6に示し
た従来の積層型圧電アクチュエータにおいては、一層当
りの圧電セラミックス層の厚さを0.1mm程度に薄くす
ることが可能であるため、低い駆動電圧で大きな変位を
得ることができるという特長を有している反面、変位方
向の長さを大きくするために積層枚数を多くすると焼結
時に表面部と内部の特性変化を生ずることから、トータ
ル積層厚さが約20mmをこすと、割れが発生するので、
それ以上の長さの積層型アクチュエータが必要な場合
は、これらを接着する必要があり、また、前述したよう
に隣合う電極層を異なる極性の電極とするために、対向
する側面に露出した電極を一層おきにガラス層により覆
って絶縁し、その後に外部電極24を形成しており、製
造工程が複雑で作業時間が長くかかるという問題があ
る。さらに、従来の積層型圧電アクチュエータにおいて
は、電気的絶縁性を確保するために形成している樹脂コ
ーティング層については、あまり厚くコーティングする
と積層型圧電アクチュエータの伸縮変位を抑えるように
作用するため、前述したように0.5mm程度の厚さに限
定されており、絶縁特性が不十分であるという問題があ
る。また、一般の有機系材料からなる樹脂では水の分子
を完全に遮断することはほとんど不可能であり、従来の
積層型圧電アクチュエータにおいては、露出する電極面
積が広いことなどのため、湿度の高い状態で高い絶縁性
を確保するのが難しいという問題がある。本発明の課題
は、製造が容易であって接着剤を用いないで変位方向の
長さを長くすることができ、ガラス層による絶縁を不要
にし、かつ、伸縮変位の抑制の度合が少ない積層型圧電
アクチュエータおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電セ
ラミックスシートと電極層とが交互に積層された角柱状
の積層型圧電アクチュエータにおいて、前記各電極層
は、前記圧電セラミックスシートの長さ方向と平行な複
数個の帯状電極からなり、これらの帯状電極は、相互に
隣り合う帯状電極のそれぞれ異なる端部が前記圧電セラ
ミックスシートの端面または端面付近まで位置するよう
に形成し、かつ、これらの帯状電極を前記圧電セラミッ
クスシートの端面または端面近傍において外部共通電極
に接続してなることを特徴とする積層型圧電アクチュエ
ータが得られる。
【0005】また、本発明によれば、圧電セラミックス
グリーンシートに金属ペーストを塗布することにより前
記圧電セラミックスグリーンシートの長さ方向と平行な
複数個の帯状電極を相互に隣り合う帯状電極のそれぞれ
異なる側の端部が前記圧電セラミックスグリーンシート
の端面または端面近傍まで位置するように形成して電極
層を作り、次にこれらの圧電セラミックスグリーンシー
トと電極層とを交互に積層して積層体を作った後に、こ
の積層体を焼結したことを特徴とする積層型圧電アクチ
ュエータの製造方法が得られる。
【0006】また、本発明によれば、圧電セラミックス
グリーンシートに金属ペーストを塗布することにより前
記圧電セラミックスグリーンシートの長さ方向と平行な
複数個の帯状電極を相互に隣り合う帯状電極のそれぞれ
異なる側の端部が前記圧電セラミックスグリーンシート
の端面または端面近傍まで位置するように形成して電極
層を作り、次にこれらの圧電セラミックスグリーンシー
トと電極層とを交互に積層して積層体を作り、次にこの
積層体の両端面部に前記帯状電極と接続するように金属
ペーストを塗布することにより外部共通電極を作った後
に、前記積層体および外部共通電極を焼結したことを特
徴とする積層型圧電アクチュエータの製造方法が得られ
る。
【0007】
【実施例】図1および図2は本発明の積層型圧電アクチ
ュエータの動作原理の説明図である。図1において、四
角板状の圧電セラミックスシート1の一方の面には、電
極層11が形成されている。この電極層11は、圧電セ
ラミックスシート1の長さ方向と平行な方向に複数個の
帯状電極12,13が形成され、それぞれ隣合う帯状電
極12,13がそれぞれ異なる側の端部が圧電セラミッ
クスシート1の端面付近まで位置するように形成されて
いる。前記帯状電極12,13は、共通電極2および3
に接続されている。
【0008】図2は図1におけるA−A線に沿う断面図
である。破線は共通電極2をプラス極、共通電極3をマ
イナス極として分極処理を施した場合の分極の向きを示
している。図2はそれぞれの共通電極2,3に分極時と
同じ極性の電圧を印加した場合の電界の向きおよびその
時発生する歪の状態を示している。この場合は、分極の
向きと印加電界の向きが等しいため、分極の向きに沿っ
て伸び歪が発生し、図2の場合とは逆に分極時と逆極性
の電圧を印加した場合は、分極の向きと印加電界の向き
が逆であるため、分極の向きに沿って縮み歪が発生す
る。帯状電極のピッチが圧電セラミックスシート1の厚
さに比べて十分大きく、帯状電極の幅がピッチに比べて
小さい場合は、圧電セラミックスシート1は圧電縦効果
による長さ方向の伸縮変位が大きくなり、長さ方向の変
位を利用する圧電アクチュエータとすることができる。
以上は本発明の積層型圧電アクチュエータの動作原理を
一枚の圧電セラミックスシート1により説明したが、本
発明ではこのような圧電セラミックスシート1および電
極層11が複数枚交互に積層されて構成され、それぞれ
が同じように動作すると考えれば良い。前記圧電セラミ
ックスシート1および電極層11を複数枚積層した場
合、印加電圧が同じ場合の変位量は1枚の場合と同じで
あるが、発生力はほぼ積層数に比例する。
【0009】図3および図4は本発明の積層型圧電アク
チュエータの実施例の構造の概略図であり、図3は電極
層11を有する圧電セラミックスシート1の一枚分の構
造を示し、さらに、図4は図3に示した電極層11を有
する圧電セラミックスシート1を複数枚重ねて構成した
本発明の積層型圧電アクチュエータを示している。図3
において、電極層11における複数個の帯状電極12,
13は隣合う帯状電極12,13がそれぞれ異なる側の
端部が圧電セラミックスシート1の端面まで位置するよ
うに形成されている。図3に示した圧電セラミックスシ
ート1を帯状電極11,12の位置を合わして複数枚積
層して構成した図4に示す積層型圧電アクチュエータに
おいては、各圧電セラミックスシート1の一方の側面に
帯状電極12の端部が引き出されることになり、各圧電
セラミックスシート1の他方の側面に帯状電極13の端
部が引き出される。そして、圧電セラミックスシート1
の一方の端部にそれぞれ中間電極14,15を形成し、
この中間電極14,15に直流高電圧を外部共通電極4
a,4bおよび外部リード線5a,5bを介して印加し
て分極処理を施すことにより、積層型圧電アクチュエー
タとすることができる。図3に示すように、前記共通電
極2,3に中間電極14,15を接続し、かつ、これら
を外部共通電極4a,4bに接続するようにすれば、積
層型圧電アクチュエータの一方の端部に外部共通電極4
a,4bを設けることができる利点がある。
【0010】図3に示したような電極層11を圧電セラ
ミックスシート1に形成する方法としては、焼結後の圧
電セラミックスシート1にスクリーン印刷により金属ペ
ーストを印刷した後に焼き付ける方法や、メッキや蒸着
等により圧電セラミックスシート1の表面の全面に電極
を形成した後に、フォトエッチングによりパターンを形
成する方法がある。図4に示したように圧電セラミック
スシート1および電極層11を積層する方法として、接
着剤を用いて接着して積層する方法もあるが、本発明で
は、焼結前の圧電セラミックスグリーンシートの一方の
面に、金属ペースト(例えば銀パラジウムペースト)を
印刷して前記電極層11を形成し、この圧電セラミック
スグリーンシートと電極層11とを交互に積層して積層
体を作った後に、この積層体を焼結する。この焼結後の
積層体の両端面部に前記帯状電極11,12と接続する
ように金属ペーストを塗布することにより外部共通電極
を作った後に、再び前記積層体および外部共通電極を焼
結する。なお、前記積層体を焼結する前に、前記積層体
の両端部に前記帯状電極11,12と接続するように金
属ペーストを塗布することにより外部共通電極を作った
後に、前記積層体および外部共通電極を焼結してもよ
い。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、製造が容易であって、
変位方向が積層方向と直角な面内の方向の積層型圧電ア
クチュエータが得られるため、積層厚さが20mm程度に
制限されても、接着剤を使用しないでも変位方向の長さ
を長くすることが可能である。また、本発明によれば、
電極層が露出する側面で、露出する電極層の極性を同一
極性としているため、先ず、従来の積層型圧電アクチュ
エータで行っていたガラス層による絶縁が不要になり、
次に、同一側面内での絶縁不良の可能性がなく、樹脂コ
ーティングの厚さを薄くして伸縮変位の抑制の少ない積
層型圧電アクチュエータを得ることができる。さらに、
本発明によれば、圧電セラミックスの焼結と電極の形成
を同時に行うことが可能で、接着剤を使用しないで、一
体焼結された変位方向の長さが長い積層型圧電アクチュ
エータを得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の要部を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例の要部をA−A線で切断して示す
断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の要部を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】従来の積層型圧電アクチュエータの要部を示す
斜視図である。
【図6】従来の積層型圧電アクチュエータを示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 圧電セラミックスシート 11 電極層 12,13 帯状電極 2,3 共通電極 4a,4b 外部共通電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスシートと電極層とが交
    互に積層された角柱状の積層型圧電アクチュエータにお
    いて、前記各電極層は、前記圧電セラミックスシートの
    長さ方向と平行な複数個の帯状電極からなり、これらの
    帯状電極は、相互に隣り合う帯状電極のそれぞれ異なる
    側の端部が前記圧電セラミックスシートの端面または端
    面付近まで位置するように形成し、かつ、これらの帯状
    電極を前記圧電セラミックスシートの端面または端面近
    傍において外部共通電極に接続してなることを特徴とす
    る積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 圧電セラミックスグリーンシートに金属
    ペーストを塗布することにより前記圧電セラミックスグ
    リーンシートの長さ方向と平行な複数個の帯状電極を相
    互に隣り合う帯状電極のそれぞれ異なる側の端部が前記
    圧電セラミックスグリーンシートの端面または端面近傍
    まで位置するように形成して電極層を作り、次にこれら
    の圧電セラミックスグリーンシートと電極層とを交互に
    積層して積層体を作った後に、この積層体を焼結したこ
    とを特徴とする積層型圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 【請求項3】 圧電セラミックスグリーンシートに金属
    ペーストを塗布することにより前記圧電セラミックスグ
    リーンシートの長さ方向と平行な複数個の帯状電極を相
    互に隣り合う帯状電極のそれぞれ異なる側の端部が前記
    圧電セラミックスグリーンシートの端面または端面近傍
    まで位置するように形成して電極層を作り、次にこれら
    の圧電セラミックスグリーンシートと電極層とを交互に
    積層して積層体を作り、次にこの積層体の両端面部に前
    記帯状電極と接続するように金属ペーストを塗布するこ
    とにより外部共通電極を作った後に、前記積層体および
    外部共通電極を焼結したことを特徴とする積層型圧電ア
    クチュエータの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100661342B1 (ko) * 2005-08-04 2006-12-27 전자부품연구원 압전소자
JP2008117837A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Nec Tokin Corp 積層型圧電セラミック素子およびその製造方法
WO2011089803A1 (ja) * 2010-01-20 2011-07-28 株式会社村田製作所 圧電発電素子、圧電発電装置及び圧電発電素子の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0394487A (ja) * 1989-09-06 1991-04-19 Murata Mfg Co Ltd 圧電アクチュエータ

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