JPH0552928A - 人工衛星を用いた測位方法 - Google Patents

人工衛星を用いた測位方法

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JPH0552928A
JPH0552928A JP21862791A JP21862791A JPH0552928A JP H0552928 A JPH0552928 A JP H0552928A JP 21862791 A JP21862791 A JP 21862791A JP 21862791 A JP21862791 A JP 21862791A JP H0552928 A JPH0552928 A JP H0552928A
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satellite
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signal
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JP21862791A
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Inventor
Kenichi Inamiya
健一 稲宮
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全地球の範囲の高々度を含む地表面上及び宇
宙空間に存在する観測者の位置を検出する。 【構成】 赤道面を中心とする人工衛星A,B,C,
D,1,2,20,24は約6度または17度の軌道傾
斜角を有する静止高度に投入され、お互いのMean
Anomalyは約120度離し、さらに3箇の人工衛
星を極軌道にMean Anomalyを120度離し
投入する。観測者は各衛星から送信される距離信号を受
信し、赤道面を中心とする4箇または赤道面を中心とす
る3箇とこの各々と衛星間通信路で結ばれている1箇の
極軌道衛星の組合せである相隣り合う3組の2箇の衛星
の間の3組の距離差を計測し、この計測結果を用いて観
測者の位置を検出する。相隣り合う衛星は衛星間通信機
能で結ばれており、測距信号の伝達と、お互いの衛星間
距離の算出に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は静止軌道上の人工衛星
から送信する電波を受信し、そのデータを処理すること
により受信点の位置検出に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電波航法はデッカ、オメガ、ロラ
ン−C等の地球上に発振源を持つものから人工衛星を使
用したNNSS(Navy Navigation S
atellite System)やGPS(Glov
al PositioningSystem)までであ
る。人工衛星を使用するシステムは位置検出の基準とな
る測位の範囲が大きな宇宙空間に展開できるので、位置
検出の範囲の広がりや高度な機器を搭載することにより
精度の向上が期待できる。このうち、NNSSはドップ
ラを使用した方式であり、GPSは時間計測により測距
をもとにしたものであり、前者に比較し、後者の方が多
くの優れた性能を有しているので、今後の航行衛星の主
流になろうとしているものである。この発明と比較する
為に、このGPSを対象として従来技術の説明を行う。
【0003】図20にGPSの人工衛星の構成を示す。
300,301,302,303はGPS用のNAVS
TAR(NAVigation system Wit
hTiming and Ranging)でその位置
をA’,B’,C’,D’で示す。NAVSTARは自
ら精密な原子時計を持って、自ら発生するクロック信号
の精度を高精度に保つと同時に管制局からの時刻情報の
較正により、NAVSTARは周の始めを基準に現在の
時刻を正確に表現している。また、NAVSTARの位
置は管制局によるNAVSTARの追跡データより軌道
決定が行われ、時刻が分かると自らの位置が確定する事
になる。従って、若し観測者がNAVSTARの所に居
た場所、NAVSTARの現在の時刻及びその時刻と軌
道要素より位置が既知数となるが、次にこの観測者がN
AVSTARの位置を離れてNAVSTARと観測した
場合どの様になるかであるが、304を今その観測点と
して、P’で表す。今、観測者は時刻装置を持っている
が、比較較正済の精度の良いものでなく基準の時刻より
一定の誤差を持った時計であるとする。観測者が観測を
行った時刻をTno+Δtとする。Tnoはその時の正
しい時刻でΔtは観測者が持っている固有な誤差であ
る。この時、観測者が計測するNAVSTAR300,
301,302,303の時刻はTn1,Tn2,Tn
3,Tn4でこの時刻は観測者と衛星の間の伝播時間だ
け遅延した値である。観測した時刻とNAVSTARの
位置関係から次の様な方程式が成立する。
【0004】
【数1】
【0005】方程式(1)は未知数としてP’の位置で
ある三次元の3種類の値とΔtに対して4種類の方程式
があるので、この方程式は解を持ち、観測者の位置及び
時刻の較正が出来る。
【0006】NAVSTARの軌道は高度20,183
kmの円軌道で、周期が12時間、軌道傾斜角55度で
ある。この軌道上に3箇の衛星が等しい間隔で配置さ
れ、この軌道が6種類あり、合計18箇の衛星が軌道上
を飛翔する地球上の任意の点からNAVSTARは常に
4箇見える様な配置になる。NAVSTARの管制局及
びモニタ局はそれぞれ1局,4局ずつ置かれ、局の可視
範囲内にNAVSTARがある時データの取得と、必要
なコマンドを送る。軌道データの処理は、取得したデー
タをもとにデータ処理設備を行いて時刻の管理は一次基
準と較正することが実施される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】GPSは測位の出来る
地域を全地球に及ぼすため、少なくとも18箇のNAV
STARを必要とし、かつNAVSTARが測距の源泉
データを発生される際、高精度の時刻と周波数が必要で
あり、このための管制局が時刻と周波数を較正できる周
期が一週間に一回のため、その間の変動を許容値内に維
持するため原子時計を搭載しているので、高値である。
これに対し、この発明ではより簡易な方法でGPSと同
等の効果を得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の人工衛星を用
いた測位方法は静止高度で軌道傾斜角約17度及び6度
の軌道で、地表面から人工衛星を見た場合8字特性の軌
跡を描く人工衛星を、赤道面上にほぼ等しい間隔で配置
し、かつ隣りの人工衛星との間の近点離角が、同じ軌道
に重ね合せた時、約120度離れるような関係を維持す
ると同時に、同じ静止高度で極軌道に投入する3箇の人
工衛星を組合す事により、8字特性を描く人工衛星に関
しては常時可視域にある管制局に於いて各人工衛星から
発生する時刻及び周波数を監視し、極軌道衛星にあって
は、同様な可視域の管制局または衛星間通信機能を経由
し、同様の監視を行わせ、地球局で得られる高精度の時
刻基準と周波数とを比較し、補正の為の指令を高い頻度
で行え得るようにすることにより人工衛星が高精度の距
離測定のための信号を発生させるようにしたものであ
る。
【0009】
【作用】4箇の静止軌道上の人工衛星を一組とし、その
うち基準となる人工衛星が時刻に同期し距離測定の信号
を発生し、この信号の直接観測者に送ると同時に順次隣
の人工衛星にこの距離測定信号を衛星間データ中継によ
って送り、これを受けた隣の人工衛星がこの信号及び自
分の時刻信号を観測者に送ると同時に再び次の隣の人工
衛星に送り、これを4箇の人工衛星について行い、観測
者はこのデータをもとに自分の位置検出処理を行えるよ
うにした。
【0010】
【実施例】
実施例1.最初に人工衛星を使用した位置決めのための
計測原理について説明する。図1は2箇の人工衛星を使
用し、2次元に展開した場合である。1と2は軌道上に
ある人工衛星A,B、3は人工衛星1,2を貫く軸でx
軸、4は人工衛星AとBのx軸の中点を原点としたy
軸、5は人工衛星AとBからの距離差が一定な点Pで、
6は点Pのxy面上の軌跡、7はy軸に対して双曲線6
と対称な双曲線である。xy平面上の双曲線は次の式で
表わせる。
【0011】
【数2】
【0012】点P5を観測点とするなら、この発明では
2箇の人工衛星A1,A2と観測点の間の距離の差を計
測する。図1の構成ではこの距離差の情報より双曲線6
と7が描けて、観測点が双曲線6と7の2つに解が存在
できることになるが、距離APとBPの大小の情報を得
るなら観測点がどちらの双曲線に存在するかは判断でき
る。ここでは双曲線6上に観測点があるとする。
【0013】図1では2次元の場合について説明した
が、実際の現象は3次元上に存在するので、xy平面上
の双曲面6をx軸を中心に回転し、3次元の双曲面を得
る。図2は、xyz座標の双曲面を示す。8はz軸、9
は双曲面、10と11は双曲面をyz面に平行な面で切
断した時の円である。図1で示した距離差APとBPが
一定な条件を満たすxyz座標上の位置は双曲面9とな
る。xyz座標上で双曲面9は次の式で表わせる。
【0014】
【数3】
【0015】図1或は図2の構成で観測点がx軸上にあ
るような場合、双曲線や双曲面が直線になる様な場合が
あるが、この発明では静止軌道上の人工衛星と地上付近
の観測点で構成されるので、このような構図は存在しな
い。
【0016】次に3箇の人工衛星を用いた場合を図3を
用いて説明する。2箇はすでに図1で示した構成とし、
同じxy平面上の別のx’y’座標上にもう一つの人工
衛星が存在するとする。20は人工衛星C、21はx’
軸、22はy’軸、23はx軸とx’軸の為す角θ、2
4は観測点Pを含むAPとCPの距離差一定の双曲線、
25は双曲線6と24の交点の1つ、26は双曲線6と
24の交わる2点を含む直線である。
【0017】観測点P5は人工衛星A1,B2と人工衛
星A1,C20との間でAPとBP、APとCPの距離
差が一定である条件の所に存在する。前者の人工衛星を
組合わせた場合を図1に示す。後者の条件を満足するも
のとして双曲線24が描ける。2つの双曲線6と24で
同じ距離差が計測できるのは交点5と25の2点であ
る。
【0018】次に図3で考案したxy,x’y’面の現
象を図4のxyz座標,x’y’z’座標の3次元での
現象に展開する。27は双曲線24をx’軸で回転して
得られる双曲面、28は2つの双曲面9と双曲面27が
交わる線分を含む平面で、29は2つの双曲面9と27
の交点より成る2次曲線である。
【0019】xyz座標上の双曲面9は次の式で示され
る。
【0020】
【数4】
【0021】x’y’z’座標上の双曲面27は次の式
で示される。
【0022】
【数5】
【0023】xyz座標とx’x’z’座標の関係は次
の式で示される。
【0024】
【数6】
【0025】xy平面とx’y’平面を同一とする条件
は次の通り。
【0026】
【数7】
【0027】式(7)の条件により式(3)と式(5)
よりzを消去すると次の式が得られる。
【0028】
【数8】
【0029】双曲面上の点と焦点の間の長さと同じ双曲
面上の点と準線の間の長さの比は離心率に等しい事が双
曲線の公式より言える。図3のxy,x’y’平面上で
は、5のP点のx及びx’について、6の双曲線が第
1,第4象限、24の双曲線が第2,第3象限にある事
より次の式が成り立つ。
【0030】
【数9】
【0031】図3の場合を符号まで考慮すると式(9)
は次の様になる。
【0032】
【数10】
【0033】式(10)の関係はxy,x’y’平面で
だけで成り立つ関係ではなく、図4のx軸及びx’軸の
まわりに回転した双曲面であっても、成り立つ公式であ
る。よって式(10)を式(8)に代入し、双曲面の交
わる条件を求める式を展開すると、最終的に直線の方程
式が求まる。式(11)はz及びz’に依らない式であ
るから、xyz座標,x’y’z’座標の式(10)を
含むz,z’軸に平行な面28を示す。
【0034】式(3)と式(5)の交点は28の平面に
含まれる。人工衛星を3箇使用した図4の構成では、観
測点P5は28の平面上に存在する2次曲線である円ま
たは楕円上に存在することが分かる。若し観測点の高度
を別の系より既知数として知り得るなら、観測点P5は
点として定めることが出来る。
【0035】しかし、衛星間の距離差のみの情報から観
測点を点P5として検出することは3箇の人工衛星では
不足である。従って、4箇の人工衛星を使用した場合を
説明する。図5では人工衛星を4箇使用した場合で、x
y面上の様子を示す。40はx’軸、40はy”軸、4
2は4箇目の人工衛星D、43は20の人工衛星Cと4
2の人工衛星Dの観測によって得られた双曲線、44は
21のx’軸と40のx”軸の為す角、45は6の双曲
線と43の双曲線の交点を通る直線である。新たにx”
y”座標を加え、42の新な人工衛星Dが追加された結
果、20の人工衛星Cとの距離差が観測されることによ
り43の双曲線が描けた。6と43の2つの双曲線の交
点を結ぶ45の直線が得られ、2つの直線の5の交点に
観測点があることが確定できる。xy平面上では人工衛
星4箇を用いてこのように2つの直線の交点として観測
点を確定できる。
【0036】次に3次元でも同様な考えが適用できるこ
とを図6を用いて説明する。46はx”y”z”座標の
z”軸、45は3次元の場合2つの双曲面の交わる面を
示す。図3で説明したようにxyz座標とx’y’z’
座標の人工衛星A1,B2,C20によって28の平面
内が描け、xyz座標,x’y’z’座標,x”y”
z”座標の人工衛星A1,C20,D42によって45
の平面が描ける。この2つの平面内に存在する2次曲線
上に観測点が存在し、さらにこの2つの平面の交わる点
に観測点がある事が求められる。観測点P5が存在する
面までは式(11)のように代数式で求めることが出来
るが、観測点P5を代数式で解く事は難しいので、固有
な解は数値解析によって求めることにする。
【0037】
【数11】
【0038】人工衛星A1,B2,C20,D42と観
測点P5の配置を図7に示す。50はAP間、51はB
P間、52はCP間、53はDP間のそれぞれの距離、
54はAB間、55はBC間、56はCD間の距離を示
す。
【0039】A,B,C,Dの点は次の様に定義され
る。
【0040】
【数12】
【0041】観測点Pは次の様に定義される。
【0042】
【数13】
【0043】観測値は次の式で表わされる。
【0044】
【数14】
【0045】求めようとする観測点P5と人工衛星まで
の距離差と観測値として求められた値の差分を式で求め
る。
【0046】
【数15】
【0047】関数f(x,y,z)は、求めようとする
点の観測点の付近では観測点P5で唯一の最小値を示す
ので、この点を求めるため最急傾斜法を用いて最初に予
測した観測点の位置を初期値としてくり返し演算を行
い、最小値である観測点P5を数値演算することが出来
る。
【0048】数値計算のアルゴリズムを図8に示す。6
0は初期値の設定で、観測点からあまり離れていない値
(x0 ,y0 ,z0 )を設定する。また、式(15)の
関数は計算値と観測値を代入して求めた値の差が微小値
になった時、くり返し演算を停止するための値をあらか
じめ設定する。61はくり返しの最初の値でk=0より
開始する。62では(xk ,yk ,zk )の時の式(1
5)を計算する。63では62で計算した値とεを比較
し、若しf(xk ,yk ,zk )がεより小さくなった
時くり返し演算を止め、(xk ,yk ,zk )を出力す
る。64では式(15)のx,y,z成分の偏微分を行
い、微係数を得る。66ではk番目の点からk+1番目
の点に移る時の移動の大きさを定める数値を計算する。
この値を移動量の変化率を示すak はf(xk ,yk
k )が大きな値を示している間は大きな幅で移動し、
極値に近づいた時は小さな幅をとりながら極値をとらえ
られるように設定いていく。(xk ,yk ,zk )点の
前後の式(15)を算出し、極値を探ることは有効な手
段である。67ではak に64で計算した微係数を掛
け、各成分別の移動量を得る。極値の存在する方向の微
分値がより大きな値を示すので、3成分より成るベクト
ル値はkからk+1ステップになった時、最短経由で極
値に近づくことが出来る。(xk ,yk ,zk )からk
番目の移動量を差し引いたものを新に(xk+1
k+1 ,zk+1 )とする。68でkのステップを1つ進
める。63の判定条件に達するまでくり返し演算を行
い、判定値を越えた時(xk ,yk ,zk )を得て出力
とする。
【0049】次に人工衛星の軌道位置に付いて説明す
る。赤道面を中心にした人工衛星は静止軌道を使用す
る。但し、通常の静止衛星の軌道の軌道傾斜角を小さく
例えば0.05度などに対して、この発明では大きな傾
斜角を用いる。また同時に静止高度の極軌道も併用する
この方法によって複数の衛星間を結ぶ線が同時に直線に
なる事が避けられる。
【0050】この発明では常時4箇の人工衛星が観測点
から見える必要がある。地表面から見てなるべく仰角が
高い所にある方が建造物などに視界を妨害されないが、
その場合人工衛星の数が増す。今、赤道面を中心にした
人工衛星について赤道面上に人工衛星があるとして、仰
角と全地球を覆う人工衛星の数の関係は表1に示す。妥
当な値として仰角を約9度にすれば必要な人工衛星の数
は10箇になる。
【0051】
【表1】
【0052】図9には地球上に配置された人工衛星の様
子を示す。70は地球でこの図は北極上空より眺めたも
のである。71は観測点Pである。72は観測点71に
おける水平線、73は地心と静止軌道を結ぶ線でRを示
す。74は仰角でθ2 で示す。75は角度θ1 、76は
角度θ3 、77はQから降した垂線の足でHと示す。7
8は地球の半径でrで示す。79は静止軌道80,8
1,82,83,84,85はこの発明に係る静止軌道
上の人工衛星である。他に地心をO,Rと静止軌道の交
わる点をQとし、ΔOQHについて次の式が成立する。
【0053】
【数16】
【0054】軌道上の人工衛星80,81,82,8
3,84などがOQとOHを対称にしたOQ’(Qの対
称点をQ’と示す)の間に常時4箇入る場合を仰角をパ
ラメータにして表1に仰角と衛星箇数の関係を示した。
【0055】次に傾斜角について説明する。傾斜角は人
工衛星間の距離に対して赤道面から人工衛星が南北に離
れる距離が計測に有意義な程度であるように選ぶ必要が
ある。但し、傾斜角が大きいと高緯度地方では仰角が大
きくとれない事になる。緯度60度,65度,70度,
75度での仰角、軌道傾斜角の関係を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】図10では緯度と傾斜角による衛星の移動
の関係を示す。90は緯度、91はP点から見た仰角、
92は赤道面、93は赤道面上静止軌道に直交する線、
水平線72と赤道面の交点をT,Pから仰角91の角度
をとって赤道面を望む線分との交点をU、赤道面と静止
軌道の交点をV、線分PUの延長上の線と静止軌道93
との交点をWとする。
【0058】
【数17】
【0059】TUを求める式を導き出す。
【0060】
【数18】
【0061】UVを求める式を導き出す。
【0062】
【数19】
【0063】VWを求める式を導き出す。
【0064】
【数20】
【0065】表2では緯度及びその緯度の点から赤道面
上にある人工衛星を自分より離れる方向になる直南また
は直北に見た時の人工衛星の赤道面からの移動量を示し
た。
【0066】次に赤道面を中心とした静止軌道上の人工
衛星の位置について説明する。図11は位相を説明する
ための円と静止軌道上の人工衛星の位置を示す。100
は位相を示すための円で、101,102,103は同
一時刻に於ける人工衛星の位置、104,105,10
6は或る時間経過した後の同一時刻の人工衛星の位置、
110,111,112,113は赤道面上の静止軌道
で衛星が大きな傾斜角を持った時に移動する範囲を線分
で示したもので、図では直線で示しているが、実際はい
わゆる8字特性を示す。114,115,116,11
7,118,119,120,121は人工衛星の位置
である。
【0067】この発明では観測者から見て4箇の人工衛
星の分布は、面状に広がって分布することが望ましく、
4つの人工衛星が直線につながるようなことは避けなけ
ればならない。静止軌道上で傾斜角を大きくした場合軌
道上の人工衛星が8字特性上のどの点にあるべきかは、
円100の円周上の位置で示す。静止高度上の人工衛星
はお互いに同一時刻の近点離角を120度毎離れた位置
に置く、位相関係は、101,102,103によって
示し、実際の静止高度上の位置は114,115,12
0,121で示し、測距に必要な人工衛星間の直線は鎖
線で結んだ。この鎖線は適宜折曲がり、4つの人工衛星
で広い面積上に分布している。これより少し時刻が経過
すると101が104、102が105、103が10
6に移動し、同様に118,119,120,121の
4つのように人工衛星が分布をする。
【0068】赤道面を中心とした静止高度の人工衛星の
軌道傾斜角に種々の選択があることは表2で述べた。中
緯度地帯で人工衛星の可視帯を有効に使用するためには
約6度付近がよい。但しこの発明では全地球の覆域を達
成しようとしている。この為極の上に観測者が居ると想
定した時、赤道面中心の人工衛星が9箇から11箇が赤
道面中心の軌道に投入され、そのうち3箇以上が常に可
視範囲内に入っている必要がある。
【0069】この時の構成を図12に示す。70は地
球、123は地球の半径、124と125は北極と南
極、126は8字特性の軌跡、127は地球の半径と同
じ距離、128は人工衛星の軌道を円に対応させた円、
129は軌道の半径、130は図10の線分93上の移
動距離、131,132は人工衛星が地球半径内にある
時の軌道角度、133は同じく人工衛星が地球半径を越
えた範囲にある時の軌道角度である。
【0070】観測者が極地124または125に立って
いたと想定し、最小箇数の9箇の人工衛星を想定した
時、そのうち3箇は赤道面から見て、直交する方向の南
北に地球半径より遠い所に在る必要がある。人工衛星の
地表面軌跡は8字特性軌道126であるが、この移動状
態を等価的に示したのが図12(C)である。軌道12
8の円周上を人工衛星が移動する時、赤道面から見て極
を越える所に在るためには角度133が120度より大
きくなる必要がある。角度133を丁度120度とした
時、図の対称性から角度131と132は30度である
必要があり、この時地球半径127に対し軌道半径12
9は角度131が30度であるので、地球半径の2倍に
なる。即ち赤道面から見た最大移動量130は地球半径
の倍で、この量は図10のVWに相当する。
【0071】8字特性を示す軌道条件を前記の如く設定
すると極124,125に居る観測者は常時赤道面を中
心とした8字特性の人工衛星を3箇見ることが出来る。
【0072】この観測方法では常時4箇の人工衛星が可
視域に入っている必要があるが、前記の設定では極地方
並びに極に近い高緯度地方では3箇の可視域しか達成で
きない。そこで4箇目の人工衛星を極軌道衛星により導
入する。
【0073】極軌道衛星を図13に示す。134は極軌
道、135は極から赤道面92に水平に引いた線分、1
36,137は極を中心に挟む角が120度になるよう
地心から描いた軌道面内の線分、138は線分136と
137と軌道の交点を結ぶ線分である。
【0074】極軌道134にある人工衛星は線分135
より極の上空側にある時は極124より可視域にある。
極軌道の高度は種々選択できるが、軌道高度を低い所か
ら高い所に変えていった場合、線分138が線分135
より極124から見て上空に在る場合は、この特定な軌
道に等しい間隔で投入されている3箇の人工衛星のうち
1箇を常に見ることが出来る。但し静止高度を選ぶこと
により、赤道面を中心とする人工衛星と時刻の同期をも
たらすことが出来るので、静止高度を使用する。
【0075】赤道面を中心とする人工衛星の軌道傾斜角
を極地より常に3箇見える為に大きな値をとる場合と極
軌道衛星との組合せについて説明したが、赤道面を中心
とする人工衛星の軌道傾斜角が約6度が、それより多少
大きな場合であっても、前記の極軌道衛星を組合すこと
により、高緯度地方の覆域を大幅に改善することが出来
る。
【0076】極軌道に投入する3箇の人工衛星の軌道面
は同一であるとしたが、3箇の人工衛星の極軌道の軌道
面を赤道面で切断した赤道面上で同一の軌道面に生ずる
2つの点を結ぶ3つの直線の交わる角が120度づつ離
れるようにする事が出来る。
【0077】極軌道を3面持つ事により赤道面を中心と
する人工衛星と極軌道の衛星がほぼ均等に地球に対し配
置されることになる。
【0078】次に測距方法について説明する。この発明
では、2つの人工衛星間の距離差を計測することを基本
とする。図7の人工衛星A1と人工衛星B2を例にとる
と、APとBP間の距離差を計測する。若し人工衛星A
1と人工衛星B2から同時刻に信号が発生し、それを観
測点Pでそれを受信し、2つの信号の到着時刻の差を計
測するなら、距離差が計測できる。人工衛星A1とB2
が同じ時刻をもつようにすれば、この方法は可能である
が、この発明では別の人工衛星が同じ時刻を示す時計を
持たない場合を考える。そこで、人工衛星A1が発生し
た信号を人工衛星B2の計測にも使用する。APとAB
+BPの信号が計測される。但し、AB間の信号は衛星
通信を使用し伝送され、その間の距離が測られるか或る
いは距離AB54は2つの人工衛星の位置が判明してい
るので、それより算出することが出来て、AB+BPの
測距よりAB間距離を差引き、等価的にAP,BPの間
の距離差の計測が可能である。ABPで信号が伝送され
る場合、衛星間距離を、31,500kmと置く、その
条件は以下の通り。
【0079】
【数21】
【0080】即ち、静止軌道上に人工衛星が4箇あり、
大きな傾斜角によって赤道面から南北に8,600km
離れるとし、お互いに最大距離離れるとした。但し、実
際にはすべての人工衛星間の距離がこのように離れる訳
ではないがここではすべてに最大値を考えた。
【0081】ABPの距離を次式により求める。
【0082】
【数22】
【0083】光速を3×108 m/secとすると、
(ABP)maxに要する時間を次式により求める。
【0084】
【数23】
【0085】以上の条件のもとに計測方法を図14に示
す。140は横軸で時間を示す、縦軸は経路を示す。1
41は人工衛星A1が発生した基準パルス、142は観
測点Pで直接受信した基準パルス、143は人工衛星B
を経由して受信した基準パルスである。
【0086】位置検出の双曲面を算出するために必要な
距離差は次の様に求められる。
【0087】
【数24】
【0088】観測点Pでは受信機を備えるだけで計測が
行うことが出来る。この発明に係る計測では人工衛星の
軌道位置が正確に判明しているという条件で説明した。
人工衛星の軌道は自分が持つ距離及び距離変化率計測を
管制局で行い、その取得データにもとづき軌道計算を行
い、軌道決定とさらに未来の値は軌道予測で算出する。
軌道予測値は時刻の関数で位置を知ることが出来る。
【0089】この発明では静止高度を使用しているの
で、管制局ではこれらの人工衛星を常時観測することが
出来るので管制局は人工衛星からの時刻を観測し、高精
度に人工衛星の時計を較正することが出来、人工衛星は
容易に高精度な時刻を持つことが出来る。管制局は国の
一次基準から高精度な時刻を入手出来るので、一次基
準、管制局、人工衛星と常時連携動作をさせながら、時
刻の管理を行うことが出来る。即ち、管制局では人工衛
星から受けた時刻信号に対してこの管制局の持っている
人工衛星に関する軌道情報より求められる信号の伝播に
要する時間遅れを補正したうえ、地上系の基準時刻と比
較する時が出来る。
【0090】図15でこの関係を説明する。144は人
工衛星A1での秒時、145はその秒時を管制局で受信
した時のタイミング、146は管制局の較正済の基準秒
時、147は軌道決定値をもとに管制局で受信されるべ
き人工衛星A1の秒時、148は軌道決定値より伝播し
て求めた秒時、149は時刻145と時刻147の差の
時間である。
【0091】管制局では時間差149を検出したなら、
この差分をコマンドで人工衛星A1に送り、時刻の補正
を行う事により人工衛星は精度の良い時刻を維持でき
る。
【0092】時間差検出の方法は、1回の秒時の比較を
行うのでなく、長時間の観測を継続していくことによ
り、若しわずかな誤差があったとしても誤差の蓄積によ
り検出し易くなるので、その様な検出方法が優れてい
る。
【0093】この発明では、距離差を計測することが必
要である。即ち、図14のタイミングT1 142とタイ
ミングT2 143の間の時間差測定が必要であるが、こ
の計測には原信号T0 141の発生時刻タイミングは不
要な情報である。しかし、観測点P5の位置検出が出来
る根拠は信号発生時の人工衛星の位置が確定している事
が条件である。人工衛星の位置は時間の関数として表す
ことが出来るので、図14の原信号T0 141のタイミ
ングを時刻の情報付の信号にして、観測点P5に通知し
てやれば、観測点P5は距離差計測の情報を得ると同時
に、この原信号が発生された時刻を知り、それよりその
時の人工衛星の宇宙空間での位置も正確に得ることが出
来る。
【0094】次に距離計測について説明する。今までの
説明では図14で計測に使用する信号は瞬時の時刻を示
すパルスを使用した。パルス波形による距離計測はレー
ダで用いられている方法であるが、地上機器の場合、容
易に高振幅のパルスを発生し易く、また到達距離も1,
000km前後の場合が多い。しかし、宇宙で使用する
場合、到達距離が非常に遠いのと、測距の為の信号エネ
ルギーをパルス状のように瞬時に集約する方法は必要な
装置を大型化し、得策ではない。従って、時刻のタイミ
ング信号を長い時間にわたり伝送し、受信側においても
検出を長い時間行える装置を採用するなら、宇宙上にお
ける機器の構成を容易出来る。計測のために必要な最大
の伝播距離は、式(21)で想定した様に約67,50
0km程度であればよい。この距離の間をあいまいその
ない一通りの符号で符号化出来ればよい。基本クロック
を1MHzにすると、この間に約0.225×106
の繰り返し波形が存在する事になる。
【0095】一方、20ビットのシフトレジスタを使用
し、疑似ランダム符号(Psuedo Random
Code,略してPRN符号)を発生させれば、220
1=1,048,575の固有なパターンを発生するこ
とが出来る。
【0096】若し基本クロックを0.9536752M
Hzに選ぶなら、20ビットのシフトレジスタは1秒毎
にその固有パターンをくり返すことが出来る。受信側で
は、時間差のある2つの相関演算を行う事によりつの符
号間の位相差、即ち、距離差を計測することが出来る。
この計測原理を人工衛星と人工衛星間の両方の計測に適
用できる。PRN符号を用いた場合、同じ周波数にもか
かわらず、別のPRN符号の種類を使用することによ
り、複数の符号を同時に使用出来ることや、電波干渉の
観点から要求される電力束密度の想定を守り易いなどの
利点を有している。
【0097】距離差を計測する為の測距信号と時刻信号
を同時に送信する信号形式の例を図16に示す。150
と151は測距用PRN符号用シフトレジスタ、152
は時刻符号発生装置、153は時刻装置、154は搬送
波源、156はPRN符号の発生や時刻符号を発生させ
るクロック、157は各符号の正秒時に各レジスタの内
容をリセットするゲート信号、158は2つの符号のM
OD2合成器、159,160は変調器、161は搬送
波の90度移相器、162はQPSKの合成回路であ
る。
【0098】この発明では、PRN符号のクロックを1
MHzとした場合、2つの符号の合成による測距信号が
必要となる必要理由は後で述べる。PRN符号150と
PRN符号151をMOD2加算し、新しいPRN符号
を作成した。PRN符号用シフトレジスタ150,15
1はそのための信号発生器である。2つの符号はMOD
2加算器158で加算された後、搬送波の上に変調器1
59により変調され、BPSK(Bi−phase s
hift keying)変調信号を得る。この符号は
正秒時に内容がゼロ・セットされ、その時点より符号の
内容が移り変わっていく、そのタイミングは時刻装置1
53から得られるゲート信号157の時刻符号器152
はそれと同時に時刻装置より読み取った現在時刻をクロ
ック156に駆動され、符号として送信していく、時刻
符号は測距信号と位相が90度異なった搬送波源で変調
器160によって変調される。測距信号と時刻符号は直
交して変調しているので、合成器162で合成され、1
つのQPSK信号にされる。観測点P5は測距信号を受
信とすると同時に原発生時刻を同時に知る事が出来る。
【0099】図17は図16で構成された信号の形式を
示す。170は測距信号、171は時刻信号、172は
正秒の瞬時、173は正秒のコード、174は0(ゼ
ロ)スタート、175は秒信号の終了時、176はi秒
コード、177はi+1秒コードである。
【0100】測距信号170は正秒時に内容をクリアし
同時に時刻信号171もこの時点より時刻のカウントを
開始する。カウント値は正秒コード173から逐次内容
を新しい時刻で更新しながら連続して継続される。測距
信号170は常に時刻信号を伴うので、測距信号170
が衛星で発生した瞬間を時刻信号171より知る事が出
来る。この2つの信号を同時にクリアする0スタート1
74のタイミングは正秒の丁度区切りのよい時に設定す
る。
【0101】次にこの信号形式を使用し実際に距離差を
計測する方法を説明する。図18では衛星A,Bの移動
軌跡を示す。180は衛星A1の軌道、181は衛星B
2の軌道である。182は衛星A1の正秒に於けるA1
位置で183は衛星A1のAi点の位置、184は測距
信号がAi点より開始し一巡する位置An点である。1
85は衛星A1がA1 の時の衛星B2の位置でBi点、
186はA1がAi点の時送信した信号が衛星B2に到
着した時の位置Bi、187は衛星A1のAi点に相当
する衛星B2の位置でBi+k点で、188は衛星A1
のAn点に相当する衛星B2の点である。
【0102】図19は各衛星が図16の各点にある時の
様子を示したものである。190は衛星A1の発生する
信号、191は衛星B2が衛星A1の信号衛星間通信で
受信した信号にもとづいて発生させた送信信号、192
は観測点P5が受信する衛星A1からの直接受信する信
号、193は観測点P5が受信する衛星B2からの受信
信号、194は正秒時で、測距信号及びテレメトリ信号
が同期し開始する点、195はAB間の伝播遅延、19
6はAP間の伝播遅延、197はABP間の伝播遅延、
200はAB間の電波の遅延時間の計測値のテレメトリ
ワード、201,205は衛星A1のテレメトリ信号、
203,207は衛星B2のテレメトリ値、202,2
04,206,208は衛星A1の測距信号である。
【0103】衛星A1は1秒を周期に原信号190を観
測点P5及び隣りの衛星B2へ衛星間通信で送信を行
う。衛星B2で作られた新しいテレメトリは再編集さ
れ、観測点P5に送信される。観測点P5では2つの衛
星A1と衛星B2から信号を受信する。2つの衛星の測
距信号206,207の位相を比較する事により距離差
の計測が出来る。衛星A1の正秒点194を基準にした
場合、伝播遅延TAP196とTABP 197の差を計測す
る事が出来る。この計測が行われた瞬時は衛星A1の正
秒194とテレメトリ及び測距信号の組合せにもとづく
時刻の増分により知る事が出来る。衛星A1の信号が衛
星間通信により衛星B2を通過した瞬時はAB間の伝播
遅延時間(TAB)を読み取る事により知る事が出来る。
このように衛星A1と衛星B2の衛星上の時刻が分かる
ので、軌道要素から位置を算出する事が出来、常に位置
の判明している衛星から測距信号を送信する事が出来
る。
【0104】図20は4つの衛星を例にした時の信号の
流れを示すものである。210,212,214,21
6は衛星A1,B2,C20,D42から観測点への信
号の流れ、211,213,215は衛星AB,BC,
CD間の衛星間通信回線、217は地上に設置される管
制局、218は衛星A1と管制局217を結ぶフィーダ
回線、219は衛星B2と管制局217を結ぶテレメト
リ・コマンド回線またはフィーダ回線である。
【0105】隣り合う2つの衛星が一組になり、その組
が重なり合いながら、順次観測網を作っていく。衛星A
1と衛星B2では回線210,211,212で成り立
つ。衛星と観測点P5の間は衛星からの直接信号と衛星
間通信経由の信号の2つの信号が発信される。観測点P
5の位置を算出するには4つの衛星が必要で、この場合
の信号のルートは図20に示される。
【0106】観測点P5が衛星B2経由の衛星A1の信
号193より衛星B2の位置を検出するためには、衛星
間の距離を示すTABを知らなければならない。衛星B2
の受信信号191は観測点への信号の流れ212へ送信
されると同時に同じ信号が衛星間回線211を経由し、
衛星A1へ再送信される。衛星A1ではフィーダ回線2
18に原信号190と、再送信された到着時間だけ異る
同じ信号を管制局217に送信する。管制局ではこの2
つの信号の位相差、即ち時間差を計測することにより、
衛星A1と衛星B2の間の距離を算出することが出来
る。即ち管制局217で得たTAB情報は直にテレメトリ
回線またはフィーダ回線を通じコマンドとして衛星B2
に送信され、衛星B2では即時、該当テレメトリ語を更
新する。
【0107】もう一つの方法として、衛星A1は原信号
190と、衛星B2から返信されて来た衛星B送信信号
191を衛星A1のなかで位相差し、時間遅れであるT
AB195を計測し、その結果得られたTABをフィーダ回
線218で管制局217に送る。管制局217ではテレ
メトリ・コマンド回線219またはフィーダ回線219
を経由し衛星B2にこのTAB195を送り、即時該当の
テレメトリ語を更新する。
【0108】前記二つの場合に於いて衛星と観測者を結
ぶ信号の種類は、現に観測者が直接対向し受信している
衛星が発生した信号と、隣りの衛星で発生した信号を中
継した信号との2種類である。これに対し衛星と観測者
を結ぶ信号の種類を一種類にすることも可能である。即
ち、衛星A1は原信号190を発生し、測距信号202
の開始時刻は整数秒時と一致させる。この状態を基準の
衛星信号とする。前記の信号は衛星B2,衛星C20,
衛星D42とこのシステムを構成するすべての衛星に衛
星間回線211,213,215を通じ伝送される。
【0109】各々の衛星は受信信号のPCM再生を行っ
た後、受信信号を観測点P5と隣の衛星へと同じ信号を
分岐して送る。衛星間の距離の計測方法並びに、その計
測結果をテレメトリ語のなかに編集する方法については
管制局217を含め実施する方法は前に述べた通りであ
る。原信号の測距信号以外は時刻との関係が整数秒で同
期されてないが、管制局217ではすでに衛星間距離を
計測している訳であるから、各衛星で信号が通過する時
点は原信号190からの時間差として算出することが可
能である。この値を管制局190が衛星間距離を各衛星
に与えた同じ方法で各衛星に与え、各衛星のテレメトリ
語のなかに時刻信号として組込めばよい。このようにす
れば、衛星と観測者P5を結び回線210,212,2
14,216に含まれる測距信号は一種類であって、テ
レメトリのなかに衛星間距離の情報と時刻の情報を含ま
せることにより、位置を検出するためのすべての信号を
揃えることが出来る。
【0110】この説明のなかで衛星A1の距離信号の開
始時期と整数秒を同期させる事で考えたが、これは観測
者P5にとって日常生活の常識上に便利であるという事
で採用したのであって、必ずしも必須のことでなく、ど
の衛星信号にあっても測距信号と時刻の関係をテレメト
リ語のなかに含ませるなら、位置検出のための情報をす
べて含んだ事になる。
【0111】図21に赤道面を中心とする人工衛星と極
軌道衛星を組合せた時の信号の系統図を示す。220,
221,222,223,224は赤道を中心とする人
工衛星、225,229は極軌道人工衛星、226,2
27,228,230,231,232は衛星間通信を
経由し極軌道衛星経由観測者に至る信号である。
【0112】前記の様に赤道面を中心とする人工衛星が
3箇極地より可視域に入る場合、その3箇の人工衛星、
2,220,223ともう一方の3箇の人工衛星20,
221,224からは極軌道上にあって可視域にある人
工衛星225と229に対し、衛星間通信回線経由で測
距信号226,227,228と230,231,23
2が送信され、各極軌道衛星225と229ではこれら
の信号を中継し、観測者に送信する。
【0113】極地方にある観測者は極軌道衛星225と
229から測距信号が送られると同時に赤道面の人工衛
星からは同じ測距信号が送られて来るので、距離差を計
測することが出来る。
【0114】管制局並びに人工衛星間の測距を行う機能
は極軌道衛星に対し同様に適用することが出来る。
【0115】図21では9箇の人工衛星の場合を例示し
たが、10箇であっても、11箇であっても、特定な3
箇の衛星の選び方に規則を設けることにより同等に使用
出来る。
【0116】全世界を覆うに必要な衛星は10箇で、図
20のように信号の系統を拡張する事により世界の位置
出し観測ネットワークを作ることが出来る。
【0117】図22は衛星のミッション機器の構成図を
示す。253,258はフェーズアレーアンテナ、25
4はアンテナ素子、255は移相器、257は低雑音増
幅器、258はPN符号復号回路及びフェーズロックル
ープ(PLL)、259はローカルコード、260は原
振及び時刻と測距信号、252は航法データの発生回
路、263はテレメトリコマンドサブシステム、26
4,265は変調器、266,267は出力増幅器、2
70は観測点向アンテナ、271,274,279は送
受分波器、272,278は高出力増幅器、273,2
77は変調器、275は低雑音増幅器、276は復調
器、280はアンテナである。
【0118】衛星の規準信号は水晶発振子154で恒温
槽に入られ安定度を得られるようになっている。テレメ
トリ・コマンドサブシステム263を経由し、地球局で
時刻と周波数の管理は国の一次規準との比較により高精
度に監視され、必要な場合は補正することも可能であ
り、また、補正係数は航法データ発生回路に入力され、
テレメトリ値に編集される。測距符号150,151は
テレメトリデータと一緒に変調器265により変調さ
れ、観測点向のアンテナ270を経由し、観測点P5に
送信される。測距信号のみは出力増幅器236を経由し
衛星間通信用アンテナ268を経由し、隣の衛星に送信
される。測距信号はPN符号を使用するので、ローカル
信号との間には強い相関特性を有するため、狭いバンド
幅で衛星間信号を送信することが可能である。この為ア
ンテナ利得はあまり大きなものが必要ではない。衛星の
姿勢制御精度0.1度〜0.05度を期待した時、ビー
ム幅1度より大きい場合は、アンテナのビームの自動追
尾が不用になり、衛星の構成が簡単になる。さらにアン
テナのビームの制御はアレーアンテナを電子制御で動作
させる事により一層簡素化が図られる。衛星間通信の受
信側のアンテナも同様な構成とすることが出来る。隣り
の衛星より受信した信号はアンテナ253を経由し低雑
音増幅器257で増幅された後PN符号の復号回路とP
LL228で、ローカル符号発生回路259のローカル
符号と比較が行われ、符号の再生と位相の同期が行われ
る。再生されたPN符号は変調器264を通じ隣の衛星
及び観測者に送信されると同時に変調器273を通じ、
送信源の衛星に返送される。2つの衛星間の距離を示す
データは管制局217、または送信源の衛星で検出さ
れ、その値はフィーダ回線またはテレメトリ回線219
を通じ送信され、この値は航法データの一部として航法
データの発生回路262に入力されテレメトリ値に編集
される。テレメトリ値と、隣の衛星から受信し、PN符
号の復号を行った後のPN符号復号回路258の出力の
測距信号を変調器234で変調し、出力増幅器257で
増幅しアンテナ270を経由し、観測者に信号を送信す
る。
【0119】
【発明の効果】この発明では静止軌道上に大きな傾斜角
を持つ人工衛星と静止高度の極軌道に人工衛星を投入
し、観測者から4箇の人工衛星が観測されるようにし、
観測者は受信機簡単な時計と計算処理アルゴリズムを持
つことにより、自己の位置を算出できる。観測者は極地
方などの高緯度地方を除いて、この計測が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】2箇の人工衛星を使用した距離差一定の双曲線
を示す図である。
【図2】xyz座標の双曲面を示す図である。
【図3】3箇の人工衛星を用いた場合の図を示す図であ
る。
【図4】図3の配置を3次元座標で示す図である。
【図5】人工衛星を4箇使用した場合のxy面上の様子
を示す図である。
【図6】4箇の人工衛星を使用した場合の3次元座標表
示を示す図である。
【図7】4箇の人工衛星と観測点の配置を示す図であ
る。
【図8】位置検出のためのアルゴリズムを示す図であ
る。
【図9】地球上に配置された人工衛星の様子を示す図で
ある。
【図10】緯度と傾斜角による衛星の移動関係を示す図
である。
【図11】位相を示すための円と静止軌道上の人工衛星
の位置関係を示す図である。
【図12】赤道面を中心とする人工衛星の軌道傾斜角と
8字特性の関係を示した図である。
【図13】極軌道の軌道高度と地球の南北面から見た可
視域を示した図である。
【図14】人工衛星間の距離差の計測方法を示す図であ
る。
【図15】時刻較正の方法を示す図である。
【図16】距離差を計測するための測距信号と時刻信号
を同時に送信する信号形式の例を示す図である。
【図17】図16で構成された信号形式を示す図であ
る。
【図18】衛星A,Bの移動軌跡を示す図である。
【図19】各衛星が図18の各点にあった時の様子を示
す図である。
【図20】4つの衛星を例とした時の信号の流れを示す
図である。
【図21】全地球に展開した赤道面中心の人工衛星と極
軌道衛星の信号の流れを示した図である。
【図22】衛星のミッション機器の構成を示す図であ
る。
【図23】GPSの人工衛星の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 人工衛星A 2 人工衛星B 3 x軸 4 y軸 5 人工衛星A,Bから距離差一定の点P 6 点Pのxy平面上の軌跡 7 対称な双曲線 8 z軸 9 双曲面 10 双曲面を切断した円 11 双曲面を切断した円 20 人工衛星C 21 x’軸 22 y’軸 23 x軸とx’軸の為す角 24 距離差一定の双曲線 25 2つの双曲線の交点 26 双曲線と交わる直線 27 回転した後の双曲面 28 双曲面の交線を含む平面 29 双曲面の交点より成る2次曲線 30 双曲面の交わりより生ずる面内の線分 40 x”軸 41 y”軸 42 人工衛星D 43 双曲線 44 x’軸とx”軸の為す角 45 2つの双曲線を通る直線 46 z”軸 50 AP間の距離 51 BP間の距離 52 CP間の距離 53 DP間の距離 54 AB間の距離 55 BC間の距離 56 CD間の距離 70 地球 71 観測点P 72 水平線 73 地心と静止軌道を結ぶ線分 79 静止軌道 80 衛星位置 81 衛星位置 82 衛星位置 83 衛星位置 84 衛星位置 85 衛星位置 90 緯度 91 P点から見た仰角 92 赤道面 93 人工衛星がこの南北面内に在る時の赤道面への垂
直線分 100 位相を示す円 101 人工衛星の位置の位相 102 人工衛星の位置の位相 103 人工衛星の位置の位相 104 或る時刻の人工衛星の位置の位相 105 或る時刻の人工衛星の位置の位相 106 或る時刻の人工衛星の位置の位相 110 緯度 111 緯度 112 緯度 113 緯度 114 人工衛星の位置 115 人工衛星の位置 116 人工衛星の位置 117 人工衛星の位置 118 人工衛星の位置 119 人工衛星の位置 120 人工衛星の位置 121 人工衛星の位置 123 地球の半径 124 北極 125 南極 126 8字特性の軌跡 127 地球の半径と同じ距離 128 人工衛星の軌道を円に対応させた円 129 軌道の半径 130 図10の線分93上の移動距離 131 人工衛星が地球半径内にある時の軌道角度(北
半球) 132 人工衛星が地球半径内にある時の軌道角度(南
半球) 133 人工衛星が地球外にある時の軌道角度 134 極軌道 135 極から赤道面92に水平に引いた線分 136 極を中心に挟む角が120度になるよう地心面
から描いた軌道面内線分 137 極を中心に挟む角が120度になるよう地心面
から描いた軌道面内線分 138 線分136と137と軌道との交点を結ぶ線分 150 測距用シフトレジスタ 151 測距用シフトレジスタ 152 時刻符号発生装置 153 時刻装置 154 搬送波源 158 MOD2合成器 159 変調器 160 変調器 161 90度移相器 162 QPS合成回路 180 人工衛星Aの軌道 181 人工衛星Bの軌道 182 人工衛星Aの正秒に於ける位置 183 Ai点の位置 184 An点の位置 185 人工衛星AがAiの時の人工衛星Bの位置 186 人工衛星AがAiの時送信した信号が人工衛星
Bに到着した時の位置 187 人工衛星AのAi点に相当する人工衛星Bの位
置Bitk点 188 人工衛星AのAnに相当する人工衛星Bの位置 210 人工衛星Aから観測点への信号の流れ 211 AB間衛星間通信回線 212 人工衛星Bから観測点への信号の流れ 213 BC間衛星間通信回線 214 人工衛星Cから観測点への信号の流れ 215 CD間衛星間通信回線 217 管制局 218 人工衛星Aと管制局を結ぶフィーダ回線 219 人工衛星Bと管制局を結ぶフィーダまたはTT
SC回線 253 アンテナ 254 アンテナ・エレメント 255 移相器 256 移相制御器 257 低雑音増幅器 258 PLLループ 259 符号発生装置 260 時刻・測距原信号 262 航行データ発生回路 263 テレメトリ・コマンドサブシステム 264 変調器 265 変調器 266 高出力増幅器 267 高出力増幅器 268 アンテナ 270 アンテナ 271 送受分波器 272 高出力増幅器 273 変調器 274 送受分波器 275 低雑音増幅器 276 復調器 277 変調器 278 高出力増幅器 279 送受分波器 280 アンテナ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道傾斜角を17度又は6度近くにし、
    かつ同一時刻に於ける隣り合う人工衛星間の近点離角が
    お互いに120度近くに離れるような静止軌道上で地球
    表面近くより見て可視域に同時に入る人工衛星を赤道面
    にほぼ等しい間隔で9箇から12箇を投入し、同時に静
    止高度で、ほぼ円である単一の極軌道に近点離角がお互
    いに120度離れるような軌道位置に3箇の人工衛星を
    投入し、赤道面を中心とした人工衛星については隣り合
    う人工衛星の間で衛星間通信路を持つ隣り合う4箇を一
    組とし、それぞれの極地方に於いて赤道面を中心とする
    人工衛星のうち直下点の緯度が高くなる3箇の人工衛星
    と極軌道に投入された3箇の人工衛星のうち、極地方か
    ら見て仰角の一番大きな一箇の人工衛星との間に於いて
    衛星間通信路を持つ4箇の人工衛星を一組とし、前記の
    各4箇一組の衛星間通信回線で結ばれた隣同士の人工衛
    星2箇を一対とした三対の4箇の人工衛星に対し、管制
    局によって較正された時刻信号にもとづき整数秒時に一
    定の位相を持つように作られた測距信号を地球表面に送
    信すると同時に、前記の測距信号を衛星間データ中継手
    段によって隣の人工衛星に送信し、前記の測距信号を受
    信した前記の隣の人工衛星は前記測距信号の復号を行っ
    た後2方向に分岐し、そのうちの一つは再び送信されて
    来た衛星に衛星間データ中継手段を経由し送信し、元の
    人工衛星は前記の測距信号と返信されて来た測距信号を
    フィーダ回線経由管制局に送信し、管制局に於いて、2
    箇の測距信号の位相比較を行い差分を検出し、前記差分
    信号を管制局と隣の人工衛星を結ぶフィーダ回線または
    テレメトリ・コマンド回線を通じ送信し、隣の人工衛星
    に於いて、前記の位相比較情報と前記の送信されて来た
    測距信号を同時に地球表面に送り4箇の人工衛星からは
    前記の各々の測距信号並びに人工衛星間の位相比較情報
    を地球表面に送信し、地球近くではこの測距信号の受信
    時刻と測距信号から検出した送信タイミング時刻と上記
    管制局より得られる軌道予測にもとづき求められた4箇
    の人工衛星の位置を基点として前記の4箇の人工衛星の
    隣り合う2箇の組合せに対し、測距信号を用いて人工衛
    星と観測者の間の2種類の距離差を算出することによ
    り、前記の2箇の人工衛星を焦点とする双曲面を描くこ
    とが出来、4箇の人工衛星の組合せで得られる3組の2
    箇の人工衛星につき、前記と同じ計算処理を行う事によ
    り、双曲面の交点として観測点を求める事を特徴とする
    人工衛星を用いた測位方法。
  2. 【請求項2】 軌道傾斜角を17度又は6度近くにし、
    かつ同一時刻に於ける隣り合う人工衛星間の近点離角が
    お互いに120度近くに離れるような静止軌道上で地球
    表面近くより見て可視域に同時に入る人工衛星を赤道面
    にほぼ等しい間隔で9箇から12箇を投入し、同時に静
    止高度で、ほぼ円である単一の極軌道に近点離角がお互
    いに120度離れるような軌道位置に3箇の人工衛星を
    投入し、赤道面を中心とした人工衛星については隣り合
    う人工衛星の間で衛星間通信路を持つ隣り合う4箇を一
    組とし、それぞれの極地方に於いて赤道面を中心とする
    人工衛星のうち直下点の緯度が高くなる3箇の人工衛星
    と極軌道に投入された3箇の人工衛星のうち、極地方か
    ら見て仰角の一番大きな一箇の人工衛星との間に於いて
    衛星間通信路を持つ4箇の人工衛星を一組とし、前記の
    各4箇一組の衛星間通信回線で結ばれた隣同士の人工衛
    星2箇を一対とした三対の4箇の人工衛星に対し、管制
    局によって較正された時刻信号にもとづき整数秒時に一
    定の位相を持つように作られた測距信号を地球表面に送
    信すると同時に、前記の測距信号を衛星間データ中継手
    段によって隣の人工衛星に送信し、前記の測距信号を受
    信した前記の隣の人工衛星は前記測距信号の復号を行っ
    た後2方向に分岐し、そのうちの一つは再び送信されて
    来た衛星に衛星間データ中継手段を経由し送信し、元の
    人工衛星は前述の測距信号と返信されて来た測距信号の
    位相比較を行い差分を検出し、前記差分を管制局を経由
    し、管制局と隣の人工衛星の間を結ぶフィーダ回線また
    はテレメトリ・コマンド回線を通じ隣の人工衛星に送
    り、隣の人工衛星に於いて、前記の位相比較情報と前記
    の送信されて来た測距信号を同時に地球表面に送り4箇
    の人工衛星からは前記の各々の測距信号並びに人工衛星
    間の位相比較情報を地球表面に送信し、地球近くではこ
    の測距信号の受信時刻と測距信号から検出した送信タイ
    ミング時刻と上記管制局より得られる軌道予測にもとづ
    き求められた4箇の人工衛星の位置を基点として前記の
    4箇の人工衛星の隣り合う2箇の組合せに対し、測距信
    号を用いて人工衛星と観測者の間の2種類の距離差を算
    出することにより、前記の2箇の人工衛星を焦点とする
    双曲面を描くことが出来、4箇の人工衛星の組合せで得
    られる3組の2箇の人工衛星につき、前記と同じ計算処
    理を行う事により、双曲面の交点として観測点を求める
    事を特徴とする人工衛星を用いた測位方法。
  3. 【請求項3】 軌道傾斜角を17度又は6度近くにし、
    かつ同一時刻に於ける隣り合う人工衛星間の近点離角が
    お互いに120度近くに離れるような静止軌道上で地球
    表面近くより見て可視域に同時に入る人工衛星を赤道面
    にほぼ等しい間隔で9箇から12箇を投入し、同時に静
    止高度で、ほぼ円である単一の極軌道に近点離角がお互
    いに120度離れるような軌道位置に3箇の人工衛星を
    投入し、赤道面を中心とした人工衛星については隣り合
    う人工衛星の間で衛星間通信路を持つ隣り合う4箇を一
    組とし、それぞれの極地方に於いて赤道面を中心とする
    人工衛星のうち直下点の緯度が高くなる3箇の人工衛星
    と極軌道に投入された3箇の人工衛星のうち、極地方か
    ら見て仰角の一番大きな一箇の人工衛星との間に於いて
    衛星間通信路を持つ4箇の人工衛星を一組とし、前記の
    各4箇一組の衛星間通信回線で結ばれた隣同士の人工衛
    星2箇を一対とした三対の4箇の人工衛星に対し、管制
    局によって較正された時刻信号にもとづき整数秒時に一
    定の位相を持つように作られた測距信号を地球表面に送
    信すると同時に、前記の測距信号を衛星間データ中継手
    段によって隣の人工衛星に送信し、前記の測距信号を受
    信した前記の隣の人工衛星は前記測距信号の復号を行っ
    た後、3方向に分岐し、そのうちの一つは再び送信され
    て来た衛星に衛星間データ中継手段を経由し送信し、元
    の人工衛星は前記の測距信号と返信されて来た測距信号
    または、衛星のなかで検出された衛星間の距離差信号を
    フィーダ回線経由管制局に送信し、管制局に於いては衛
    星間距離の検出または受信、および隣り合う2箇の衛星
    間に存在する時刻差をテレメトリ源信号として取得し、
    前記のこれらの信号をフィーダ回線またはテレメトリ・
    コマンド回線を通じ該当する衛星に送信し、分岐された
    前記信号の一つと一緒にし観測者に送り、残る分岐され
    た前記信号の一つはさらに隣の衛星にデータ中継手段を
    通じて送り、4箇の人工衛星からは前記の各々の測距信
    号並びに人工衛星間の位相比較情報を地球表面に送信
    し、地球近くではこの測距信号の受信時刻と測距信号か
    ら検出した送信タイミング時刻と上記管制局より得られ
    る軌道予測にもとづき求められた4箇の人工衛星の位置
    を基点として前記の4箇の人工衛星の隣り合う2箇の組
    合せに対し、測距信号を用いて人工衛星と観測者の間の
    2種類の距離差を算出することにより、前記の2箇の人
    工衛星を焦点とする双曲面を描くことが出来、4箇の人
    工衛星の組合せで得られる3組の2箇の人工衛星につ
    き、前記と同じ計算処理を行う事により、双曲面の交点
    として観測点を求める事を特徴とする人工衛星を用いた
    測位方法。
JP21862791A 1991-08-29 1991-08-29 人工衛星を用いた測位方法 Pending JPH0552928A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008051681A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Seiko Epson Corp 測位装置、その制御方法、制御プログラム及びその記録媒体
JP2021172157A (ja) * 2020-04-21 2021-11-01 三菱電機株式会社 観測システム、通信衛星、観測衛星および地上設備
CN115623582A (zh) * 2022-12-20 2023-01-17 浙江吉利控股集团有限公司 一种低轨卫星星座时间同步方法、系统、装置及介质

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JP2021172157A (ja) * 2020-04-21 2021-11-01 三菱電機株式会社 観測システム、通信衛星、観測衛星および地上設備
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