JPH0553447U - ビニールシートの固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が極めて簡単でワンタッチで嵌合ないしは
取外し作業を行なうことができる温室などのビニールハ
ウスにおけるビニールシートの固定具を得ることを目的
とする。 【構成】所定の長さに設定した一対の合成樹脂製押込片
を対向配置するとともにこれらの押込片における厚さ方
向の下部をヒンジ接続して略水平状の固定具本体を形成
し、この本体の幅寸法を嵌合されるべき支持フレームに
おける開口凹部の底部幅寸法と略同一に設定し、さらに
前記各押込片の外側縁部を面取りしてアール状に形成す
ることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ビニールシートの固定具に関するものであり、一層詳細には、温 室などのビニールハウスにおけるビニールシートの固定具に関するものである。

【０００２】

【従来技術および考案が解決しようとする課題】

一般に、温室などのビニールハウスは、ハウス本体の骨組材にチャンネル形支 持フレームを固定してその外面を透明なビニールシートで被蓋し、さらにこのビ ニールシートを支持フレームに定着することにより構成されている。

【０００３】 ところで、このようにビニールシートを支持フレームに沿って定着固定する手 段としては、例えば、図７に示すように、支持フレーム１の外側に位置するビニ ールシート３を帯状保持部材５を介して開口凹部７内に押し込むとともにこの開 口凹部７の長手方向に沿ってさらに波形線条９を嵌合するようにした止め具（実 公昭49-41067号）が提案され広範に使用されている。

【０００４】 しかしながら、支持フレームの断面形状は開口部が狭く底部が広くなるという 逆テーパ状であるため、波形線条を開口凹部に嵌合する際にビニールシートが擦 れて損傷することが多いだけでなく、この波形線条の嵌合作業も熟練しないと能 率が上がらず、さらには止め具自体の単位コストも高いなど種々の問題点が指摘 されていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、この考案では、所定の長さに設定した一対の合成樹脂製押込片を対向 配置するとともにこれらの押込片における厚さ方向の下部をヒンジ接続して略水 平の固定具本体を形成し、この本体の幅寸法を嵌合されるべき支持フレームにお ける開口凹部の底部幅寸法と略同一に設定し、さらに前記各押込片の外側縁部を 面取りしてアール状に形成した構成を採用することにより、開口凹部への嵌合作 業の容易化と構造の簡略化によるコストの低減化を図ろうとするものである。

【０００６】 この場合、押込片の一部に固定具本体に作用する外力に対抗して押込片を略水 平状態に保持する保持手段を設ければ、外力による固定具やビニールシートの脱 落を確実に防止することができ、さらには各押込片の外端縁部に沿って薄肉状の 当接片を付設すれば、ビニールシートへの当りを和らげて破損なども阻止するこ とがでる。

【０００７】

【作 用】

この考案に係る固定具では、ヒンジ部を中心として強制的に山折状（逆Ｖ字状 ）に折曲した固定具本体を、ビニールシートとともにチャンネル形支持フレーム の開口凹部内に押し込んだ後、この固定具本体のヒンジ部両側を押圧して略水平 の原形状に復帰させることにより各押込片の外端縁部でビニールシートを開口凹 部内面に押圧固定するものである。

【０００８】

【実施例】

次に本考案に係るビニールシートの固定具の好適な実施例につき添付図面を参 照しながら以下詳細に説明する。なお説明の便宜上、従来と同様の部材について は同一符号を使用するものとする。

【０００９】 図１および図２において、本考案に係るビニールシートの固定具１０は、所定 の長さに設定した合成樹脂製押込片１２、１２の対向する縁部をヒンジ部１４を 介して一体的に接続することにより略水平状に形成した固定具本体１６を備えて いる。

【００１０】 前記固定具本体１６を略水平状に形成するに際しては、各押込片１２、１２に おける厚さ方向の下部を相互に接続することによりヒンジ部１４を形成するのが 好適であり、また、各押込片１２、１２の外端縁を面取りしてアール状に形成す るとともにその端縁部に薄肉状当接片１２ａ、１２ａを配設する。

【００１１】 また、前記固定具本体１６はその幅寸法Ｗを、嵌合されるべき支持フレーム１ における開口凹部７の底部幅寸法ｗと略同一に設定（図５参照）するとともに、 各押込片１２、１２の上面には、固定具本体１６を支持フレーム１の開口凹部７ に装着した際に、外力などに対抗してその水平状態を保持するための保持手段と しての突止片１８、１８を対向配置する。

【００１２】 なお、この実施例において突止片１８、１８は、突片２０とこの突片２０が嵌 まり込む切欠２２とを夫々対向配置した相欠き状突止片として形成したが、固定 具本体１６を略水平にしたとき外力などに対抗してその水平状態を保持する機能 を備えていれば、例えば、図３に示すように、押込片１２、１２相互のヒンジ部 １４の上方部１２ｂ、１２ｂ（厚さ方向上部）をそのまま保持手段（ストッパ） として構成するなど、形状的には限定されないことは言うまでない。

【００１３】 次に、このように構成した本考案に係る固定具１０を使用してビニールシート ３を固定する手順につき説明すると、まず、略水平に形成されている固定具本体 １６の押込片１２、１２をヒンジ部１４を中心に山折状（逆Ｖ字状）に折り曲げ 、この状態で固定具本体１６の底部、すなわち、各押込片１２、１２の外端縁ア ール状部を、チャンネル形支持フレーム１の開口凹部７上に位置するビニールシ ート３に当接する（図４参照）。

【００１４】 そして、この状態で押込片１２、１２を上から押圧して固定具本体１６をビニ ールシート３とともに開口凹部７内に押入した後、これらの押込片１２、１２を さらに強制的に下方に押圧して山折状から原形状、すなわち、略水平に復帰させ ることにより、該ビニールシート３にその弧状縁部を当接して該ビニーニシート ３を支持フレーム１の開口凹部７底部に固定する（図５参照）。

【００１５】 また、押込片１２、１２を略水平に復帰させる際、弧状縁部および薄肉状当接 片１２ａ、１２ａが該ビニーニシート３にやわらかく当接することになるのでビ ニーニシート３が破損したりする等の不都合は回避することができる。

【００１６】 なお、固定具１０をチャンネル形支持フレーム１の開口凹部７に押入するに際 しては、例えば、図４および図５に示すように、固定具１０を山折状に折り曲げ た状態で保持する逆Ｖ字状部Ａを有するとともに突止片１８を介して押込片１２ 、１２を上から押圧する押圧部Ｂを備えた治具Ｃなどが好適に使用される。

【００１７】 そして、略水平に復帰した固定具１０は、各押込片１２、１２における厚さ方 向の下部にヒンジ部１４を形成したのでこのヒンジ部分自体が逆Ｖ字状に折れ曲 がる力に対抗するだけでなく、押込片１２、１２の上面に配置した突止片１８、 １８の突片２０と切欠２２の係合による相乗作用により極めて強力なストッパー 機能が生じ、従って、本体１６が再び折れ曲がって支持フレーム１の開口凹部７ から外れてしまうなどの不都合を確実に阻止することができる。

【００１８】 この場合、押込片１２、１２の下面に適宜凹凸状部などを設けて、押込片１２ 、１２を略水平状に復帰させたときに弧状縁部が上方にそりあがるように構成し ておけば、ビニーニシート３に掛かる当接力（押圧力）が斜め上方に働くことに なるので、より確実なストッパー機能を得ることができる（図３参照）。

【００１９】 また、本実施例において図示していないが、一方の突止片の側縁部に他方の突 止片と係合する突起部を設けておけば、強い風などの繰り返し荷重によるビニー ルシートの緩みや皺の発生なども可及的に阻止することができ好適である。

【００２０】 さらに、ビニールシート３の張替え時などに固定具１０を取外す場合は、係合 している突止片１８、１８間に棒部材などを挿入し、本体１６を強制的に引き起 こして山折状にすれば瞬時にビニールシートの固定を解除することができるので 作業能率の向上を図ることができる。

【００２１】

【考案の効果】 先に述べたように、本考案に係る固定具によれば、構造も簡単なので極めて安 価に製造することができるだけでなく、支持フレームの開口凹部への嵌合あるい は取外し作業もワンタッチで簡便に行なうことができる。

【００２２】 また、固定具本体は当初から略水平状に形成されているだけでなく支持フレー ムへの装着後における外力に対抗する保持手段も設けたのでビニールシートを支 持フレームの開口凹部に確実に当接して固定することができ、さらには固定具自 体を合成樹脂で成形したので開口凹部に嵌合する際にビニールシートを損傷する こともなく、高温になることもないのでビニールシートの劣化が早まることもな い等種々の利点を有しその実用的効果は極めて大きい。

【００２３】 以上、本考案に係る固定具の好適な実施例につき説明したが、本考案はこの実 施例に限定されるものではなく、例えば、ビニールシート３を支持フレーム１に 固定した後に固定具１０上に断面茸状の保護部材２４を装着してビニールシート ３を保持紐２６で押えた際に該保持紐２６とビニールシート３とが直接接触しな いように構成して擦れなどによるビニールシートの破損を阻止できるように構成 したり（図６ａ参照）、あるいは、固定具１０上面に嵌合部を形成するとともに この嵌合部に適宜装着した保持紐係止部材２８に保持紐２６を挿通係止できるよ うに構成する（図６ｂ参照）等、本考案の精神を逸脱しない範囲内において種々 の改変をなし得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るビニールシートの固定具の好適な
実施例の斜視図である。

【図２】図１に示す固定具のＸーＸ線断面図である。

【図３】本考案に係るビニールシートの固定具の別の実
施例示す断面説明図である。

【図４】図１に示す固定具を使用してビニールシートを
支持フレームの開口凹部へ押入する前の状態の斜視図で
ある。

【図５】図１に示す固定具を支持フレームの開口凹部へ
押入してビニールシートを固定保持した状態の断面説明
図である。

【図６】ａおよびｂは、図１に示す固定具を使用してビ
ニールシートを固定保持する場合の夫々別の使用状態を
示す断面説明図である。

【図７】従来のビニールシートの固定具を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 支持フレーム、 ３ ビニールシート、１０ 固
定具、１２ 押込片、 １４ ヒンジ部、 １６
固定具本体、１８ 突止片、 ２０ 突片、
２２ 切欠、２４ 保護部材、 ２６ 保持
紐、 ２８ 保持紐係止部材、

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の長さに設定した一対の合成樹脂製
   押込片を対向配置するとともにこれらの押込片における
   厚さ方向の下部をヒンジ接続して略水平状の固定具本体
   を形成し、この本体の幅寸法を嵌合されるべき支持フレ
   ームにおける開口凹部の底部幅寸法と略同一に設定し、
   さらに前記各押込片の外側縁部を面取りしてアール状に
   形成することを特徴とするビニールシートの固定具。
2. 【請求項２】 押込片の一部に固定具本体に作用する外
   力に対抗して押込片を略水平状態に保持する保持手段を
   設けることからなる請求項１に記載のビニールシートの
   固定具。
3. 【請求項３】 各押込片のアール状縁部に沿って薄肉状
   の当接片を付設することからなる請求項１または請求項
   ２に記載のビニールシートの固定具。