JPH0554597U - 通紙装置の張力調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体に小型化を図り、スペース面で制約の厳
しい製紙機械に対する設置を容易化すると共に、メンテ
ナンスも行いやすくする。 【構成】 架台２６と一体の水平方向に延びるガイド部
材８に沿って移動自在に設けられた台車１０と、台車１
０にその移動方向と略直角方向に複数個配設され且つ通
紙用ロープ４が架台２６側の固定シーブ１１との間に交
互に掛け回される可動シーブ９と、架台２６に横向きに
設けられたシリンダ１３のロッド１４先端にスライドシ
ーブ１６を設けてなるテンショナ１８と、先端がテンシ
ョナ１８を介して台車１０に接続されたテンションロー
プ２０を巻取り可能となるよう架台２６に設置された巻
取機１９とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、通紙装置の張力調整装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、製紙機械のドライヤパート等には、図３に示される如く、複数のロー ル１，２の幅端部に形成した溝及び複数のシーブ３に無端状に掛け回され、図示 していない紙の先端幅端部を挟んで前記ロール１，２間に誘導可能な通紙用ロー プ４を備えた通紙装置５が設けられている。

【０００３】 前記通紙装置５の通紙用ロープ４は使用していくうちに徐々に伸びていくため 、張力を適正に保持するために張力調整装置６が必要となる。

【０００４】 前記張力調整装置６は、図４及び図５に示される如く、第一架台７と一体の水 平方向に延びるガイド部材８に、可動シーブ９を有する台車１０を移動自在に装 着すると共に、該台車１０の可動シーブ９に、第一架台７に取付けた固定シーブ １１に掛け回した通紙用ロープ４を巻掛け、又、前記第一架台７の側方に立設し た第二架台１２に、テンショナ１８を構成するシリンダ１３を縦向きに設けると 共に、該シリンダ１３のロッド１４先端に、上面にスライドシーブ１６を有し且 つ前記第二架台１２の垂直方向に延びるガイド部材１５に沿って昇降自在なフレ ーム１７を連結し、前記第二架台１２側部に設けた巻取機１９から繰り出したテ ンションロープ２０を、前記第二架台１２上面に配設した固定シーブ２１と前記 スライドシーブ１６に交互に掛け回し更に固定シーブ２２，２３，２４を介して 前記台車１０に接続してなる構成を有している。

【０００５】 尚、図３中、２５はロール１，２に巻掛けられた無端帯状のフェルトである。

【０００６】 前記通紙装置５の通紙用ロープ４が使用に際し徐々に伸びていった場合、巻取 機１９をロックした状態で、シリンダ１３を所要量収縮させると、フレーム１７ がガイド部材１５に沿って下降し、テンションロープ２０が引張られ、該テンシ ョンロープ２０により台車１０がガイド部材８に沿って図４及び図５中左方へ移 動し、前記通紙用ロープ４の張力が適正値に保持される。

【０００７】 設計上は、前記通紙用ロープ４の伸びが進行しシリンダ１３が収縮側のストロ ークエンドに達した際、台車１０も図４及び図５中仮想線で示されるストローク エンドに位置するようにしてあるが、テンションロープ２０の伸び具合により、 前記シリンダ１３が収縮側のストロークエンドに達しても、台車１０がストロー クエンドまで到達せず更に通紙用ロープ４を引張る必要が生じた場合には、巻取 機１９によりテンションロープ２０を所要量巻取ることにより、通紙用ロープ４ の張力の適正化が行われる。

【０００８】 前記台車１０がストロークエンドに到達後、通紙用ロープ４の張力が低下して きた場合には、通紙用ロープ４の長さをつめて再度使用するか、或いは新しいも のと交換される。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述の如き通紙装置５の張力調整装置６では、台車１０の可動 シーブ９に通紙用ロープ４を単に一回しか掛け回しておらず、台車１０のストロ ークを長くする必要があり、しかも、テンショナ１８が第一架台７と別体に設け られ、且つシリンダ１３が縦向きに設けられているため、平面的並びに空間的に 設置スペースが多く必要となり、スペース面で制約の厳しい製紙機械に対し設置 が困難になると共に、テンショナ１８の高さも高くなりメンテナンスもしにくく なるという問題を有していた。

【００１０】 本考案は、斯かる実情に鑑み、全体に小型化し得、スペース面で制約の厳しい 製紙機械に対する設置を容易化し得ると共に、メンテナンスも行いやすくし得る 通紙装置の張力調整装置を提供しようとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数のロール及びシーブに無端状に掛け回され紙の先端幅端部を挟 んで前記ロール間に誘導可能な通紙用ロープに張力を付与するための通紙装置の 張力調整装置において、架台と一体の水平方向に延びるガイド部材に沿って移動 自在に設けられた台車と、該台車にその移動方向と略直角方向に複数個配設され 且つ前記通紙用ロープが架台側の固定シーブとの間に交互に掛け回される可動シ ーブと、前記架台に横向きに設けられたシリンダのロッド先端にスライドシーブ を設けてなるテンショナと、先端が前記テンショナを介して台車に接続されたテ ンションロープを巻取り可能となるよう前記架台に設置された巻取機とを備えた ことを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】

従って、通紙用ロープが使用に際し徐々に伸びていった場合、巻取機をロック した状態で、横向きのシリンダを所要量収縮させると、テンションロープが引張 られ、該テンションロープにより台車がガイド部材に沿って移動するが、台車の 可動シーブに通紙用ロープを複数回掛け回していることから、台車の移動量が小 さくても通紙用ロープは大きく引張られる形となり、台車の少ない移動により通 紙用ロープの張力が適正値に保持され、又、前記通紙用ロープの伸びが進行しシ リンダが収縮側のストロークエンドに達した際、テンションロープの伸び具合に より、台車がストロークエンドまで到達せず更に通紙用ロープを引張る必要が生 じた場合には、巻取機によりテンションロープを所要量巻取ることにより、通紙 用ロープの張力の適正化が行われる。

【００１３】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

【００１４】 図１及び図２は本考案の一実施例であり、架台２６と一体の水平方向に延びる ガイド部材８に台車１０を移動自在に装着し、該台車１０にその移動方向と略直 角方向に複数個（図の例では上下二個）の可動シーブ９を配設すると共に、通紙 用ロープ４を架台２６側に設けた固定シーブ１１と前記可動シーブ９との間に交 互に掛け回し、又、前記架台２６上部にシリンダ１３を前記ガイド部材８と平行 となるよう横向きに設け且つ該シリンダ１３のロッド先端にスライドシーブ１６ を設けてテンショナ１８を構成し、更に、前記架台２６上部に設けた巻取機１９ から繰り出したテンションロープ２０を、前記架台２６上部に配設した固定シー ブ２７と前記スライドシーブ１６に掛け回し固定シーブ２８，２９を介して前記 台車１０に接続し、張力調整装置６を構成する。

【００１５】 次に、上記実施例の作動を説明する。

【００１６】 通紙用ロープ４が使用に際し徐々に伸びていった場合、巻取機１９をロックし た状態で、横向きのシリンダ１３を所要量収縮させると、テンションロープ２０ が引張られ、該テンションロープ２０により台車１０がガイド部材８に沿って図 １及び図２中左方へ移動するが、台車１０の可動シーブ９に通紙用ロープ４を二 回掛け回していることから、台車１０の移動量が小さくても通紙用ロープ４は大 きく引張られる形となり、台車１０の少ない移動により通紙用ロープ４の張力が 適正値に保持される。

【００１７】 又、前記通紙用ロープ４の伸びが進行しシリンダ１３が収縮側のストロークエ ンドに達した際、テンションロープ２０の伸び具合により、台車１０が図１中仮 想線で示されるストロークエンドまで到達せず更に通紙用ロープ４を引張る必要 が生じた場合には、巻取機１９によりテンションロープ２０を所要量巻取ること により、通紙用ロープ４の張力の適正化が行われる。

【００１８】 本実施例においては、台車１０の可動シーブ９に通紙用ロープ４を二回掛け回 しており、台車１０のストロークが略半分で済み、しかも、テンショナ１８を構 成するシリンダ１３が架台２６上に横向きに設けてあるため、全体として小型化 され、平面的並びに空間的に設置スペースが多く必要とならず、スペース面で制 約の厳しい製紙機械に対し設置が容易になると共に、メンテナンスも行いやすく なる。

【００１９】 尚、本考案の通紙装置の張力調整装置は、上述の実施例にのみ限定されるもの ではなく、台車に可動シーブを上下に複数個配設する代りに、水平な幅方向に複 数個配設すれば高さをより低くし得ること等、その他、本考案の要旨を逸脱しな い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の通紙装置の張力調整装置によれば、全体に小型 化が可能となり、スペース面で制約の厳しい製紙機械に対する設置を容易化し得 ると共に、メンテナンスも行いやすくできるという優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の側面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。

【図３】製紙機械のドライヤパートに設けられた通紙装
置の全体側面図である。

【図４】図３に示す通紙装置における従来の張力調整装
置の拡大側面図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ矢視図である。

【符号の説明】

１ ロール ２ ロール ３ シーブ ４ 通紙用ロープ ５ 通紙装置 ６ 張力調整装置 ８ ガイド部材 ９ 可動シーブ １０ 台車 １１ 固定シーブ １３ シリンダ １４ ロッド １６ スライドシーブ １８ テンショナ １９ 巻取機 ２０ テンションロープ ２６ 架台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のロール及びシーブに無端状に掛け
   回され紙の先端幅端部を挟んで前記ロール間に誘導可能
   な通紙用ロープに張力を付与するための通紙装置の張力
   調整装置において、架台と一体の水平方向に延びるガイ
   ド部材に沿って移動自在に設けられた台車と、該台車に
   その移動方向と略直角方向に複数個配設され且つ前記通
   紙用ロープが架台側の固定シーブとの間に交互に掛け回
   される可動シーブと、前記架台に横向きに設けられたシ
   リンダのロッド先端にスライドシーブを設けてなるテン
   ショナと、先端が前記テンショナを介して台車に接続さ
   れたテンションロープを巻取り可能となるよう前記架台
   に設置された巻取機とを備えたことを特徴とする通紙装
   置の張力調整装置。