JPH0553771U - 溶銑払出しピットの付着地金除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶銑払出しピットの側壁に付着した地金を遠
隔操作により機械的に除去する。 【構成】 工業用テレビカメラ７で付着地金を確認し、
付着地金除去装置10を走行台車１と横行台車２の移動に
より地金塊の位置に近づける。次に昇降ポスト４の昇降
操作により地金塊の高さに合わせ、さらに回転ポストの
回転および地金除去用ブレーカー６の傾動操作のもとに
ブレーカー６により地金塊を除去する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

溶銑輸送台車より溶銑を溶銑受け容器に払い出すために設けられた地下ピット （以下溶銑払出しピットという）の側壁に付着した地金及びスラグを除去するた めの溶銑払出しピットの付着地金除去装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

溶銑払出しピットにおいては、溶銑払い出時に飛散した地金およびスラグが側 壁に付着凝固し大きな塊となる。この塊が側壁から不意に落下するため、ピット の点検、補修等のためにピット内に立ち入る場合、非常に危険である。そのため 、側壁に付着した地金およびスラグを落下状態になる前に除去する必要がある。

【０００３】 従来より行われている溶銑払出しピット側壁に付着した地金塊の除去は、大型 の建機をピット内に搬入したり、天井クレーンに錘を取付けたりして行っていた ために、事前の準備に長時間が必要で、長時間操業を中断するタイミング（休工 日等）でなければ除去作業が行えなく、通常の操業状態では、付着した地金塊の 除去作業をタイムリーに行うことができなかった。従って、通常の操業状態で溶 銑払出しピットの点検を行う必要が生じた場合等は、地金落下の危険がある状況 でピット内に立ち入らなければならないこともあった。また、大型の建機や天井 クレーンを使うために自動化、省力化が難しく、除去作業中に大型建機の運転者 や作業者に地金塊が落下する危険があり、さらに、作業環境も粉塵が多いという 悪条件で行う必要があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記従来技術の問題点を解決し、1)事前準備無しで、短時間で効率よ く付着した地金塊の除去を行い、2)通常の操業状態でも、必要な時に、短時間で 地金塊の除去作業が効率良く行え、3)地金塊の除去作業の自動化、省力化を可能 とした装置で、4)作業者を悪作業環境から解放することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案は、溶銑輸送台車より溶銑を受銑用鍋に払い 出すために設けられた地下式の溶銑ピットの側壁に付着した地金およびスラグを 除去する装置であって、溶銑払出しピットの上部長手方向に敷設された走行用レ ール上を走行する走行台車と、走行台車上に設置された横行台車と、横行台車に 昇降自在に搭載された昇降ポストと、昇降ポストの下部に接続して回転自在に設 置された回転ポストと、回転ポストの下部に傾動関節具を介して傾動自在に取付 けられた地金除去用ブレーカーと、前記傾動関節具により地金除去用ブレーカー と同調して動く工業用テレビカメラとを具備したことを特徴とする溶銑払出しピ ットの地金除去装置である。

【０００６】

【作 用】

本考案は、溶銑払出しピットの上部に設置した走行、横行可能な台車上に昇降 ポスト、回転ポストおよび傾動関節具を介して、ブレーカーを取り付けた装置で あり、工業用テレビカメラを搭載することで、遠隔操作が可能となっている。し たがって、溶銑払出しピットの側壁に付着した地金が大塊となって落下する危険 性のある状態になる前に、適宜タイミングで走行台車と横行台車の走行の組み合 わせ、昇降ポストの昇降と回転ポストの回転と、ブレーカーの傾動との組み合わ せによる遠隔操作を工業用テレビカメラでピット側壁に付着した地金を監視しな がら、特別の準備を要することなく通常の操業状態で安全かつタイムリーに行う ことができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。図１に示すように付着地金除 去装置10は地下式の溶銑払出ピット22の上部長手方向に敷設された走行用レール 21上を走行する走行台車１と、走行台車１上に設置されたガイド１ａに沿って横 行する横行台車２と、横行台車２に昇降自在に搭載された昇降ポスト３と、昇降 ポスト３の下部に接続して回転自在に設置された回転ポスト４と、回転ポスト４ の下部に傾動関節具５を介して傾動自在に取付けられた地金除去用ブレーカー６ と地金除去用ブレーカー６と同調して動く工業用テレビカメラ７とから構成され ている。なお図１に点線で示すように受銑用台車24上の受銑用鍋23は付着地金除 去装置10の地金除去作業の邪魔にならない位置に退避している。

【０００８】 なお図１においては省略したが横行台車２の横行および昇降ポスト３の昇降に はそれぞれ油圧シリンダを用い、回転ポスト４の回転には油圧モータ、また傾動 関節具５の傾動には油圧シリンダなどの適宜駆動手段を用いて駆動することがで きる。 溶銑払出しピット22の側壁に付着した地金およびスラグの除去作業に当っては 、工業用テレビカメラ７で側壁に付着した地金塊の位置を確認し、付着地金除去 装置10を走行台車１を走行させ、さらに横行台車２を横行させて地金塊の位置に 接近させる。次に昇降ポスト４の昇降操作により地金塊の付着している高さに合 わせ、引続き回転ポスト４と地金除去用ブレーカー６の組み合わせ作動により地 金塊を遠隔操作にて除去する。除去されて払出しピット22内にたまった地金はマ グネットクレーン（図示せず）で回収除去する。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば下記の効果が得られる。 １）大型の建機をピット内に搬入したり、天井クレーンに錘を取付けたりする必 要が無く、事前の準備時間が不要となる。 ２）従って、通常の操業状態でも、付着した地金塊の除去作業をタイムリーに行 うことができる。 ３）遠隔操作が可能となるため自動化、省力化が行える。 ４）遠隔操作が可能となるため作業者がピット内に立ち入る必要が無くなり、悪 作業環境から作業者を解放することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る装置を示す概略側面図
である。

【符号の説明】

１ 走行台車 ２ 横行台車 ３ 昇降ポスト ４ 回転ポスト ５ 傾動関節具 ６ 地金除去用ブレーカー ７ 工業用テレビカメラ 21 走行用レール 22 溶銑払出しピット 23 受銑用鍋 24 受銑用台車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶銑輸送台車より溶銑を受銑用鍋に払出
   すために設けられた地下式の溶銑ピットの側壁に付着し
   た地金およびスラグを除去する装置であって、溶銑払出
   しピットの上部長手方向に敷設された走行用レール上を
   走行する走行台車と、走行台車上に設置された横行台車
   と、横行台車に昇降自在に搭載された昇降ポストと、昇
   降ポストの下部に接続して回転自在に設置された回転ポ
   ストと、回転ポストの下部に傾動関節具を介して傾動自
   在に取付けられた地金除去用ブレーカーと、前記傾動関
   節具により地金除去用ブレーカーと同調して動く工業用
   テレビカメラとを具備したことを特徴とする溶銑払出し
   ピットの付着地金除去装置。