JPH0548375B2 - - Google Patents

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JPH0548375B2
JPH0548375B2 JP60092280A JP9228085A JPH0548375B2 JP H0548375 B2 JPH0548375 B2 JP H0548375B2 JP 60092280 A JP60092280 A JP 60092280A JP 9228085 A JP9228085 A JP 9228085A JP H0548375 B2 JPH0548375 B2 JP H0548375B2
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gear
shaft
planetary gear
input shaft
bearing
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JP60092280A
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Seiji Arii
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Ube Industries Ltd
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Publication of JPS61252939A publication Critical patent/JPS61252939A/ja
Publication of JPH0548375B2 publication Critical patent/JPH0548375B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は船舶用推進機の駆動系中などに設けて
好適な遊星歯車装置に関するものである。
[従来の技術] 各種機械の駆動系内には、他の減速装置よりも
小形で入・出力軸が同芯であることから遊星歯車
装置が広く用いられている。
第10図は従来における弾性継手付き遊星歯車
装置の縦断面図であつてこれを同図に基づいて説
明すると、図示しないデイーゼルエンジンの出力
軸には、弾性継手1の入力側回転体2がフランジ
接合されており、弾性継手1はこの入力側回転体
2と、これとの間を弾性体3を介して駆動連結さ
れた出力側回転体4とで形成されている。遊星歯
車装置5は、ギア収納部6aとその両側の軸受部
6b,6cとで一体的に形成されたギアケース6
を備えており、入力側軸受部6bの内部には、軸
受7,8がそれぞれ固定されている。軸受7に
は、2枚の円板9a,9bとその複数箇所を連結
する連結部材9cとで一体形成されたキヤリア9
のボス9dが回転自在に軸支されており、このキ
ヤリア9と前記外部の軸受8とには、前記出力側
回転体4に同芯状に設定された入力軸10が回転
自在に軸支されている。また出力側軸受部6cの
軸受6dには負荷の一例として示す推進機の軸と
接合された出力軸11が、先端を入力軸10の先
端に近接させて回動自在に軸支されており、この
出力軸11はその鍔部をボルト12でキヤリア9
に固定されることによつてキヤリア9の一体とな
つて回転するように構成されている。13は出力
軸11の鍔を両側から挟持して軸方向への推力を
受けるスラスト軸受である。一方、前記ギアケー
ス6のギア収納部6a内には、内歯ギア受14が
形成されており、この内歯ギア受14には、内周
面に歯切りされた内歯ギア15が入力軸10と同
芯状にピン支持されている。さらに、キヤリア9
の外周部を等分する複数箇所には、ギア軸16が
連結部材9cを避けた位置に緩い嵌合で固定され
ており、各ギア軸16には、入力軸10に一体形
成された太陽ギア17と、内歯ギア15との両方
に噛合う遊星ギア18が、遊動輪19を介して回
動自在にそれぞれ遊嵌されている。
以上のように構成された従来の遊星歯車装置に
おいて、デイーゼルエンジンの回転の弾性継手1
を介することにより振動が吸収されて入力軸10
に伝達され、入力軸10の回転はこれと一体の太
陽ギア17と噛合う遊星ギア18に伝達される
が、このとき内歯ギア15が固定であるから、遊
星ギア18はギア軸16上で自転しながら内歯ギ
ア15上を転動して入力軸10を中心に公転す
る。したがつて、遊星ギア18と一体のキヤリア
9および出力軸11が回転してこの回転が推進軸
に伝達されるが、このときの推進軸の回転数は、
各ギア15,17,18の歯数比にしたがい入力
軸10よりも減速されて伝達される。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような従来の遊星歯車装置
には、以下述べるような多くの問題点が残されて
いる。
すなわち、先ず弾性継手1はその構造が複雑で
高価であり、しかも大形で重量が大きいためにこ
れを支承する軸受8が必要となつて弾性継手1自
体も含めエンジンとギアケース6との間にきわめ
て大きなスペースを要していた。また、ギア軸1
6は、保守や嵌合面の点検等のためにこれを図に
鎖線16Aで示すように外部へ抜き取る必要があ
るが、この場合構造上ギア軸16を両持ちにする
必要がある関係で抜き取り用のスペースが大きく
なり、前記スペースがさらに拡大されるばかりで
なく、ジヤツキを用いないと抜けないことがあつ
て作業がきわめて面倒で長時間を要していた。さ
らに、遊星ギア18のギア面を点検する場合に
は、ギア軸16を抜き取つただけでは不可能であ
つて、内歯ギア15を図に鎖線15Aで示すよう
に軸方向へ移動させなければならないので、この
ためにも大きなスペースが必要であつた。
また、構造面においても、ギアケース6に、内
歯ギア15を固定支持するための大きな剛性を持
たせる必要があり材料費および加工費が嵩むとい
う欠点があつた。
さらに、この構造のものは、振動が比較的に大
きかつた。
このように、従来の遊星歯車装置には構造およ
びコストの面においても問題があるが、特にスペ
ースの点においては前述したように各所に大きな
スペースを必要とするので、これを船舶の推進軸
減速に用いる場合にはそれだけ積荷空間が縮小さ
れ致命的な欠点となつていた。また、振動が比較
的に大きく好ましくなかつた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前記の問題点を解決し、船舶等の原
動機の出力を推進機軸に伝達するための、振動吸
収能力が大きく、小型軽量で構造が簡単な遊星歯
車装置が提供するため、原動機の駆動軸と接合さ
れる入力軸と、入力軸と同芯上にあつて負荷側従
動軸と接合される出力軸と、出力軸と一体形成さ
れ入力軸の軸端面に近接するデイスク状の遊星ギ
ア枠と、出力軸のほぼ全長を覆う軸受ケースと、
軸受ケースに入力軸と同芯の環状に形成される内
歯ギアと、入力軸の軸端部に設けた太陽ギアと、
遊星ギア枠に支持され内歯ギアと太陽ギアとの間
へ突出する複数のギア軸と、各ギア軸に遊装さ
れ、太陽ギアと内歯ギアとにそれぞれ噛合う複数
個の遊星ギアと、軸受ケースに取付けられ出力軸
を支持するジヤーナル軸受およびスラスト軸受と
を含む遊星歯車装置において、ゴム製の弾性体リ
ングの内外周に金属環が接着で一体成形されてい
て、内外周の金属環に沿つて弯曲している2個の
長孔状の透孔が弾性体リングに、その弾性体リン
グの中心に対して左右対象な位置に設けられてい
る多数の弾性環が、前記内歯ギアの外周の前記軸
受ケース側に設けたフランジ部に、前記各弾性環
の弾性体リングにそれぞれ2個ずつ設けられてい
る透孔が前記入力軸を中心とする同一円周上に位
置している状態で、この同一円周上に互に一定の
間隔で取付けられており、 内歯ギアは、前記多数個の弾性環にそれぞれ嵌
装したボルトによつて前記軸受ケースの前記入力
軸側端面に取付けられており、 前記各ギア軸は、前記遊星ギア枠に片持ち支持
されている構造とした。
[作用] 前記構造のものにおいては、原動機の駆動軸か
ら入力軸に回転力が伝わると、太陽ギアが回転
し、遊星ギアが内歯ギアに沿つて自転しながら公
転し、その結果、減速された状態で遊星ギア枠、
出力軸が回転し、負荷側従動軸が充分に減速され
て回転する。
内歯ギアの取付部円周上に特殊形状の弾性環を
複数個等間隔に設置して用いられ、このとき、2
個所の環通穴は入力軸を中心とする円の接線方向
に向けることにより、歯車荷重が作用した場合、
内歯ギアが微かに回動し得るようにしてあるた
め、ここで振動が充分に吸収される。
なお、遊星ギア枠に遊星ギアを、ギア軸で片持
支持していることなどによつて、装置全体がコン
パクトになり、保守点検作業も容易にできるよう
になつている。
[実施例] 以下、図面に示す実施例によつて、本発明をさ
らに詳細に説明する。
第1図において、デイーゼルエンジン側の駆動
軸21には、全体を符号22で示す遊星歯車装置
の入力軸23がフランジ21aとフランジ23a
とで同芯状に接合されており、ゴム等の弾性材か
らなる弾性環としてのブツシユ24が嵌装された
複数個のボルト25とナツト26とによつて弾性
的かつ着脱自在に固定されている。なお、このボ
ルト25の箇所からは例えば鎖線で示したような
回転部材を介した発電機などの他の回転駆動装置
へ出力を取出すこともできる。一方、負荷側従動
軸である推進軸27には、遊星歯車装置22の出
力軸28が、フランジ27aとフランジ28aと
で同芯状に接合されており、リーマブツシユ29
が嵌装された複数個のボルト30によつて着脱自
在に固定されている。出力軸28は入力軸23と
同芯上にあつてその入力軸23側端部にはデイス
ク状に形成された遊星ギア枠28bが入力軸23
の端面に近接して一体形成されており、出力軸2
8はこの遊星ギア枠28bとフランジ28aとの
間が小径の軸支部28cとなつている。
一方、デイーゼルエンジンのハウジング31に
は、入力軸23の軸芯を境にして上下に2分割さ
れたのち結合されたカバー32が固定されてお
り、その突出端のフランジには、出力軸28のほ
ぼ全長を覆う軸受ケース33が複数個のボルト3
4で固定されている。この軸受ケース33はカバ
ー32と同じく軸芯を境にして上下に2分割され
たのち結合されており、これには同じく上下に2
分割された軸受板35が比較的に狭いフランジ2
8aと遊星ギア枠28bとの間のほぼ全面に位置
して一体形成されている。36はこの軸受板35
に嵌着されて出力軸28の軸支部28cを回転自
在に軸支する2つ割りのジヤーナル軸受である。
また37は扇形の板状に形成されて出力軸28と
軸受板35との間の推力を受けるスラスト軸受と
しての複数個のパツドであつて、フランジ28a
と軸受板35との間ならびに遊星ギア枠28bと
軸受板35との間の環状空間部に並列して装填さ
れている。なお、このパツト37は、出力軸28
を回転させながら外周部の一箇所に設けた開口部
から1個ずつ順次に挿入されて全個数挿入後は一
対のくさび38によつて固定されており、摩耗時
の交換が可能なように構成されている。39は軸
受部用の温度計である。
なお、第1図における出力軸28部の軸受部で
は、軸受板35、ジヤーナル軸受36、パツド3
7を、フランジ28aと遊星ギア枠28bの間に
設けたが、これは、第2図に示したように、出力
軸28部の中央部に別のフランジ部28dを設け
て、フランジ部28dと遊星ギア28bの間に設
けることもできる。こうすれば、両フランジ27
a,28a間は、ボルト30とナツト38aで連
結できるので、取付け頑丈になり、取付け取りは
ずしも容易になる。
前記入力軸23の先端部には、太陽ギア40が
冠歯41を介して浮動状態でかつ入力軸23に対
し回転不能に嵌合されており、座板42によつて
入力軸23からの抜けを阻止されている。
第1,5図に示すように、前記軸受ケース33
の入力軸23側端面33aには、内周部に歯切り
された環状の内歯ギア43が、弾性環44が嵌装
された複数個のボルト45と座金46とにより入
力軸23と同心状に固定されている。弾性環44
は内歯ギア43のフランジ部43aの同一円周上
に設けた複数の取付穴に埋込まれ、締りばめで一
体形成されている。
弾性環44は、第6図に示すように、弾性体リ
ングを形成するリング状のゴム44aと、ゴム4
4aの内外周面に同心状に設けたリング状の金属
環44bおよび44cとで形成した。リング状の
ゴム44aとして、例えば、ニトリルブタジエン
ラバーのように、減衰性のある硬い耐油性ゴムを
用い、ゴム44aと金属環44b,44cとは、
加硫接着等によつて一体化した。弾性環44の内
周に設けた金属環44bの内周面には、ボルト4
5の外周面を密接させうるようにした。
また、弾性環44のゴム44a部には、第6図
に示すように、ゴム44aに荷重Fが加わる方向
の2箇所に透孔である貫通穴44d,44d′を設
けた。荷重Fが作用する方向は内歯ギア43の円
周方向である。したがつて、ゴム44a部には、
ボルト装入穴をはさんだ左右対称な位置に、貫通
穴44d,44d′が設けられる。貫通穴44dお
よび44d′は長穴とすることができる。
上記したように構成した弾性環44を用いた歯
車の支持装置においては、内歯ギア43の取付穴
やボルト45の嵌合面とは金属環44および44
cがそれぞれ接するから、油中下での打撃力をゴ
ム44aの表面が受けることがなくなるため、ゴ
ム接触面の腐食はなくなる。
また、第6図にFで示すように、ゴム44aの
荷重方向の2箇所に貫通孔44dおよび44d′を
設けることにより、変形は力Fと90°をなす位置
のゴム44a部が剪断変形するようになることか
ら、その変形能は高く、吸収効果がきわめて高く
なる。これは、下式からも明らかである。
δ∝1/E<δ′∝1/G ここで、δは貫通穴44dおよび44d′がない
場合の引張圧縮変形によるたわみ、δ′は貫通穴4
4dおよび44d′がある場合の剪断変形によるた
わみ、Eは横弾性係数、Gは縦断数係数で、一般
にE>Gである。
弾性環44は第3,4図に示すように内歯ギア
43の取付部円周上に複数個等間隔に設置して用
いられる。この際、2箇所の貫通孔44d,44
d′は入力軸を中心とする円の接線方向に向けるこ
とにより、歯車荷重Fが作用した場合、内歯ギア
43が微かに回動し得るようにしてある。
第1図において、遊星ギア枠28bの外周部を
円周方向に等分する箇所に穿設された各軸孔47
には、ギア軸48の一端部がそれぞれ嵌入されて
ノツク49と止ねじ50とで固定されており、各
ギア軸48には、太陽ギア40と内歯ギア43と
の両方に噛合う遊星ギア51がキヤツプ52で軸
方向への移動を規制されて浮動ブツシユ51aを
介し回転自在に嵌装されている。遊星ギア51と
浮動ブツシユ51aとの間と一箇所にピン51b
が回動自在に介装される。この状況を第5図の
−断面図として第7図に示す。第7図でわかる
ように、ギア軸48と浮動ブツシユ51aとの
間、および浮動ブツシユ51aと遊星ギア51の
内面との間には僅かな空隙51eおよび51fが
それぞれ設けられ、それぞれは潤滑油が満され
る。51hは浮動ブツシユ51aを直径方向に数
箇所貫通して設け穴である。遊星ギア51と浮動
ブツシユ51aの間の空隙51fの一箇所に円筒
状のピン51bを介装する。ピン51bの長さ、
ギア軸48の長手方向の位置および円周上の位置
は必らずしも第5図のように限定する必要はな
い。ピン51bの介装は下記のように行われる。
遊星ギア51の内面に、直径がピン51bより大
きい円の一部をなし、長さがピン51bの長さと
等しいピン穴51gを設ける。このピン穴51g
と対面する浮動ブツシユ51aの外面に、ピン5
1bと長さがほぼ等しく、直径がピン51bと等
しいピン穴51cを設ける。そしてピン51bの
外面がピン穴51cおよび51gのそれぞれの面
と接しながら回動自在なように介装する。
例えば、遊星ギア51の内径が240mmで、遊星
ギア51の内周面と浮動ブツシユ51aの外周面
との間の半径方向の最大すき間が約0.5mmのとき、
ピン51bおよびピン穴51cの半径を15mmと
し、ピン穴51gの半径を16.25mmとした。ピン
51bの長さは、例えば20mmのように比較的短か
くした。
ピン51bは、場合によつては、浮動ブツシユ
51aの内面とギア軸48の外面の空隙51eに
上記と同じ関係で介装することも可能である。
上記のようにピン51bを介装した浮動ブツシ
ユ軸受構造は、浮動ブツシユ51aのみの軸受構
造に比してトルク変動幅が小さく、吸振性が大き
い。
すなわち、このように構成された浮動ブツシユ
軸受においては、遊星ギア51が回転すると、浮
動ブツシユ51aはピン51bによつて遊星ギア
51との相互間の回転を規制されていることによ
り、強制的に駆動されて遊星ギア51aと同速で
回転し、浮動ブツシユ51aの両側には、空隙5
1e,51fにおける油膜が形成されるので、浮
動ブツシユ51aは、空隙51e,51fの油膜
間に浮んで回転する。したがつて浮動ブツシユ軸
受としての効果である発熱量の低減と振動防止の
機能が充分に発揮される。そして、ピン51bの
半径と遊星ギア51側のピン穴51gの半径とが
若干異なつており、かつ遊星ギア51の内周面と
浮動ブツシユ51aの外周面との間に若干のすき
間があることにより、遊星ギア51の回転にとも
ない、ピン51bとピン穴51gの接触点が少し
ずつ移動しながら浮動ブツシユ51aを回転させ
る。また、加工が簡単で加工誤差が少なく、歯所
の噛合のような衝撃的な起振因子がなく、滑らか
な動力伝達となるから、ピン51bに作用する動
荷重がきわめて小さい。
この浮動ブツシユ軸受機構を用い、トルク変動
周波数を10〜35の間でいろいろ変えてトルク変動
幅を実測したら、トルク変動幅は、浮動ブツシユ
とピンとを用いない従来の装置のときと比べて、
35〜20%程度小さくなつており、浮動ブツシユ5
1aとピン51bを用いたことによる振動防止効
果が確認できた。
つぎに、上記構成による遊星歯車装置の動作に
ついて述べる。
デイーゼルエンジン側駆動軸21の回転は、ボ
ルト25で結合された入力軸23に伝達される
が、この場合、ボルト25には弾性材からなるブ
ツシユ24が、嵌装されており、さらに入力軸2
3は可撓性が高められているので、デイーゼルエ
ンジンの爆発力によるねじり振動が吸収される
し、駆動軸21と入力軸23との軸芯ずれを生じ
てもこのブツシユ24および冠歯41で許容され
る。そして振動の吸収方向は軸の円周方向だけで
はなく、ボルト25の頭径をブツシユ24の径よ
りも小さくすれば軸方向への振動も吸収される。
このようにして入力軸23に伝達された回転は、
これと冠歯41で回転を規制された太陽ギア40
と噛合う遊星ギア51に伝達されるが、このとき
内歯ギア43が固定されているので、遊星ギア5
1はギア軸48上で自転しながら内歯ギア43上
を転動して入力軸23を中心に公転する。したが
つて遊星ギア51と一体の遊星ギア枠28bすな
わち出力軸28が回転してこの回転が推進軸27
に伝達されるが、このとき推進軸27の回転数
は、各ギア40,51,43の歯数比にしたがい
入力軸23よりも減速されて減速される。このよ
うな入力軸23から推進軸27までの回転伝達に
おいては、先ず内歯ギア43を軸受ケース33に
固定するボルト45に弾性材からなる弾性環44
が嵌装されているので、ブツシユ24で吸収され
なかつた振動等がここでさらに吸収される。
また、遊星歯車51は片持ち支持にしたギア軸
48に浮動ブツシユ51aおよびピン51bから
なる浮動ブツシユ軸受構造によつて軸支されてい
ることによつて更に振動が吸収される。また、太
陽ギア40が冠歯41で入力軸23と嵌合してい
ることと、給油口53から注入された油が給油孔
55から冠歯41に供給されていることにより太
陽ギア40が浮動しており、従つて、入力軸21
に対してギアは全て大きいフレキシビリテイを有
するため、原動機軸に存在する捩り振動、上下振
動、前後振動は全て大幅に減衰し回転伝達が円滑
となる。
第8図および第9図は上記の実施例による遊星
歯車装置の振動吸収効果を測定し、従来例と比較
した図表である。
第8図は横軸にエンジン回転数(r.p.m.)、縦
軸に入力軸最大トルク比(%)をとり、図中、A
は内歯ギア43を軸受ケース33に一体に固定し
た従来の場合、Bは弾性環44を用いて固定した
場合、Cは弾性環44を内歯ギアの取付けに使用
し、かつ、第10図に示す弾性継手1を入力軸2
3のフランジ23aの接合に使用した場合の各々
の捩り振動の吸収効果を示す。
また、第9図は横軸に機関回転数(r.p.m.)、
縦軸に振動の振幅の値(ミクロンメートル)で表
わす。図中、A,B,Cはそれぞれ第8図の場合
と同様であるが、各A,B,Cの場合について、
水平方向および垂直方向の振動の振幅を示す。
第8図および第9図によつて、本発明の装置は
捩り振動、垂直および水平振動のいずれに対して
も極めて大きな吸収効果を有することがわかる。
更に、保守、点検などのために遊星ギア51を
取外す場合は、カバー32の上半分とギア軸48
のキヤツプ52を外せば、遊星ギア51をブツシ
ユとともに軸方向へ容易に取出すことができ、こ
の結果、内歯ギア43、太陽ギア40の歯面も開
放されるので、これを容易に点検することができ
る。
以上のように、吸振能力が大きいので従来のよ
うな弾性継手が不要となつたこと、ギア軸48を
片持ち支持としたことによつてギア軸48の抜き
取りスペースが不要であるのでデイーゼルエンジ
ンとギア群40,43,51との間のスペースは
従来に比し大幅に縮小することができるととも
に、軸受ケース33を従来よりも小形で軽量な構
造とすることができる。また、内歯ギア51の移
動スペースや、出力軸28の接合ボルトの抜きし
ろなどが不要であるので、軸受ケース33やカバ
ー32内のスペースおよび出力軸28の軸方向ス
ペースを従来よりも大幅に縮小することができ
る。さらに本実施例ではスラスト軸受として扁平
状のパツド37を用い、その間にジヤーナル軸受
36を配設したのでスペースがより縮小される。
従つて、総合的に小型でコンパクトで、吸振能力
が大きく、保守性のよい遊星歯車装置が得られ
る。
[効果] 以上のように、本発明においては、特許請求の
範囲に記載したような構成になつており、特に、
ゴム製の弾性体リングと、この弾性体リングの内
外周面に同心状に設けたリング状の金属環で形成
され、この弾性体リング部には、ボルト装入穴を
はさんだ左右対称な位置に長穴状の透孔がそれぞ
れ2個ずつ設けられている弾性環が用いられ、そ
して、この弾性環が内歯ギアのフランジ部の同一
円周上に互いに一定の間隔で設けた複数の取付穴
に、弾性体リング部にそれぞれ2個ずつ設けられ
ている透孔が入力軸を中心とする同一円周上に位
置する状態で、それぞれ埋込まれ、締りばめで一
体に形成された構成となつているので、歯車の回
転によつて生じる円周方向の歯車荷重が作用した
とき、透孔がある弾性体リング部が剪断成形し、
内歯ギアが微かに回動し、透孔を有する弾性体リ
ング部で振動が充分に吸収される。すなわち、弾
性体リングの荷重方向の2箇所に透孔を設けたこ
とにより、変形は力と90°をなす位置の弾性体リ
ング部が剪断変形するようになることから、その
変形能は高く、吸収効果がきわめて高いという効
果を有している。
また、ボルト装入穴をはさんだ左右対称な位置
に透孔を設けているので、その振動吸収力は大き
く、かつ、左右どちらから荷重が作用しても、振
動を充分に吸収できる。勿論、防音効果も有す
る。
さらに、内歯ギアの取付穴やボルトの嵌合面と
は金属環がそれぞれ接するから、油中下での打撃
力をゴム製の弾性体リングの表面が受けることが
なくなるため、ゴム接触面の腐食はなくなる。
そして、本発明では、大きい原動機に見受けら
れるような捩り振動、上下振動および前後振動と
いつた複合的な振動を大幅に減衰するといつた吸
収能力が大きいため、従来のようなエンジン側と
遊星歯車装置側間に用いられる大きな弾性継手が
不要となるため、かなりの小スペースでの据付が
可能となり、更に、全体として構造が簡単になる
ため保守点検作業が容易となり、かつ、装置全体
の重量も軽くなるなど、すぐれた効果を有してい
る。
そして、本発明のものを、狭い空間での設置と
能力の増大が強いられる船舶用推進機の駆動系中
などに設ける遊星歯車装置として採用すれば、よ
り大きい効果が発揮される。更に、全体として構
造が簡単となつたため保守点検作業が容易とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す縦断面図、
第2図は第1図における出力軸部の他の実施例を
示す縦断面図、第3図の右半分は第1図のA−A
線断面図、第3図の左半分は第1図のB−B線断
面図、第4図は第3図の部拡大図、第5図は第
1図における主要部分をわかりやすく示した縦断
面図、第6図は第5図の−線断面図、第7図
は第5図の−線断面図、第8図はエンジン回
転数と入力軸最大トルク比の関係を示す線図、第
9図はエンジン回転数と振動の振幅の関係を示す
線図、第10図は本発明に類した従来の装置の1
例を示す縦断面図である。 1……弾性継手、5……遊星歯車装置、10,
23……入力軸、11,28……出力軸、15,
43……内歯ギア、16,48……ギア軸、1
7,40……太陽ギア、18,51……遊星ギ
ア、28b……遊星ギア枠、33……軸受ケー
ス、36……ジヤーナル軸受、37……スラスト
軸受、44……弾性環、51b……浮動ブツシ
ユ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原動機の駆動軸と接合される入力軸と、前記
    入力軸と同芯上にあつて負荷側従動軸と接合され
    る出力軸と、 この出力軸と一体形成され前記入力軸の軸端面
    に近接するデイスク状の遊星ギア枠と、前記出力
    軸のほぼ全長を覆う軸受ケースと、 この軸受ケースに取付けられ前記入力軸と同芯
    の環状に形成される内歯ギアと、 前記入力軸の軸端部に設けた太陽ギアと、 前記遊星ギア枠に支持され、前記内歯ギアと太
    陽ギアとの間へ突出する複数のギア軸と、 これ等各ギア軸に遊装され、前記太陽ギアと前
    記内歯ギアとにそれぞれ噛合う複数個の遊星ギア
    と、 前記軸受ケースに取付けられ、前記出力軸を支
    持するジヤーナル軸受およびスラスト軸受とを含
    む遊星歯車装置において、 ゴム製の弾性体リングの内外周に金属環が接着
    で一体成形されていて、内外周の金属環に沿つて
    弯曲している2個の長孔状の透孔が弾性体リング
    に、その弾性体リングの中心に対して左右対象な
    位置に設けられている多数の弾性環が、前記内歯
    ギアの外周の前記軸受ケース側に設けたフランジ
    部に、前記各弾性環の弾性体リングにそれぞれ2
    個ずつ設けられている透孔が前記入力軸を中心と
    する同一円周上に位置している状態で、この同一
    円周上に互に一定の間隔で取付けられており、 内歯ギアは、前記多数個の弾性環にそれぞれ嵌
    装したボルトによつて前記軸受ケースの前記入力
    軸側端面に取付けられており、 前記各ギア軸は、前記遊星ギア枠に片持ち支持
    されている遊星歯車装置。 2 ギア軸が、遊星ギア枠に水平に設けられたギ
    ア軸穴に嵌込まれ、この遊星ギア枠の外周から前
    記ギア軸に対し直角に穿設された孔に、ノツクお
    よびネジによつて固定されて片持ち支持されてい
    る特許請求の範囲第1項記載の遊星歯車装置。
JP60092280A 1985-05-01 1985-05-01 遊星歯車装置 Granted JPS61252939A (ja)

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