JPH0549480A - C型チトクロム遺伝子及び酸化発酵法 - Google Patents

C型チトクロム遺伝子及び酸化発酵法

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JPH0549480A
JPH0549480A JP23857991A JP23857991A JPH0549480A JP H0549480 A JPH0549480 A JP H0549480A JP 23857991 A JP23857991 A JP 23857991A JP 23857991 A JP23857991 A JP 23857991A JP H0549480 A JPH0549480 A JP H0549480A
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cytochrome
plasmid
dna
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JP23857991A
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Hirohiko Takeda
裕彦 竹田
Toshio Shimizu
俊雄 清水
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】チトクロムC−553(CO)遺伝子を組み込
んだ新規プラスミドを得、さらに該プラスミドを導入し
て新規細胞を得て、該細胞を酸化発酵に用いる。 【効果】チトクロムC−553(CO)遺伝子を含むプ
ラスミドおよび該プラスミドを保有した細胞を利用して
酸化発酵を行うことにより、該発酵の生産性を向上させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、C型チトクロム遺伝
子、該C型チトクロム遺伝子を含むプラスミド、該プラ
スミドを保有する細胞、および、該細胞を用いることを
特徴とする酸化発酵法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化発酵においては、空気中の酸素を消
費しながら基質を不完全酸化して中間代謝産物を大量に
蓄積する。これは、有機化合物の生物変換における反応
の中でもっとも重要なものの一つである。この酸化発酵
を行う生物として、最もよく知られている生物の一つと
して、酢酸菌がある。この菌種における酸化反応は、主
に膜に結合した酵素によって行われていて、これらの酵
素や電子伝達系については、多くの研究が行われている
(飴山實、日本農芸化学会誌、第63巻、1185頁〜
1193頁、1988年)。酢酸菌の一種であるグルコ
ノバクター サブオキシダンスについては、特に詳細に
研究が進んでおり、細胞膜電子伝達鎖中のチトクロム成
分が、単離精製されている。これらのチトクロム成分と
しては、C型とO型のみが知られている。このO型は、
末端酸化酵素としてのチトクロムOであり、シアン感受
性で、ユビキノールオキシダーゼ活性があり、エネルギ
ー生成能を有する{Matsushita,K.et.
al.,Biochimica et Biophys
ica Acta 894,304−312(198
7)}。またC型チトクロムについては、チトクロムC
−553(CO){Matsushita,K.et.
al.,FEMS Microbiol.Lett.1
0,267−270(1981)},チトクロムC−5
51(CO){Ameyama M.et.al.,A
gric.Biol.Chem.51,2943−29
50(1987)}等が精製されている。一方、同菌種
の細胞膜電子伝達系には、シアンで阻害されやすい経路
の他に、シアンで阻害されにくいバイパスが存在してい
る事が示されている{Ameyama,M.et.a
l.,Agric.Biol.Chem.51,294
3−2950(1987)}。更に、このシアンで阻害
されにくく、エネルギー生成能をもたないバイパスに
は、C型チトクロムの一種であるチトクロムC−553
(CO)が深く関与している事が示されている{Mat
sushita,K.et.al.,Agric.Bi
ol.Chem.53,2895−2902(198
9)}。また、本チトクロムC−553(CO)の還元
型は、一酸化炭素と結合して553nm付近、522n
m付近、415nm付近にそれぞれα,β,γ吸収帯を
示し、酸素と反応する末端酸化酵素のような性質を有し
ている{Matsushita,K.et.al.,F
EMS Microbiol.Lett.10,267
−270(1981)}。これは、呼吸系に存在してチ
トクロムオキシダーゼやそれに準じる酵素に対する直接
の電子供与体となっているという一般的なC型チトクロ
ムの性質と異なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】酸化発酵では、通常高
濃度の基質が酸化されるので、そこから出る電子は極め
て多いと考えられる。この多量の電子の流れが、全てチ
トクロムOを通過すれば、必要以上のエネルギーを生成
してしまい、生物にとって不都合になる可能性が高く、
逆にチトクロムOを流れる電子の流れを任意に強化する
ことは困難であると思われる。
【0004】従って、酸化発酵の酸化能を強化する場
合、エネルギー生成能を持たない電子の流れを強化した
方が、任意に酸化能を強化できる可能性が高い。つま
り、シアンで阻害されにくくエネルギー生成能を持たな
い前述のバイパス経路を強化することが、酸化発酵能増
強に有効であると考えられる。
【0005】しかし、このバイパス経路に深く関与して
いるチトクロムC−553(CO)遺伝子を利用して、
このバイパス経路を活用する研究はなされていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、永年にわ
たり、チトクロムC−553(CO)遺伝子の単離の研
究を続けた結果、配列番号1に示されたアミノ酸配列を
コードする塩基配列を有していることを特徴とするC型
チトクロム遣伝子を単離し、配列番号1に示されたアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子を含んで
いることを特徴とするプラスミドを作製し、配列番号1
に示されたアミノ酸をコードする塩基配列を有する遺伝
子を含むプラスミドを保有していることを特徴とする細
胞を育種し、配列番号1に示されたアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列を有する遺伝子を含むプラスミドを保有
した細胞を用いることを特徴とする酸化発酵法を実施で
きるようにし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、配列番号1のアミノ
酸配列をコードする塩基配列を有していることを特徴と
するC型チトクロム遺伝子配列番号1に示されたアミノ
酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子を含んでい
ることを特徴とするプラスミド、配列番号1に示された
アミノ酸をコードする塩基配列を有する遺伝子を含むプ
ラスミドを保有していることを特徴とする細胞、およ
び、配列番号1に示されたアミノ酸配列をコードする塩
基配列を有する遣伝子を含むプラスミドを保有した細胞
を用いることを特徴とする酸化発酵法である。
【0008】チトクロムC−553(CO)は、FEM
S Microbiol.Lett.10,267−2
70(1981)に記載されたC型チトクロムであり、
分子量が約48000のヘムCを含む蛋白質である。チ
トクロムC−553(CO)は、グルコノバクター
ブオキシダンス IFO 12528に代表される一群
のチトクロムC−553(CO)生産能を有するグルコ
ノバクター属細菌によって生産される。このチトクロム
C−553(CO)遺伝子を含むDNA断片は、同チト
クロムC−553(CO)を生産するグルコノバクター
属細菌の保有する全DNAから単離することができる。
この全DNAの調製は、常法に従えばよいが、例えば、
日本生化学会編、生化学実験講座2、核酸の化学I、分
離精製、東京化学同人、1977年の方法等を用いて行
うこともできる。この全DNAから、例えば、実施例に
示されているような方法、すなわち、チトクロムC−5
53(CO)をコードする遺伝子に対するオリゴデオキ
シヌクレオチドプローブを合成し、同プローブを32
で標識した後、同32P標識プローブのハイブリダイゼ
イションを利用し、目的の遺伝子を含むクローンを選択
する方法、等によりチトクロムC−553(CO)遺伝
子を含むDNA断片を単離することができる。
【0009】このチトクロムC−553(CO)に対す
るオリゴデオキシヌクレオチドプローブは、精製された
チトクロムC−553(CO)の部分アミノ酸配列をも
とにして、例えば、アプライドバイオシステム社のDN
A合成機モデル380A等のDNA合成機を用いたり、
日本生化学会論、続生化学実験講座I、遺伝研究法I、
核酸の化学と分析技術、東京化学同人1986年に記載
された方法等を用いることにより、化学合成することが
できる。
【0010】精製チトクロムC−553(CO)は、こ
のチトクロムC−553(CO)を生産している生物よ
り単離精製することができる。例えば、グルコノバクタ
ーサブオキシダンス IFO 12528から、Mat
sushita,K.et.al.,FEMS Mic
robiol.Lett.10,267−270(19
81)に示された方法に従い、対数増殖期後期の菌体か
らフレンチプレスで破砕して膜画分を集め、0.2%ト
リトンX−100で可溶化し、DEAE−セルロースや
CM−セルロースを用いたカラムクロマトグラフィーを
行って、精製チトクロムC−553(CO)を取得する
ことができる。
【0011】精製チトクロムC−553(CO)の部分
アミノ酸配列は、臭化シアンやアルギニルエンドペプチ
ダーゼ等により限定分解を行い、得られた限定分解ペプ
チドを、例えば液体クロマトグラフィー等で単離精製し
た後、例えばエドマン分解法、日本生化学会編、生化学
実験講座I、蛋白質の化学II、一次構造決定法、東京
化学同人 1976年、等により、アミノ酸配列を決定
することができる。また、精製チトクロムC−553
(CO)のN末端アミノ酸配列やC末端アミノ酸配列を
利用してもよい。
【0012】本発明においてIFO番号の付された微生
物は、財団法人発酵研究所発行のリスト・オブ・カルチ
ャーズ1988年第8版(Institute for
Fermentation Osaka List
of Cultures 1988 eighth e
dition)に収載されており、該発酵研究所から入
手することができる。
【0013】ジーンバンクの作製には、全DNAを適当
な制限酵素で切断したものと、切断したDNA断片と連
結可能な制限酵素切断末端を生じる制限酵素で切断した
ベクターとをT4DNAリガーゼにより連結し、その連
結物により大腸菌宿主を形質転換する。このベクターと
しては、例えばpUC18,pCU19,M13mp1
8RF,M13mp19RF等の大腸菌のベクターを用
いることができる。大腸菌の形質転換法は、常法に従え
ばよいが、なるべく遺伝子導入効率の高い形質転換法、
例えば、Hanahan,D.J.Mol.Biol.
166,557−580(1983)に準じて行うこと
が好ましい。得られた形質転換株の中から目的とする遺
伝子を保有する株を検出するためには、放射性又は蛍光
性の標識をもったプローブを用いて、例えばコロニーハ
イブリダイゼイション又はプラークハイブリダイゼイシ
ョン等の手法{T.Maniatis et al.,
Molecular Clonig A Labora
try Manual,Cold Spring Ha
rbor Laboratry(1982)}により、
目的とするDNA断片を保有する菌株を得ることができ
る。単離したDNA断片に一部の遺伝子しか含まれてい
ない場合には、既に得られている遺伝子をプローブとし
て前記と同様なハイブリダイゼイションの手法により、
目的のDNA断片を単離することによって、目的遺伝子
全体を得ることができる。
【0014】このようにして単離したチトクロムC−5
53(CO)の構造遺伝子を含むDNA断片を用いて、
同構造遺伝子産物を生成させるためには、同構造遺伝子
を含むDNA断片を宿主内でプロモーター活性を有する
遺伝子とを発現可能な状態で連結する必要がある。グル
コノバクター属やアセトバクター属の微生物内で、この
新たに移入した構造遺伝子を発現させるために用いるプ
ロモーターとしては、チトクロムC−553(CO)遺
伝子本来のプロモーターも使用できるが、酢酸菌由来の
他のプロモーター活性を有する遺伝子や同宿主内で発現
可能な他の微生物由来のプロモーター活性を有する遺伝
子も使用できる。他の微生物由来のプロモーターとして
は、例えば、大腸菌プラスミドpBR322のアンピシ
リン耐性遺伝子やpACYC177のカナマイシン耐性
遺伝子のプロモーター等が挙げられる。過剰に、同構造
遺伝子産物が生成されて宿主の生育等に影響を及ぼす場
合には、遺伝子の発現を制御するために、適当なプロモ
ーターを選択する必要がある。遺伝子発現の結果、分子
量の異なる蛋白質が生成される可能性もあるが、チトク
ロムC−553(CO)本来の機能を有していれば、同
蛋白質を利用することは可能である。
【0015】チトクロムC−553(CO)遺伝子を発
現させる宿主として、酢酸菌、大腸菌、枯草菌など遺伝
子操作が可能なものであれば、それぞれの宿主内でプロ
モーター活性を有する遺伝子と発現可能な状態で連結し
て使用することができる。この場合使用するベクターと
しては、例えば、酢酸菌ではpMG101、大腸菌では
pBR325、枯草菌ではpUB110等が挙げられ
る。また、酢酸菌、大腸菌等複数の宿主で使用可能なシ
ャトルベクターを用いることもできる。
【0016】遺伝子において、突然変異や遺伝子操作等
によって変化が生じても、その遺伝子産物が生成され存
在することによって酸化発酵の生産性を向上させる機能
を有していれば、変化したC型チトクロム遺伝子を用い
ても、本発明のプラスミド及び該プラスミドを保有した
細胞及び該細胞を用いた酸化発酵法に含まれる。
【0017】酸化発酵とは、微生物により空気中の酸素
を消費しながら基質の不完全酸化で中間代謝産物を大量
に蓄積することで、化合物の微生物変換の一つである。
例えば、エタノールから酢酸が生成される酢酸発酵、グ
ルコースからグルコン酸が生成されるグルコン酸発酵、
ソルビトールからソルボースが生成されるソルボース発
酵、グリセリンからジヒドロキシアセトンが生成される
ジヒドロキシアセトン発酵、グルコースから2−ケトグ
ルコン酸、5−ケトグルコン酸、2,5−ジケトグルコ
ン酸及び種々の有機酸が生成される発酵が知られてい
る。また、多段階の反応を経て構造の著しく異なる物質
を生成する場合であっても、本発明に示しした方法によ
り発酵微生物を改良して発酵生成物の生産性を改善した
場合は、本発明の酸化発酵に含まれる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明は、本実施例によって限定されるものではない。本
実施例において、遺伝子操作に関する一般的な技法は、
T.Maniatis et al.,Molecul
ar cloning ALaboratory Ma
nual,Cold Spring Harbor L
aboratory 1982に準じた。
【0019】工程1 チトクロムC−553(CO)精製 (1)グルコノバクター サブオキシダンス IFO
12528の培養工程 グルコン酸ナトリウム2%(w/v)、グルコース0.
5%(w/v)、グルセリン0.3%(w/v)、酵母
エキス0.3%(w/v)、ポリペプトン0.2%(w
/v)、ポテトエクストラクト20%(v/v)の組成
の培地(pH6.5)100mlを500mlの容振盪
フラスコに分注し、常法にしたがって滅菌後、グルコノ
バクター サブオキシダンス IFO 12528の斜
面培養物からその一白金耳を埴菌し、30℃で25時間
振盪培養した。同培養液1.5lを301の培地(上記
培地よりポテト・エクストラクトを除いた培地)に入れ
た。501容ジャーファーメンターで、温度30℃、通
気1vvm、撹拌500rpmで、24時間培養した。
【0020】(2)膜画分調製工程 前記工程1−(1)培養工程により得られた培養液(3
01)から集められた湿菌体(110g)を、冷蒸留水
で2回洗浄後、0.01Mリン酸緩衝液(pH6.0)
に懸濁した。同懸濁液フレンチプレス(20000ps
i)に供し、菌体を破砕し、5000g、10分間の遠
心分離により、無細胞抽出液を得た。この抽出液を、1
30000g、60分の超遠心分離を行い、沈殿区分を
膜画分とした。
【0021】(3)可溶化工程 前記工程1−(2)で得られた膜画分を蛋白質濃度10
mg/mlとなるように、0.01Mリン酸緩衝液(p
H6.0)に懸濁ののち、0.2%濃度となるようにト
リトンX−100を添加して、0℃で30分間撹拌し
た。得られた液を、68000g、90分間の超遠心分
離を行い、上清区分を可溶化画分とした。
【0022】(4)DEAE−セルロースカラム工程 前記工程1−(3)で得られた可溶化画分(210m
l)を、0.1%トリトンX−100を含む0.01M
リン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したDEAE−セ
ルロースカラム(2.5×22cm)にチャージしたの
ち、同リン酸緩衝液での洗浄後、0.1%トリトンX−
100を含む0.03Mリン酸緩衝液(pH6.0)で
溶出した。溶出液を18ml毎に分画し、得られた分画
について、OD420とアルコールデヒドロゲナーゼ活
性の測定を行った。アルコールデヒドロゲナーゼ活性
は、次のように測定した。先づ0.1mlの1Mエタノ
ール水溶液、0.1mlのサンプル及び0.6mlの5
0mMリン酸緩衝液(pH6.0)を混合し、25℃で
5分間置いた後、0.2mlの0.1Mフェリシアン化
カリウム水溶液を添加撹拌の後25℃で反応を行った。
硫酸第二鉄−デュパノール試薬{Fe(SO
xHO 5g、ドデシル硫酸ナトリウム3g、85%
リン酸 95mlを蒸留水で溶解して11とする。}
を、5分後に0.5ml添加して反応を停止させた。2
5℃で30分置いた後、蒸留水3.5mlを添加し、撹
拌の後OD660を測定した。測定の結果、OD420
の値が高く、アルコールデヒドロゲナーゼ活性の低い画
分を、チトクロムC−553(CO)とした。次に得ら
れた同画分を、限外濾過膜(TOYO UP−20)に
より10倍濃縮した後、0.01M酢酸緩衝液(pH
5.0)に対して一晩透析した。
【0023】(5)CM−セルロースカラム工程 前記工程1−(4)で得られた透析終了液を、0.1%
トリトンX−100を含む0.01M酢酸緩衝液(pH
5.0)で平衡化したCM−セルロースカラム(1.5
×7.5cm)にチャージしたのち、同酢酸緩衝液(p
H5.0)での洗浄後、0.1%トリトンX−100を
含む0.04M酢酸緩衝液で溶出した。OD420の測
定により、チトクロムC−553(CO)画分(蛋白質
量濃度0.48mg/ml、液量10.5ml)を得
た。蛋白質の測定には、改良ローリー法{J.R.Du
lley and P.A.Grieve.Anal.
Biochem.,64,136−141(197
5)}を用いた。なお、同測定の標準物質は牛血清アル
ブミンとした。
【0024】工程2 チトクロムC−553(CO)の部分アミノ酸配列の決
定 (1)アルギニルエンドペプチターゼによる限定加水分
解 前記工程1−(5)より得たチトクロムC−553(C
O)画分700μlの緩衝液置換を、セントリコン10
(アミコン社製)により行った後、アルギニルエンドペ
プチターゼ(宝酒造株式会社製)処理を、反応液220
μl{50mMTris・HCl(pH8.0),2μ
gアルギニルエンドペプチターゼ}中で、37℃にて1
8時間行った。
【0025】(2)限定加水分解ペプチドの単離 前記工程2−(1)で得られたアルギニルエンドペプチ
ターゼ反応液200μlについて、下記液体クロマトグ
ラフィー条件により、アルギニルエンドペプチターゼ限
定加水分解ペプチドを、2種類(ペプチド分画I、ペプ
チド分画II)分画した。 (液体クロマトグラフィー条件) カラム:半井化学コスモシール 5C4−300パック
ドカラム 溶媒:0.1%トリフルオロ酢酸を含有したアセトニト
リル−水混合溶媒。同混合溶媒において、アセトニトリ
ル濃度を、10%から74%まで変化させた。 溶媒流速:0.8ml/分 検出:UV280nm
【0026】(3)限定加水分解ペプチドのアミノ酸配
列の決定 前記工程2−(2)で得られたペプチド分画I、ペプチ
ド分画IIにそれぞれ含まれているペプチドのアミノ酸
配列は、アプライドバイオシステム社の気相プロテイン
シーケンサー モデル470Aにより、分析した。その
結果、ペプチド分画I、ペプチド分画IIにそれぞれ含
まれていた限定加水分解ペプチドI及び限定加水分解ペ
プチドIIのそれぞれのN末端アミノ酸配列が、配列番
号2,3のアミノ酸配列であることが明らかとなった。
【0027】工程3 オリゴデオキシヌクレオチドプローブの合成 前記工程2−(3)でN末端アミノ酸配列が明らかとな
った限定加水分解ペプチドIの部分アミノ酸配列(Ly
s−Gly−Trp−Gly−Asn−Asn−Al
a)をもとにした下記に示したオリゴデオキシヌクレオ
チドを、チトクロムC−553(CO)遺伝子のクロー
ニングのためのプローブとした。下記に示した塩基配列
を有する8種類のオリゴデオキシヌクレオチド(配列番
号4から配列番号11)の混合物を、アプライドバイオ
システム社のDNA合成機モデル380Aを用いて合成
した。アプライドバイオシステム社のプロトコールに従
い、高速液体クロマトグラフィーで2回の精製を行い、
約100μgを回収した。
【0028】(オリゴデオキシヌクレオチドの塩基配
列) a.5’−GCATTATTICCCCAICCTTT
−3’、 b.5’−GCATTATTICCCCAICCCTT
−3’、 c.5’−GCATTGTTICCCCAICCTTT
−3’、 d.5’−GCATTGTTICCCCAICCCTT
−3’、 e.5’−GCGTTATTICCCCAICCTTT
−3’、 f.5’−GCGTTATTICCCCAICCCTT
−3’、 g.5’−GCGTTGTTICCCCAICCTTT
−3’及び h.5’−GCGTTGTTICCCCAICCCTT
−3’。 (上記オリゴタクレオチドの塩基配列において、 A:デオキシアデニル酸、 C:デオキシシチジル酸、 G:デオキシグアニル酸、 T:チミジル酸、 I:デオキシイノシン酸 残基をそれぞれ示している。)
【0029】工程4 チトクロムC−553(CO)遺伝子を含むDNA断片
の単離 ソルトビール50g/l、酵母エキス10g/l、ペプ
トン5g/l、炭酸カルシウム3g/lの組成の培地1
00mlを500ml容振盪フラスコに分注し、常法に
したがって滅菌後、グルコノバクター サブオキシダン
IFO 12528の斜面培養物からその一白金耳
を植菌し、30℃で2日間培養した。同培養液1.5l
より湿菌体2.7gを集菌し、無菌水で清浄後、25m
MTris・HCl(pH8.0)、50mM EDT
Aの緩衝液32mlに懸濁した。同懸濁液に、リゾチウ
ム液(40mg/ml)を0.8ml添加撹拌し、37
℃で1時間の後、プロナーゼ液(2mg/ml)を4m
l添加撹拌した。室温で15分間置いた後、10%のド
デシル硫酸ナトリウム液4ml添加撹拌後、37℃で1
時間反応させた。更に55℃で10分間加熱した後同反
応液に、50mMTris.HCl(pH8.0)、5
mM EDTA、100mM塩化ナトリウム緩衝液で飽
和させたフェノール40mlを添加し、10分間抽出し
た後、遠心分離により上層液を分離した。上記の緩衝液
飽和フェノール・クロロホルム(1:1)40mlで5
分間抽出した後、遠心分離により上層液を分離した。同
操作を更にもう一度実施しした後、得られた上層液に、
最終濃度40μg/mlになるようにRNaseを添加
し、撹拌の後37℃で一時間反応させた。同反応液35
mlに7mlの5M塩化ナトリウム水溶液と8.75m
lの50%(w/v)ポリエチレングリコール6000
水溶液とを添加し、撹拌の後、DNA沈澱をガラス棒で
まき取った。得られたDNA沈澱を、70%エタノール
で洗浄の後、1mM Tris.HCl(pH8.
0)、0.1mM EDTAの緩衝液10mlに溶解し
た。同DNA液に、1mlの3M酢酸ナトリウム水溶液
と24mlの冷エタノールとを添加してDNAを沈澱さ
せた。このDNA沈澱をガラス棒でまきとり70%エタ
ノールで洗浄した後、1mM Tris・HCl(pH
8.0)、0.1mM EDTAの緩衝液5mlに溶解
した。OD260の測定により、同液のDNA濃度は、
0.6mg/mlであった。
【0030】この調製した全DNAを制限酵素EcoR
I(宝酒造株式会社製)で切断後、1%アガロースゲル
電気泳動を行い、約1kbから約2kbのDNA断片を
含むアガロースゲルを切り出した。これをフナコシ社よ
り購入したジーンクリーン(GENECLEANTM
を用いて、同社のプロトコールに従い、約1kbから約
2kbのDNA断片を分取した。尚、同プロトコールと
同様な方法は、Struhl,K.,BioTechn
iques.3,452(1985)にも記載されてい
る。取得したこの約1kbから約2kbのDNA断片と
制限酵素EcoRIで切断した後、細菌性アルカリホス
ファターゼ(宝酒造株式会社製)で脱リン酸化した大腸
菌ベクターM13mp19RF(宝酒造株式会社製)と
を、T4DNAリガーゼ(宝酒造株式会社製)を用いて
連結した。このリガーゼ反応液を用いて、大腸菌DH5
αのコンピタントセル(BRL社製)を、BRL社のプ
ロトコールに従い形質転換し、大腸菌DH5αF’(B
RL社製)を指示菌として約2000個の形質転換株を
得た。
【0031】得られたこれらのプラークを、ニトロセル
ロースフィルターに転写し、プローブとして5’末端を
放射性32Pで標識した合成オリゴデオキシヌクレオチ
ド(前記工程3にて合成した)を用いて、50℃で90
分間のハイブリダイゼイションを行った。次に同ニトロ
セルロースフィルターを、6XSSC液(0.9M塩化
ナトリウム、90mMクエン酸ナトリウム、0.6%ド
デシル硫酸ナトリウム)中、室温下10分間洗浄し、更
に同液にて40℃、5分間の洗浄の後、オートラジオグ
ラフィーを行った。その結果、プローブと強くハイブリ
ダイズするDNAを保有する菌株を1株取得した。次に
同菌株の保有するプラスミドDNAをアルカリ溶菌法に
より100μg抽出し、その一部を用いて制限酵素地図
を作成した。その結果、得られたプラスミドは、前記工
程3のプローブとハイブリダイズする約1.5kbのE
coRI断片がM13mp19RFのマルチプルクロー
ニングサイトのEcoRIサイトに組み込まれたもので
あった。
【0032】工程5 塩基配列の決定 前記工程4で分離した約1.5kbのEcoRI断片の
塩基配列は、同DNA断片を、適当な長さに切出し、種
々の断片をM13ベクターにサブクローニングしたの
ち、サンガーらの方法(Sanger,F,Scien
ce 第214巻、1205−1210(1981)な
ど)に基づき、挿入部分の塩基配列を決定した。具体的
な実験操作は、7−DEAZAシーケンスキット(宝酒
造株式会社製)を用いて、同キットのプロトコールに準
じた。尚、プロトコールと同様な方法は、Mizusa
wa,S.et al.Nucleic Acids
Res.,14,1319−1324(1986)にも
記載されている。M13ベクターへのサブクローニング
操作においては、約1.5kbのEcoRI断片中に存
在する制限酵素切断部位を利用した。
【0033】決定した塩基配列について、翻訳可能領域
を調べたところ、1062塩基からなるアミノ酸354
残基(分子量37840)をコードする翻訳可能領域の
C末端側{配列番号1の第373番目の塩基(G)から
第1434番目の塩基(A)}の遺伝子が存在している
ことが明らかとなった。しかしながら細胞膜より単離さ
れたチトクロムC−553(CO)の分子量が、480
00であることより、前記工程4で分離した約1.5k
bのEcoRI断片には、チトクロムC−553(C
O)のN末端側をコードする遺伝子は含まれていないこ
とがわかった。
【0034】工程6 チトクロムC−553(CO)遺伝子のN末端側の遺伝
子を含むDNA断片の単離 前記工程4で取得したグルコノバクター サブオキシダ
ンス IFO 12528の全DNAを、制限酵素Sp
hI(宝酒造株式会社製)で切断後、1%アガロースゲ
ル電気泳動を行い、約1kbから約3kbのDNA断片
を含むアガロースゲルを切り出した。これをフナコシ社
より購入したジーンクリーン(GENECLEA
TM)を用いて、同社のプロトコールに従い、約1k
bから約3kbのDNA断片を分取した。この断片と、
制限酵素SphIで切断した後、細菌性アルカリホスフ
ァターゼ(宝酒造株式会社製)で脱リン酸化した大腸菌
ベクターM13mp19RF(宝酒造株式会社製)と
を、T4DNAリガーゼ(宝酒造株式会社製)を用いて
連結した。このリガーゼ反応液を用いて、大腸菌DH5
αのコンピタントセル(BRL社製)を、BRL社製の
プロトコールに従い形質転換し、大腸菌DH5αF’
(BRL社製)を指示菌として約1500個の形質転換
株を得た。得られたこれらのプラークを、ニトロセルロ
ースフィルターに転写した。
【0035】本工程で使用したプローブは、次に示す方
法により作製した。前記工程4で取得したプラスミドD
NA20μgを制限酵素EcoRIとSphIとで消化
したのち、1%アガロースゲル電気泳動を行い、約0.
5kbのDNA断片を含むアガロースゲルを分画した。
同アガロースゲル分画より、フナコシ社より購入したジ
ーンクリーン(GENECLEANTM)を用いて、同
社のプロトコールに従い、約0.5kbのEcoRI−
SphI断片を抽出単離した。このDNA断片50ng
について、アマーシャム社より購入したマルチプライム
DNA標識システム(MultiprimeTMDNA
labelling system)を用い、これに
付属するプロトコールに従い、(α−32P)デオキシ
シチジル酸3リン酸(dCTP)で標識したプローブを
作製した。尚、同プロトコールと同様な方法は、Fei
nberg,A.P.etal.Analytical
Biochemistry.132、6−13、(19
83)に記載されている。こうして得た反応液を、ファ
ルマシア社より購入したニックカラム(NickTM
olumn)を用いた精製に供し、本工程で使用するプ
ローブを得た。
【0036】本工程で調製したジーンバンクを転写した
ニトロセルロースフィルターとプローブとを用いて、4
2℃で一晩のハイブリダイゼイションを行った。次に同
ニトロセルロースフィルターを、5XSSPE液(0.
9M塩化ナトリウム、0.05Mクエン酸ナトリウムp
H7.7、0.0005Mエチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム)中、室温下30分間洗浄し、更に0.1%の
ドデシル硫酸ナトリウムを含んだ1XSSPE液(前記
5XSSPE液を5倍に希釈した液)にて42℃、30
分間の洗浄の後、オートラジオグラフィーを行った。そ
の結果、プローブと強くハイブリダイズするDNAを保
有する菌株を9株取得した。次に同菌株の保有するプラ
スミドDNAを、簡便アルカリ溶菌法により抽出し、そ
れぞれの制限酵素地図を作成した。その結果、得られた
プラスミドには、本工程で作成したプローブとハイブリ
ダイズする約2kbのSphI断片が、M13mp19
RFのマルチプルクローニングサイトのSphIサイト
に正逆2方向にそれぞれ組み込まれた複合プラスミドが
それぞれ存在していた。
【0037】工程7 チトクロムC−553(CO)遺伝子のN末端側の構造
遺伝子の塩基配列の決定 前記工程6で分離した約2kbのSphI断片の塩基配
列は、ヘニコフらのデリーション方法{Henikof
f,S,Gene 第28巻、351−359(198
4)など}に基づき、種々の長さの挿入断片を有するM
13サブクローン作製した後、前記5の方法により挿入
部分の塩基配列を決定した。種々の長さの挿入断片を有
するM13のサブクローンを作製の具体的な実験操作
は、キローシーケンス デレーション キット(宝酒造
株式会社製)を用いて、同キットのプロトコールに準じ
た。
【0038】決定した塩基配列について、翻訳可能領域
を調べたところ、378塩基からなるアミノ酸126残
基(分子量13651)をコードする翻訳可能領域のN
末端側{配列番号1の第1番目の塩基(A)から第37
8番目の塩基(C)}の遺伝子が存在していることが明
らかとなった。尚、第378番目以降の塩基配列は、前
記工程5で決定した塩基配列と完全に一致していた。
【0039】工程8 チトクロムC−553(CO)の全構造遺伝子を含むD
NA断片の構築 (1)M13mp18RFのEcoRIサイトへの約
1.5kbのEcoRI断片の組み込み 前記工程4で取得したプラスミドDNA10μgを、制
限酵素EcoRIで消化したのち、1%アガロースゲル
電気泳動を行い、約1.5kbのDNA断片を含むアガ
ロースゲルを分画した。同アガロースゲル分画より、フ
ナコシ社より購入したジーンクリーン(GENECLE
ANTM)を用いて、同社のプロトコールに従い、約
1.5kb EcoRI断片を抽出単離した。
【0040】制限酵素EcoRI切断した後細菌性アル
カリホスファターゼ(宝酒造株式会社製)で脱リン酸化
した大腸菌ベクターM13mp18RF(宝酒造株式会
社製)とを、T4DNAリガーゼ(宝酒造株式会社製)
を用いて連結した。このリガーゼ反応液を用いて、大腸
菌DH5αのコンピタントセル(BRL社製)を、BR
L社のプロトコールに従い形質転換した。得られた形質
転換株6株について、同菌株の保有するプラスミドDN
Aを簡便アルカリ溶菌法により抽出し、それぞれの制限
酵素地図を作成した。その結果、得られたプラスミドに
は、本工程で単離した約1.5kbのEcoRI断片
が、M13mp18RFのマルチプルクローニングサイ
トのEcoRIサイトに正逆2方向にそれぞれ組み込ま
れた複合プラスミドがそれぞれ存在していた。
【0041】(2)C末端側の遺伝子を含むDNA断片
の単離 前記工程8−(1)で取得した2種のプラスミドのう
ち、チトクロムC−553(CO)遺伝子のC末端部分
がM13mp18RFベクターのマルチプルクローニン
グサイトのXbaIサイトのより近くに位置する方のプ
ラスミドDNA10μgを、制限酵素PstIとXba
Iとで消化したのち、1%アガロースゲル電気泳動を行
い、約1.5kbのDNA断片を含むアガロースゲルを
分画した。同アガロースゲル分画より、フナコシ社より
購入したジーンクリーン(GENECLEANTM)を
用いて、同社のプロトコールに従い、約1.5kbのP
stI−XbaI断片を抽出単離した。
【0042】(3)チトクロムC−553(CO)全構
造遺伝子の構築 プローブとハイブリダイズする約2kbのSphI断片
がM13mp19RFのマルチプルクローニングサイト
のSphIサイトに正逆2方向にそれぞれ組み込まれた
2種のプラスミド(前記工程6で調製した)のうち、チ
トクロムC−553(CO)構造遺伝子のC末端側の遺
伝子へとつながっている部分がM13mp19RFベク
ターのマルチプルクローニングサイトのXbaIサイト
のより近くに位置する方のプラスミドDAN10μg
を、制限酵素PstIとXbaIとで消化したのち、1
%アガロースゲル電気泳動を行い、約9kbのDNA断
片を含むアガロースゲルを分画した。同アガロースゲル
分画より、フナコシ社より購入したジーンクリーン(G
ENECLEANTM)を用いて、同社のプロトコール
に従い、約9kbのPstI−XbaI断片を抽出単離
した。
【0043】この約9kbのPstI−XbaI断片と
前記工程8−(2)で単離した約1.5kbのPstI
−XbaI断片とを、T4DNAリガーゼ(宝酒造株式
会社製)を用いて連結した。このリガーゼ反応液を用い
て、大腸菌DH5αのコンピタントセル(BRL社製)
をBRL社のプロトコールに従い形質転換した。得られ
た形質転換株6株について、同菌株の保有するプラスミ
ドDNAを、簡便アルカリ溶菌法により抽出し、それぞ
れの制限酵素地図を作成した。その結果、得られたプラ
スミドには全て、約3kbのSphI−EcoRI断片
が含まれていた。この約3kbのSphI−EcoRI
断片は、前記工程4でクローニングした約1.5kbの
EcoRI断片及び、前記工程6でクローニングした約
2kbのSphI断片を、全てその断片内に含んでい
た。
【0044】本工程で取得した約3kbのSphI−E
coRI断片を含むプラスミドDNAは、同プラスミド
の保有菌から、前記工程4のアルカリ溶菌法により、1
50μg抽出された。同プラスミドDNA20μgを制
限酵素HindIIIとBglIIとで消化したのち、
1%アガロースゲル電気泳動を行い、約2.1kbのD
NA断片を含むアガロースゲル分画した。同アガロース
ゲル分画より、フナコシ社より購入したジーンクリーン
(GENECLEANTM)を用いて、同社のプロトコ
ールに従い、約2.1kbのHindIII−BglI
I断片を約1μg抽出単離した。この約2.1kbのH
indIII−BglIl断片の制限酵素地図を第1図
に示した。この約2.1kbのHindIII−Bgl
II断片中に、配列番号1で示した1434塩基からな
るチトクロムC−553(CO)構造遺伝子が全て含ま
れている。
【0045】(4)N末端側の遺伝子を含む0.7kb
のHindIII−PstI断片の単離 前記工程6で取得した約2kbのSphI断片がM13
mp19RFのマルチプルグルローニングサイトのSp
hIサイトに正逆2方向にそれぞれ組み込まれた複合プ
ラスミドの一方のプラスミドDNA10μgを、制限酵
素HindIIIとPstIとで消化した後、1%アガ
ロースゲル電気泳動を行い、約0.7kbのDNA断片
を含むアガロースゲルを分画した。同アガロースゲル分
画より、フナコシ社より購入したジーンクリーン(GE
NECLEANTM)を用いて、同社のプロトコールに
従い、約0.7kbのHindIII−PstI断片を
抽出単離した。
【0046】(5)ベクターpHSG398への約1.
5kbのPstI−XbaI断片の組み込み 大腸菌ベクタープラスミドpHSG398(宝酒造株式
会社製)DNA5μgを、制限酵素PstIとXbaI
とで消化した後、1%アガロースゲル電気泳動を行い、
約2.2kbのベクタープラスミド断片を含むアガロー
スゲルを分画した。同アガロースゲル分画より、フナコ
シ社より購入したジーンクリーンを用いて、同社のプロ
トコールに従い、約2.2kbのベクタープラスミドp
HSG398PstI−XbaI断片を抽出単離した。
【0047】この約2.2kbのpHSG398Pst
I−XbaI断片と前記工程8−(2)で取得した約
1.5kbのPstI−XbaI断片とを、T4DNA
リガーゼ(宝酒造株式会社製)を用いて連結した。この
リガーゼ反応液を用いて、大腸菌DH5αのコンピタン
トセル(BRL社製)を、BRL社のプロトコールに従
い形質転換した。得られた形質転換株6株について、同
菌株の保有するプラスミドDNAを簡便アルカリ溶菌法
により抽出し、それぞれの制限酵素地図を作成した。そ
の結果、得られたプラスミドは全て、ベクタープラスミ
ドpHSG398の約2.2kbのPstI−XbaI
断片に前記工程8−(2)で取得した約1.5kbのP
stI−XbaI断片が組み込まれた複合プラスミドで
あった。
【0048】(6)チトクロムC−553(CO)全構
造遺伝子を含むプラスミドの構築 前記工程8−(5)で取得した複合プラスミドDNA5
μgを、制限酵素HindIIIとPstIとで消化し
た後、1%アガロースゲル電気泳動を行い、約3.7k
bの複合プラスミド断片を含むアガロースゲルを分画し
た。同アガロースゲル分画よりフナコシ社のプロトコー
ルに従い、約3.7kbのプラスミド断片を抽出単離し
た。
【0049】この約3.7kbの複合プラスミドのHi
ndIII−PstI断片と、前記工程8−(4)で取
得した約0.7kbのHindIII−PstI断片と
を、T4DNAリガーゼ(宝酒造株式会社製)を用いて
連結した。このリガーゼ反応液を用いて、大腸菌DH5
αのコンセタントセル(BRL社製)を、BRL社のプ
ロトコールに従い形質転換した。得られた形質転換株6
株について、同株の保有するプラスミドDNAを簡便ア
ルカリ溶菌法により抽出し、それぞれの制限酵素地図を
作成した。その結果、得られたプラスミドは全て、前記
工程8−(5)で取得した複合プラスミドの約3.7k
bのHindIII−PstI断片に、前記工程8−
(4)で取得した約0.7kbのHindIII−Ps
tI断片が組み込まれた複合プラスミドpCYT1であ
った。尚、複合プラスミドpCYT1を保有した大腸菌
DH5αは、受託番号微工研菌寄第11497号で、工
業技術院微生物工業技術研究所に既に寄託されている。
【0050】ところで、配列番号1の塩基配列で示され
る構造遺伝子が、チトクロムC−553(CO)をコー
ドしていることは、前記工程2−(3)で決定したアミ
ノ酸配列が全て、配列番号1の塩基配列より決まるアミ
ノ酸配列と一致したことにより確認された。具体的に
は、前記工程2−(3)において明らかとなった限定加
水分解ペプチドIのN末端アミノ酸配列は、配列番号1
の第1243番目の塩基(A)から第1281番目の塩
基(T)までの塩基配列に対応したアミノ酸配列と一致
し、同限定加水分解ペプチドIIのN末端アミノ酸配列
は、配列番号1の第1303番目の塩基(A)から第1
350番目の塩基(G)までの塩基配列に対応したアミ
ノ酸配列と一致した。
【0051】Gluconobacter subox
ydans var.α株の上記で得られた遺伝子によ
る形質転換株においては、同遺伝子由来のC型チトクロ
ムが生成され、同C型チトクロムがチトクロムC−55
3(CO)と同様の機能を有することが確認された。
【0052】(7)ベクタ−pHSG298への約2.
7kbのBamHI−SacI断片の組み込み 前記工程8−(3)で取得した約3kbのSphI−E
coRI断片を含むプラスミドDNAは、同プラスミド
の保有菌から、前記工程4のアルカリ溶菌法により、1
50μg抽出された。同プラスミドDNA20μgを制
限酵素BamHIとSacIとで消化したのち、1%ア
ガロースゲル電気泳動を行い、約2.7kbのDNA断
片を含むアガロースゲル分画した。同アガロースゲル分
画より、フナコシ社より購入したジーンクリーン(GE
NECLEANTM)を用いて、同社のプロトコールに
従い、約2.7kbのBamHI−SacI断片を約1
μg抽出単離した。この約2.7kbのBamHI−S
acI断片中に、配列番号1で示した1434塩基から
なるチトクロムC−553(CO)構造遺伝子が全て含
まれている。
【0053】大腸菌ベクタープラスミドpHSG298
(宝酒造株式会社製)DNA5μgを、制限酵素Bam
HIとSacIとで消化した後、1%アガロースゲル電
気泳動を行い、約2.7kbのベクタープラスミド断片
を含むアガロースゲルを分画した。同アガロースゲル分
画より、フナコシ社より購入したジーンクリーンを用い
て、同社のプロトコールに従い、約2.7kbのベクタ
ープラスミドpHSG298BamHI−SacI断片
を抽出単離した。
【0054】この約2.7kbのpHSG298Bam
HI−SacI断片と前記工程8−(3)で取得した約
2.7kbのBamHI−SacI断片とを、T4DN
Aリガーゼ(宝酒造株式会社製)を用いて連結した。こ
のリガーゼ反応液を用いて、大腸菌DH5αのコンピタ
ントセル(BRL社製)を、BRL社のプロトコールに
従い形質転換した。得られた形質転換株6株について、
同菌株の保有するプラスミドDNAを簡便アルカリ溶菌
法により抽出し、それぞれの制限酵素地図を作成した。
その結果、得られたプラスミドは全て、ベクタープラス
ミドpHSG298の約2.7kbのBamHI−Sa
cI断片に前記工程8−(3)で取得した約2.7kb
のBamHI−SacI断片が組み込まれた複合プラス
ミドpCYT3であった。得られたpCYT3を保有し
た大腸菌よりアルカリ溶菌法により、pCYT3を10
0μg抽出単離した。
【0055】ところで、配列番号1の塩基配列で示され
る構造遺伝子が、チトクロムC−553(CO)をコー
ドしていることは、前記工程2−(3)で決定したアミ
ノ酸配列が全て、配列番号1の塩基配列より決まるアミ
ノ酸配列と一致したことにより確認された。具体的に
は、前記工程2−(3)において明らかとなった限定加
水分解ペプチドIのN末端アミノ酸配列(配列番号2)
は、配列番号1の第1243番目の塩基(A)から第1
281番目の塩基(T)までの塩基配列に対応したアミ
ノ酸配列と一致し、同限定加水分解ペプチドIIのN末
端アミノ酸配列(配列番号3)は、配列番号1の第13
03番目の塩基(A)から第1350番目の塩基(G)
までの塩基配列に対応したアミノ酸配列と一致した。
【0056】工程9 グルコノバクター菌−大腸菌のシャトルベクターの構築 (1)グルコノバクター サブオキシダンス IFO
3130からのプラスミド断片の取得 ポリペプトン8g/l,酵母エキス5g/l,NaCl
2.5g/l,グリセリン20g/lの組成の培地50
mlを500ml容振盪フラスコに分注し、常法にした
がって滅菌後、グルコノバクター サブオキシダンス
IFO 3130の斜面培養物からその一白金耳を植菌
し、30℃で一晩振盪培養した。同培養液より集菌した
菌体について、通常大腸菌で用いられているアルカリ溶
菌法により、プラスミドを抽出した。得られたプラスミ
ドDNA20μgを制限酵素XhoI(宝酒造株式会社
製)で消化した後、1%アガロースゲル電気泳動を行
い、約2kbから約4kbのDNA断片を含むアガロー
スゲルを分画した。同アガロースゲル分画より、フナコ
シ社より購入したジーンクリーン(GENECLEAN
TM)を用いて、同社のプロトコールに従い、同分画D
NA断片を抽出単離した。
【0057】(2)大腸菌ベクターpUC18へのグル
コノバクタープラスミド断片の組み込み 前記工程9−(1)で取得したグルコノバクタープラス
ミドのDNA断片と制限酵素SalI(宝酒造株式会社
製)で切断した後、細菌性アルカリホスファターゼ(宝
酒造株式会社製)で脱リン酸化した大腸菌ベクターpU
C18(宝酒造株式会社製)とを、T4DNAリガーゼ
(宝酒造株式会社製)を用いて連結した。このリガーゼ
反応液を用いて、大腸菌DH5αのコンピタントセル
(BRL社製)を、BRL社のプロトコールに従い形質
転換した。
【0058】得られた形質転換株の保有するプラスミド
DNAをアルカリ溶菌法により抽出し、その一部を用い
て制限酵素地図を作成した。その結果、得られたプラス
ミドはpUC18のSalIサイトに、グルコノバクタ
サブオキシダンスIFO3130由来の約2.7k
bのプラスミド断片が組み込まれた複合プラスミドpG
EA1であった。
【0059】工程10 pGEA1へのチトクロムC−553(CO)全遺伝子
を含む約2.7kbのBamHI−SacI断片の組み
込み pGEA1DNA5μgを制限酵素BamHIとSac
Iとで消化した後、1%アガロースゲル電気泳動を行
い、約5.4kbのベクタープラスミド断片を含むアガ
ロースゲルを分画した。同アガロースゲル分画より、フ
ナコシ社より購入したジーンクリーンを用いて、同社の
プロトコールに従い、約5.4kbのベクタープラスミ
ドpGEA1のBamHI−SacI断片を抽出単離し
た。
【0060】この約5.4kbのpGEA1 BamH
I−SacI断片と前記工程8−(4)で取得した複合
プラスミドpCYT3のBamHI−SacI断片と
を、T4DNAリガーゼを用いて連結した。このリガー
ゼ反応液を用いて、大腸菌DH5αのコンピテントセル
(BRL社製)を、BRL社のプロトコールに従い形質
転換した。得られた形質転換株についてそれらの保有す
るプラスミドを調べた結果、pGEA1の約5.4kb
のBamHI−SacI断片に、チトクロムC−553
(CO)全遺伝子を含んだ約2.7kbのBamHI−
SacI断片が組み込まれており、該複合プラスミドp
GEAC1と命名した。得られたpGEAC1を保有し
た大腸菌より、アルカリ溶菌法により、pGEAC1を
100μg抽出単離した。
【0061】工程11 グルコノバクター菌の形質転換 YPG培地(ポリペプトン2g/l,酵母エキス5g/
l,グルコース30g/l,グルコースは加熱滅菌後、
他の加熱滅菌された培地成分と無菌条件下で混合す
る。)50mlを、500ml容振盪フラスコに分注
し、常法により滅菌後、グルコノバクター サブオキシ
ダンス IFO3254の斜面培養物からその一白金耳
を植菌し、25℃で一晩培養した。同培養液を10分間
氷冷後、氷冷した25mlのNaCl液(100mM
NaCl,5mM MgCl,10mM Tris−
HCl pH7.6)で、菌体を2回洗浄した。次に、
同洗浄菌体を、氷冷した20mlのLiCl液(400
mM LiCl,10mM Tris−HCl pH
7.6)に懸濁して、30分間氷冷した。同懸濁液より
集菌した菌体を、0.5mlのLiCl液に再度懸濁
し、コンピタントセル懸濁液とした。
【0062】同コンピタントセル懸濁液200μlを、
本形質転換に用いるプラスミドDNA10μgを含む氷
冷したTE緩衝液(1mM EDTA,10mMTri
s−HCl pH7.6)100μlと混合する。1時
間の氷冷後、氷冷したPEG液(ポリエチレングリコー
ル4000の60w/v%水溶液)300μlと混合
し、更に30分間氷冷した。同細胞感濁液を、YPG培
地5mlと混合した後、30℃で3時間振盪培養した。
同培養液を、滅菌水に適当に希釈し、アンピシリン10
0μg/mlを含有したYPG寒天培地(YPG培地に
寒天15g/lを添加した培地)に塗布し、30℃で3
日間培養した。
【0063】本グルコノバクター菌の形質転換法を用い
て、グルコノバクター サブオキシダンス IFO 3
254を、pGEA1又はpGEAC1のそれぞれのプ
ラスミドDNAにより形質転換した。
【0064】その結果、それぞれの形質転換株には、p
GEA1又はpGEAC1とそれぞれ同じ制限酵素切断
パターンを示すプラスミドが含まれており、それぞれ
ルコノバクター サブオキシダンス IFO 3254
(pGEA1)及びグルコノバクター サブオキシダン
IFO 3254(pGEAC1)と命名した。
尚、グルコノバクター サブオキシダンスIFO 32
54(pGEAC1)は、受託番号微工研菌寄第122
10号で、工業技術院微生物工業技術研究所に既に寄託
されている。以後の工程において、特にことわりのない
限り、pGEA1又はpGEAC1の保有株の培養に
は、培地にアンピシリン200μg/mlを添加した。
【0065】工程12 オキシダーゼ活性の評価 (1)菌体及び細胞膜サンプルの調製 SG培地(グルコン酸ナトリウム10g/l,ポリペプ
トン5g/l,グリセロール3g/l,ソルビトール1
0g/l,酵母エキス5g/l,グルコース5g/l,
グルコースは、加熱滅菌後、他の加熱滅菌された培地成
分と無菌条件下で混合する。)100mlを、500m
l容振盪フラスコに分注し、常法により滅菌後、グルコ
ノバクター サブオキシダンス IFO 3254,
ルコノバクター サブオキシダンス IFO 3254
(pGEA1),グルコノバクターサブオキシダンス
IFO 3254(pGEAC1)のそれぞれの斜面培
養物から、その一白金耳をそれぞれ別個の振盪フラスコ
に植菌し、30℃で一晩培養した。次にそれぞれの培養
液を、SGG培地(SG培地のグルコン酸ナトリウム濃
度を20g/lとした培地)2.4lを5l容振盪フラ
スコに分注し、常法により滅菌したそれぞれの振盪フラ
スコに移植し、30℃で2日培養した。それぞれの菌株
について得られた菌体の半分については、前記工程1−
(2)の方法により各菌株の細胞膜を分画し、残り半分
については、集菌洗浄後菌体懸濁液とした。
【0066】(2)オキシダーゼ活性の測定 前記工程12−(1)で調製した細胞膜懸濁液又は菌体
懸濁液と基質10mMとを含む3mlの緩衝液につい
て、25℃における溶存酵素濃度の減少速度をクラーク
型酸素電極により測定した。エタノール又はグルコース
を基質とした場合には、50mMリン酸カリウム緩衝液
(pH6)を用い、ソルビトール又はグリセロールを基
質とする場合には、50mMリン酸カリウム緩衝液(p
H5)を用いた。
【0067】本測定に用いた細胞膜懸濁液の蛋白質濃度
は、前記工程1−(5)で示した改良ローリー法で測定
した。各基質に対するオキシダーゼ比活性を表1に示し
た。
【0068】細胞膜サンプルについては、蛋白質1mg
当たり1分間に消費される酸素分子のマイクロモル数
で、菌体サンプルについては、乾燥菌体1mg当たり1
分間に消費される酸素分子のマイクロモル数で、各オキ
シダーゼの比活性を示した。
【0069】尚、ピロロキノリンキノンを補酵素とする
酵素があるため、細胞膜懸濁液や菌体懸濁液の各サンプ
ルについて、ピロロキノリンキノン5μM,CaCl
5mMの濃度で室温で30分間処理することにより、各
サンプルのホロ化を行い、ホロ化を行ったサンプルにつ
いて各オキシダーゼ活性の測定を行った。
【0070】工程13 酸化発酵性の評価 SG培地100mlを、500ml容振盪フラスコに分
注し、常法により滅菌後、グルコノバクター サブオキ
シダンス IFO 3254,グルコノバクターサブオ
キシダンス IFO 3254(pGEA1),グルコ
ノバクターブオキシダンス IFO 3254(p
GEAC1)のそれぞれの斜面培養物から、その一白金
耳をそれぞれ別個の振盪フラスコに植菌し、30℃で一
晩培養した。それぞれの菌体を集菌後、各取得菌体の半
分を、加熱滅菌された発酵培地50mlにそれぞれ別個
に移植し、500ml容振盪フラスコにて30℃で振盪
培養し、経時的にサンプリングを行って、各培養液の成
分を分析した。発酵培地には、酵母エキス1g/l,C
aCO10g/l,基質が含まれ、基質としては、グ
ルコース100g/l又はソルビトール100g/l又
は、エタノール30ml/lのうち一種類のみをそれぞ
れ単独で用いた。
【0071】サンプリングした各培養液のグルコン酸、
酢酸の定量には、ベーリンガー山之内株式会社より購入
したF−キットをそれぞれ用いた。また、ソルボースの
定量には、下記液体クロマトグラフィー条件を用いた。 カラム:DC−613(SHODEX) カラム温度:70℃ 溶媒:アセトニトリル:水=3:1 溶媒流速:1.2ml/min 検出器:島津RID−6Aグルコノバクター サブオキシダンス IFO 325
4,グルコノバクターサブオキシダンス IFO 32
54(pGEA1),グルコノバクター サブオキシダ
ンス IFO 3254(pGEAC1)のそれぞれの
菌株について、酢酸比生成速度、グルコン酸比生成速
度、ソルボース比生成速度をそれぞれ表2に示した。各
発酵生成物の比生成速度は、乾燥重量1gの菌体が1時
間で生成する発酵生成物のグラム数を表している。
【表1】
【表2】
【0072】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:1473 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:グルコノバクター サブオキシダンス(Glu
conobacterSuboxydans) 株 名:IFO12528 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..1437 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:1..108 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:109..1437 特徴を決定した方法:S 配列番号:2 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:3 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCATTATTiC CCCAiCCTTT 20 30配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCATTATTiC CCCAiCCCTT 20 配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCATTGTTiC CCCAiCCTTT 20 配列番号:7 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCATTGTTiC CCCAiCCCTT 20 配列番号:8 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGTTATTiC CCCAiCCTTT 20 配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGTTATTiC CCCAiCCCTT 20 配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGTTGTTiC CCCAiCCTTT 20 配列番号:11 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGTTGTTiC CCCAiCCCTT 20
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、配列番号1に示された
アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子を含
むプラスミドを作製し、該プラスミドを保有する細胞を
育種し、該細胞を用いて酸化発酵を行うことにより、該
発酵の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】約2.1kb HindIII−BglII断
片の制限酵素地図である。尚、kbは、キロベースを表
している。
【図2】実施例の工程2−(2)におけるアルギニルエ
ンドペプチダーゼ限定加水分解ペプチドの同工程で示し
た液体クロマトグラフィー条件での生成物の分離パター
ンを示している。ペプチド分画Iに対応するピークが分
離パターン中のIで示したピークであり、ペプチド分画
IIに対応するピークが図中のIIで示したピークであ
る。
【図3】pCYT3の制限酵素地図である。尚、同図面
において、太い線は、チトクロムC−553(CO)の
全遺伝子を含む約2.7kbのDNA断片を示し、細い
線は、大腸菌ベクターpHSG298由来のDNA断片
を示す。
【図4】pGEA1の制限酵素地図である。尚、同図面
において、太い線は、グルコノバクター サブオキシダ
ンス IFO 3130由来のプラスミド断片を示し、
細い線は大腸菌ベクターpUC18由来のDAN断片を
示す。
【図5】pGEAC1の制限酵素地図である。尚、同図
面において、黒色の太い線はチトクロムC−553(C
O)の全遺伝子を含む約2.7kbのDNA断片を示
し、白ぬきの太い線は、グルコノバクター サブオキシ
ダンス IFO 3130由来のプラスミド断片を示
す。また、細い線は、大腸菌ベクターpUC18由来の
DNA断片を示す。図3、図4、および図5において、
BamHI,EcoRI,HindIII,PstI,
SacI,SalI,SmaI,SphI,XbaIは
それぞれ制限酵素BamHI,制限酵素EcoRI,制
限酵素HindIII,制限酵素PstI,制限酵素S
acI,制限酵素SalI,制限速度SmaI,制限酵
素SphI,制限酵素XbaIの切断部位を示す。図4
および図5において、SalI/XhoIは、制限酵素
SalIによって切断されて生じた切断末端と制限酵素
XhoIによって切断されて生じた切断末端との接続部
位を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:01)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩
    基配列を有していることを特徴とするC型チトクロム遺
    伝子。
  2. 【請求項2】配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩
    基配列を有する遺伝子を含んでいることを特徴とするプ
    ラスミド。
  3. 【請求項3】配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺
    伝子を含むプラスミドを保有していることを特徴とする
    細胞。
  4. 【請求項4】配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩
    基配列を有する遣伝子を含むプラスミドを保有した細胞
    を用いることを特徴とする酸化発酵法。
JP23857991A 1990-06-14 1991-06-14 C型チトクロム遺伝子及び酸化発酵法 Withdrawn JPH0549480A (ja)

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JP2-154096 1990-06-14
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999020763A1 (fr) * 1997-10-17 1999-04-29 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. D-sorbitol deshydrogenase, genes et utilisation de celle-ci
US6221439B1 (en) 1996-07-18 2001-04-24 Daimlerchrysler Ag Method for applying a coating film on a three-dimensionally curved substrate

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