JPH0549817A - フイルタープレスの自動剥離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、フィルタープレスにおけるケーキ
の剥離を自動的かつ高信頼性をもって行なう装置を提供
する。 【構成】 濾室を形成する濾板間に一端を濾板側に他端
を相互にピン接合して橋絡する開閉アームを設け、前記
濾室に対応する一対の濾布の上端縁を相互に接続し、前
記開閉アームのピン接合部と上記濾布の上端縁接合部と
バネ機構にて連結してなるフィルタープレスの自動剥離
装置において、上記開閉アームのピン接合部に昇降アー
ムを懸垂し、該昇降アームの下端部に濾板と平行かつ水
平に一対のロッドを付設し、濾布の上方部を該ロッド間
に挟みこんで懸張したことを特徴とする。 【効果】 濾布に与える傾動角が大きくなり、形成され
たケーキの転倒モーメントが増加し、ケーキ剥離の信頼
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動式のフィルタープ
レスに関するものであり、フィルタープレスにおいて脱
水後に形成されるケーキを自動的に剥離せしめるための
装置に関わるものである。

【０００２】

【従来の技術】フィルタープレスにおいては、泥水等の
脱水後に濾板を開枠しただけでは濾板間に構成される濾
室で形成された粘着質なケーキをその自重だけで濾布か
ら容易に剥離させることが困難な場合が多く、特に泥水
の性状、打ち込み圧力等の条件によっては付着したケー
キのヘラ落しなどの手作業を要してきた。多数の濾室を
持つフィルタープレスではその労力は多大なものとな
り、作業の危険性も伴うものであった。

【０００３】これを自動化するべく従来種々の自動剥離
装置が考案されてきた。特に開枠動作のための駆動力を
そのまま利用した、すなわち開枠動作とは別の駆動系を
付加しないですむ簡易な機構を採用することが、装置の
操作、メンテナンス、経済性などの観点から望ましい。

【０００４】中でも図３に示すような、一対の濾板１の
内側すなわち濾室７において、各濾板１に対応する濾布
３の上方が濾板表面に対して脱着自在にかつ該濾布３の
上端縁部は相互に接合され、濾板１間を橋絡する一対の
開閉アーム２の相互の共通ピン接合点６から懸垂したバ
ネ４の下端と上記濾布３の上端接合部とを連結した機構
にて、開枠と同時の開閉アーム２が開いて濾布３に張力
および振動を与えなが傾動せしめ、その傾動角とケーキ
５自重により自動剥離を行なうことを目指した方式のも
のが多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述のような自動剥離
装置では、粘着質のケーキを形成しやすい泥水の処理や
打ち込み圧力を高くした場合、自動剥離が不十分または
不可能になる場合が多い。このため結局人手を要し生産
低下等の不都合が生じていた。

【０００６】この問題は主にケーキ剥離のための十分な
傾動角が与えられないことに起因するものである。この
傾動角を大きくするために濾板間隔を広げると、濾板の
開枠動作に要する時間が伸びて生産性が低下すること、
また閉枠ストロークが増えて締め付け用シリンダーおよ
び装置全体が大きくなり不経済になるなどの不利益があ
った。

【０００７】また、濾布上端縁接合部を下方に位置させ
て傾動角を大きくしようとする場合でも、該接合部が濾
板閉枠時に濾板上端より下側に入る位置にあると、その
部分で泥水打ち込み時にシール不良が発生し所定のケー
キ形成が困難となるため、傾動角の最大値には限界があ
った。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決するものであって、濾室７を形成する濾板１間に一端
を濾板側に他端を相互にピン接合して橋絡する開閉アー
ム２を設け、前記濾室７に対応する一対の濾布３の上端
縁を相互に接続し、前記開閉アーム２のピン接合部６と
前記濾布３の上端縁接合部とをバネ４機構にて連結して
なるフィルタープレスの自動剥離装置において、前記開
閉アーム２のピン接合部６に昇降アーム９を懸垂し、該
昇降アーム９の下端部に濾板１と平行かつ水平に２本の
ロッド１０を付設し、前記一対の濾布３の上方部を該２
本のロッド１０間に通して懸張したことを特徴とするも
のである。

【０００９】

【作用】本発明は上述のような構成である。この作用を
実施例を示す図１において説明する。濾板１の開枠動作
に伴い、対応する開閉アーム２で構成するリンク機構も
同時に動作して開き、リンク上端のピン接合部６は閉枠
時の位置よりも下方に移行する。同様に該ピン接合部６
より懸垂された昇降アーム９およびその下端に付設した
２本のロッド１０も下降する。

【００１０】この動作に応じて、対応する濾板１に対し
て上方が脱着自在である一対の濾布３は下方が濾板１に
固着してあるため濾板１とともに開きつつも、上方を上
記２本のロッド１０間を通しているため搾り込まれるよ
うに近接する。その結果、濾布３の傾動角を図３の場合
よりも大きくすることができ、応じてケーキ５自重によ
る転倒モーメントが大きくなる。

【００１１】

【実施例】図１に本発明の実施例を示す。複数の濾板１
で構成されるフィルタープレスの各濾室７にて形成され
る泥水等の脱水処理後のケーキ５を濾室７から自動的の
剥離するための開枠動作の支持架台８に各濾板１が載架
される。

【００１２】各濾板１に開閉アーム２の一端がピン接合
され、開閉アーム２の他端はリンク機構を構成するべく
相互にピン接合部６にてピン接合される。該ピン接合部
６より昇降アーム９が懸垂され、該アーム９下端には２
本のロッド１０が相互にかつ濾板１表面に平行かつ水平
に付設される。

【００１３】濾布３は、対応する濾板１に対して上方が
脱着自在であり、下方は濾板１に固着してある。さらに
図２で詳細を示すように、濾布３の上方を上下移動可能
な程度の間隙を持たせて上記の２本のロッド１０の間を
通してピン接合部６と濾布３上端部をバネ４にて連結し
たものである。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、別のア
ームと一対のロッドを付加した簡単な構造で、ケーキに
一層の傾動角を付与し濾布への付着力の強いケーキの自
動剥離を容易にする効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の実施例を示す図

【図２】図１を部分拡大した斜視図

【図３】従来の装置の例を示す図

【符号の説明】

１ 濾板 ２ 開閉アーム ３ 濾布 ４ バネ ６ ピン接合部 ７ 濾室 ９ 昇降アーム １０ ロッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 濾室７を形成する濾板１間に一端を濾板
   側に他端を相互にピン接合して橋絡する開閉アーム２を
   設け、前記濾室７に対応する一対の濾布３の上端縁を相
   互に接続し、前記開閉アーム２のピン接合部６と前記濾
   布３の上端縁接合部とをバネ４機構にて連結してなるフ
   ィルタープレスの自動剥離装置において、前記開閉アー
   ム２のピン接合部６に昇降アーム９を懸垂し、該昇降ア
   ーム９の下端部に濾板１と平行かつ水平に２本のロッド
   １０を付設し、前記一対の濾布３の上方部を該２本のロ
   ッド１０間に通して懸張したことを特徴とするフィルタ
   ープレスの自動剥離装置。