JPH0555451B2 - - Google Patents
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- JPH0555451B2 JPH0555451B2 JP17128988A JP17128988A JPH0555451B2 JP H0555451 B2 JPH0555451 B2 JP H0555451B2 JP 17128988 A JP17128988 A JP 17128988A JP 17128988 A JP17128988 A JP 17128988A JP H0555451 B2 JPH0555451 B2 JP H0555451B2
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- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
この発明は、黒色顔料用として新規に開発され
た酸化亜鉛粉末に関するものである。 [従来の技術] これまで、黒色顔料として、カーボンブラツク
粉末や四三酸化鉄粉末、あるいは窒化チタン粉末
が知られている。 [発明が解決しようとする課題] ところが、前述の各粉末は、次のような点で問
題があつた。 例えば、カーボンブラツク粉末は、黒色度、着
色力ともに優れているが、反面、疎水性で比表面
積が極めて大きいことから樹脂によつてはなじみ
が悪く、混練が難しくなるという問題があつた。 また、四三酸化鉄粉末の場合は、磁性による凝
集性があり、そのために分散性に劣り、樹脂との
混練が困難になるという問題があつた。 また、窒化チタン粉末の場合は、色調、着色力
等において良好であるが、コストが高いという問
題があつた。 そこで、これらの問題が生じない新規な黒色顔
料の提供、あるいは新規な製造方法の開発が今後
の解決すべき課題をされていた。 この発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、黒色度が高く、安価に製造することができ、
しかも、比重や粒子径を樹脂との混練に適した範
囲に調整することができて、合成樹脂等の着色に
用いて好適な黒色顔料用の粉末を提供することを
目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明に係る酸化亜鉛粉末は、本出願人が先に
出願した高酸素濃度亜鉛粉末の製造方法(特願昭
62−303661)を活用して酸素含有量の異なる種々
の高酸素濃度の亜鉛粉末を試作し、各含有率にお
ける物性等の解明を図つた結果得られたもので、
具体的には、亜鉛蒸気の急冷により得た酸素含有
量1.0wt%以下(0wt%は含ない)愛の亜鉛粉末
を、温度が80〜400℃で圧力が1〜20気圧の酸素
含有雰囲気内に一定時間置いて、前記亜鉛粉末の
表面を酸化させるこによつて得た酸化亜鉛粉末で
あつて、酸素含有量を2.5〜18.0wt%としたこと
を特徴とするものである。 [作用] 酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が少ないもの(例
えば0.8wt%のもの)では、色調が白色系である。
しかし、別紙の第1表に示すように酸素含有量が
2.5wt%以上のものでは、色調が黒色顔料として
十分な黒色系になる。 一方、酸素含有量の多い酸化亜鉛粉末(通常、
0.8wt%以上のものを指す)は、例えば、亜鉛蒸
気の急冷により得た酸素含有量0.8wt%の亜鉛粉
末を、温度が80〜400℃で圧力が1〜20気圧の酸
素含有雰囲気内に一定時間置いて、前記亜鉛粉末
の表面を酸化させるという特殊な製造方法によつ
て製造するが、この製造方法の場合、傾向とし
て、酸素含有量が多くなるほど、高温・高圧に耐
える環境・設備が必要になり、製造コストが高価
になるが、酸素含有量を18wt%以下の範囲とす
れば、比較的に安価な設備で製造することがで
き、製造コストを安価にすることができる。 したがつて、酸素含有量を2.5〜18.0wt%とし
た本発明の酸化亜鉛粉末の場合、黒色顔料として
十分な黒色度が得られると同時に、製造コストを
安価に抑えることができる。 また、黒色顔料として使用する場合、単に黒色
度が得られるだけでなく、例えば、合成樹脂等の
着色に使用するものであれば、樹脂と良好に混練
できるように、樹脂の性状に適した粒子径や比重
等が要求される。 本発明の酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が1.0wt
%以下(0wt%は含まない)の亜鉛粉末の表面に
酸化亜鉛の層を形成することによつて得るが、こ
の酸化亜鉛の層の厚さ(即ち、酸素含有量)を加
減することによつて、比重および粒子径を調整す
ることができる。この場合、比重は、比較的高
く、5.5〜7の範囲で調整可能であり、また粒子
径は、0.1〜100ミクロンという広い範囲で調整可
能で、しかも分散性も良いため、種々の合成樹脂
に良好に混練させることができ、合成樹脂を良好
に着色することができる。 また、本発明の酸化亜鉛粉末は、その表面が酸
化亜鉛の層で覆われて、該層が紫外線透過防止効
果を持つため、本発明の酸化亜鉛粉末で着色した
樹脂等に、紫外線透過防止効果を期待することも
できる。 [実施例] 以下、本発明に係る酸化亜鉛粉末の一実施例を
以下に説明する。 この一実施例の酸化亜鉛粉末は、端的に説明す
ると、酸素含有量0.8wt%の亜鉛粉末の表面を酸
化して、酸素含有量を2.8wt%としたものである。 この一実施例の製造方法は、基本的には、本願
出願人が先に出願した特願昭62−303661号で開示
した製造方法に準じたもので、具体的には、以下
の通りである。 まず、純度99%以上の金属亜鉛を原料として、
亜鉛蒸気発生装置であるレトルト内で1000℃のな
いし1200℃の範囲で溶融させ、亜鉛蒸気を発生さ
せる。そして、発生させた亜鉛蒸気をコンデンサ
ー内に導いて水により急冷する。以上の工程によ
つて、粒径が1〜20ミクロン、酸素含有量が0.8
%、品位99.99%の亜鉛粉末が得られる。 次いで、この亜鉛粉末を密閉容器内に堆積状態
(厚さほぼ5mmとする)で収め、該密閉容器をヒ
ーターで加熱して、容器内温度を80〜400℃に保
持する同時に、コンプレツサーなどを使用して該
密閉容器内に圧縮空気を送り込んで、容器内の圧
力を1〜20気圧に調整し、適宜時間そのままの状
態を保ち、その後、加熱および加圧を解除して容
器から取出せば、表面に酸化亜鉛の層が形成され
て、酸素含有量が2.8wt%の酸化亜鉛粉末が得ら
れる。 この酸素含有量が2.8wt%の酸化亜鉛粉末は、
黒色顔料に十分な黒色度を持ち、しかも、特に耐
高温・耐高圧の設備が必要とならず、比較的に容
易かつ安価に製造することができた。そして、比
較的に高比重でしかも粒子径が小さく、しかも、
分散性も良いため、種々の合成樹脂に良好に混練
させることができ、合成樹脂の着色に用いて好適
である。 なお、この実施例に示す酸化亜鉛粉末を得るま
でには、酸素含有量を適宜かえて試作を繰返し、
それぞれを試料としてその特性を調べ、黒色顔料
としての適性を検討した。 別紙の第1表は、黒色度と酸素含有量との相関
を明らかにするために、7つの試料(試料1〜試
料7)およびカーボンブラツクについて、ケツト
白色計を使つて、光波長が400nm、525nm、
650nmの場合の反射率を調べたもの(反射率が
小さい程、黒色度が高い)である。 この表において、試料1は酸素含有量が1.8wt
%の酸化亜鉛粉末、試料2は同様にして2.8wt%
のもの(即ち、前記一実施例のもの)、試料3は
同様にして3.4wt%のもの、試料4は同様にして
5.8wt%のもの、試料5は同様にして7.5wt%のも
の、試料6は同様にして9.9wt%のもの、試料7
は同様にして11.9wt%のものである。 また、別紙の第2表は、試料2および酸素含有
量が0.8wt%の亜鉛粉末について、より広範囲の
波長に対して反射率を測定・比較することによつ
て、試料2の黒色度の安定性を確認したものであ
る。 酸化亜粉末は、酸素含有量が少ないもの(例え
ば0.8wt%のもの)では、色調が白色系である。
しかし、別紙の第1表に示すように酸素含有量が
2.5wt%以上のものでは、カーボンブラツクに近
い反射率が得られ、色調が黒色顔料として十分な
黒色系になる。また、その場合の黒色度は、第2
表からも理解できるように、広範囲の波長に対し
て安定して確認することができる。 また、前述したように、酸素含有量の多い酸化
亜鉛粉末(通常、0.8wt%以上のものを指す)は、
亜鉛蒸気の急冷により得た酸素含有量0.8wt%の
亜鉛粉末を温度が80〜400℃で圧力が1〜20気圧
の酸素含有雰囲気内に一定時間置いて、前記亜鉛
粉末の表面を酸化させるという特殊な製造方法に
よつて製造するが、この製造方法の場合、傾向と
して、酸素含有量が多くなるほど、高温・高圧に
耐える環境・設備が必要になり、製造コストが高
価になるが、酸素含有量を18wt%以下の範囲と
すれば、比較的に安価な設備で製造することがで
き、製造コストを安価にすることができる。 したがつて、酸素含有量は、前記実施例の
2.8wt%のものに限らず、2.5〜18.0wt%とした酸
化亜鉛粉末の場合、黒色顔料として十分な黒色度
が得られると同時に、製造コストを安価に抑える
ことができる。 また、前記実施例のものは、酸素含有量を
2.8wt%としたが、密閉容器内に収めて酸化処理
する工程での圧力、温度、時間等の上演を適宜変
更すれば、酸素含有量が0.8wt%の亜鉛粉末の表
面に形成する酸化亜鉛の層の厚さ(即ち、酸素含
有量)を自由に加減することができ、これによつ
て、比重および粒子径を調整することができる。
試作による実験によれば、比重は、比較的に高
く、5.5〜7の範囲で調整可能であり、また粒子
径は、0.1〜100ミクロンという広い範囲で調整可
能である。しかも、粒子の分散性も良い。 したがつて、粒子径や比重を着色する合成樹脂
の性状に合せて設定することが可能で、そうする
ことによつて、粒子径や比重の不釣合から混練が
困難になるというような問題の発生を防止するこ
とができ、種々の合成樹脂を良好に着色すること
ができる。 また、亜鉛粉末の表面を覆つた酸化亜鉛の層が
紫外線透過防止効果を持つため、実施例の酸化亜
鉛粉末で着色した樹脂等には、紫外線透過防止効
果を期待することもできる。 [発明の効果] 酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が少ないもの(例
えば0.8wt%のもの)では、色調が白色系である。
しかし、別紙の第1表に示すように酸素含有量が
2.5wt%以上のものでは、色調が黒色顔料として
十分な黒色系になる。 一方、酸素含有量の多い酸化亜鉛粉末(通常、
0.8wt%以上のものを指す)は、亜鉛蒸気の急冷
により得た酸素含有量1.0wt%以下(0wt%は含
まない)の亜鉛粉末を、温度が80〜400℃で圧力
が1〜20気圧の酸素含有雰囲気内に一定時間置い
て、前記亜鉛粉末の表面を酸化させるという特殊
な製造方法によつて製造するが、この製造方法の
場合、傾向として、酸素含有量が多くなるほど、
高温・高圧に耐える環境・設備が必要になり、製
造コストが高価になるが、酸素含有量18wt%以
下の範囲とすれば、比較的に安価な設備で製造す
ることができ、製造コストを安価にすることがで
きる。 したがつて、酸素含有量を2.5〜18.0wt%とし
た本発明の酸化亜鉛粉末の場合、黒色顔料として
十分な黒色度が得られると同時に、製造コストを
安価に抑えることができる。 また、黒色顔料として使用する場合、単に黒色
度が得られるだけでなく、例えば、合成樹脂等の
着色に使用するものであれば、樹脂と良好に混練
できるように、樹脂の性状に適した粒子径や比重
等が要求される。 本発明の酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が1.0wt
%以下(0wt%は含まない)の亜鉛粉末の表面に
酸化亜鉛の層を形成することによつて得るが、こ
の酸化亜鉛の層の厚さ(即ち、酸素含有量)を加
減することによつて、比重および粒子径を調整す
ることができる。この場合、比重には、比較的に
高く、5.5〜7の範囲で調整可能であり、また粒
子径は、0.1〜100ミクロンという広い範囲で調整
可能で、しかも分散性も良いため、種々の合成樹
脂に良好に混練させることができ、合成樹脂を良
好に着色することができる。 また、本発明の酸化亜鉛粉末は、その表面が酸
化亜鉛の層で覆われて、該層が紫外線透過防止効
果を持つため、本発明の酸化亜鉛粉末で着色した
樹脂等に、紫外線透過防止効果を期待することも
できる。
た酸化亜鉛粉末に関するものである。 [従来の技術] これまで、黒色顔料として、カーボンブラツク
粉末や四三酸化鉄粉末、あるいは窒化チタン粉末
が知られている。 [発明が解決しようとする課題] ところが、前述の各粉末は、次のような点で問
題があつた。 例えば、カーボンブラツク粉末は、黒色度、着
色力ともに優れているが、反面、疎水性で比表面
積が極めて大きいことから樹脂によつてはなじみ
が悪く、混練が難しくなるという問題があつた。 また、四三酸化鉄粉末の場合は、磁性による凝
集性があり、そのために分散性に劣り、樹脂との
混練が困難になるという問題があつた。 また、窒化チタン粉末の場合は、色調、着色力
等において良好であるが、コストが高いという問
題があつた。 そこで、これらの問題が生じない新規な黒色顔
料の提供、あるいは新規な製造方法の開発が今後
の解決すべき課題をされていた。 この発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、黒色度が高く、安価に製造することができ、
しかも、比重や粒子径を樹脂との混練に適した範
囲に調整することができて、合成樹脂等の着色に
用いて好適な黒色顔料用の粉末を提供することを
目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明に係る酸化亜鉛粉末は、本出願人が先に
出願した高酸素濃度亜鉛粉末の製造方法(特願昭
62−303661)を活用して酸素含有量の異なる種々
の高酸素濃度の亜鉛粉末を試作し、各含有率にお
ける物性等の解明を図つた結果得られたもので、
具体的には、亜鉛蒸気の急冷により得た酸素含有
量1.0wt%以下(0wt%は含ない)愛の亜鉛粉末
を、温度が80〜400℃で圧力が1〜20気圧の酸素
含有雰囲気内に一定時間置いて、前記亜鉛粉末の
表面を酸化させるこによつて得た酸化亜鉛粉末で
あつて、酸素含有量を2.5〜18.0wt%としたこと
を特徴とするものである。 [作用] 酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が少ないもの(例
えば0.8wt%のもの)では、色調が白色系である。
しかし、別紙の第1表に示すように酸素含有量が
2.5wt%以上のものでは、色調が黒色顔料として
十分な黒色系になる。 一方、酸素含有量の多い酸化亜鉛粉末(通常、
0.8wt%以上のものを指す)は、例えば、亜鉛蒸
気の急冷により得た酸素含有量0.8wt%の亜鉛粉
末を、温度が80〜400℃で圧力が1〜20気圧の酸
素含有雰囲気内に一定時間置いて、前記亜鉛粉末
の表面を酸化させるという特殊な製造方法によつ
て製造するが、この製造方法の場合、傾向とし
て、酸素含有量が多くなるほど、高温・高圧に耐
える環境・設備が必要になり、製造コストが高価
になるが、酸素含有量を18wt%以下の範囲とす
れば、比較的に安価な設備で製造することがで
き、製造コストを安価にすることができる。 したがつて、酸素含有量を2.5〜18.0wt%とし
た本発明の酸化亜鉛粉末の場合、黒色顔料として
十分な黒色度が得られると同時に、製造コストを
安価に抑えることができる。 また、黒色顔料として使用する場合、単に黒色
度が得られるだけでなく、例えば、合成樹脂等の
着色に使用するものであれば、樹脂と良好に混練
できるように、樹脂の性状に適した粒子径や比重
等が要求される。 本発明の酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が1.0wt
%以下(0wt%は含まない)の亜鉛粉末の表面に
酸化亜鉛の層を形成することによつて得るが、こ
の酸化亜鉛の層の厚さ(即ち、酸素含有量)を加
減することによつて、比重および粒子径を調整す
ることができる。この場合、比重は、比較的高
く、5.5〜7の範囲で調整可能であり、また粒子
径は、0.1〜100ミクロンという広い範囲で調整可
能で、しかも分散性も良いため、種々の合成樹脂
に良好に混練させることができ、合成樹脂を良好
に着色することができる。 また、本発明の酸化亜鉛粉末は、その表面が酸
化亜鉛の層で覆われて、該層が紫外線透過防止効
果を持つため、本発明の酸化亜鉛粉末で着色した
樹脂等に、紫外線透過防止効果を期待することも
できる。 [実施例] 以下、本発明に係る酸化亜鉛粉末の一実施例を
以下に説明する。 この一実施例の酸化亜鉛粉末は、端的に説明す
ると、酸素含有量0.8wt%の亜鉛粉末の表面を酸
化して、酸素含有量を2.8wt%としたものである。 この一実施例の製造方法は、基本的には、本願
出願人が先に出願した特願昭62−303661号で開示
した製造方法に準じたもので、具体的には、以下
の通りである。 まず、純度99%以上の金属亜鉛を原料として、
亜鉛蒸気発生装置であるレトルト内で1000℃のな
いし1200℃の範囲で溶融させ、亜鉛蒸気を発生さ
せる。そして、発生させた亜鉛蒸気をコンデンサ
ー内に導いて水により急冷する。以上の工程によ
つて、粒径が1〜20ミクロン、酸素含有量が0.8
%、品位99.99%の亜鉛粉末が得られる。 次いで、この亜鉛粉末を密閉容器内に堆積状態
(厚さほぼ5mmとする)で収め、該密閉容器をヒ
ーターで加熱して、容器内温度を80〜400℃に保
持する同時に、コンプレツサーなどを使用して該
密閉容器内に圧縮空気を送り込んで、容器内の圧
力を1〜20気圧に調整し、適宜時間そのままの状
態を保ち、その後、加熱および加圧を解除して容
器から取出せば、表面に酸化亜鉛の層が形成され
て、酸素含有量が2.8wt%の酸化亜鉛粉末が得ら
れる。 この酸素含有量が2.8wt%の酸化亜鉛粉末は、
黒色顔料に十分な黒色度を持ち、しかも、特に耐
高温・耐高圧の設備が必要とならず、比較的に容
易かつ安価に製造することができた。そして、比
較的に高比重でしかも粒子径が小さく、しかも、
分散性も良いため、種々の合成樹脂に良好に混練
させることができ、合成樹脂の着色に用いて好適
である。 なお、この実施例に示す酸化亜鉛粉末を得るま
でには、酸素含有量を適宜かえて試作を繰返し、
それぞれを試料としてその特性を調べ、黒色顔料
としての適性を検討した。 別紙の第1表は、黒色度と酸素含有量との相関
を明らかにするために、7つの試料(試料1〜試
料7)およびカーボンブラツクについて、ケツト
白色計を使つて、光波長が400nm、525nm、
650nmの場合の反射率を調べたもの(反射率が
小さい程、黒色度が高い)である。 この表において、試料1は酸素含有量が1.8wt
%の酸化亜鉛粉末、試料2は同様にして2.8wt%
のもの(即ち、前記一実施例のもの)、試料3は
同様にして3.4wt%のもの、試料4は同様にして
5.8wt%のもの、試料5は同様にして7.5wt%のも
の、試料6は同様にして9.9wt%のもの、試料7
は同様にして11.9wt%のものである。 また、別紙の第2表は、試料2および酸素含有
量が0.8wt%の亜鉛粉末について、より広範囲の
波長に対して反射率を測定・比較することによつ
て、試料2の黒色度の安定性を確認したものであ
る。 酸化亜粉末は、酸素含有量が少ないもの(例え
ば0.8wt%のもの)では、色調が白色系である。
しかし、別紙の第1表に示すように酸素含有量が
2.5wt%以上のものでは、カーボンブラツクに近
い反射率が得られ、色調が黒色顔料として十分な
黒色系になる。また、その場合の黒色度は、第2
表からも理解できるように、広範囲の波長に対し
て安定して確認することができる。 また、前述したように、酸素含有量の多い酸化
亜鉛粉末(通常、0.8wt%以上のものを指す)は、
亜鉛蒸気の急冷により得た酸素含有量0.8wt%の
亜鉛粉末を温度が80〜400℃で圧力が1〜20気圧
の酸素含有雰囲気内に一定時間置いて、前記亜鉛
粉末の表面を酸化させるという特殊な製造方法に
よつて製造するが、この製造方法の場合、傾向と
して、酸素含有量が多くなるほど、高温・高圧に
耐える環境・設備が必要になり、製造コストが高
価になるが、酸素含有量を18wt%以下の範囲と
すれば、比較的に安価な設備で製造することがで
き、製造コストを安価にすることができる。 したがつて、酸素含有量は、前記実施例の
2.8wt%のものに限らず、2.5〜18.0wt%とした酸
化亜鉛粉末の場合、黒色顔料として十分な黒色度
が得られると同時に、製造コストを安価に抑える
ことができる。 また、前記実施例のものは、酸素含有量を
2.8wt%としたが、密閉容器内に収めて酸化処理
する工程での圧力、温度、時間等の上演を適宜変
更すれば、酸素含有量が0.8wt%の亜鉛粉末の表
面に形成する酸化亜鉛の層の厚さ(即ち、酸素含
有量)を自由に加減することができ、これによつ
て、比重および粒子径を調整することができる。
試作による実験によれば、比重は、比較的に高
く、5.5〜7の範囲で調整可能であり、また粒子
径は、0.1〜100ミクロンという広い範囲で調整可
能である。しかも、粒子の分散性も良い。 したがつて、粒子径や比重を着色する合成樹脂
の性状に合せて設定することが可能で、そうする
ことによつて、粒子径や比重の不釣合から混練が
困難になるというような問題の発生を防止するこ
とができ、種々の合成樹脂を良好に着色すること
ができる。 また、亜鉛粉末の表面を覆つた酸化亜鉛の層が
紫外線透過防止効果を持つため、実施例の酸化亜
鉛粉末で着色した樹脂等には、紫外線透過防止効
果を期待することもできる。 [発明の効果] 酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が少ないもの(例
えば0.8wt%のもの)では、色調が白色系である。
しかし、別紙の第1表に示すように酸素含有量が
2.5wt%以上のものでは、色調が黒色顔料として
十分な黒色系になる。 一方、酸素含有量の多い酸化亜鉛粉末(通常、
0.8wt%以上のものを指す)は、亜鉛蒸気の急冷
により得た酸素含有量1.0wt%以下(0wt%は含
まない)の亜鉛粉末を、温度が80〜400℃で圧力
が1〜20気圧の酸素含有雰囲気内に一定時間置い
て、前記亜鉛粉末の表面を酸化させるという特殊
な製造方法によつて製造するが、この製造方法の
場合、傾向として、酸素含有量が多くなるほど、
高温・高圧に耐える環境・設備が必要になり、製
造コストが高価になるが、酸素含有量18wt%以
下の範囲とすれば、比較的に安価な設備で製造す
ることができ、製造コストを安価にすることがで
きる。 したがつて、酸素含有量を2.5〜18.0wt%とし
た本発明の酸化亜鉛粉末の場合、黒色顔料として
十分な黒色度が得られると同時に、製造コストを
安価に抑えることができる。 また、黒色顔料として使用する場合、単に黒色
度が得られるだけでなく、例えば、合成樹脂等の
着色に使用するものであれば、樹脂と良好に混練
できるように、樹脂の性状に適した粒子径や比重
等が要求される。 本発明の酸化亜鉛粉末は、酸素含有量が1.0wt
%以下(0wt%は含まない)の亜鉛粉末の表面に
酸化亜鉛の層を形成することによつて得るが、こ
の酸化亜鉛の層の厚さ(即ち、酸素含有量)を加
減することによつて、比重および粒子径を調整す
ることができる。この場合、比重には、比較的に
高く、5.5〜7の範囲で調整可能であり、また粒
子径は、0.1〜100ミクロンという広い範囲で調整
可能で、しかも分散性も良いため、種々の合成樹
脂に良好に混練させることができ、合成樹脂を良
好に着色することができる。 また、本発明の酸化亜鉛粉末は、その表面が酸
化亜鉛の層で覆われて、該層が紫外線透過防止効
果を持つため、本発明の酸化亜鉛粉末で着色した
樹脂等に、紫外線透過防止効果を期待することも
できる。
【表】
【表】
Claims (1)
- 1 亜鉛蒸気の急冷により得た酸素含有量1.0wt
%以下(0wt%は含まない)の亜鉛粉末を、温度
が80〜400℃で圧力が1〜20気圧の酸素含有雰囲
気内に一定時間置いて、前記亜鉛粉末の表面を酸
化させることによつて得た酸化亜鉛粉末であつ
て、酸素含有量を2.5〜18.0wt%としたことを特
徴とする黒色顔料用酸化亜鉛粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17128988A JPH0222125A (ja) | 1988-07-09 | 1988-07-09 | 黒色顔料用酸化亜鉛粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17128988A JPH0222125A (ja) | 1988-07-09 | 1988-07-09 | 黒色顔料用酸化亜鉛粉末 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0222125A JPH0222125A (ja) | 1990-01-25 |
JPH0555451B2 true JPH0555451B2 (ja) | 1993-08-17 |
Family
ID=15920553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17128988A Granted JPH0222125A (ja) | 1988-07-09 | 1988-07-09 | 黒色顔料用酸化亜鉛粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0222125A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7263768B2 (ja) * | 2018-12-27 | 2023-04-25 | 堺化学工業株式会社 | 黒色亜鉛末及びその製造方法 |
JP7344430B2 (ja) * | 2019-09-04 | 2023-09-14 | 堺化学工業株式会社 | 黒色亜鉛末及びその製造方法 |
WO2023237772A1 (en) | 2022-06-10 | 2023-12-14 | Eckart Gmbh | Black zinc particles; method of their production and use |
-
1988
- 1988-07-09 JP JP17128988A patent/JPH0222125A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0222125A (ja) | 1990-01-25 |
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