JPH0552343A - 加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、トースタレンジなどの加熱調理器
に関するもので、特に、冷凍パンを美味しく、良い焦げ
色に仕上げる事のできる加熱調理器を提供する事を目的
とする。 【構成】 本発明の加熱調理器は、調理物（１）を載置
する事のできる回転台（２）を有する調理室（３）と、
載置された調理物を体積加熱する加熱手段（４）と、表
面加熱する加熱手段（５、６）との２つの加熱手段を有
し、載置された調理物を表面加熱するトースト加熱モー
ドと、載置された調理物を体積加熱したのち、表面加熱
する冷凍パン加熱モードとを有してなる構成とした。こ
の構成により冷凍パンであっても、美しく、焦げむらな
く焼き上げることができた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジなどの加熱
調理器に関するものであり、特に、パン焼き機能を有す
るトースタレンジに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の加熱調理器は、図５に示
すように食パンなどの調理物１を載置する回転台２を有
する調理室３と、調理物１を体積加熱するためのマイク
ロ波を発生するマグネトロン４と、表面加熱するための
輻射熱を発生する上下ヒーター５、６とで構成されてい
る。なお、７はマグネトロン４、上下ヒーター５、６な
どを制御する制御器、８は回転台２を回転させるモータ
ー、９は調理室３のドアをそれぞれ示す。（たとえば、
特開平２−３３５２８号公報参照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、たとえば、冷凍食パンをトーストする
場合、室温に保存されていた食パンと同じ加熱モードで
トーストしていたため、食パン表面の焼き色が薄くなっ
たり、あるいは、冷凍食パンの表面に結露水などが付着
していた場合、焼き色にむらが発生したりするため、美
味しくないなどの課題があった。

【０００４】本発明は、上記従来の課題を解消するもの
で、冷凍食パンの場合であっても、室温に保存されてい
た食パンと同様の表面焼き色に仕上げることができ、さ
らに、冷凍食パンの表面に結露水などが付着していた場
合であっても、表面の焼き色をむらなく仕上げることが
できる加熱調理器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の加熱調理器は、調理物を載置する事のでき
る回転台を有する調理室と、載置された調理物を体積加
熱する加熱手段と、表面加熱する加熱手段との２つの加
熱手段を有し、載置された調理物を表面加熱するトース
ト加熱モードと、載置された調理物を体積加熱したの
ち、表面加熱する冷凍パン加熱モードとを有してなる構
成と成っている。

【０００６】

【作用】この構成により、室温に保存されていた食パン
を焼く場合には、表面加熱する加熱手段を採用する。ま
た、冷凍されていた食パンの場合には、予め体積加熱す
る加熱手段により、冷凍食パンを解凍した後、表面加熱
する加熱手段を採用する。従って、室温に保存されてい
た食パンであっても、冷凍されていた食パンであって
も、同様の表面焼き色に仕上げることができる。また、
冷凍食パンの表面に結露水などが付着していた場合であ
っても、予め体積加熱し、表面の結露水を取り除いてか
ら、表面加熱するため表面の焼き色をむらなく仕上げる
ことができ、見た目にも美味しく仕上げることができ
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

【０００８】実施例１ 図１は、本発明に基づく加熱調理器の調理室３のドア９
を取り除いた一部破断正面図。従来例と同じ構成要素に
は同じ番号を付けた。１は調理物、２は調理物１を載置
する回転台、３は調理物１を収納する調理室、４は調理
物１を体積加熱するためのマイクロ波を発生するマグネ
トロン、５、６はそれぞれ表面加熱するための輻射熱を
発生する上下ヒーター、７はマグネトロン４、上下ヒー
ター５、６などを制御する制御器、１０は操作パネル、
１１は表面加熱するトースト加熱モードを選択する押し
ボタンスイッチ、１２は体積加熱したのち、表面加熱す
る冷凍パントースト加熱モードを選択する押しボタンス
イッチを示す。上記構成において、室温保存されていた
食パンなどの調理物１を回転台２に載置し、ドアを閉め
た後、スイッチ１１を操作し、食パンの枚数を選択し、
ｏｎすると、上下ヒーター５、６に食パンの枚数に応じ
て一定時間通電される。また、冷凍保存されていた食パ
ンなどの調理物１を回転台２に載置し、ドアを閉めた
後、スイッチ１２を操作し、食パンの枚数を選択し、ｏ
ｎすると、食パンの枚数に応じて一定時間マグネトロン
４に通電され、冷凍食パンを体積加熱した後、上下ヒー
ター５、６に食パンの枚数に応じて一定時間通電され
る。

【０００９】室温に保存されていた食パンおよび冷凍保
存されていた食パンとを、それぞれスイッチ１１および
スイッチ１２により調理した結果を下記の表１に示す。
なお、焼き色は、殆ど焼き色の着いていない焼き色を１
とし、美味しそうな標準焼き色を５、黒焦げの焼き色を
１０とする１０段階評価とした。また、色むらは、全体
的な目視観察により×、□、△、○の４段階評価とし
た。×→□→△→○の順にしたがい表面の色むらは少な
いことを示す。

【００１０】

【表１】

【００１１】食パン１枚の調理結果も（表１）と同様の
結果であった。尚、男女１０名による、試食官能評価に
おいても、冷凍保存されていたパンの場合、冷凍パン加
熱モードで調理したパンの方がトースト加熱モードで調
理したパンよりも美味しいと言う人が９名、差がないと
言う人が１名であった。また、トースト加熱モードを約
２０％程度長くするトースト加熱（強）モードと比較し
ても、冷凍パン加熱モードで調理したパンの方が美味し
いと言う人が７名、差がないと言う人が３名であった。
更に、冷凍パン加熱モードで調理したパンの方が美味し
くないと言う人は、どちらの官能評価結果においても０
人であった。

【００１２】実施例２ 図２は、本発明の他の実施例による加熱調理器の調理室
３のドア９を取り除いた一部破断正面図。図１と同じ構
成要素には同じ番号を付けた。１３は非接触温度センサ
としての赤外線温度計、１４はその視野角を示し、１５
は操作パネル１０上の押しボタンスイッチ（トースト）
を示す。図３（ａ）、（ｂ）は、それぞれ食パン２枚お
よび１枚を回転台２に載置し、ドアを閉めた後、スイッ
チ１５を操作した直後の、前記赤外線温度計１３の出力
パターンを示し、横軸に時間を、縦軸に温度を示す。同
図（ａ）、（ｂ）において、実線１６、１７は食パンが
室温保存されていた場合の結果、破線１８、１９は食パ
ンが冷凍保存されていた場合の結果をそれぞれ示す。同
図より、食パンが冷凍保存されていた場合、破線１８、
１９で示されるように、赤外線温度計１３の出力パター
ンは、室温と冷凍食パンの表面温度（約−１０℃）との
間を繰り返すため、振幅を検知することにより簡単に判
別する事ができた。また、回転台２を周期２０秒で回転
させているため、食パンが２枚の場合（破線１８）と１
枚の場合（破線１９）との判別は前記振幅の周期を検知
し判別した。また、食パンが室温保存されていた場合、
同図実線１６、１７で示されるように、表面温度および
食パンの枚数の判別、あるいは、食パンが回転台上に載
置されているかどうかの判別も困難であるが、上下ヒー
ター５、６に通電することにより、下ヒーター６の昇温
とともに、図３（ａ）、（ｂ）に示したのと逆パター
ン、即ち、食パンのあるところの温度が低く、食パンの
無いところの温度は下ヒーター６の温度または近傍を測
定するため高くなるパターンとなるため簡単に判別する
事ができた。上述の判断は制御器７内で行われる。図４
（ａ）、（ｂ）信号の流れを示す。同図において、スイ
ッチ１５が押される（２０）と、制御器７がスタートす
る。まず、赤外線温度計１３により調理物１の表面温度
を検知する（２１）。２２でその検知温度の振幅を判別
し、もし大きければ、２３で冷凍パンと判別し、２４
へ、もし小さければ、２５でヒーターに通電し、再度表
面温度を検知し（２６）、再度その検知温度の振幅を判
別し（２７）、もし大きければ、室温パンと判別し（２
８）、２４へ、もし小さければ、２９を介して、異常と
判断し（３０）、ヒーター通電を停止する（３１）。そ
れぞれ冷凍パン、室温パンと判別され（２４）を介し
て、次にその周期を判別され（３２）、長いものは１枚
（３３）、短いものは２枚と判別され（３４）、それぞ
れの結果により、トースト加熱モードあるいは冷凍パン
加熱モードを選択され（３５）、調理され、終了（３
６）する。

【００１３】このように、非接触温度センサを備える事
により、自動的に食パンの温度、枚数を検知する事がで
きるため、室温パン、冷凍パンに拘らず、いつも美味し
く、見た目にも良い焦げ色に仕上げることができる。

【００１４】なお、前記実施例では、食パンについて説
明したが、これに限らず、他の冷凍食品についても、予
め体積加熱した後に、表面加熱すると言う本発明の加熱
モードは適用されるものである。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明の加熱調理器によれ
ば、次の効果が得られる。 （１）食パンの表面温度に応じて、トースト加熱モー
ド、冷凍パン加熱モードを選択できるため、冷凍保存さ
れていた食パンの場合であっても、室温に保存されてい
た食パンと同様の美味しい表面焼き色に仕上げることが
できる。 （２）冷凍食パンの表面の結露水などが付着していた場
合であっても、表面の焼き色をむらなく仕上げることが
でき、美味しく仕上げる事ができる。 （３）非接触温度センサを備える事により、自動的に食
パンの表面温度、枚数を判別でき、食パンの保存温度に
拘らず、常に美味しく、良い焦げ色に仕上げる事ができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の加熱調理器の一部破断正面
図

【図２】本発明の他の一実施例の加熱調理器の一部破断
正面図

【図３】（ａ）、（ｂ）は赤外線温度計の出力パターン
を示す特性図

【図４】制御器内の信号の流れ図

【図５】従来の加熱調理器の一部破断正面図

【符号の説明】

１ 調理物 ２ 回転台 ４ マグネトロン ５ 上ヒーター ６ 下ヒーター １３ 赤外線温度計

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】調理物を載置できる回転台を有する調理室
   と、前記回転台に載置された調理物を体積加熱する加熱
   手段と、表面加熱する加熱手段との２つの加熱手段とを
   有し、表面加熱するトースト加熱モードと、体積加熱し
   たのち、表面加熱する冷凍パン加熱モードとを有してな
   る加熱調理器。
2. 【請求項２】非接触温度センサを備え、回転台に載置さ
   れた調理物の表面温度を検知し、自動的にトースト加熱
   モードと、冷凍パン加熱モードとを切り換えて成る請求
   項１記載の加熱調理器。
3. 【請求項３】回転台に載置された調理物の表面温度を、
   前記回転台を回転させながら検知し、調理物の表面温度
   と、調理物の量とを判別し、自動的にトースト加熱モー
   ドと、冷凍パン加熱モードとを切り換えて成る請求項２
   記載の加熱調理器。