JPH0554466U

JPH0554466U - ローラ

Info

Publication number: JPH0554466U
Application number: JP10983291U
Authority: JP
Inventors: 収一之瀬
Original assignee: 収一之瀬
Priority date: 1991-12-12
Filing date: 1991-12-12
Publication date: 1993-07-20

Abstract

(57)【要約】【構成】ゴム、合成樹脂等の弾性材料で形成した円柱
部材２の軸心部に軸部材３を貫通固定させ、この円柱部
材２の内周面に複数個の凹部４を設けたローラ。【効果】外部からの衝撃を受けても、振動を生じず、
衝撃音をほとんど発せず、機器の他の部分に伝わって共
振音を発したり、悪影響を与えたりすることがない。
また、ローラ１を軽量にすること、及び、コストダウン
することもでき、種々のオートメーション機器に利用す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主としてプリンタ、ファクシミリ、タイプライタ、ワードプロセッサ、テレックス等の事務機器や、その他のオートメーション機器に用いられるローラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近時多くの分野でオートメーション化が急速に進み、上に例示したオフィスオートメーションのための事務機器のような新しいオートメーション機器が開発され、広く普及しつつあり、これらの機器には、給紙、印字等の作用を行う重要な部材として、多くのローラが用いられている。

【０００３】図５は、従来のローラの１例を示す断面図であって、中央に示した断面は、両側に示した断面に直角な断面である。図５において、１１はローラ、１２は円柱部材、１３は軸部材であって、ローラ１１は、ゴム、合成樹脂等の弾性材料で形成した円柱部材１２の軸心部に、金属棒で形成した軸部材１３を貫通固定させて、構成されている。

【０００４】この構造では、回転中のローラ１１の円柱部材１２が、給紙、印字等の作用によって外部から衝撃を受けた時に、ローラ１１が振動して衝撃音を発し、また、このローラ１１の振動が軸部材１２を介して機器の他の部分に伝わって共振音を発したり、悪影響を及ぼすという課題を有している。更に、この構造のローラ１１は、比較的重いので軽くしたいという課題や、ローラ１１のコストダウンが機器のコストダウンに大きく貢献するので、一層安価なものにしたいという課題を有している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の課題を解決するために開発したものであって、消音効果が大きく、機器の他の部分に悪影響を与えず、また、軽量で安価なローラを提供するためのものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の課題を解決するために、ローラを次のように構成した。すなわち、ゴム、合成樹脂等の弾性材料で形成した円柱部材の軸心部に軸部材を貫通固定させ、該円柱部材の内周面に複数個の凹部を設けて構成した。この場合、該凹部は、該円柱部材の軸心に平行な溝、又は渦巻き状に形成された溝であるとよく、該凹部に粒状又は粉状の物体を詰めるとよい。

【０００７】また、該軸部材は、金属棒、金属管、金属管の両端部に塑性加工を施して縮径して軸受部としたもの、又は紙管であるとよい。更に、該軸部材が金属管、金属管の両端部に塑性加工を施して縮径して軸受部としたもの、又は紙管である場合、該軸部材の内部に粒状又は粉状の物体を詰めるとよい。

【０００８】

【作用】

本考案のローラは、上記のように構成されたので、次のように作用する。先ず、円柱部材の内周面に設けた凹部によって、円柱部材が外部から受けた衝撃を、及び衝撃によって生じた円柱部材の振動を吸収するので、衝撃音がほとんど発生しない。また、機器の他の部分に伝わって共振音を発したり、悪影響を及ぼしたりすることがない。凹部を円柱部材の軸線に平行な溝又は渦巻き状の溝にすると、凹部を設けた円柱部材の製作が容易であり、このための金型の製作も容易である。凹部に鉄粉等の粒状又は粉状の物体を詰めると、これが衝撃や振動を一層良く吸収するので、消音等の効果が更に増大する。

【０００９】軸部材を金属棒で形成すると、強固なローラになり、金属管で形成すると、強固で軽いローラになる。また、紙管で形成すると、ローラが軽量になると共に、この紙管が円柱部材から伝わった衝撃や振動を吸収して、機器の他の部分に伝わるのを防止する。軸部材を、金属管の両端部に塑性加工を施して縮径して軸受部にしたものにすると、縮径しない金属管の部分の空間部が大きく、ローラが更に軽量になり、ゴム、合成樹脂等の弾性部材で形成する円柱部材が薄肉になって、コストダウンになる。なお、金属管を塑性加工して縮径することは極めて容易な作業である。

【００１０】軸部材が金属管、金属管の両端部に塑性加工を施して縮径して軸受部としたもの、又は紙管である場合に、それらの内部に鉄粉等の粒状又は粉状の物体を詰めると、これが衝撃や振動を吸収するので、消音等の効果が更に増大する。なお、鉄粉等の粒状又は粉状の物体を詰める場所に、円柱部材の凹部と軸部材の内部の２個所があるが、ローラの使用場所等に応じて、両方に、又はその一方に詰めたり、両方共詰めなかったりすることがある。また、粒状又は粉状の物体には、鉄粉の他、骨粉、塩化鉄、硫酸バリウム等種々のものがある。

【００１１】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１、図２、図３及び図４は、いずれもそれぞれ本考案の実施例を示す断面図であって、それぞれの図の中央に示した断面は、両側に示した断面に直角な断面である。図１乃至図４において、１はローラ、２は円柱部材、３は軸部材、４は円柱部材２の内周面に設けた凹部である溝であり、ローラ１は、ゴム、合成樹脂等の弾性材料で形成した円柱部材２の軸心部に軸部材３を貫通固定させてあり、円柱部材２の内周面に複数個の凹部である溝４が形成してある。なお、５は円柱部材２と同じ材料で形成された側板であり、６は主としてゴムで形成した栓である。

【００１２】図１に示した実施例では、円柱部材２に形成した凹部は４条の溝４であり、軸部材３はステンレス鋼棒で形成されている。図２に示した実施例では、円柱部材２に形成した凹部は８条の溝４であり、軸部材３はステンレス鋼管で形成されていて、その両端に栓６が詰めてある。図３に示した実施例では、円柱部材２に形成した凹部は８条の溝４であり、軸部材３は、比較的大径のステンレス鋼管の両端部３ａを塑性加工を施して縮径して軸受部としてあり、その両端に栓６が詰めてある。

【００１３】図４に示した実施例は、図２に示した実施例の円柱部材２の溝４と軸部材３の内部に鉄粉７を詰めたものである。なお、図１に示した実施例における溝４に、また図３に示した実施例における溝４と軸部材３の内部との両方又は一方に、鉄粉等の粒状又は粉状の物体を詰めてもよいし、図４に示した実施例における溝又は軸部材３の内部のいずれかの鉄粉７を除去してもよい。

【００１４】次に、図１乃至図４に示した実施例について、その作用を説明する。先ず、円柱部材２の内周面に設けた凹部である溝４によって、円柱部材２が外部から受けた衝撃を、及び衝撃によって生じた円柱部材２の振動を吸収するので、衝撃音はほとんど発生しない。また、機器の他の部分に伝わって共振音を発したり、悪影響を及ぼしたりすることがない。凹部４を、実施例に示したような円柱部材２の軸線に平行な溝４又は渦巻き状の溝にすると、凹部４を設けた円柱部材２の製作が容易であり、このための金型の製作も容易である。

【００１５】軸部材３を、図１の実施例のように金属棒で形成すると、強固なローラ１になり、図２の実施例のように金属管で形成すると、強固で軽いローラ１になる。金属管の代りに紙管で形成すると、ローラ１が軽量になると共に、この紙管が円柱部材２から伝わった衝撃や振動を吸収して、機器の他の部分に伝わるのを防止する。軸部材３を、図３の実施例のように比較的大径の金属管の両端部３ａに塑性加工を施して縮径して軸受部としたものにすると、縮径していない部分の空間部が大きく、ローラ１が更に軽量になり、ゴム、合成樹脂等の弾性部材で形成する円柱部材２が薄肉になって、コストダウンになる。なお、金属管を塑性加工して縮径することは極めて容易な作業である。

【００１６】軸部材３が、図２及び図４の実施例のように金属管である場合、図３の実施例のように金属管の両端部３ａに塑性加工を施して縮径して軸受部とした場合、又は紙管である場合に、それらの内部に鉄粉等の粒状又は粉状の物体を詰めると、これが衝撃や振動を吸収するので、消音等の効果が更に増大する。なお、鉄粉等の粒状又は粉状の物体を詰める場所に、円柱部材２の凹部４と軸部材３の内部の２個所があるが、ローラ１の使用場所等に応じて、両方に、又はその一方に詰めたり、両方共詰めなかったりすることがある。また、粒状又は粉状の物体には、鉄粉の他、骨粉、塩化鉄、硫酸バリウム等種々のものがある。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のローラは、既に説明したように、ローラが外部から衝撃を受けても、振動を生じず、衝撃音をほとんど発せず、機器の他の部分に伝わって共振音を発したり、悪影響を及ぼすことがない。また、ローラを軽量にすること、及びコストダウンすることもできる。このように優れたローラであるので、プリンタ、ファクシミリ、タイプライタ、ワードプロセッサ、テレックス等の事務機器やその他のオートメーション機器に広く利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のローラの実施例を示す断面図であっ
て、図の中央に示した断面は、両側に示した断面に直角
な断面である。

【図２】本考案のローラの実施例を示す断面図であっ
て、図の中央に示した断面は、両側に示した断面に直角
な断面である。

【図３】本考案のローラの実施例を示す断面図であっ
て、図の中央に示した断面は、両側に示した断面に直角
な断面である。

【図４】本考案のローラの実施例を示す断面図であっ
て、図の中央に示した断面は、両側に示した断面に直角
な断面である。

【図５】従来のローラの１例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ローラ２円柱部材３軸部材３ａ両端部４凹部（溝）７鉄粉

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ６５Ｈ 5/06 Ａ 7111−3Ｆ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ゴム、合成樹脂等の弾性材料で形成した
円柱部材の軸心部に軸部材を貫通固定させ、該円柱部材
の内周面に複数個の凹部を設けたことを特徴とするロー
ラ。
【請求項２】該凹部が該円柱部材の軸心に平行な溝で
あることを特徴とする請求項１記載のローラ
【請求項３】該凹部が渦巻き状に形成された溝である
ことを特徴とする請求項１記載のローラ。
【請求項４】該凹部に粒状又は粉状の物体を詰めたこ
とを特徴とする請求項１乃至請求項３記載のローラ。
【請求項５】該軸部材を金属棒で形成したことを特徴
とする請求項１乃至請求項４記載のローラ。
【請求項６】該軸部材を金属管で形成したことを特徴
とする請求項１乃至請求項４記載のローラ。
【請求項７】該軸部材が金属管の両端部に塑性加工を
施して縮径して軸受部としたものであることを特徴とす
る請求項１乃至請求項４記載のローラ。
【請求項８】該軸部材を紙管で形成したことを特徴と
する請求項１乃至請求項４記載のローラ。
【請求項９】該軸部材の内部に粒状又は粉状の物体を
詰めたことを特徴とする請求項６乃至請求項８記載のロ
ーラ。