JPH05505403A - ヒトbFGFの誘導体、その類似体及びこれらの製造方法 - Google Patents

ヒトbFGFの誘導体、その類似体及びこれらの製造方法

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JPH05505403A
JPH05505403A JP92502455A JP50245592A JPH05505403A JP H05505403 A JPH05505403 A JP H05505403A JP 92502455 A JP92502455 A JP 92502455A JP 50245592 A JP50245592 A JP 50245592A JP H05505403 A JPH05505403 A JP H05505403A
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フアルミタリア・カルロ・エルバ・エツセ・エルレ・エルレ
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトbFGFの誘導体、その類似体及びこれらの製造方法本発明はヒト塩基性繊 維芽細胞成長因子(bFGF)の誘導体、機能的に同等なその類似体、及びこれ らの製造方法に関する。
ヒトbFGFは、正常組織及び腫瘍組織から単離した構造的に関連するタンパク 質の族に属している。
この族は塩基性FGFの他に、酸性FGFと始原腫瘍遺伝子生成物(int−2 ,hst/ks、FGF−5゜FGF−6,FGF−7/KGF)を含んでいる 。
単離すべき、また生物学的に特徴づけるべき最初の因子たる塩基性FGFは、そ の仲間よりも徹底的に調査されている。
塩基性FGFは組織(中枢神経系、末梢神経系、網膜、腎臓及び心筋)及び腫瘍 (乳癌、膀胱癌、肝癌及び神経膠層)中に広く分布している。
bFGFは最初、繊維芽細胞及び内皮細胞へのマイトジェン活性を示す因子とし て下垂体から抽出されていた(Gospodarowicz;Nature、2 49,123.1974)、b F G Fのヘパリン及び関連グリコサミノグ リカンへの親和性が高いことが発見されるとすぐに、ヘパリン親和性クロマトグ ラフィーを使用して、塩基性FGFと非常に類似した又はそれと同一のマイトジ ェンが幾つか単離された。
これらのマイトジェンには元の組織又はターゲット細胞の特異性に基づいて名前 が付けられ、とりわけ軟骨誘導成長因子(CD G F ) (Sulliva n R,、Klagsbrum M、: J。
Biol、 Chew、 260.2399−2403; 1985)、ヘパリ ン結合成長因子β(HBGF−β) (Lobb R,R,、等、Bioche m。
Biophys、 Res、Co55+、131,586−592.1985) 、目誘導成長因子1 (EDGF−1)(Courty J、等、Bioehi mie 67.265−269゜1985)及びアストログリア成長因子−2( AGF−2)(Petta+ao B、、等、FEBS Letter 189 ,102−108;1985)が含まれる。前記全ての因子は約1.6M Na C1を使用してヘパリン−セファロースカラムからpH7,0で溶離し、約8〜 10の見掛pIsを有し、アミノ酸配列の相同性は高い。
ヘパリンを使用すると、このような因子の最初の精製が簡単になったが、これら のマイトジェンをコードする遺伝子及びcDNAの同定(^braham J、 ^1等、EMBOJ、 巨、2523−2528;1986.Kurokawa  T等、FEBS Letter 213,189−194゜1987)及び太 11発現系の発生(Kurokawa T、等、FEBSLetter 213 ,189−1944987)により、これらの密接に関連する因子間の関係をよ り良く理解することができた。
塩基性マイトジェンは1つだけ(bFGF)であり、異なる組織から単離した分 子間の違いが翻訳後処理によって可変N末端の切断を反映していると遺伝研究は 示唆している(Gospoclarowiez D、等、Endocr、Rev 、 8.95−114.1987゜Esch F、等、PNAS USA 82 ,6507−65114985)。
調査したところ、これらの長さの違いはマイトジェン活性にもヘパリン親和性に もそれほど作用しないことが判明した。(Gospodarowicz D、等 、Endocr、Rev、8.95−114.1987)。
N末端伸張形態の存在が組織特異調節に重要であり得ると主張されていた。塩基 性FGFは広範な活性を有することが示されていた。塩基性FGFは中胚葉源及 び神経外胚葉源細胞のDNA合成及び細胞分裂を増し、タンパク質合成及び(例 えばプラスミノーゲン活性化因子の)分泌を調節し、く例えばダリアの)細胞運 動及び移動に作用し、特に神経細胞及び内分泌細胞(例えば下垂体)の分化機能 を変え、また細胞(例えば損傷を受けたニューロン)の生存及び(例えば副腎皮 質細胞の)老化現象に影響を与え得る。
塩基性FGF分子の分裂促進性、走化性及び分化性は、塩基性FGFが胚の発達 に関与し、恐らく胚形成の全ての段階で機能する主要栄養因子であることを示唆 している(Slack J等、Nature 326,197−Zoo、198 7)。
bFGFによる血管形成の調整は生殖組織では特に重要である。生殖細胞ではb FGFは黄体又はartresiaの形成に備えて黄体の顆粒層細胞の成長及び 分化をも調整し得る(Gospodarowicz D、、Sew、Repro 、Endocr、、7.21−39;1989)。
更には、bFGFは高度に管を含む他の内分泌器官(例えば下垂体、精巣、甲状 腺及び副腎皮質)を調節するのに役立ち得る。何故ならば、そのタンパク質がこ れらの組織に免疫組織化学的に局限され、またホルモン合成を調節し得るからで ある(Ba i rd^、and Bohlen P、FibroblastH rowth factors、 In: 5porn MB、 Roberts  AB eds。
Hanclbook of experi+aental pharmacol ogy、Vol、95/l。
Peptide growth factors and their rec eptors r、 Berlin: 5printer、1990:369− 418>。
種々のb F G Fの機能及びその広範な組織分布は、このマイトジェンが広 範な生理学的意義と潜在的な臨床価値とを有することを示唆している。
考えられる多くの臨床使用の中で、bFGFは傷(特に皮膚の深い外傷)の治癒 を早め、虚血性組織の血管を再形成し、損傷を受けた神経細胞を再生し、組織移 植及び骨移植の治癒の成功を高めるために適用され得る。
本発明者等は、天然分子と比較して生物活性及び安定性がかなり増したことを特 徴とするヒトbFGFの誘導体及び機能的に同等なその類似体を開発した。この 発明は前述したbFGFの治療への適用に非常に重要である。
11α毘亙皇盈朋 本発明はヒト塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)の誘導体、機能的に同等な ぞの類似体、及びこれらの製造方法に関する。
ヒトbFGFは、分子量が約16.500ダルトンの単鎖非グリコジル化タンパ ク質である。bFGFは最初ヒト脳に存在すると報告されて、ヒト脳から抽出さ れていた(Gimenez−Gallego、G、等、 Biochem、Bi ophys、Res、Com+e。
135.541−548.1986>。
EMBOJournal (vol、5.no、10゜pp、2523−252 8.1986)及びPCT国際特許出願公開第WO101728号では、ウシb FGFをプローブとして使用してヒトbFGFのcDNAを夕ロ一二ングして製 造したクローンに基づいて、ヒトbFGFを構成するアミノ酸を演鐸的に特定し たことが示されている。
更には、FEBS Letter(vol、213.P2S5.1987)は、 ヒトbFGFのcDNAのクローニングにより得られた形質転換細胞を培養して 行うヒトbFGFの製造を説明している。
ヒトbFGFをコードする核酸配列は155個のアミノ酸翻訳生成物を予示して いるが、N末端長さの異なるより短い、またより長い幾つかの形態が種々の組織 から単離されている。N末端でタンパク質が部分的に分解するために、組換えに より生成された分子でさえしばしば種々の形態の混合物として出現している。
このように長さが異なるにも拘わらず、これら全ての形態はbFGFの生物活性 を保持しているように思われる。
ヒトbFGFの共通の146個のアミノ酸配列は以下の式で表される。
Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser  Gly 入1a Pha Pro Pro Gly HisI’he Lysλ sp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lysλsn Ga y Gly Phe Pha LeuArg 工1e )!is pro 入s p Gly 入rg Val Asp Gly Val 入rg Glu Ly s Ser As■ Pro H’rs 11−e Lys Leu Gin Leu Gin Ah a Glu Gluλrg Gay Val Val 5a■ 11e Lys Gly VaI Cys 入1a Asn 入rg Tyr  Leu Ala Met Lys Glu Asp Gly人rg Leu L eu Ala Ser Lys Cys Val Thr Asp Glu C ys Phe Phe Phe Gluloo 1l1 0Ar Leu Glu Ser Asn Asn Tyr 入sn Thr  Tyr Arg Ser 入rg Lys Tyr ’I’■■ zO 5er Trp Tyr Val 入1a Lau Lys Arg Thr  Gly Gln Tyr Lys Leu Gly 5erLys Thr G ly Pro Gly Gln Lys 入1a Ile Lau Phe L eu Pro Met Ser AlaLys Ser この配列は、以下の11個のアミノ酸配列:i ) G l y−Th r−M e t−A I a−A l a−G 1 y −3e r−11e−Thr− Thr−Leu、例えば特に以下の9個のアミノ酸: i i)Met−Ala−Ala−Gly−Ser−I 1e−Thr−Thr −Leu 又は以下の8個のアミノ酸: i i 1)Ala−Ala−Gly−Ser−I le −T h r −T  h r −L e u又は以下の7個のアミノ112: 1v)Ala−Gly−3er−I 1e−Thr−ThrLeu の全てを又はその一部分を含むN末端伸張部分を有し得る。
146個のアミノ酸長さの分子というより短い形態も単離した。これらは1個以 上のアミノ酸残基の欠如したN末端欠失bFGFである。
匹敵し得る生物活性を有するヒトbFGFの類似体も本発明のヒトbFGFの定 義に含まれる。
類似体は前述した形態から得られるムティンにより示され得る。この類似体は、 そのアミノ酸配列が、アミノ酸の置換、欠失、逆位及び/又は付加によって天然 の配列とは異なっていることを特徴とする。塩基性FGF類似体の例はヨーロッ パ特許出願公開第363675号に記載されている。
前述したあらゆる異なる形態のヒトbFGF及びその類似体をそのC末端でアミ ド化してもよい。更には2種以上の異なる形態のヒトbFGFの混合物を天然分 子の機能等漬物と考える。
特に例えば、天然の146個のアミノ酸長さの分子に対してそれぞれ7個及び8 個のアミノ酸残基からなるN末端伸張部分を有する2種の異なる形態の混合物を 本明細書で考察する。
本明細書ではこの混合物を内部コードFCF26184で示す。このコードは1 53−154個のアミノ酸からなるヒトbFGFを、正確には、a)ヒトbFG Fについて先に示した146個のアミノ酸配列と、8ページの項iv)に示すよ うな7個のアミノ酸のN末端伸張部分とからなる153個のアミノ酸分子と、b )ヒトbFGFについて先に示した146個のアミノ酸配列と、8ページの項1 ii)に示すような8個のアミノ酸のN末端伸張部分とからなる154個のアミ ノ酸分子との約50 : 50の混合物を示し従って、本特許出願明細書で使用 する“ヒト塩基性線維芽細胞成長因子”という用語は、天然タンパク質並びに前 述した類似体及び混合物を包含している。
天然ヒト塩基性FGFは、4個のシスティン残基を含んでいるが、ジスルフィド 結合があるにせよ、その数は知られていない。
組換えDNA技術によるbFGFの製造中に、高濃度のbFGFを含む大腸菌抽 出物中で不均質な配座が認められた。
細菌中で生成したシスティン含有タンノ〈り質がしばしくf不正確な分子内ジス ルフィド結合を形成し、このジスlレフイド結合が生物学的機能を阻害し得るこ とは知られてνAる(Hang等による°’human 1nterleuki n−2”(Science(1984)224゜1431−1433)及びMa rk等による“human fibroblastinterferon”(P roc、 Natl、^cad、 Sci、 USA(1984)81 。
5662−5666>を参照されたい)。
天然bFGFタンパク質中に存在する1個以上のシスティン残基を修飾すると、 不正確なジスルフィド架橋の形成が最小限に抑えられ、bFGFタンRり質を安 定化させるための還元剤を使用する必要がなくなり、従ってマlレチマー化(m ultiserization )又は不正確なジスルフィド結合が低減し得る 。それにより、組換えにより製造された類似体の回収率が増し、bFGFを始終 モノマー形態で維持することによりbFGF製造の均一性が増し、その保存性力 く改善され、また傷に施用するとその半減期が延長される。
ごく最近の研究では、5eno等[Biochem、 Biophys。
在する4個のシスティンの各々を個々にセリンに変え、このようにして、69位 及び87位のシスティン残基をセリンで置換すると、ヘパリン親和性カラム又は 逆相HPLCから溶離したbFGFの幾つかのピークとして認知された不均質性 が低減することが判明した。これらの位置でのシスティンが分子(bFGF)面 にさらされて、分子間又は分子内ジスルフィド結合を形成し、この結合が不均質 配座を減少させることをこれらのデータは示唆している。
5eno等は更に、セリン69.87の類似体が天然配列のbFGFの場合と比 較して、生物活性が何等増していないと報告している。
更には、Fax、G、M、等(J、 Biol、 Chew、 283゜184 52−18458.1988〕は、組換えにより製造したヒトbFGFの25位 及び92位のシスティンが恐らく分子内ジスルフィド結合により結合されると示 唆している。
ごく最近、国際特許出願公開PCT WO20/13310号は、bFGF分子 内に含まれる少なくとも1個のシスティンとS−8結合を形成し得る添加剤での システイン残基のチオール化によるbFGFの安定化に関するデータを提示した 。
グルタチオンジスルフィドを保護剤として使用して得られた結果によると、誘導 化bFGFは短期間(5日)インキュベーションアッセイでは安定性が高まり、 耐マルチマー化性が増した。
本発明者等はとりわけPCT W○90/13310号に記載されている同一の 誘導化生成物を合成、単離して、これらの生成物の安定性を長期1fl(25日 )インキュベーションアッセイで試験した。
室温貯蔵の後に又はアルカリ性pHでのインキュベーションの後に、PCT W 090/13310号のS−チオール化bFGFは更に分子(bFGF>の修飾 を受け得ることが判明した。恐らく、システィン96位とシスティン101位と の間で少なくとも1つの分子内S−8結合が生じる分子種混合物を形成するジス ルフィド架橋が再度混ぜられる( reshuf f l ing >ためであ る。
PCT W○90/13310号に開示されているシスティン誘導化化合物につ いても同様の結果が得られた。
本発明者等は、組換えにより製造したヒトbFGFをこのように不可逆的及び化 学的に誘導化して、ダイマー生成による凝集のない誘導化分子を得ることに成功 した。この誘導化分子は回収がより簡単になるだけでなく、長期間インキュベー ションアッセイでもより安定し、更には中でも予期に反して対応する未修飾タン パク質より遥かに活性があることが判明した。
本発明の目的は、4個のシスティンアミノ酸残基の少なくとも1つを、システィ ン残基と直接S−C結合を形成し得る誘導化剤で誘導化して得られる、組換えヒ ト塩基性繊維芽細胞成長因子又は機能的に同等なその類似体を提供することであ る。
特に本発明の目的は、天然ヒト塩基性繊維芽細胞成長因子の146個のアミノ酸 形態の69位及び87位に存在するシスティンに相当する2つのシスティンを、 システィン残基と直接S−〇結合を形成し得る誘導化剤で誘導化して得られる、 組換えヒト塩基性繊維芽細胞成長因子又は機能的に同等なその類似体を提供する ことである。
中でも特に、本発明の目的は、ヒトbFGFの69位及び87位に存在するシス ティンに相当する2つのシスティンを、例えば(−CH,C00)!>、(−C H(COOH)(C)(2)。C00H)、(−CH2CONR3R,)、(R 5)、(−(CH2)。5o−a)、(−CHCH2CONR,CO)、(−( CH2)、NR1R2)及び (−CH20COCH,R,)(式中、R1及びR1はそれぞれHl(−(CH 2)、C00H)、[:CH(COOH)(CH2)、C0OH:]又はClC sアルキ7L/テあり、R1はCI−〇、アルキル又はC1C4アルコキシメチ ルであり、nはゼロ又は1〜4の整数であり、mは2〜4の整数であり、Xは1 〜3の整数である)からなる群の中から選択したW換基で誘導化して得られる、 誘導化組換えヒトbFGF又は機能的に同等なその類似体を提供することである 。
本発明により得られる誘導化bFGFを、有機化学で通常使用されている手順に 基づく公知の方法で、未誘導化bFGF分子念、例えば前述したものの中から選 択した所望の誘導化部分を有する適切な試薬と反応させて製造してもよい。
従って、組換えヒトbFGFを水又はEDTA含有yl衝水溶液に溶解し、この 溶液のpHを例えば約8.0の値に調整し、pH調整溶液を所望の誘導化剤で処 理し、得られた混合物をモノSカラム上に充填してこの混合物から過剰誘導化剤 を除去し、カラムを緩衝液で十分洗浄し、誘導化ヒトbFGFを直線濃度勾配を もつ塩化ナトリウムで溶離し、それを5ephadex G−25カラムに通し て誘導化ヒトbFGFを脱塩することからなる方法により、例えば本発明の誘導 化組換えヒトbFGFを製造し得る。
使用する誘導化剤は、所望される誘導化の種類に応じて選択する。
従って、システィン残基の一5H基を−S−CH2−C0OH基に誘導化した誘 導化bFGFを得るには、例えばハロ酢酸、特にヨード酢酸又はこれらの塩(例 えばアルカリ金属塩、特にこれらのナトリウム塩)の中から誘導化剤を選択する 。
システィン残基の−SH基を=S C82CONH2に変えた誘導化bPGFを 得ることが所望されるときには、該当するハロアセトアミドを誘導化剤として使 用してもよい。
当業者には公知の如く、アルカリ金属テトラチオネート、C,−C4アルキルメ タンチオスルホネート又はCICMアルキルスルホンは、とりわけ先に記載した ものの中から他の誘導化bFGFを製造するのに役立つ誘導化剤であり得る。
本発明で特に好ましい誘導化bFGFは、システィン69位及び87位(7)− 3H基を−5−CH,−COOH基に誘導化するヒトbFGFである。
ヒトbFGFが146個のアミノ酸長さの形態の分子のときには、誘導化化合物 を以r&cM−bFGF(カルボキシメチル化bFGFを意味する)と称する。
本発明の他の好ましい誘導化bFGFは、システィン69位及び87位の−SH 基を−3−CH2−CONH2に誘導化するヒトbFGFである。ヒトbFGF が同様に146個のアミノ酸長さの形態の分子のときには、誘導化化合物を以後 CAM−bFGF (カルボキシアミドメチル化bFGFを意味する)と称する 。
本発明の誘導体用FGF出発化合物は一般に、前記国際特許出願公開PCT W O37101728号又はヨーロッパ特許出願第363675号に記載の如きよ く知られた手順からなる組替えDNA技術により得られる。
有利には、本発明の誘導化ヒトbFGFは、天然bFGFと同一の適用分野で、 例えば虚血性組織の血管の再形成、損傷を受けた神経組織の再生、傷、潰瘍及び 熱傷の治癒で、又は例えば移植中の他の治療養生法への補佐剤として有用である 。
本発明の誘導化ヒトbFGFは、1種以上の異なる形態の誘導化bFGFと1種 以上の医薬として許容し得る賦形剤とからなる医薬組成物の形態で投与し得る。
実際にはこれらの組成物を、リン酸塩緩衝液の非経口注射により又はゲル、ペー スト、ミクロ粒子等の特効性組成物として投与してもよい。
誘導化ヒトbFGFの医薬組成物は、リン酸塩M衝液として投与するときには、 医薬として許容し得る賦形剤、例えば担体及び/又は希釈剤を含み得る。
誘導化ヒトbFGFをそのまま、又は医薬として許容し得る無機酸(例えば塩酸 、臭化水素酸、硫酸及びリン酸)若しくは医薬として許容し得る有機酸く例えば 酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、琥珀酸及び酒石酸)の医薬として許容 し得る塩として投与してもよい0本発明の医薬組成物を従来の方法に基づく公知 の技術で製造することができる。
本発明を以下の実施例により更に詳しく説明する。
諷W FCE26184の調製 bFGFの合成りNA配列及びかかる配列を担う発現プラスミドを、欧州特許第 363675号に記載の方法に従って構築した。発酵及び精製プロセスは以下の ように実施した。
(a)光lし乙ココL冬 the In5titute Pa5teur collectionから得た 細菌株B型E、coliを、bFGFをコードするヒト遺伝子及びテトラシフリ ン耐性に対する遺伝子の両方を担うプラスミドを用いて形質転換した。
この形質転換株を使用して組換え非グリコジル化h−bFGF(ヒトbFGF) を生産した。この株のマスターセルバンク(Master Ce l I Ba nk)(W、C,B。
)(−190℃の液体窒素中に保管された79個のバイアル)を調製した。W、 C,B、の1つのバイアルの内容物を発酵段階の植え込み細胞(i nocu  lum)として使用した。
101の発酵器中に4pの培地を満たして発酵プロセスを実施した。
株選択条件を維持するために、培地にテトラサイクリンヒドロクロリドを加えた 。
37°Cで20時開場殖させると、最終バイオマスは42±2 g/l乾燥重量 であり、bFGFの産生は、競合ゲル電気泳動によって測定すると2500±5 00mg/lであった。
細菌を大きく増殖させるために、発酵段階の間に純粋酸素リッチであることが必 要であった。
(b)拡m 細胞(微生物)を遠心分離によって全発酵ブロスから分離した。得られたベレッ トを、塩化ナトリウムを含むリン酸ナトリウム緩衝液中に再懸濁させた。細胞を 効率的に破壊するために、高圧ホモジナイザーに最低3回通すことが必要であっ た。得られた細胞溶解物を遠心分離によって清澄化し、更に処理するために上清 を回収した。
(C)u 清澄化した上清を5epharose (商標)S FastFlow(カチオ ン交換体)のカラムに入れ、リン酸M衝液(商標)中の塩化ナトリウム増加濃度 勾配を使用して上記カラムから生成物を溶出させた。Heparin5epha rose 6Bのカラムでリン酸mti液中の塩化ナトリウム増加濃度勾配を用 いて溶出することにより、生成物を更に精製した。最後に、5ephadex  (商標)G25樹脂上で緩衝液交換を行って、大量の生成物緩衝液くリン酸ナト リウム−EDTA)中に生成物を得た。
5epharose S Fast Flowカラム及び5ephadex G 25カラムを、水酸化ナトリウム溶液で洗浄することにより清浄化した。
Heparin 5epharoseは、3M塩化ナトリウムを含むpH=8. 5及びpH5,5いずれ牟の溶液を用いて洗浄した。
mユ 146個のアミノ酸の形態のヒトbFGFの調製天然ヒトbFGF (146個 のアミノwi)に対応する組換え生産タンパク質は、例えば国際特許出願公開第 WO37101728号に記載の方法に従って得ることができる。
火見■ユ ヒト ルボ シメ ル bFGF CM−FGF)の: 11、10 m lの 25mMリン酸MH液pH8,0/SmMEDTA中に、100mgの146個 の長鎖アミノ酸の形態の組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子(rhbFGF) を含む溶液に、同じ緩衝液110m1中の400mgのヨード酢酸を加えた。暗 所において室温で2時間反応させた。
次いで反応混合物を、25mMリン酸w1衝液p87.5で平衡化しておいたM onoSカラム(HR10/10゜Pharmac i a)に直接入れた。過 剰な試薬を除去するために、カラムを平衡化緩衝液でよく洗浄し、25mMリン 酸緩衝液pH7,5中の0〜1M NaC1直線濃度勾配を用いて、カルボキシ メチル化rhbFGF (CM −FGF>を溶出させた。CM−FGFを含む フラクションを、10mMリン酸緩衝液pH6,010,1mM EDTAで平 衡化しておいた5ephadex G−25カラム(Pharmac i a) 上で脱塩した。
及胤■ユ ヒト ルボ ミドメ ル bFGF CAM−FGFQJL製 110m1の25mMリン酸緩衝液pH8,5/SmMEDTA中に、100m gの146個の長鎖アミノ酸の形態の組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子(r hbFGF>を含む溶液に、同じ緩衝液110m1中の400mgのヨードアセ トアミドを加えた。暗所において室温で3時間反応させた0次いでインキュベー ションの間に形成された微細沈澱物を除去するために反応混合物を遠心分離し、 透明な上清を、25mMリン酸緩衝1pH7,5で平衡化しておいたMonoS カラム(HR10/10.Pharmac i a)に直接入れた。過剰な試薬 を除去するために、カラムを平衡化緩衝液でよく洗浄し、25mMリン酸M衝液 pH7,5中の0〜LM NaC1直線濃度勾配を用いて、カルボキシアミドメ チル化rhbFGF (CAM−FGF)を溶出させた。CAM−FGFを含む フラクションを、10mMリン酸緩衝液pH6,010,1mM EDTAで平 衡化しておいた5ephadex G−25カラム(Pharmac i a) 上で脱塩した。
叉1■ユ rhbFGF’ のSI( CM−FGF、CAM−FGF及びrhbFGFに、Habeeb、A、F、S 、A、25 Methods Enzymo 1.457−465 <1972 )に実質的に従つて5,5゛−ジチオビス−(2−ニトロ安息香酸)(DTNB )を使用し、6Mグアニジンヒドロクロリド、0.IMTris−HCI、1. 5mM EDTA、pH8,0中でSH滴定を行った。
rhbFGF及びその誘導体の種々の溶液のタンパク質濃度をアミノ酸分析によ って定量した。SH滴定の結果、全ての誘導体分子において1分子当たりちょう ど2モルの遊離スルフヒドリルが検出され、rhbFGFにおいては1分子当た り4モルの遊離スルフヒドリルが検出された。
これは、精製rhbFGFでは4つ全てのスルフヒドリル基が遊離であるが、C M−FGF及びCAM−FGFは2つの遊離スルフヒドリル基と2つの誘導シス ティンとを有することを示している。
見立■A CM−FGFのプローアーゼ びペプ ドマツプCM−FGFにおいてとのシス ティンがアルキル化されているか知るために、2種の異なるタンパク質加水分解 処理によって、即ちトリプシン及びV8 5taphil。
C0CCuS aureusプロテアーゼを用いてペプチドマツプ作成を試みた 。
比較のために、天然組換えbFGF及び全てのシスティンがアルキル化されてい る誘導体であるピリジルエチル化CM−FGF (PE−CM−FaF>におい ても、同じ条件下でペプチドマツプ作成を行った。
方法 各消化に対して、20〜50μgの種々のbFGF試料(天然または変性体)を 、終容ff1ooμlのMi衝液中で使用した。得られたペプチドをRP−HP LCによって分離し、システィンを含むペプチドをN末端配列分析によって同定 した。
トリプシン消化−pH8の0.1M重炭酸アンモニウム中で、bFGF試料を、 TPCK処理したトリプシンを酵素対基質比が1 : 50 (w/w)で用い て37℃で24時間消化した。
V8プロテアーゼ消化−PH4の50mM′#酸アンモニウム中でE : S= 1 : 25 (w/w)として、■8プロテアーゼによる消化を37℃で16 〜24時間実施した。
RP−HPLC−消化産物に−μBondapak C18カラム(Water s ; 3.9X300mm、IC1μ)で、流11 m l /分の0.1% TFA中で60または90分間にアセトニトリルが5%から65%に変化する直 線濃度勾配を用いて溶出させる逆相HPLCを実施した。WaterWisp自 動抽出装置によって試料を注入し、更に分析するためにフラクションを手作業で 回収し、220nmにおいてモニターした。
N−末端配列分析−オンラインHPLCPTHアナライザーモデル120A(A pplied Biosystems)を備えた気相シークエンサモデル470 Aまたはパルス液相シークエンサモデル477A (APpl i edBio systems)において、自動N末端配列分析を実施した。
分析には、製造業者によって備えられた標準プログラムを少し変更して使用した 。
結果 CM−FGFにおいてどのシスティン残基がアルキル化されているか同定するた めの最初の試みとして、トリプシンマツプ作成を行った。bFGFの一次構造及 びトリプシンの特異性に基づくと、3つのシスティン含有ペプチド、即ち23− 26 (Cys25)、67−72 (Cys69)、87−97 (Cys8 7及び92)が期待された。CM−FGFとbFGFのトリプシンマツプを(区 1)比較すると2つの異なる主要ピークを示し、これらは、アミノ酸配列分析す ると、システィン69がカルボキシメチル化(CM −Cy s )されている ペプチド67−72と、ジスルフィド架橋によって結合されておりCys87の みがPTH−CM−Cysとして同定されたペプチド2B−26及び87−97 とであった。上記知見は、CM−FGF中に当初存在していた2つの遊離SH( 実施例5参照)は、通常はトリプシン消化に対して使用されるアルカリ条件下で 37℃で長時間インキュベートすると、鎖内のジスルフィド結合を形成し易いこ とを示している。実際、CM−FGFを塩基性pHにおいて数時間インキュベー トすると、−3HがDTNBを用いて実質的に滴定されない。
CM−FGFにおいてCys69及び87のみがカルボキシメチル化されている ことを立証するため、天然組換えbFGF、CM−FGF及びPE−CM−FG Fにおける■8プロテアーゼ消化を酸性pHにおいて実施した。後者は、Dup ont、D、et al、(Derivatizer−Analyzer Us er BulletinNo、1.Applied Biosystems、I nc、、1989)に実質的に従って6MグアニジンヒドロクロリドGnd−M CIlo、25M Tris−HClを用いて非還元条件下に4−ビニル−ピリ ジンでアルキル化し、次いで安定性実験に対して記載した条件(実施例7参照) に従ってC4−HPLC精製するステップの後に得られたものである。
CM−FGF及びPE−CM−FGFのV810テアーゼ消化(図2)によって 、ペプチド60−78においてはCM−Cys69、ペプチド79−91におい てはCM−Cys87、ペプチド92−96においてはPE−Cys92を直接 同定することができたが、Cys25は、■8ペプチドマツプ作成において期待 されたペプチド5−45は収量が低いことから、bFGFのPE−CM誘導体の 直接N末端配列によってピリジルエチル化のみに高感度を示すことが立証された 。
上記結果は、CM−FGFにおいてはCys69及び87が定量的にカルボキシ メチル化されており、一方、cys25及び92は還元形態のままであることを 示している。
叉箇1 25℃ 4℃にお(るCM−FGFの 25mMリン酸緩衝液pH7,510,125M NaC110,1mM ED TA中に300Mg/mlを含む濃度のCM−FGF及びrhbFGF溶液をM i 11 ip。
re無菌Mi l 1ex−0,22μフイルター装置によってヂ過し、25℃ 及び4℃でインキュベートした。
1.2及び3週間後に各溶液の幾っがのアリコートをとり、Vydac C4カ ラム(CTR214C4;0゜46X25cm)を使用し、流量1ml/分の0 .1%TFA中の10%から90%のアセトニトリル直線濃度勾配を用いて溶出 する逆相HPLCを実施した。
HPLC分析から得られた溶液中のタンパク質の量を初期の量と比較し、安定性 の変化を記録した。
図3には、CM−FGF及びbFGFの初期の量に対する割合を、25℃でイン キュベートした時間に対してプロットしである。
図4には、4℃で3週間インキュベートした場合を同様にプロットしである。
25℃でインキュベートした結果は、21日後の溶液中ではrhbFGFの初期 量の57%しか得られなかったのに対して、同じ時間でCM−FGFの98%が 得られたことを示している。4℃で3週間インキュベートした後には、CM−F GF及びbFGFの回収率はそれぞれ99%及び80%であった。
即ち、bFGFでは、2つのシスティンのカルボキシメチル化によって、分子中 の2つの最も反応性のスルフヒドリルの変性を主に含む劣化に対するin vi troの安定性が増大した誘導体がもたらされている。
え胤■亙 々の庁のCM−FGFの37℃にお本 生理学的条件下での挙動を模擬するために、CM−FGF及びrhbFGFを、 無菌状町の25mMリン酸M衝液p87.510.125M NaC110,1 mM EDTA中で300.100.50及び25 tt g / m lのタ ンパク質濃度で37℃においてインキュベートした。1.2及び7日後に、各溶 液のアリコートをとり、前記と同じ条件を使用するHPLC分析を実施した1図 5は、インキュベーション緩衝液中の各タンパク質濃度における、種々の時点で のCM−FGF及びrhbFGFの初期量に対する割合を示している。初期タン パク質量と比較した、種々の濃度における7日後のrhbFGF及びCM−FG Fの実際の量は下記の通りである。
0.3mg/ml 0.1mg/ml 0.05mg/ml 0.025mg/ m1rhbFGFJl 65.3% 42.0% 40.1% 5.3%CM− FGFI 90.8% 82.0% 76.3% 72.3%初期濃度0.02 5mg/mlにおいて、37℃で7日間インキュベートした後に溶液中で測定さ れたrhbFGFは初期量全体のたった5%であったが、この時間でCM−FG Fの72.3%が回収された。更に、HPLCによって安定性を評価するのに使 用したr h b F G F及びCM−FGFの試料の生物学的活性を、後述 する3T3細胞におけるin vitroマイトジェンアッセイに従って評価し た。生物学的活性データは上記表に示した分析データと一致し、rhbFGFに おいては活性がかなり損失していること及びCM−FGFにおいては損失ははる かに少ないことが確認された。極めて低い濃度においてさえカルボキシメチル化 bFGFの安定性は増大されていることから、新たな製剤及び治療方法と考え得 る。同じくより高い生成物のin vivo生体有用性(bioavai 1a bi1ity)から、治療時の用量をより少なくすることができ、従って副作用 が低減される。
炙1医ユ CM−FGFの パ FGFは最初は3T3!!維芽細胞中のマイトジェンとして記載され、次いで、 内皮細胞を含む他の細胞に対しても強力なマイトジェンであることが認められた 。このことから、CM−FGF及びrhbFGFのマイトジェン活性を比較する ために、それらをBa1b/c 3T3*維芽細胞及びウシ大動脈内皮細胞中で アッセイした。更に、単離細胞上でのin vitro受容体結合競合アッセイ を使用し、親のそのままの組換えbFGFと比較した場合の変性bFGF分子、 即ちCM−FGFの親和性を評価した。
ヘパリンに強力に結合するというbFGFの能力も文献に広く報告されている。
従って本発明者らはこの能力についてCM−bFGFとrhbFGFを比較した 。ヘパリンへの結合は、ヘパリンアフィニティーHPLC分析を使用して測定し た。
方法 安定性評価のためのBa1b/c3T3細胞におけるマイトジェン分析 B a l b / cマウス胚由来の細胞系であるA31−1−1細胞を、1 0%ウシ胎児血清(FBS)、100単位/mlのペニシリン及び100μg  / m lのストレプトマイシンを補充したイーグル最小必須培地(MEM)中 で増殖させた。
細胞DNA内への3H−チミジンの取込みを測定することにより、マイトジェン 活性を測定した。
アッサイ1日目は、トリプシン処理することにより準集密培養体を解離し、96 ウエルマイクロタイタープレートにおいて平板培養した(200μl/ウエル中 lXl0’細胞)、“播種培地”は、少ない量(3%v / v )のウシ胎児 血清(FBS)を含んでいた。培養液を、5%CO2及び95%加湿雰囲気中で 37℃でインキュベートし、22時間後に、“播種培地”を、0.1%(v/v )FBSを含むイーグルMEMからなる“飢餓培地(starvation m edium)”で置き換え、22時間の第2周期のインキュベーションを続けた 。その後、細胞をリンflip@溶液(PBS)で1回洗浄し、次いで、0.1 %ウシ血清アルブミン(BSA)を補充したMEMからなる新鮮な血清非含有の “照射培地(exposure medi um)”に再度供給し、この中で試 料を試験する濃度に希釈した。
照射を開始してから8時間後、3H−チミジン(sp、ac、20Ci/mmo l ;0.25μCi/ウエル)を加えることによりBa1b/3T3細胞を標 識し、更に16時間照射を続行した0次いで培地を取り出し、各ウェル内の細胞 をCa”/Mg”を含まないPBSで2回洗浄した。
次いで0.02%EDTA及び0.25%トリプシンを含むPBS (100μ l/ウエル)を加え、プレートを10分間インキュベートして培養体を完全に解 離した。各ウェル内の細胞を、細胞回収装置を使用してガラスファイバーフィル ター上に回収し、適正な細胞溶解と未結合3H−チミジンの洗浄除去とを保証す るために、ウェルを蒸留水で15回洗浄した。空気乾燥したフィルターを、4m lの液体シンチレーションカクテルを含むバイアル内に入れた。
フィルター上に保持された放射能をシンチレーションカウンターにおいて測定し た。
各実験条件において6回の反復実験を実施した。
効力評価のためのBAE細胞における増殖ア・ンセイ細胞を、96マイクロタイ タープレート内の抗生物質(ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン1 00μg/ m l )とFBS (13%v/v )を補充したダルベ’yコ 改良イーグル培地(DMEM)中に2500細胞/ウエルで入れた。細胞を6時 間性着させた0次いで培地を取り出し、実験培地(0,5%FBS、0.1%B SAを補充したDMEM)中に所望の濃度に希釈した試料を細胞に加えた。
培養液を3日間インキュベートし、この時点でそれらを10%リンa!ftiホ ルマリンを用いて固定し、0.5%クリスタルバイオレットを用いて10分間染 色した。染色後、ウェルを完全に洗浄して取り込まれなかった染料を除去した。
各ウェルにメタノール(95%v/v;100μl/ウェル)を加え、20分間 インキュベートして、1ウエル当たりの増殖細胞数に比例する程度に培養体によ って保持されている染料を抽出した。
自動読取りのために、プレートを、540nmフィルターを備えた分光光度測定 マイクロプレートリーダーに移した。各実験条件において4回の反復実験を実施 した。
親和性評価のための高アフイニテイ受容体結合アッセイ集密のBHK細胞を、2 4ウエルプレート内の抗生物質(ペニシリン100 U / m l 、ストレ プトマイシン100μs/ml)を含む10%FBSを補充したDMEM中に播 種した。
結合アッセイの前に、細胞を、血清は含まず0.1%ゼラチン及び20mM H epes(結合緩衝液)を含むDMEM中で37℃で2時間インキュベートした 。
125ヨウ素標識bFGF (sp、ac、1000Ci/mmo l ; 2 0nCi/ウェル)及び結合緩衝液で希釈した試験化合物を細胞に同時に加えた 。
4℃で3時間結合させ、次いで細胞をまずCa”/Mg゛°を含まない冷たいP BSで2回洗浄し、次いで2M NaclpH7,5で2回洗浄した。0.5N  NaOHを用いて細胞に結合した放射性物質を回収し、バイアル内に移し、γ 計数管によって測定した。
ヘパリンアフィニティアッセイ CM−bFGF及びrhbFGFのタンパク質試料を、25mMリン酸緩衝液P H7,5で平衡化しておいた5hodex AF pak HR−894カラム (0,8X5cm、昭和電工、東京1日本)中に注入し、流量1m1Z分の同じ 緩衝液中のNaCl直線濃度勾配(0〜2M)を用いて溶出した。
各試料のヘパリンに対する親和性は、伝導率によって評価されるように、特定の タンパク質をカラムから溶出するのに必要なNaClのモル濃度として表わされ る。
結果 rhbFGFと比較したときのCM−FGFの1nvitro生物学的活性を、 BAE細胞を用いた増殖アッセイにおいて調査した。図6に示したデータは、こ の1nvitro系においてCM−FGFが親のrhbFGFよりも約25倍強 力であることを示している。
これに反して、BHK細胞において実施した受容体結合競合アッセイは、2種の 分子がかかる細胞に結合することにおいて統計上有意な相違を示さなかった(図 7)。
ヘパリンアフィニティーアッセイからCM−bFGF及びrhbFGFは、いず れも1.1M NaC1において単一ピークとして溶出し、固定ヘパリンに対し て同様の親和性を有することが判った。
time (min) Fig、1 −bFaF(A)及びCM−FGF (B)のトリプシンマ・ツブ time (min) Fig、2− PE−FGF (A)及びCM−FGF (B) のV8プOテ 7−セマ−)f25℃における安定性 4℃における安定性 最大応答に対する% E/PCI 要約 4つのシスティンアミノ酸残基のうち少なくとも1つが誘導されでいる組換えヒ ト塩基性繊維芽細胞成長因子またはその機能的に等価の想縁体を提供する。通常 は、146個のアミノ酸形態の天然ヒト塩基性繊維芽細胞成長因子の位置6つ及 び87に存在するものに対応する2つのシスティンが、例えば−CH2C○OH または−CH,CONH2のような基によって誘導されている。このような誘導 組換えヒト塩基性繊維芽細胞成長因子は、創傷、潰瘍もしくは火傷の治癒、損傷 神経組織の再生、組織移植の補助もしくは骨継ぎの治癒、または虚血組織の再血 管形成に使用することができる。
国際調査報告 国際調査報告

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.4つのシステインアミノ酸残基のうち少なくとも1つが、システイン残基と 一堵に直接共有S−C結合を形成し得る誘導剤を用いて誘導されている、組換え ヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機能的に等価な類縁体。
  2. 2.146個のアミノ酸の形態の天然ヒト塩基性線維芽細胞成長因子の位置69 及び87に存在するものに対応する2つのシステインが、システイン残基と一緒 に直接共有S−C結合を形成し得る誘導剤を用いて誘導されている、請求項1に 記載の組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機能的に等価な類縁体。
  3. 3.前記システインが、(−CH2COOH);[−CH(COOH)(CH2 )xCOOH];(−CH2CONR3R4);(R5);[−(CH2)nS O−3];(−CHCH2CONR3CO);[−(CH2)mNR3R4]ま たは(−CH2OCOCH2R5)〔ここでR3及びR4は各々が、H;[−( CH2)xCOOH];[−CH(COOH)(CH2)xCOOH];C1− C6アルキルであり、R5はC1−C6アルキルまたはC1−C4アルコキシメ チルであり、nはゼロまたは1〜4の整数であり、mは2〜4の整数であり、x は1〜3の整数である〕からなる群から選択される置換基を用いて誘導されてい る請求項1または2に記載の組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機 能的に等価な類縁体。
  4. 4.前記2つのシステインが(−CH2COOH)を用いて誘導されている請求 項2に記載の組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機能的に等価な類 縁体。
  5. 5.前記2つのシステインが(−CH2CONH2)を用いて誘導されている請 求項2に記載の組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機能的に等価な 類縁体。
  6. 6.誘導ヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機能的に等価な類縁体を得る 方法であって、前記組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその機能的に等 価の類縁体を、水中またはEDTAを含む緩衝水溶液中に溶解し、前記溶液のp Hを約8.0の値に調整し、前記pH調整溶液を所望の誘導剤を用いて処理し、 得られた混合物から過剰な前記誘導剤を、カチオン交換樹脂を充填したカラムに 前記混合物を入れて更に前記カラムを緩衝溶液でよく洗浄することにより除去し 、塩化ナトリウムの直線濃度勾配を用いて誘導タンパク質を溶出し、誘導タンパ ク質をセファデックス(Sephadex)G−25カラムに通すことにより脱 塩することからなる方法。
  7. 7.有効量の請求項1から5のいずれか一項に記載の誘導組換えヒト塩基性線維 芽細胞成長因子またはその機能的に等価の類縁体と、医薬的に容認可能な賦形剤 とを含む医薬組成物。
  8. 8.創傷治癒を促進するため、虚血組織を再血管形成するためまたは損傷神経組 織を再生するために有利に使用し得る薬剤の調製に使用するための請求項1から 5のいずれか一項に記載の誘導組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその 機能的に等価の類縁体。
  9. 9.創傷、潰瘍もしくは火傷の治癒、損傷神経組織の再生、組織移植の補助もし くは骨継ぎの治癒、または虚血組織の再血管形成に使用するための請求項1から 5のいずれか一項に記載の誘導組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子またはその 機能的に等価の類縁体。
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