JPH0553154A - エレクトロクロミツク素子 - Google Patents
エレクトロクロミツク素子Info
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- JPH0553154A JPH0553154A JP19205291A JP19205291A JPH0553154A JP H0553154 A JPH0553154 A JP H0553154A JP 19205291 A JP19205291 A JP 19205291A JP 19205291 A JP19205291 A JP 19205291A JP H0553154 A JPH0553154 A JP H0553154A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- electrolyte
- film
- polymer porous
- design
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エレクトロクロミック素子にデザインを付与
して高級感を出す。 【構成】 作用電極と対極との間に、固体高分子多孔性
薄膜、例えば、ポリエチレン微多孔膜の空孔中にイオン
導電体(代表的には、電解質溶液にアルカリ金属イオン
を溶解して複合体にしたもの)を充填してなる電解質薄
膜(厚さ5〜25μm程度)を挟持して電解質として用
いるエレクトロクロミック素子において、固体高分子多
孔性薄膜にデザインを印刷(例えば、グラビア印刷)す
る。
して高級感を出す。 【構成】 作用電極と対極との間に、固体高分子多孔性
薄膜、例えば、ポリエチレン微多孔膜の空孔中にイオン
導電体(代表的には、電解質溶液にアルカリ金属イオン
を溶解して複合体にしたもの)を充填してなる電解質薄
膜(厚さ5〜25μm程度)を挟持して電解質として用
いるエレクトロクロミック素子において、固体高分子多
孔性薄膜にデザインを印刷(例えば、グラビア印刷)す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトロクロミック素
子に係わる。
子に係わる。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック素子を素子として
使用することは公知である。例えば、自動車の窓、バッ
クミラー、または建物の窓ガラスなどに使用されて、外
部から内部は見えないが内部から外部は見えるように
し、また太陽光、後方車のヘッドライトが眩しいときに
その光量を減らし、逆に外部からの光量が少ないときは
透過光を減らさないようにするために利用されている。
使用することは公知である。例えば、自動車の窓、バッ
クミラー、または建物の窓ガラスなどに使用されて、外
部から内部は見えないが内部から外部は見えるように
し、また太陽光、後方車のヘッドライトが眩しいときに
その光量を減らし、逆に外部からの光量が少ないときは
透過光を減らさないようにするために利用されている。
【0003】このようなエレクトロクロミック素子の典
型的な構造は、ガラス板に形成した作用電極と、もう一
枚のガラス板に形成した対極との間に、電解質を挟持し
て成る。
型的な構造は、ガラス板に形成した作用電極と、もう一
枚のガラス板に形成した対極との間に、電解質を挟持し
て成る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成素材で構成しただけの素子では、美観上の品質
が限定される欠点があり、美観上の高級感を付与し、あ
るいはインテリアとして利用するために、化粧できるこ
とが望まれる。そこで、本発明は、このような要望に答
えうるエレクトロクロミック素子を提供することを目的
とする。
うな構成素材で構成しただけの素子では、美観上の品質
が限定される欠点があり、美観上の高級感を付与し、あ
るいはインテリアとして利用するために、化粧できるこ
とが望まれる。そこで、本発明は、このような要望に答
えうるエレクトロクロミック素子を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、作用電極と対極との間に、固体高分子多孔性薄膜
の空孔中にイオン導電体を充填してなる電解質薄膜を挟
持し、これを電解質として用いるエレクトロクロミック
素子であって、該固体高分子多孔性薄膜にデザインが印
刷されていることを特徴とするエレクトロクロミック素
子によって達成される。
的は、作用電極と対極との間に、固体高分子多孔性薄膜
の空孔中にイオン導電体を充填してなる電解質薄膜を挟
持し、これを電解質として用いるエレクトロクロミック
素子であって、該固体高分子多孔性薄膜にデザインが印
刷されていることを特徴とするエレクトロクロミック素
子によって達成される。
【0006】本発明のエレクトロクロミック素子は、作
用電極と対極との間に挟持される電解質として、固体高
分子多孔性薄膜の空孔中にイオン導電体を充填してなる
電解質薄膜を用いることを前提としている。この電解質
薄膜を用いたエレクトロクロミック素子については、本
出願人は特願平2−48490号に開示した。このよう
な電解質薄膜は固体として取扱うことができ、液漏れの
心配がなく、しかもイオン電導性に優れることができ
る。また、薄膜化が可能である。
用電極と対極との間に挟持される電解質として、固体高
分子多孔性薄膜の空孔中にイオン導電体を充填してなる
電解質薄膜を用いることを前提としている。この電解質
薄膜を用いたエレクトロクロミック素子については、本
出願人は特願平2−48490号に開示した。このよう
な電解質薄膜は固体として取扱うことができ、液漏れの
心配がなく、しかもイオン電導性に優れることができ
る。また、薄膜化が可能である。
【0007】このような固体高分子多孔性薄膜として
は、膜厚が0.1μm〜50μm、空孔率が40%〜9
0%、破断強度が200kg/cm2 以上、平均貫通孔径が
0.001μm〜0.7μmのものが好ましく使用され
る。薄膜の厚さは一般に0.1μm〜50μmであり、
好ましくは0.1μm〜25μmである。厚さが0.1
μm未満では支持膜としての機械的強度の低下および取
り扱い性の面から実用に供することが難しい。一方、5
0μmを超える場合に実効抵抗を低く抑えるという観点
から好ましくない。多孔性薄膜の空孔率は、40%〜9
0%とするのがよく、好ましくは60%〜90%の範囲
である。空孔率が40%未満では電解質としてのイオン
導電性が不十分となり、一方90%を超えると支持膜と
しての機能的強度が小さくなり実用に供することが難し
い。
は、膜厚が0.1μm〜50μm、空孔率が40%〜9
0%、破断強度が200kg/cm2 以上、平均貫通孔径が
0.001μm〜0.7μmのものが好ましく使用され
る。薄膜の厚さは一般に0.1μm〜50μmであり、
好ましくは0.1μm〜25μmである。厚さが0.1
μm未満では支持膜としての機械的強度の低下および取
り扱い性の面から実用に供することが難しい。一方、5
0μmを超える場合に実効抵抗を低く抑えるという観点
から好ましくない。多孔性薄膜の空孔率は、40%〜9
0%とするのがよく、好ましくは60%〜90%の範囲
である。空孔率が40%未満では電解質としてのイオン
導電性が不十分となり、一方90%を超えると支持膜と
しての機能的強度が小さくなり実用に供することが難し
い。
【0008】平均貫通孔径は、空孔中にイオン導電体を
固定化できればよいが、一般に0.001μm〜0.7
μmである。好ましい平均貫通孔径は高分子膜の材質や
孔の形状にもよる。高分子膜の破断強度は一般に200
kg/cm2 以上、より好ましくは500kg/cm2 以上を有
することにより支持膜としての実用化に好適である。本
発明に用いる多孔性薄膜は上記のようなイオン導電体の
支持体としての機能をもち、機械的強度のすぐれた高分
子材料からなる。
固定化できればよいが、一般に0.001μm〜0.7
μmである。好ましい平均貫通孔径は高分子膜の材質や
孔の形状にもよる。高分子膜の破断強度は一般に200
kg/cm2 以上、より好ましくは500kg/cm2 以上を有
することにより支持膜としての実用化に好適である。本
発明に用いる多孔性薄膜は上記のようなイオン導電体の
支持体としての機能をもち、機械的強度のすぐれた高分
子材料からなる。
【0009】化学的安定性の観点から、例えばポリオレ
フィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデンを用いることができるが、本発明の多孔構造の設
計や薄膜化と機械的強度の両立の容易さの観点から好適
な高分子材料の1例は、特に重量平均分子量が5×10
5 以上のポリオレフィンである。すなわち、オレフィン
の単独重合体または共重合体の、結晶性の線状ポリオレ
フィンで、その重量平均分子量が5×105 以上、好ま
しくは1×106 〜1×107 のものである。例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、ポリブデン−1、ポリ4−メチルペンテン−
1などがあげられる。これらのうちでは重量平均分子量
が5×105 以上のポリエチレンまたはポリプロピレン
が好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子量は、得ら
れる透過膜の機械的強度に影響する。超高分子量ポリオ
レフィンは、超延伸により極薄で高強度の製膜を可能と
し、実効抵抗の低い高イオン導電性薄膜の支持体とす
る。重量平均分子量が5×105 未満のポリオレフィン
を同時に用いることができるが、重量平均分子量が5×
105 以上のポリオレフィンを含まない系では、超延伸
による極薄高強度の膜が得られない。
フィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデンを用いることができるが、本発明の多孔構造の設
計や薄膜化と機械的強度の両立の容易さの観点から好適
な高分子材料の1例は、特に重量平均分子量が5×10
5 以上のポリオレフィンである。すなわち、オレフィン
の単独重合体または共重合体の、結晶性の線状ポリオレ
フィンで、その重量平均分子量が5×105 以上、好ま
しくは1×106 〜1×107 のものである。例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、ポリブデン−1、ポリ4−メチルペンテン−
1などがあげられる。これらのうちでは重量平均分子量
が5×105 以上のポリエチレンまたはポリプロピレン
が好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子量は、得ら
れる透過膜の機械的強度に影響する。超高分子量ポリオ
レフィンは、超延伸により極薄で高強度の製膜を可能と
し、実効抵抗の低い高イオン導電性薄膜の支持体とす
る。重量平均分子量が5×105 未満のポリオレフィン
を同時に用いることができるが、重量平均分子量が5×
105 以上のポリオレフィンを含まない系では、超延伸
による極薄高強度の膜が得られない。
【0010】別の好適な高分子材料の例はポリカーボネ
ートで、この場合の固体高分子多孔性薄膜はポリカーボ
ネート薄膜に対し原子炉中で荷電粒子を照射し、荷電粒
子が通過した飛跡をアルカリエッチングして孔を形成す
る方法で作製することもできる。このような薄膜は例え
ばニュークリポアー・メンブレンとしてポリカーボネー
ト及びポリエステル製品が上市されている。
ートで、この場合の固体高分子多孔性薄膜はポリカーボ
ネート薄膜に対し原子炉中で荷電粒子を照射し、荷電粒
子が通過した飛跡をアルカリエッチングして孔を形成す
る方法で作製することもできる。このような薄膜は例え
ばニュークリポアー・メンブレンとしてポリカーボネー
ト及びポリエステル製品が上市されている。
【0011】そのほか、ポリエステル、ポリメタアクリ
レート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、テトラ
フルオロポリエチレン等を用いることができる。本発明
で用いるイオン導電体としては、アルカリ金属塩または
プロトン酸と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミ
ン等の極性高分子との複合体、あるいはこれらの高分子
をセグメントとして含有する網目状、又は架橋状高分子
との複合体を用いることができる。
レート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、テトラ
フルオロポリエチレン等を用いることができる。本発明
で用いるイオン導電体としては、アルカリ金属塩または
プロトン酸と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミ
ン等の極性高分子との複合体、あるいはこれらの高分子
をセグメントとして含有する網目状、又は架橋状高分子
との複合体を用いることができる。
【0012】高分子化合物と複合体を形成するものとし
ては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩またはプ
ロトン酸を用いることができる。陰イオンとしてはハロ
ゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ト
リフッ化メタンスルホン酸イオン、ホウフッ化イオン等
がある。フッ化リチウム(LiF)、ヨウ化ナトリウム
(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチ
ウム(LiClO4 )、チオシアン酸ナトリウム(Na
SCN)、トリフッ化メタンスルホン酸リチウム(Li
CF3 SO3 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、
ヘキサフッ化りん酸リチウム(LiPF6 )、りん酸
(H3 PO3 )、硫酸(H2SO4 )、トリフッ化メタ
ンスルホン酸、テトラフッ化エチレンスルホン酸〔C2
F4 (SO 3 H)2 〕、ヘキサフッ化ブタンスルホン酸
〔C4 F6 (SO3 H)4 〕、などを具体例として挙げ
ることができる。
ては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩またはプ
ロトン酸を用いることができる。陰イオンとしてはハロ
ゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ト
リフッ化メタンスルホン酸イオン、ホウフッ化イオン等
がある。フッ化リチウム(LiF)、ヨウ化ナトリウム
(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチ
ウム(LiClO4 )、チオシアン酸ナトリウム(Na
SCN)、トリフッ化メタンスルホン酸リチウム(Li
CF3 SO3 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、
ヘキサフッ化りん酸リチウム(LiPF6 )、りん酸
(H3 PO3 )、硫酸(H2SO4 )、トリフッ化メタ
ンスルホン酸、テトラフッ化エチレンスルホン酸〔C2
F4 (SO 3 H)2 〕、ヘキサフッ化ブタンスルホン酸
〔C4 F6 (SO3 H)4 〕、などを具体例として挙げ
ることができる。
【0013】高分子薄膜中にイオン導電体を充填する方
法としては、溶媒に溶解させたイオン導電体、または溶
媒中にゾル状またはゲル状に微分散させたイオン導電体
を固体高分子多孔性薄膜に含浸させるか、塗布またはス
プレーした後溶剤を除去する、あるいはイオン導電体の
単量体や可溶性プレカーサーを固体高分子多孔性薄膜に
含浸させるか、塗布またはスプレーした後、空孔内で反
応させる、等の方法を用いることができる。
法としては、溶媒に溶解させたイオン導電体、または溶
媒中にゾル状またはゲル状に微分散させたイオン導電体
を固体高分子多孔性薄膜に含浸させるか、塗布またはス
プレーした後溶剤を除去する、あるいはイオン導電体の
単量体や可溶性プレカーサーを固体高分子多孔性薄膜に
含浸させるか、塗布またはスプレーした後、空孔内で反
応させる、等の方法を用いることができる。
【0014】このような電解質薄膜の固体高分子多孔性
薄膜に、デザイン印刷する方法は、公知の方法によるこ
とができる。例えば、ポリエチレンフィルムではグラビ
ア印刷を用いることができる。但し、薄膜の多孔を閉鎖
してしまうと、電圧印加時にリチウムイオン又はプロト
ンがすみやかに電極表面に泳動できなくなるために応答
性が損われる。したがってたとえば塗料の粘性を下げ、
あらかじめ界面処理をほどこしたポリエチレンフィルム
を用いることなどが必要となる。
薄膜に、デザイン印刷する方法は、公知の方法によるこ
とができる。例えば、ポリエチレンフィルムではグラビ
ア印刷を用いることができる。但し、薄膜の多孔を閉鎖
してしまうと、電圧印加時にリチウムイオン又はプロト
ンがすみやかに電極表面に泳動できなくなるために応答
性が損われる。したがってたとえば塗料の粘性を下げ、
あらかじめ界面処理をほどこしたポリエチレンフィルム
を用いることなどが必要となる。
【0015】こうして印刷した電解質薄膜を用いてエレ
クトロクロミック素子を構成する方法は、特願平2−4
8490号に開示した様に常法によることができる。す
なわち、公知の作用電極および対極の間に挟持すればよ
い。
クトロクロミック素子を構成する方法は、特願平2−4
8490号に開示した様に常法によることができる。す
なわち、公知の作用電極および対極の間に挟持すればよ
い。
【0016】
【作用】固体高分子多孔性薄膜に印刷を施した電解質薄
膜を用いることによって、エレクトロクロミック素子に
化粧デザインが付与され、高級感が出て、インテリア等
への適用が容易になる。
膜を用いることによって、エレクトロクロミック素子に
化粧デザインが付与され、高級感が出て、インテリア等
への適用が容易になる。
【0017】
【実施例】図面を用いて、実施例を説明する。第1図に
EC素子の例を示す。この積層構造において、下からガ
ラス板1、透明導電膜2、対極3、固体電解質薄膜4、
EC電極5、透明導電膜6、ガラス板7である。このE
C素子は例えば厚さ3mmであるが、樹脂板でもよい。透
明導電膜はSnO2 ,ITOなどを1000〜8000
Å程度製膜して1〜100Ω/cm2 の抵抗値としたもの
である。EC電極5は、WO3 ,MoO3 等インターカ
レーション反応で還元発色する酸化物である。厚みは1
000Å〜1μm程度である。対極3にはH2 ,O2 の
発生の少なく、電気化学的酸化還元反応に対して可逆性
のよい、電気容量の大きい材料が用いられる。具体的に
は遷移金属化合物、NiOx、IrOx、プルシアンブ
ルーなどがある。対極3の厚さは1000Å〜1μm程
度である。
EC素子の例を示す。この積層構造において、下からガ
ラス板1、透明導電膜2、対極3、固体電解質薄膜4、
EC電極5、透明導電膜6、ガラス板7である。このE
C素子は例えば厚さ3mmであるが、樹脂板でもよい。透
明導電膜はSnO2 ,ITOなどを1000〜8000
Å程度製膜して1〜100Ω/cm2 の抵抗値としたもの
である。EC電極5は、WO3 ,MoO3 等インターカ
レーション反応で還元発色する酸化物である。厚みは1
000Å〜1μm程度である。対極3にはH2 ,O2 の
発生の少なく、電気化学的酸化還元反応に対して可逆性
のよい、電気容量の大きい材料が用いられる。具体的に
は遷移金属化合物、NiOx、IrOx、プルシアンブ
ルーなどがある。対極3の厚さは1000Å〜1μm程
度である。
【0018】固体電解質薄膜3の固体高分子多孔性薄膜
としては、例えば、ポリエチレン微多孔膜(厚さ5〜2
5μm)を用いる。このポリエチレン微多孔膜は次の様
にして作成する。超高分子量ポリエチレンを流動パラフ
ィンのような溶媒中に1重量%〜15重量%を加熱溶解
して均一な溶液とする。この溶液からシートを形成し、
急冷してゲル状シートとする。このゲル状シート中に含
まれる溶媒量を、塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽
出処理して10重量%〜90重量%とする。このゲル状
シートをポリオレフィンの融点以下の温度で加熱し、面
倍率で10倍以上に延伸する。この延伸膜中に含まれる
溶媒を、塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽出除去し
た後に乾燥する。
としては、例えば、ポリエチレン微多孔膜(厚さ5〜2
5μm)を用いる。このポリエチレン微多孔膜は次の様
にして作成する。超高分子量ポリエチレンを流動パラフ
ィンのような溶媒中に1重量%〜15重量%を加熱溶解
して均一な溶液とする。この溶液からシートを形成し、
急冷してゲル状シートとする。このゲル状シート中に含
まれる溶媒量を、塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽
出処理して10重量%〜90重量%とする。このゲル状
シートをポリオレフィンの融点以下の温度で加熱し、面
倍率で10倍以上に延伸する。この延伸膜中に含まれる
溶媒を、塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽出除去し
た後に乾燥する。
【0019】界面活性剤処理を行ったポリエチレン微多
孔膜に、表面張力を30dyne/cm以下に下げた顔料(イ
ンキ)をグラビア印刷する。マトリックスのみに顔料を
定着させる方法としては、例えばPVA(ポリビニルア
ルコール)とアゾ化合物をまぜておいて、光不溶化させ
る方法などを用いることが可能である。このポリエチレ
ン微多孔膜に、例えば、ポリエチレングリコールモノエ
ーテルに電解質としてのトリフルオロメタンスルホン酸
リチウムを溶解させた電解質溶液を含浸させる。含浸は
ぬれ性が特によいもの以外は真空含浸法を用いて行な
う。このとき印刷は変化しない。また、薄膜電解質のイ
オン導電率は2〜8×10 -4S/cmである。
孔膜に、表面張力を30dyne/cm以下に下げた顔料(イ
ンキ)をグラビア印刷する。マトリックスのみに顔料を
定着させる方法としては、例えばPVA(ポリビニルア
ルコール)とアゾ化合物をまぜておいて、光不溶化させ
る方法などを用いることが可能である。このポリエチレ
ン微多孔膜に、例えば、ポリエチレングリコールモノエ
ーテルに電解質としてのトリフルオロメタンスルホン酸
リチウムを溶解させた電解質溶液を含浸させる。含浸は
ぬれ性が特によいもの以外は真空含浸法を用いて行な
う。このとき印刷は変化しない。また、薄膜電解質のイ
オン導電率は2〜8×10 -4S/cmである。
【0020】EC電極5は還元着色するカソーディック
材料を用いるが、ここではWO3 を用いる。WO3 は電
解質からのH+ (Li+ )と電源からの電子が注入され
るとWO3 (透明)+ xH+ +xe=Hx WO3(青色)
の反応を行なう。この反応は可逆的であるが、Hx WO
3 の状態で電源回路を開放すると、青色(還元状態)は
長時間保持される。還元着色材としてはWO3 のほか、
IrOx ,MoO3 ,MoS2 ,V2 O5 ,MgW
O4 ,Nb2 O5 ,TiO2 ,W4 O8 (C2 O4 )x
などを用いることもできる。EC電極5は1000Å〜
1μm程度の厚さであるが、これは透明導電膜6上に形
成する。
材料を用いるが、ここではWO3 を用いる。WO3 は電
解質からのH+ (Li+ )と電源からの電子が注入され
るとWO3 (透明)+ xH+ +xe=Hx WO3(青色)
の反応を行なう。この反応は可逆的であるが、Hx WO
3 の状態で電源回路を開放すると、青色(還元状態)は
長時間保持される。還元着色材としてはWO3 のほか、
IrOx ,MoO3 ,MoS2 ,V2 O5 ,MgW
O4 ,Nb2 O5 ,TiO2 ,W4 O8 (C2 O4 )x
などを用いることもできる。EC電極5は1000Å〜
1μm程度の厚さであるが、これは透明導電膜6上に形
成する。
【0021】透明導電膜6は集電電極であり、酸化イン
ジウム錫(ITO)、酸化錫などで形成する。厚さは1
000〜8000Åが一般的である。透明導電膜6はガ
ラス板7上に形成する。EC電極5と対極3との間に電
源から電圧を印加するが、WO3 に還元時には負の電圧
をかけ、電圧は1.3〜1.6V程度である。
ジウム錫(ITO)、酸化錫などで形成する。厚さは1
000〜8000Åが一般的である。透明導電膜6はガ
ラス板7上に形成する。EC電極5と対極3との間に電
源から電圧を印加するが、WO3 に還元時には負の電圧
をかけ、電圧は1.3〜1.6V程度である。
【0022】こうして作成されるECDは、固体電解質
薄膜にデザイン印刷されているので、単純な素子より高
級感が出る。また、この印刷を表示に利用することも理
論的には可能である。またポリエチレンマトリックスと
電解質薄膜の屈折率を合わせれば、バックグランドは透
明であり、印刷をしたところだけにデザインが印刷され
るので意匠的に面白いものが可能である。
薄膜にデザイン印刷されているので、単純な素子より高
級感が出る。また、この印刷を表示に利用することも理
論的には可能である。またポリエチレンマトリックスと
電解質薄膜の屈折率を合わせれば、バックグランドは透
明であり、印刷をしたところだけにデザインが印刷され
るので意匠的に面白いものが可能である。
【0023】またインキそのものの表面の散乱が抑制で
き、落ち着いた色調のデザインが可能である。ガラスの
表面にデザインフィルムを張るより高級な用途に用いう
る。また、このECDは、電解質として固体電解質薄膜
を使用していることによって、電解質が固体であるた
め、構造が簡単で、しかも組立時の取扱いも容易であ
り、かつ組立後も破損しても液漏れの心配がないので液
体電解質の場合のような特別の注意は不要である、また
電源より電極間に電圧を印加したとき、応答性に優れた
表示が実現されるという特徴をも有する。
き、落ち着いた色調のデザインが可能である。ガラスの
表面にデザインフィルムを張るより高級な用途に用いう
る。また、このECDは、電解質として固体電解質薄膜
を使用していることによって、電解質が固体であるた
め、構造が簡単で、しかも組立時の取扱いも容易であ
り、かつ組立後も破損しても液漏れの心配がないので液
体電解質の場合のような特別の注意は不要である、また
電源より電極間に電圧を印加したとき、応答性に優れた
表示が実現されるという特徴をも有する。
【0024】
【発明の効果】上記の如く、本発明によれば、エレクト
ロクロミック素子にデザインを付与して高級感を与える
ことができ、インテリア等への適用が拡大される。
ロクロミック素子にデザインを付与して高級感を与える
ことができ、インテリア等への適用が拡大される。
【図1】実施例のエレクトロクロミック素子の一部展開
斜視図である。
斜視図である。
1…ガラス板 2…対極を含む透明導電膜 3…固体電解質薄膜 4…作用電極 5…透明導電膜 6…ガラス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜田 智 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 固体高分子多孔性薄膜の空孔中にイオン
導電体を充填してなる電解質薄膜を、作用電極と対極と
の間に挟持し、これを電解質として用いるエレクトロク
ロミック素子であって、該固体高分子多孔性薄膜にデザ
インが印刷されていることを特徴とするエレクトロクロ
ミック素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19205291A JPH0553154A (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | エレクトロクロミツク素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19205291A JPH0553154A (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | エレクトロクロミツク素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0553154A true JPH0553154A (ja) | 1993-03-05 |
Family
ID=16284820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19205291A Pending JPH0553154A (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | エレクトロクロミツク素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0553154A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5895296A (en) * | 1996-08-27 | 1999-04-20 | Yazaki Corporation | Combined-type connector |
US5997362A (en) * | 1997-03-25 | 1999-12-07 | Yazaki Corporation | Connector |
US7319231B2 (en) | 2003-03-07 | 2008-01-15 | Hitachi, Ltd. | Particle beam therapy system |
US10622774B2 (en) | 2015-04-23 | 2020-04-14 | Autonetworks Technologies, Ltd. | Joint connector |
-
1991
- 1991-07-31 JP JP19205291A patent/JPH0553154A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5895296A (en) * | 1996-08-27 | 1999-04-20 | Yazaki Corporation | Combined-type connector |
US5997362A (en) * | 1997-03-25 | 1999-12-07 | Yazaki Corporation | Connector |
US7319231B2 (en) | 2003-03-07 | 2008-01-15 | Hitachi, Ltd. | Particle beam therapy system |
US10622774B2 (en) | 2015-04-23 | 2020-04-14 | Autonetworks Technologies, Ltd. | Joint connector |
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