JPH0547908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 利用分野 本考案は、弁内の弁体の開口度を、すなわち弁
内の流量を、電気的に精度よく検知する可動弁に
関する。詳しくは、弁内の弁体が所定の開口度以
上または以下にて作動しているかを外部から弁内
に挿入して設置した磁界感応式電流スイツチによ
り検知し、更に該スイツチの作動点を弁の外部か
ら調節可能にかつ使用中に該スイツチの位置が変
動しないようにしつかりと固定した構造の逆流防
止可動弁に関する。

従来の技術およびその問題点 従来、弁内の弁体の開閉を電気的に検知する手
段として、磁石片とコイルとを組合せた形式のセ
ンサーが使用されている。該センサーに弁体等の
磁性体部分（例えば鉄片部分）が近づくと磁力線
の密度が高くなり、センサーに電流変化が生じて
弁体の開閉を電気的に検知する構造のものが採用
されてきた。この場合、センサーと弁体等の磁性
体部分との距離に感応するためのセンサーの位置
の微調整は、センサーの所定量以上の電流密度を
感知する弁外部の電気機器を調整すればよいの
で、不要であつた。上記の磁石片／コイル式セン
サーは、その感度が低く正確な弁体の開口度を検
知するのは困難で、単に弁体の開閉を検知するの
が主な効果であつた。

磁性材料のリード片を間隔をおいて部分的に重
ねた構成のリードスイツチ等の、磁界感応式電流
スイツチが知られている。すなわち、リードスイ
ツチは、磁性リード片が離れた状態にて存在し、
磁界が強くなる（磁石体が近づく）と、該リード
片が磁化接触して通電する機構のものである。一
般に、このような磁界感応式電流スイツチとは、
磁界の変化に応じて電気回路が閉じるかまたは開
く構造のものである。磁界感応式スイツチは、上
記の磁石片／コイル式センサーの場合とは異な
り、電気回路の開閉による機構であるので、その
作動点を外部の電気機器によつて調整するのは困
難である。

弁箱の内部に磁石およびリードスイツチの両者
を固定設置した、ガスなどの気体遮断器の弁体の
開または閉の状態の検出装置が、実開昭53−
31331号公報に開示されている。しかしこの検出
装置は、検知すべき弁体の開口度を所望な状態に
弁外部から調節することが不可能である。また弁
を解体しても調節困難である。

原子力発電プラント用の逆止弁において、弁体
に連結したロツドを弁箱外に連通した細い円筒を
通して外部に導き、円筒内のロツドの先端に磁石
を設置し、そして二個の磁石作動スイツチを弁箱
外の該円筒に不動に固定した逆止弁が、特開昭57
−15173号に開示されている。この逆止弁の構造
は、単に弁体の開または閉の状態を検出するもの
であり、検出すべき弁体の開口度を所望な状態に
調節することが不可能である。更に原子炉用の清
浄な水でなく、汚染物およびゴミなどを含有し得
る通常の液体の場合には、この逆止弁は該円筒が
固形物で閉塞しやすいため実用的に採用不可能で
ある。

問題点を解決するための手段 本考案によつて、添付図面を参照すると、可動
性の弁体４に連動して移動するように設置した磁
石片５、および該磁石片の接近または離隔に感応
する弁内の作動位置に設置した磁界感応式電流ス
イツチ器具２によつて該弁体の開閉状態を検知す
る可動弁１において；(イ)該スイツチ器具２は弁箱
６の外部から弁内に気密に挿入され、且つその作
動点は該スイツチ器具を該弁箱の外部から操作し
て移動することによつて弁体の所望の開口度に対
応した位置に調整することが可能な構造であり、
そして(ロ)該スイツチ器具２の作動点の調整後に、
該スイツチ器具２の基部３と該弁箱外部のスイツ
チ器具設置部分７との間に両者の間隔に相当する
厚さの挿入板８を介在させて該スイツチ器具２を
確実に固定したことを特徴とする逆流防止可動弁
１が提供される。なお、該スイツチ器具の設置個
所は、磁界に感応する位置である限り特に限定さ
れない。

本考案において相当する厚さの挿入板８とは、
一般的に一個ないし複数個の重ねた二股座金板ま
たは切欠きワツシヤー等の挿入板を意味する。従
つて、弁の出荷時の検査調整、弁の設置後の作動
点の変更、または磁界感応式電流スイツチ２の故
障等による交換に際して、該スイツチ装置の基部
３と弁箱の設置部分との間に厚さ用スケール板等
を挿入して所望の作動点を決定し、該スケール板
の厚さに相当する挿入板８を両者の間に介在させ
て両者を強固に固定することができる。

上記の感応式スイツチ２の設置は、弁の外部か
ら該スイツチ器具を弁内に挿入し、例えばＯ型リ
ング９等のパツキンによつて気密化し、作動点に
相応する必要な厚さの挿入板８を介在させて、弁
箱６のスイツチ設置部分７に調節可能に固定する
のが好ましい態様である。なお該スイツチ装置の
取付けは、第３図に例示するように、該スイツチ
器具２が固定用の締付具１０と本質的に不連続で
あるのが、振動の伝達を軽減するためには望まし
い。すなわち、材質的に連続またはねじ固定式に
連続できない方が望ましい場合がある。

本考案は、弁体が弁内で移動して開閉する形式
のリフト弁、スウイング弁等の可動弁に有利に採
用される。特に、逆流を遮断する液体の逆止弁に
有用である。該感応式スイツチを弁体の所定の開
口度以上または開口度以下を検知するように弁箱
の外部から移動調整して固定し、導電線１１から
取出す電気的信号によつて弁体の開口度を監視す
ることができる。また、該電気信号を動力モータ
ー等に連動することによつて、例えば水揚ポンプ
の運転を制御することが可能である。

作用および効果 磁界感応式電流スイツチは、作動が正確な上に
相対的に小型軽量で低コストであるが、弁に適用
するには作動点を微調整可能にしかも長期的に安
定に固定設置する必要がある。液体用の弁の場合
には流量変化および水撃作用等による振動が強大
であるので、弁内に存在する精度の高い該感応式
スイツチの作動点をねじ式微調整によつて固定す
るのは、不安定で実用的に問題がある。本考案者
は、厚さ用スケール板等を挿入して所望の作動点
を決定しそして該スケール板に相当する必要な厚
さの挿入板を介在させて固定する簡単な手段によ
つて、予想外にも充分な効果を達成した。すなわ
ち、微調整可能に固定する手段として、ねじ等の
可動式調節ではなく必要な厚さの挿入板による不
動式調整固定手段を採用して、長期的に安定した
稼働が達成される。このようにして、磁界感応式
電流スイツチを可動弁に効果的に使用できそして
弁体の開口度を精度よく検知できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による流量検知式逆止弁の縦
断面半載図である。第２図および第３図は、磁界
感応式電流スイツチ器具の挟入板を介在させた設
置固定をそれぞれ例示する、第１図のＡ−Ａ線に
よる該逆止弁の横断面部分図である。 ２……磁界感応式電流スイツチ、５……磁石
片、８……挿入板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可動性の弁体４に連動して移動するように設置
   した磁石片５、および該磁石片の接近または離隔
   に感応する弁内の作動位置に設置した磁界感応式
   電流スイツチ器具２によつて該弁体の開閉状態を
   検知する可動弁１において；(イ)該スイツチ器具２
   は弁箱６の外部から弁内に気密に挿入され、且つ
   その作動点は該スイツチ器具を該弁箱の外部から
   操作して移動することによつて弁体の所望の開口
   度に対応した位置に調整することが可能な構造で
   あり、そして(ロ)該スイツチ器具２の作動点の調整
   後に、該スイツチ器具２の基部３と該弁箱外部の
   スイツチ器具設置部分７との間に両者の間隔に相
   当する厚さの挿入板８を介在させて該スイツチ器
   具２を確実に固定したことを特徴とする、逆流防
   止可動弁。