JPH0547733U - 空調用換気口装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビル、マンション等の構造物外壁面に換気口
を縦、横一線上に揃えて設けることを安易にした。 【構成】 建造物の外壁面ａに位置させる座板５に通気
孔６を設け、該通気孔６よりも小径の円筒８に、通気孔
７よりも大きい鍔板７を形成し、通気孔６の大きさ内で
円筒８が移動できるように、鍔板７を座板５の内側に接
して移動可能に設け、その任意の移動調整位置で、座板
５と鍔板７とを一体に固定する止着装置９を設け、かつ
必要により座板５の前面にガラリ枠３と外装部材１を結
着するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建造物内の空気調和を目的とする外気取入用或いは室内空気の排気用 の換気口装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

高層ビル、マンション等の建造物において、建物外装面に装備する換気口の中 心は、外観上縦、横に整然と一線上に配置して設けることが要望されるが、設計 上の誤差等により建造物の外壁面に設けた換気用の開口、または配設ダクトの位 置は正確に一線状となっておらず、従って換気口もこれに倣って設けざるを得ず 、このように既設の開口また配設ダクトの位置に関係なく、換気口を外壁面に整 然と一線上に設ける手段については従来何等の考慮もされていなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、現場において上記のように換気口を、既設の開口または配設ダクトに 対応させつつ整然と一線上に設けるには非常に面倒な施工を必要とし、また既設 の開口、または配設ダクトの位置に倣って換気口を設けた場合は、個々の換気口 位置が乱れて甚だしく建物の外観を損う等の不都合があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上に鑑み、既設の開口、または配設ダクトに適応させつつ換気口を 整然と一線上に設けることを目的とし、任意形状の通気孔を設けた座板の内側に 、該座板の通気孔よりも小径で通気孔より大型の鍔板を有する円筒を、該鍔板で 座板の内側に接して移動自在に設け、その任意移動位置で鍔板を座板に固定する 止着装置を設けたことを特徴とし、また座板の前面にガラリ枠を重合結着し、更 に適所に通孔を有するチャンバー型外装部材を最前面に重合結着し、更に円筒の 鍔板を円形とし、円筒を鍔板の中心に対し偏心位置に突設したことを特徴とする 。

【０００５】

【作用】

本考案による空調用換気口装置は、実施例の図１で示すように座板５の通気孔 ６に対し、これより小径の円筒８を鍔板７により自由な方向に移動させることが でき、また、その移動位置に拘らず、鍔板７により円筒８の開口部以外の通気孔 ６の空間部は閉塞され、従って円筒８を壁面ａの既設の開口ｂまたは配設ダクト ｃに対向嵌合させた状態で、座板５の位置関係を変えることができるから、円筒 ８は開口ｂまたは配設ダクトｃに適正に接続させると共に座板５は建物外壁面に おいて規制された縦横の一線上に揃えて整然と取付けられ、また外壁がタイル貼 りの場合、座板５の通気孔６の中心をタイル目地に合せて設置することが容易と なる。

【０００６】 また円筒８の鍔板７を円形板とし、円筒８をその中心に対し偏位させて突設す れば、円筒８の関係位置の調整に際し、該偏心量に応じて円筒８の移動量を増大 することができ調整範囲を拡大し得る。

【０００７】 更に、座板５の前面にガラリ枠３、チャンバー型外装部材１を設けることによ り通気孔６から異物の進入を阻止し、かつ外観を良くする。

【０００８】

【実施例】

本考案による換気口装置の実施例を図１乃至図３で説明する。

【０００９】 図示例の装置は、図３の分解斜視図で示すように、外気取入用または室内空気 の排気用として適所に通孔２を有するチャンバー型の外装部材１、ガラリ羽根４ を設けたガラリ枠３、円形のその他適宜形状の通気孔６を有する座板５、鍔板７ を有する円筒８および止着装置９とから成る。

【００１０】 外装部材１は背面を開放したチャンバー型として、周壁一部に通孔２を形成し 、該通孔２を下面として使用し、周壁下部にドレン排出孔１１を設けた。

【００１１】 ガラリ枠３は、その中心部に形成した窓孔１２にガラリ羽根４を設けて鳥、虫 類等の異物の侵入を阻止するが、ガラリ羽根４に代えて金網を張ってもよく、ま た単なる窓孔１２として開口してもよく、その下部に前記外装部材１のドレン排 出孔１１と合致するドレン排出孔１３を設けた。

【００１２】 座板５はその中心部に円形その他任意形状の通気孔６を開口する。

【００１３】 尚、外装部材１、ガラリ枠３および座板５は共通の同形状とすることが望まし く、図示例では方形のものを示したが、円形その他とすることは任意である。

【００１４】 円筒８の鍔板７は座板５の内側面に接して、該座板５面の大きさ内で自由に動 かすことができ、かつその移動によるも通気孔６を常に閉塞する大きさとするこ とを要し、その形状は円形、角形、多角形のものを使用し、該鍔板７の内側には 壁面ａに設けた開口ｂまたは配設ダクトｃに嵌合接続し得る円筒８を一体に突設 し、該円筒８の外径は前記座板５の通気孔６よりも小径とした。

【００１５】 止着装置９は、上記円筒８の鍔板７の移動により通気孔６に対し円筒８の連通 位置を自由に移動調整した後、鍔板７を座板５に対し不動に結着するもので、図 ３では、上記鍔板７の周縁を抑圧して座板５にビス止め１４する環状板１０を示 し、その透孔１５を通気孔６と略同大の円形孔として円筒８の移動を許容し、か つその移動範囲を規制するようにしたが、鍔板８の止着装置としては、図４で示 すように座板５の内側面適所に設けたバネ材から成る抑止片１６でもよく、該抑 止片１６で鍔板７を移動位置で抑止した後、通気孔６の口縁で鍔板７を座板５に 点接着または点溶着してもよく、該止着装置９は他の任意手段を採用し得る。

【００１６】 以上の構成による換気口は、図２で示すように外装部材１を最前面として、そ の内側にガラリ枠３を介在させて座板５を重ね、更にその内側に鍔板７を重ねた 状態で使用するもので、現場において先ず壁面ａの開口ｂまたは配設ダクトｃに 円筒８を対向接続させ、その状態で座板５を壁面ａの規制された位置となるよう に鍔板７に対して移動調整した時点で止着装置９により鍔板７と座板５とを一体 に結着し、次いで外装部材１およびガラリ枠３と座板５とを一体として壁面ａに 固着する。尚、壁面ａに対する固着は、図３で示したように円筒８をダクトｃに 挿し込むことにより円筒８の外周に装備したバネ１７で不動に結合させ、また壁 面ａの開口６とダクトｃ並びに円筒８との間隙部、或いは外壁ａ面に接する外装 部材１の周縁に沿って施す密封用シール材１８の固結によって行われる。

【００１７】 以上の実施例は外装部材１とガラリ枠３を使用した場合を示し、外装部材１と ガラリ枠３は座板５に対しビス１９で一体に結着したが、上記外装部材１とガラ リ枠３の使用を省略し、座板５と鍔板７を有する円筒８のみを使用する場合もあ る。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によるときは、外壁面に位置させる座板に対して移動調整し得る鍔板付 きの円筒を、座板に設けた通気孔の大きさ内で動かせ得るように小径としたので 、外部に開口する通気孔に対し、壁面に設けた開口または配設ダクトに接続する 円筒の関係位置を自由に調整し得られ、従って壁面開口または配設ダクトの位置 に拘りなく壁面に位置させる座板の取付け位置を調整することができ、従ってビ ル、マンション等の建造物において壁外面に開口する換気口を、縦、横の一線上 に揃えて取付けることを極めて容易にし、その操作取扱いを安易にした効果を有 する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による換気口装置の実施例を示す正面
図

【図２】 図１の中央縦断側面図

【図３】 図１の構成部材の分解斜視図

【図４】 止着装置の他の実施例を示す分解斜視図

【符号の説明】

１ 外装部材 ２ 通孔 ３ ガラリ枠 ５ 座板 ６ 通気孔 ７ 鍔板 ８ 円筒 ９ 止着装置

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 任意形状の通気孔を設けた座板の内側
   に、該座板の通気孔よりも小径で通気より大型の鍔板を
   有する円筒を、該鍔板で座板の内側に接して移動自在に
   設け、その任意移動位置で鍔板を座板に固定する止着装
   置を設けて成る空調用換気口装置。
2. 【請求項２】 座板の前面にガラリ枠を重合結着した請
   求項１記載の空調用換気口装置。
3. 【請求項３】 通孔を有するチャンバー型外装部材を最
   前面に重合結着した請求項１または請求項２記載の空調
   用換気口装置。
4. 【請求項４】 円筒の鍔板を円形とし、円筒を鍔板の中
   心に対し偏心位置に突設した請求項１、請求項２または
   請求項３に記載の空調用換気口装置。