JPH0547798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は油圧シヨベルの如き建設機械のブーム
根元部まわりにあるホース配管に関するホース配
管構造に関するものである。

［従来の技術］ たとえば、油圧シヨベルは、第３図に示す如
く、走行体１上に旋回自在に載置された旋回フレ
ーム２上に運転席３、操縦装置４を搭載すると共
に、前端部に設けたブラケツト５にブームスイン
グブラケツト６をスイング自在に取り付け、該ブ
ームスイングブラケツト６にブーム７の根元部を
起伏自在に取り付け、更に、ブーム７の先端に、
先端にバケツト９を回動自在に取り付けたアーム
８の末端部を起伏自在に取り付け、ブーム７の起
伏、アーム８の起伏、バケツト９の回動を、各々
油圧シリンダ１０，１１，１２に行わせ、スイン
グは別個の油圧シリンダで行わせるようにしてあ
る。

上記各油圧シリンダ１０，１１，１２には、圧
油の給排のため、各２本のホース、合計６本のホ
ース１３が用意されており、更に、スイング用油
圧シリンダへの２本のホースがあり、これら６〜
８本のホースが使用されている。

従来のブーム根元部まわりのホース配管は、図
示の如く、ブラケツト５の一側方にずれた位置で
且つ運転席３の直前方位置にホースが並列状態に
立上がらせ、圧油供給側と排出側用としてのホー
スを各々所定の油圧シリンダに接続させる構造と
してある。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、上記従来のホース配管構造では、各
ホース１３がブーム７の根元部で外部に露出して
並列状態に立上がらせてあるため、運転者にとつ
て上記ホースが前方の視界を遮る結果となつて運
転に支障を来たすことがあると共に、作業中にホ
ースが外傷を受け易く破損するおそれがあつた。

そこで、本考案は、運転に際し、前方を遮るよ
うなことがなく、且つホースが外傷を受けるおそ
れを少なくすることを目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を達成するために、旋回フ
レーム前端のブラケツトの中央部を前後方向に貫
通し、該ブラケツトに水平旋回自在に嵌合させる
ブームスイングブラケツトの内部中央部に、前後
方向に貫通する孔を設け、上記ブラケツトとブー
ムスイングブラケツトとを水平旋回自在に嵌合さ
せて、該嵌合部を、２分割して上下２本とした縦
方向のピンにて上下別々に回転自在に結合し、且
つ上記ブラケツトの中央部及びブームスイングブ
ラケツトの中央部の孔に、ブームの根元部まわり
の複数本のホースを通し、上記各ホースをそれぞ
れ所定のシリンダに接続した構成とする。

［作用］ ブームスイングブラケツトの内部に通した複数
本のホースがブームスイングブラケツトのスイン
グ中央部を貫通するようにしてあるため、各ホー
スはブームのスイングに追従でき、しかもブーム
根元部では外側を立上がらないため、視界の妨げ
となることがない。又、旋回フレーム前端のブラ
ケツトとブームスイングブラケツトとを水平旋回
自在に結合するピンを２本に分割しているので、
上下のピンの間が空間部となつて、複数本のホー
スをピンによる回転中央及び回転中心に近いとこ
ろを通過させることができ、ブームを回転させる
ときにホースの長さの変化を少なく抑えることが
できる。

［実施例］ 以下、図面に基づき本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
ので、旋回フレーム２の前端に突出させるブラケ
ツト５を、第１図に示す如く、上部に挿入部５ａ
と下部に受入部５ｂとを形成して、これらにピン
挿入用孔５ｃを穿設し、又、中央部を前後方向に
貫通させた構造とする。一方、上記ブラケツト５
にスイング自在に取り付けるブームスイングブラ
ケツト６は、上記ブラケツト５の挿入部５ａを受
入れる受入部６ｂを上部に設けると共に、上記ブ
ラケツト５の受入部５ｂに挿入する挿入部６ａを
下部に有し、且つ上記受入部６ｂ、挿入部６ａ、
ブーム７根元部の結合部６ｃ、油圧シリンダ１０
の結合部６ｄを除き内部を空洞にして、中央部か
ら前方及び上方へ抜ける孔１４を形成し、更に、
上記受入部６ｂと挿入部６ａにピン挿入用孔６ｅ
を設け、ブラケツト５とブームスイングブラケツ
ト６との結合を、上下２本のピン１５と１６とで
行うようにし、ブラケツト５の中央部に導いた複
数本のホース１３を、ブームスイングブラケツト
６の中央部の孔１４に通して前方又は上方へ導出
し、所定の油圧シリンダに接続させるようにし、
各ホース１３の適宜個所を保持具１７で保持させ
る。１８はスイング用のシリンダである。

旋回フレーム２の前端のブラケツト５にブーム
スイングブラケツト６を図示の如く嵌合し、上部
の挿入部５ａと受入部６ｂを上部のピン１５によ
り、又、下部の受入部５ｂと挿入部６ａを下部の
ピン１６によりそれぞれ連結すると、ブームスイ
ングブラケツト６はピン１５と１６を中心として
自在に水平方向にスイングできる。

ブームスイングブラケツト６には、結合部６ｃ
にブーム７の根元部を起伏自在に連結し、結合部
６ｄに上記ブーム７を起伏させるための油圧シリ
ンダ１０を連結し、上記油圧シリンダ１０の供給
側と排出側の各油圧ホース１３は、ブームスイン
グブラケツト６内の孔１４を通して前方へ出し、
油圧シリンダ１０に沿わせるようにし、第３図に
示してある如きアーム８の起伏用油圧シリンダ１
１やバケツト９の回動用の油圧シリンダ１２への
各油圧ホース１３は、ブームスイングブラケツト
６内の孔１４を通して上方へ出し、ブーム７に沿
わせて配管させる。

上記複数本のホース１３は、ブラケツト５の中
央部からブームスイングブラケツト６の中央部の
孔１４を通り、しかも縦方向のピンをピン１５と
１６に２分割して、その回転中心及びこの回転中
心の近いところを通つているので、ブーム７のス
イングによりブームスイングブラケツト６がピン
１５，１６を中心に水平方向へ回転しても、ホー
ス１３がねじれたり、引張られたりすることがな
い。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるも
のではなく、たとえば、ブームスイングブラケツ
ト６は中央部に孔が設けられてホースを通すこと
ができるものであれば、図示以外の構造をもつも
のでもよく、その他本考案の要旨を逸脱しない範
囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べた如く本考案のホース配管構造によれ
ば、旋回フレーム前端のブラケツトの中央部を前
後方向に貫通させ、該ブラケツトに水平旋回自在
に嵌合させるブームスイングブラケツトの内部中
央部に前後方向に貫通する孔を設け、上記旋回フ
レーム前端のブラケツトに上記ブームスイングブ
ラケツトを２分割した縦方向のピンにて水平旋回
自在に結合し、ブーム根元部まわりの複数本のホ
ースのすべてを、上記ブラケツト内部からブーム
スイングブラケツトの中央部の孔を通して該ブー
ムスイングブラケツトに内蔵させた構成としてあ
るので、ブラケツトから上方へ複数本のホースが
並列状態で立上がることがないため前方の視界が
遮られることがなく完全に作業できることになる
と共に、ホース自体が外傷を受けにくく、ホース
が破損しにくい、等の優れた効果を奏し得られ、
又、旋回フレーム前端のブラケツトとブームスイ
ングブラケツトとの結合を上下２本のピンで行つ
ているので、ピンとピンとの間に空間ができて該
ピンによる回転中心及び回転中心に近いところに
複数のホースを通すことができて、ブームの回転
時にもホースの長さの変化を少なく抑えることが
できる、という優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す切断側面図、
第２図は第１図の平面図、第３図は油圧シヨベル
の全体斜視図である。 ５……ブラケツト、６……ブームスイングブラ
ケツト、７……ブーム、１３……ホース、１４…
…孔、１５，１６……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 旋回フレーム前端のブラケツトの中央部を前後
   方向に貫通し、該ブラケツトに水平旋回自在に嵌
   合させるブームスイングブラケツトの内部中央部
   に、前後方向に貫通する孔を設け、上記ブラケツ
   トとブームスイングブラケツトとを水平旋回自在
   に嵌合させて、該嵌合部を、２分割して上下２本
   とした縦方向のピンにて上下別々に回転自在に結
   合し、且つ上記ブラケツトの中央部及びブームス
   イングブラケツトの中央部の孔に、ブームの根元
   部まわりの複数本のホースを通し、上記各ホース
   をそれぞれ所定のシリンダに接続したことを特徴
   とする建設機械のホース配管構造。