【発明の詳細な説明】
回転運動を自己案内直線運動に可逆変換する装置この発明は、回転運動を自己案
内直線運動に可逆変換する装置に関する。
回転運動は、夫々可逆態様を異にする種々の公知の方法で直線運動から得られる
。連接棒−クランク機構とカム−タペット機構は、簡便性と対称性を備える為、
実際上使用を制限しなくて済むことが知られている。
背景技術
これら2つの機構が、主に用いられている分野の1つは、可変容量の圧力チャン
バをもたらす場合であり、これはポンプ(羽根、傾いたヘッドを備えたアキシア
ルピストン、又は偏心トラックにより、制御されるプレート又はピストンを備え
たもの)と、内燃機関の双方に共通な分野である。
簡便性の為に最も普及し用途の多い機構は、連接棒とクランクとにより加わる運
動によって円筒チャンバ内をスライドするピストンが代表的なものである。この
機構は、実際、はとんど全ての内燃機関と、高圧力の圧縮機又はポンプで用いら
れる。
しかしながら、この機構は、クランクの回転中連接棒により加わる必要な傾斜の
点て、重大な概念的な限界がある。この傾斜により、ピストンに極めて大きな横
方向のスラスト力が生じ、シリンダの内壁と擦れあって損傷が生ずる。この為、
摩擦により相当量の出力損失が生じ、ピストンがスライドするシリンダを潤滑し
なければならず、横方向圧力を減らす為ピストン(スカート)を長くする必要が
あり、鋼製ピストンピンの形にするとピストンには余分な重量か加わることにな
る。この為、ピストンは必然的に直径と同じ長さにしなければならず、高品質の
材料、シーリングには好ましくない大きな噛み合せ間隙が必要とされるばかりで
はなく、理論的に円にすることは不可能な為、チャンバとの接触が必然的に曖昧
となる弾性リングを設けなければならない。内燃機関の場合、個々のピストンに
結合された連接棒−クランク機構は、駆動トルクの割合には、部品の寸法がかな
り大きなものとなる。これは、爆発によりピストンに生ずるスラスト力を用いて
、他のシリンダのパッジイブ行程(吸入、圧縮、排気)をクランクシャフトを介
して伝えながら行うためである。高圧力油圧ポンプの場合には、全ての現存する
タイプは、直角方向にスライドするタペットの相対的前進軌道に対し傾斜してい
る面(カム)を用いることから概念的に依頼する。この為、全ての場合において
、これらのタイプのものは、回転部材(傾斜円盤、例えば半径方向にスライドす
るピストンが回転する偏心基準周囲等)との相対的な作動接触により横方向に応
力が掛り、スライドすることによりポンピング作用を行うチャンバ等の壁と擦れ
合うことによる横方向力に作用するピストン(又は羽根又はタペット)を用いる
。この擦れ合いにより摩耗、出力ロス、時間の経過に伴う効率低下、及び最高回
転速度の限界がもたらされる。
本発明の目的は、連接棒−クランク機構に特有であり、傾斜した面又はカムの相
対的移動に概念的に基く装置に特有なこれらの欠点を解消するここれら及びその
他の目的は、少なくとも2個の連接棒−クランク機構を対称的に結合し、これら
連接棒−クランク機構を、これらの連接棒のスモールエンドの回転軸と、2個の
クランクに対称的に固定した同一形状の歯車の組合せとにより、互いに連動させ
た、回転運動を自己案内直線運動に可逆的に変換する装置に関する以下の説明を
読むことにより明らかとなる。
以下の詳細な説明は、本発明による装置が、可変容量チャンバ、特に液体ポンプ
、気体圧縮機、外燃機関、内燃機関、油圧モータ、及び圧縮空気モーターに適用
できることを示すもので、交互に直線的にスライドする複数個のピストンであっ
て、これらの支持横部材の少なくとも2個の異なる箇所で、2個の同一の対をな
す互いに回転可能に結合されたクランクに対称的に取り付けられた対をなす同一
の連接棒用の共通の回転軸の作用により案内されて、単−又は多ピストン用の支
持横部材に、対をなすクランクの回転軸線を結ぶ線に対して絶えず直角で、ピス
トンがスライドするシリンダの壁と擦り合う案内動作をもたらさない運動を与え
るものからなる。
横部材のこの動作モードは、回転運動中の部材から生じ又はこれに連速する往復
直線運動が必要とされ、薄板金加工に用いるルーズネック機械プレス(swan
−neck mechanical press)から公知の4行程内燃機関に
おけるバルブの動作にまで亘る、あらゆる分野で適応可能である。
本発明を、添付図面、とりわけ、可変容量チャンバを構成する場合に適応した場
合に関して説明する。図示した態様は、直線から回転又はこの反対への運動の転
換が必要な他の用途にも概念的に適応できるものとして理解すべきものである。
具体的には、
第1図は、本発明の基本概念を概略的に図示するものであり、第2図は、単動式
多ピストンを備え、連接棒機構が横並びに近接しており、ポンプ又は圧縮機とし
ての使用にとりわけ適している、4シリンダ装置の中央における断面図であり、
第3図は、複動式多ピストンと、互いに向い合った連接棒機構とを備え、内燃機
関に適する4シリンダ装置の中央における断面図であり、第4図は、東3図に対
し直角方向における第3図に示した装置の図面であり、
第5図は、中央に複動式多ピストンを備え、側方に連接棒機構を離して設け、内
燃機関に適するようにした、別の態様の4シリンダ装置の中央における断面図で
あり、
第6図は、中央に、複動式多ピストンを備え、長さ方向に、向い合って連接棒機
構に設けた、4個の側方シリンダを備えた装置の例の中央における断面図である
。
策1図は、本発明が基礎とし、他の図に示した実施例で用いる原理を示すもので
ある。
軌道109Aに沿って回転するクランク107Aには、連接棒108Aが組み合
わされていて、この連接棒には、第1スモールエンド110Aが設けられる。こ
の連接棒の第1スモールエンドは、連接棒108Bの一部を成す第2の連接棒ス
モールエンド110Bに接続される。連接棒108Bは、軌道109Bに沿って
回転するクランク107Bと組み合っている。
2本の連接棒のこれらスモールエンド間の結合は、共通のピン111により行わ
れる。連接棒108Aと108Bは、クランク107Aと107B同様互いに同
一である。
連接棒107Aには、クランク107Aと回転軸線113Aを同じくする歯車1
12Aが固定される。
クランク107Bには、クランク107Bと回転軸線113Bを同じくする歯車
112Bが固定される。
歯車112Aは、2本のクランク107Aと107Bの位置が、2個の回転中心
113Aと113Bとを結ぶ軸線115に対し直角な中心軸線114を中心とし
て対称となる角度位置で、歯車112Bと噛み合う。このようにして、2つのク
ランクのうちの一方の回転116Aにより、他方のクランクに対称な回転116
Bが生して、中心軸線114に沿った共通ピン111の直線移動がもたらされる
。このように、クランク(107A又は107B)の回転により、ガイドの為の
直線的な摩擦を生じさせることなく、回転摩擦(110−111)だけで連接棒
のスモールエンド(110A又はll0B)の直線移動をもたらす。回転摩擦は
、通常の減摩技術である典型的な軸受(転がり、滑り)により容易に減少される
が、単一の連接棒のスモールエンドの直線的にスライドするガイドシュ一部材(
例えば、通常の内燃機関におけるピストンのスライド)に、必ずしも伝えられる
とは限らない(温度及び潤滑の問題により)。したがって、第1図に示した基本
構成は、例えば、内燃機関の個々のバネ復帰型パペット弁を下げる為に、作用面
に対し絶えず直角である周期的スラスト力を必要とするあらゆる場合に適用でき
、弁棒のスライド用のガイド座の潤滑を不要にする。
この点、本発明の動作原理によれば、あらゆる横方向スラスト力、ダイレクトア
クションの場合(オーバーヘッド・カム)のカム形状に対する「逆カブ(inv
erted cups)J摩擦により生ずるスラスト力、更に、従来のパペット
弁の弁棒が間接的に作動される場合、ロッカ・アームの弓状の移動により生ずる
スラスト力にさらされることがない。もし、1本以上の弁棒が、同時に押される
場合には、必要となる力は、第1図に示した複式連接棒−クランク機構を一対設
けることによりそれ自体に対し直角方向に駆動される横部材により好適にもたら
される。このように連接棒−クランク機構をダブルペアーで設けることにより、
横部材に、横方向リアクション能力(あたかも、直線的なスライドガイドを設け
たかのように)が与えられ、この動作は、第2図に示すように、典型的にはポン
プ又は内燃機関等の可変容積チャンバシステムのピストンの運動に、この概念を
適応することから明らかとなる。ピン6、 7. 8及び9の各々を保持するク
ランクのシャフト2. 3. 4及び5は、フレーム1に支持される。
各連接棒10,11.12及び13のビグエンドは、これらクランクピンに回転
自在に止められる。連接棒10及び11と、連接棒12及び13のスモールエン
ドは、横部材16に固定された、共通シャフト14及び15の各々に回転自在に
止められる。1個以上のピストン17. 18. 19及び20を、この横部材
に設けて、−続きになった空洞、即ち円筒形チャンバ21,22.23及び24
内で作動させることができる。これら円筒形チャンバの頂部には、通常の吸入弁
及び吐出しく排気)弁25A、25B、26A、26B、27A、27B、28
A、28Bが設けられ、これらは、ポンプとして作用する場合には、バネ負荷型
のもの、又は、エンジンとして作用する場合には作動型のもの(actuate
d type)が用いられる。
各クランクのシャフト2. 3. 4及び5には、同一形状の歯車29.30.
31及び31が回転するように設けられていて、これら歯車は、クランクと結合
されると共に互いに噛み合っている。こうして、1つの歯車に(又は、いくつか
の歯車に接続したいずれかのクランクに)生じた回転は、他の全ての歯車に等し
く伝達される。同様に、ピストン17. 18. 19又は20の直線的な運動
により、他のピストンに等しい直線的な運動が生じる。これは、これらピストン
が載っている横部材16が、それ自体に対し並行に、即ち、2本の共通ピン14
及び15を結ぶ線33に対し垂直に絶えず移動する為である。このため、これら
2本の共通ピン14及び15は、直線的軌道に沿って、個々のクランク6、 7
. 8及び9間の個々の同一形状の歯車29,30.31及び32によってもた
らされる結合の効果により等しい量で、絶えず移動する。個々のクランクにより
、連接棒10゜11及び12.13の各々に共通なピン14および15の位置を
調節する。
これら連接棒に作用するスラスト力の横方向成分は、絶えず互いに無効化される
ので、合成力は、ピストンがスライドする方向と一致する方向34にいつも且つ
この方向にのみ生ずる。横部材16に作用する仮定的横方向力は、ピストンの軌
道に何らの変更も生じさせないので、ピストンは、ゼロ間隙で円筒形チャンバ内
を、円筒形チャンバとの間で必ずしも接触を生じさせることな(スライドできる
。この仮定的な不均衡状態は、上述した構造から、連接棒13、クランク9及び
歯車32を取り除くことにより生ずる。ついで、この不均衡状態は、二等辺形状
にした連接棒10,11を、それ自体のクランクを備えた別の連接棒12と組み
合せ、これらを全て、歯車29.30及び31と、別々のピン14及び15を備
えた横部材16とにより結合することによってもたらされる。この不均衡状態は
、自己案内ピストンシステム(self−guided piston sys
tem)では、最も生じにくい状態である。この不均衡状態は、何らかの経済的
必要性がある場合を除いて、第2図に示した2対の連接棒を備えた均衡状態より
も好ましくないことは明らかである。第3図には、対称になった2対の連接棒3
5.36及び37.38を備えた本発明によるシステムの別の態様が示してあり
、これら連接棒は、横部材41に設けたピン39及び40に、第2図に示すよう
な横並びではなく、向い合った配置に回転自在に止められている。ピン39及び
40は、これらの軸線42及び43が、クロス力(cross forces)
が横部材41に生ずるためのリアクションアーム(reaction arm)
を形成するのに必要な距離で互いに離れている。これら連接棒が、対称軸44に
対して傾斜して作用するようにすれば、これら連接棒は、互いに異なった角度を
形成し、これらのうち一方の対のみが、例えばクランク46に固定したシャフト
45等の出力又は入力駆動シャフトに結合される。他方の対は、自由にアイドル
回転して単に幾何学的ガイド機能を果す。連接棒37及び38からなる対は、各
ビグエンドでクランクピン46及び47に取り付けられる。
これらクランクのシャフトの各々は、それ自体用の歯車48及び49に固定され
、これら歯車は互いに同一形状で噛み合っている。連接棒35及び36の対は、
各々のビグエンドでクランクピン50及び51に取り付けられる。これらクラン
クのシャフトの各々は、それ自体用の歯車52及び53に固定され、これら歯車
は互いに同一形状で噛み合っている。このようにして、2対の連接棒が、横部材
41を、対称軸44と同じ方向にある直線上軌道に沿って案内する。
動力テークオフ、即ち駆動シャフトは、4個のクランクのうちのいずれか1つの
シャフトでよく、他の3個のクランクは、この1個により駆動される。ピストン
54,55.56及び57が、横部材41の両端に設けられて、各々連設された
チャンバ58.59.60及び61内をスライドすることにより、これらの中に
収容した流体の圧縮と膨張とを交互に行う。
第3図に示した態様は、内燃機関の使用にとりわけ適したものである。なお、第
3図に示した態様のピストン54.55及び56.57は、夫々同一直線上にあ
って対置されており、すべて横部材41を含め単一体内に構成できる。即ち、チ
ャンバ59が吸入を終えると、チャンバ58は前段階の燃焼ガスの排出を終え、
チャンバ60は、爆発による膨張行程を終えチャンバ61は次の爆発に先立って
圧縮を終えることになる。したがって、各チャンバ58,59.60及び61は
、夫々−行程ずつずれた順序で必要とされる全ての4行程を遂行する。この為、
駆動シャフト、例えばシャフト45は、他のパッシブ力(passive fo
rces)を引くことにより生ずる有効力だけを受けるという図り知れない利点
をもたらす。
反対に、従来の多シリンダ機関では、駆動シャフトは、各シリンダの全爆発力に
さらされ、この爆発力は、他の連接棒−クランク機構を通じてこの駆動シャフト
により用いられて、他のシリンダにおけるパッシブ行程(passive st
age)、即ち吸入、圧縮及び排気に影響を与える。
この為、従来のエンジンは、極めて小さな有効出力トルクを伝達する為、極めて
大きなトルク用の寸法で形成しなくてはならない駆動シャフトを備えている。更
に、このことを達成する為には、通常のスライディングガイドピストンを備えた
従来の連接棒−クランク機構の動作によって生ずる、かなりの量の摩擦エネルギ
ーを放散させなればならない。連接棒35,36.37及び38は、他のシリン
ダにおけるパッシブ行程を行うのに必要とされる力よりも小さい爆発力を伝える
ことが要求されるという点で、従来の機関とは異なった形で効率的に作動する。
伝達される力は、全体の4分の1だけであり、4本の連接棒間で分担される。こ
の為、重量が著しく軽くなり、経済性が増し、より大きなaカの機関がもたらさ
れる。本発明によるシステムは、受ける摩擦が小さくて済み、ピストンとチャン
バ間の擦れ合いがない為に、機関をかなり高い温度(熱力学サイクルの効率を向
上させるものとして周知である)で作動させることができるので、出力か極めて
大きなものとなる。ピストンによる擦れ合いがないということは、潤滑の必要が
ないことになり、この為、空中への潤滑油の分散がなくなり、又、可燃性炭化水
素や残留燃焼生成物による潤滑油の劣化もなくせるので、経済的で生態系にもよ
い利点がもたらされることが明らかである。本発明によるこの態様で必要とされ
る油は、クランク、歯車及びピンを潤滑する為のものだけであり、このような潤
滑油は、密閉したボックス内で作用し、爆発チャンバに入り込まないので、消費
されることもなく、劣化も起らない。個々のピストンの作動順序を次のように仮
定する。59−吸入、58−排気、6〇−膨張、61−圧縮
この順序は、他の段階で2個のチャンバ59及び、60で同時に爆発が起る対称
的な順序でもよいという点で、純然たる単なる例示として仮定したものであり、
合成力は対称軸を通る為、ピン39及び40に横から応力を加える対をなす力を
、横部材41に生じさせない。対称軸44に関して対称であるこのような複動式
を用いることにより、より均衡の取れた機関(単一の連接棒を備えた従来の機関
に比べて、対をなす連接棒の対称的な傾斜によりもたらされる補償によって助成
される)がもたらされるだけでなく、不安定な力により応力を受けないので、重
量が軽くて済む機関を提供できる。個々のチャンバに設ける弁は、第3図及び他
の図には示していない。これは、これら弁が公知技術であり、更に、特定のタイ
プの弁を必要とする機能の違いに応じて、種々のシステムを用いられる為である
。第3図では、第5図及び第6図におけるのと同様に、ピストンは、シリンダ全
体に亘って示されており、横部材が溶接される。このことは、薄肉、即ち、超軽
量管を用いることができることを意味する。横部材は、リブを設けたプレートで
構成すると重量を軽くてきるので、連接棒のサイズが小さいことを考えると、こ
のシステムの往復運動部品は、従来の機関よりも慣性が小さくなることが明らか
である。慣性は、連接棒が大きくなればなるほど、又、ピストンが重くなればな
るほど、厚くて長い鋼製ピストンピンの数が多くなればなるほど、大きくなる。
本発明によるシステムのピストンは、次のような利点を持っている。本発明によ
るピストンは、チャンバに擦れない。本発明によるピストンは、理論的には、ク
リアランスなしで作動する。本発明によるピストンは、連接棒とこれらから生ず
る力のインクリネーション・リバーサルズ(inclination reve
rsals)によって、従来の連接棒−クランク機構では生ずるスラ・ソピング
(slapping)を受けない。
この為、本発明によるシステムは、極めて高い温度でも、何らかのガスケットを
も用いることなく、液体をポンプで汲み上げるのに適したピストンを用いること
ができる。本発明によるシステムは、ピストンを、腐食性液体を汲み上げる為の
もの、又は、食物用の液体を汲み上げる為のもの、又は一般に、潤滑油で汚れて
はならない液体を汲み上げる為のものとすることができる。本発明によるシステ
ムは又、ピストンを、ピストンが衝撃や摩擦を受けないので、軽くて高温に耐え
得る比較的環れやすい材料(例えばセラミックス)で構成できる。
第5図には、内燃機関として一般に使用できるだけでなく、ピストンがたどる通
常の行程順序を変更できる使用にも適した態様を示すものである。
この態様では、策3図の態様と異なり、ピストン61.63及び62゜64は、
これらの軸線が互いに極めて近接していて、対称軸線65を中心とする作用の小
さなアームを持つことにより、各ピストンヘッドへのスラスト力を均一化するた
め、支持横部材66A、66Bへのクロストルクを小さくする。更に、横部材6
6A、66Bは、必然的に長いものとなり、大きなリアクションアームを持つの
で、必要な連接棒対69.70及び71.72を支持するピン67及び68に、
小さな不均衡力が掛らなくて済む。これら連接棒は又、同一形状で互いに噛み合
った歯車77、 78. 79及び80に固定されたクランクピン73.74.
75及び75と連動し、歯車は、矢印fで示す方向に回転する。図示した回転方
向を持った相互の噛み合いを連続させるためには、これら歯車は、間に設けた2
個のアイドル歯車81及び82により作動する。全ての歯車77、 78. 8
1,82゜79及び80は、燃焼チャンバとクランクの構造外形の外側の同一面
で作動できる。クランクは、これら歯車に所要の長さを持ったシャフトで固定さ
れる。第6図には、本発明によるシステムの別の配置を示してあり、2対の連接
棒(2個ずつ結合される)83.84及び85.86が、一方が他方の上となる
ように(図示の表示において)配置される。これらのクランクピン87,88.
89及び90は、対をなして噛み合う歯車、即ち91と92、及び93と94に
固定される。歯車91は又、アイドル歯車95を介して歯車93と噛み合い、歯
車92はアイドル歯車96を介して歯車94と噛み合う。こうすることにより、
他の態様で示し、横部材97が方向98の方に、この方向に対し絶えず直角を保
ったまま移動するのに必要な同期かもたらされる。こうして、横部材は、その互
いに向い合った端部ピストン99,100,101,102に等しい移動軌道を
もたらし、これらピストンは、連設されたチャンバ103,104.105及び
106内をスライドしてこれらの中で必要な容積変化を達成する。
要約書
本発明による回転運動を往復直線運動に可逆的に変換する装置は、少なくとも2
個の連接棒−クランク(108A、108B、107A、107B)機構であっ
て、これら連接棒のスモールエンド(110)の回転軸(111)により、さら
に2個の特定のクランクに対称的に固定された同一形状の歯車(112A、11
2B)を噛み合わせにより、互いに組み合わせることによって達成される特性を
有する。
補正書の写(翻訳文)提出書(特許法第184条の7第1項)平成4年7月31
日
函