JPH055271A - 金属皮膜を有する導電繊維の製造方法 - Google Patents

金属皮膜を有する導電繊維の製造方法

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JPH055271A
JPH055271A JP18520191A JP18520191A JPH055271A JP H055271 A JPH055271 A JP H055271A JP 18520191 A JP18520191 A JP 18520191A JP 18520191 A JP18520191 A JP 18520191A JP H055271 A JPH055271 A JP H055271A
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JP
Japan
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fibers
fiber
electrically conductive
coating film
metallic coating
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Application number
JP18520191A
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English (en)
Inventor
Masayuki Miyamoto
雅之 宮本
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属を繊維に1個の蒸発源のみでしかも1度
の走行でムラの無い金属皮膜を形成でき、耐久性の良好
な導電繊維の製造方法を提供する。 【構成】 物理的真空蒸着装置を用い、配列された複数
の繊維に金属を蒸着処理するに際し、繊維の間隔が0.
2mm以上とすることを特徴とする金属皮膜を有する導
電繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明方法は物理的真空蒸着法に
よる導電繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電解メッキや化学処理などの後加工によ
って、金属からなる導電性皮膜を繊維表面に形成させた
導電繊維は周知であり、これらの繊維は他の繊維に少量
混用し、制電性を付与する等の目的に使用されてきた。
一方、物理的真空蒸着法による導電繊維も種々提案され
ている(特公昭61−132652号公報等)。しかし
繊維表面の全面に金属皮膜をムラなく蒸着させること
は、従来繊維の蒸着を裏と表の2度に分けて実施する方
法や蒸着室内に蒸発源を2個以上設けて蒸着する方法な
どが用いられるが、1個の蒸発源のみでしかも1度の走
行でムラの無い金属皮膜を形成する方法は提示されてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
問題を解決すべく、金属を繊維に1個の蒸発源のみでし
かも1度の走行でムラの無い金属皮膜を形成でき、耐久
性の良好な導電繊維の製造方法について研究した結果、
本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の金属皮膜を有す
る導電繊維の製造方法は物理的真空蒸着装置を用い、配
列された複数の繊維に金属を蒸着処理するに際し、繊維
の間隔が0.2mm以上とすることを特徴とする。
【0005】本発明方法に使用する物理的真空蒸着装置
は、例えば真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタ
リング装置などであり、これらの装置により繊維表面へ
金属皮膜を形成させる。
【0006】金属皮膜を構成する金属としては、導電性
を有するものであれば特に限定されない。例えばアルミ
ニウム,銀,銅,亜鉛,錫,ステンレス,ニッケルなど
が挙げられ、これらは単体,合金または混合物の形態で
用いられる。導電性,金属皮膜の酸化等による変色を考
慮するアルミニウム,ステンレス,ニッケル等が好まし
い。
【0007】本発明方法で用いる繊維は、一般の繊維例
えばアクリル系繊維,ナイロン系繊維,ポリエステル系
繊維,ウレタン系繊維,ポリオレフィン系繊維,ポリ塩
化ビニリデン系繊維,ビニルアルコール系繊維,セルロ
ース系繊維,再生繊維,天然繊維,無機繊維,及び上記
繊維成分組合せによる各種複合繊維である。これらの繊
維はフィラメント,嵩高加工糸,紡績糸,混繊糸等にて
用いる事が出来るが、フィラメントを多数平行に並べた
ビーム状で用いられるのが好ましい。
【0008】繊維の断面形状としては例えば丸断面,三
角断面,偏平断面等のいずれでも良く、特に限定される
ものではない。繊維の単糸デニールも特に限定されるも
のではない。また、トータルデニールが10〜300デ
ニール程度の通常の繊維であっても又、10デニール以
下の繊維でも、500〜1500デニール以上のカーペ
ットに使用されるような太い繊維であっても処理するこ
とが可能である。
【0009】本発明方法において、繊維は物理的真空蒸
着装置の蒸発源上部に配列されている。繊維の間隔は
0.2mm以上とすることが必要であり、好ましくは
0.3mm以上、更に好ましくは0.4mm以上であ
る。繊維間隔が0.2mm以下になると、蒸発源より蒸
発する金属は金属蒸着面裏側に周り込むことが困難とな
る。一方、繊維間隔が0.2mm以上では、蒸発源より
蒸発する金属は繊維間を通り抜け蒸着源と反対側にも金
属皮膜を形成可能となる。ただし、繊維間隔を大きくし
過ぎると繊維処理量の低下、及び蒸発金属のロスが増
え、生産効率上好ましいものではない。従って金属皮膜
の色ムラ,生産性を考慮すると繊維間隔は高々3.0m
mであることが好ましい。繊維間隔L(mm)は、例え
ば多数平行に並べられた繊維ビームの幅X(mm)と繊
維本数YよりL=X/Yの式で計算し求めた値である。
【0010】金属皮膜の厚みは通常200Å以上であ
り、好ましくは500Å以上、更に好ましくは700Å
以上である。特に好ましくは1000〜5000Åであ
る。金属皮膜の厚みが200Å未満では導電性の発現が
十分ではなく、一方5000Åより厚くなれば、導電性
能は大きな向上は期待できないばかりか金属皮膜の剥
離,脱落や繊維の柔軟性の低下や操業性の低下及びコス
トの大幅なアップ等デメリットが多くなる。
【0011】金属皮膜は厚みが500Å程度未満である
と厚みに応じて金属色と異なる色を呈するが、このよう
にして製造された導電繊維は金属蒸着面に対して表裏の
差もなくほぼ均一に金属皮膜が形成されるので色ムラの
ないものとなる。
【0012】
【発明の効果】本発明方法により得られる繊維は、繊維
の全面にほぼ均一な金属皮膜を形成できるため、耐久性
に優れる。又、金属繊維と異なり曲げや変形に自由に追
随して通常の繊維となんら変わらず柔軟である為、通常
の繊維と同様に加工したり使用することができる。本発
明方法により得られる導電繊維の使用率は通常0.1〜
10重量%程度で極めて制電性,電磁波シールド性に優
れ、しかも通常の製品と品質,風合いが同じ繊維製品を
得る事ができる。これは、目的,用途によって使用率は
随時選択できる。
【0013】本発明方法の導電繊維は単独にても或は連
続フィラメント、またはステープル状に加工し他の繊維
と混用して使用することもできる。混合は、混綿,合
糸,合撚糸,混紡,交織,交編,その他公知の手段によ
り実施できる等、実用的に極めて有用である。
【0014】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を説明する。
【0015】実施例1 ポリエステル繊維(75d/72f)を大西商店製自動
検尺器で繊維巻本数を変化させることにより繊維間隔を
変更したフィラメントビームに整径し、次いでこれらビ
ームに真空蒸着法により銀を1000Å蒸着させた。
【0016】繊維の蒸着面及び裏面の金属皮膜形成状態
は、マクベスカラーアイによるCIE表色系(L値,a
値,b値)での光反射スペクトルの測定により評価し
た。導電率は、採取した繊維の両端を導電性塗料で固定
し、アルミニウム箔を電極として横川電気デジタルマル
チメーターにてその抵抗を測定し導電率を求めた。
【0017】結果を表1に示す。なお耐久性は、75d
/72fのポリエステル繊維を10周編んだ後実施例1
の導電繊維を1周編み込み、この操作を繰返して筒編布
を作り、次いでこれらの布を、洗剤としてニュービーズ
を使い家庭用洗濯機にて洗濯回数と摩擦耐電圧との関係
を調べた。洗濯は、洗濯10分すすぎ20分の計30分
であり、これを30回繰返した。結果を表1に示すが、
本発明の導電繊維を混用した筒編布では耐電圧のレベル
が低く且つ洗濯耐久性に優れる事が判明した。尚、摩擦
耐電圧(制電性)はJISL−1094(1988)参
考法により測定した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例2 実施例1の導電繊維を2万デニールのトウとし、スタッ
フィンボックスで巻縮加工した後38mmにカットして
ステープルとした。次いで、1.5デニールで38mm
カットのポリエステル・ステープルに1重量%混用し、
75番手単糸の混紡糸を製造した。
【0020】その結果、本発明方法の混紡糸は、実施例
1と同様、良好な洗濯耐久性を示したが、比較例の混紡
糸は洗濯耐久性に劣るものであった。
【0021】ポリエステル繊維を9d/1fのモノフィ
ラメントに変更する以外実施例1と同様にして、導電繊
維を製造した。
【0022】その結果、本発明方法の導電繊維は、実施
例1と同様、良好な洗濯耐久性を示したが、比較例の筒
編布は洗濯耐久性に劣るものであった。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維に金属皮膜を形成するのに利用しうる真空
蒸着装置例の概念図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 物理的真空蒸着装置を用い、配列された
    複数の繊維に金属を蒸着処理するに際し、繊維の間隔が
    0.2mm以上とすることを特徴とする金属皮膜を有す
    る導電繊維の製造方法。
JP18520191A 1991-06-28 1991-06-28 金属皮膜を有する導電繊維の製造方法 Pending JPH055271A (ja)

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JPH055271A true JPH055271A (ja) 1993-01-14

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102220691A (zh) * 2011-05-04 2011-10-19 淮安富扬电子材料有限公司 彩色导电布的制造方法
JP2014113543A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Apic Yamada Corp 薄膜形成装置および有機el素子
US9831187B2 (en) 2012-11-30 2017-11-28 Apic Yamada Corporation Apparatus and method for electrostatic spraying or electrostatic coating of a thin film
KR102513925B1 (ko) * 2022-12-28 2023-03-30 주식회사 동원텍스 제직공정상 발생한 파사를 재활용한 열차단 기능을 가지는 블라인드 직물지 및 그 제조방법

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