JPH0547489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は水洗い可能な電気かみそり等の小型電
気機器の本体ケースに係り、その本体ケース表面
の滑り止め処理構造に関するものである。

(ロ) 従来の技術 機器のケースに表面処理を施し、握り易さや載
置し易さを考慮したものに特公昭61−13833号公
報の小型電気機器がある。この技術は硬質樹脂と
軟質樹脂とを略同時に金型へ流し込んで硬化させ
る２色成形の技術を用いるものであり、本体ケー
スを外側の硬質材と内側の軟質材とにより形成
し、前記硬質材の表面に前記軟質材の突出部を前
記硬質材の内面側より外面側へ突出させると共
に、前記突出部の頭部を略平坦に形成して前記硬
質材の表面より外方へ突出して設けている。とこ
ろが２色成形技術を使う本体ケースの製造はコス
トが割高であり、他の安価な方法を用いて本体ケ
ース表面に滑り止め処理を施せないかというのが
問題点であつた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案が解決しようとする問題点は本体ケース
の防水性を破壊することなく本体ケース表面に滑
り止め処理を従来の２色成形のような難しい技術
を使わずに安価な方法で施すことである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 両側を円弧状にした偏平形状筒体の円弧状部分
に該筒体の長手方向に沿つて突条を形成し、該突
条の前記筒体表面からの突出寸法と同一厚みの寸
法を有する一対の弾性板材を該筒体の表面に接着
固定すると共に、前記弾性板材の両側縁部を前記
突条側面に形成せる嵌合溝内に嵌入固定する。

(ホ) 作用 本体ケースの表面に接着された弾性板材はその
厚み寸法が突条の突出寸法と同じであるから本体
ケースに融合し且つ機器の使用者にはソフトな手
ざわりと強固な把持力を与える。

(ヘ) 実施例 以下本考案を防水型電気かみそりの本体ケース
を例にとつて図面に沿つて詳細に説明する。但し
本体ケース内部の構成部品及び該本体ケースに装
着されるシエービング部の構成部品については周
知であるので図面では省略し且つ説明も省く。

第１図において１はABS樹脂を素材としてモ
ールド成形されてなる偏平形状筒体であり、防水
型電気かみそりの本体ケースとして機能を成し、
前面１ａの上半分に図示しない主剃刃部やきわぞ
り刃部の操作摘み等の取付凹所２を形成すると共
に、下端面は開口端部１ｂと成されてこの開口端
面１ｂを介して図示しない電池、モータ等の内部
構成部品が収納されるようになつている。前記筒
体１の両側円弧状部分３ａ，３ｂにはその頂部付
近より外方へ向かつて一体に突条４，５が突出形
成され、該突条４，５の各側面には嵌合溝４ａ，
４ｂ，５ａ，５ｂが夫々設けられて断面きのこ形
状の突条とされる。また前記開口端部１の前記突
条４，５と対応する面に内向きの突部６，７が形
成され、この突部６，７にネジ穴８，９が形成さ
れている。前記開口端部１ｂはこれらネジ穴８，
９を介して図示しないネジにより装着される図示
しない底蓋部材によつて液密的にシールされて覆
蓋される。

１０，１１はゴム製の弾性板材であり、各板材
１０，１１の両側縁部には嵌合片１０ａ，１０ｂ
…，１１ａ，１１ｂ…が一体形成されている。一
方の弾性板材１０には凹状の切欠き１２が形成さ
れており、この切欠き１２は該弾性板材１０の前
記筒体１の前面１ａへの接着時に該前面１ａの取
付凹所２に合致する前記弾性板材１０，１１の前
記筒体１への接着時において該弾性板材１０，１
１はその平板状態から両側を該筒体１の円弧状部
分３ａ，３ｂに沿つて折り曲げられ、弾性板材１
０，１１の両側縁部を前記突条４，５に設けた嵌
合溝４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂに嵌入する。このと
き前記嵌合片１０ａ，１０ｂ…，１１ａ，１１ｂ
…は前記嵌合溝４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂの奥に複
数箇所形成してなる更に奥深い凹窪部（図示せ
ず）内に嵌入され、こうして仮に前記筒体１に係
着された弾性板材１０，１１はその内面に予め塗
布されている接着剤により筒体１に強固に接着さ
れる。

第２図に示すように前記突条４，５の前記筒体
１表面からの突出寸法と前記弾性板材１０，１１
の厚み寸法とは略同一ｔである。従つて前記筒体
１の円弧状部分３ａ，３ｂにおいて前記突条４，
５と前記弾性板材１０，１１との表面は面一とさ
れている。

尚前記弾性板材１０，１１の表面にその長手方
向に複数の凹条を形成してやれば、凹状のないも
のに比べて滑り止めの効果は大きく、且つ筒体１
の形状に合わせて折曲し易いものとなることは言
うまでもない。

(ト) 考案の効果 本考案は以上の説明の如く、両側を円弧状にし
た偏平形状筒体の円弧状部分に該筒体の長手方向
に沿つて突条を形成し、該突条の前記筒体表面か
らの突出寸法と同一の厚み寸法を有する一対の弾
性板材を該筒体の表面に接着固定すると共に、前
記弾性板材の両側縁部を前記突条側面に形成せる
嵌合溝内に嵌入固定することにより、弾性板材は
接着剤が硬化して接着力を発揮するまでの間突条
に形成された嵌合溝と弾性板材側縁との嵌合によ
つて仮固定できる。そして筒体に接着固定された
弾性板材は使用者の把持力を高め、滑り止めの効
果は高い。更に弾性板材の大部分は筒体の平坦面
に接着されるので接着力も極めて高くなる。また
突条の面と弾性板材の面とは面一で且つ弾性板材
の側縁は突条の嵌合溝に嵌入されるため両者のつ
ぎ目が目立たず機器の美観を損うことなく、且つ
両者間に段差がないため把持時の引つ掛かりが解
消できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案小型電気機器の本体ケースの分
解斜視図、第２図は第１図に示す部品の組立状態
を示す断面図である。 １……筒体、３ａ，３ｂ……円弧状部分、４，
５……突条、１０，１１……弾性板材、４ａ，４
ｂ，５ａ，５ｂ……嵌合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側を円弧状にした偏平形状筒体の円弧状部分
   に該筒体の長手方向に沿つて突条を形成し、該突
   条の前記筒体表面からの突出寸法と同一の厚み寸
   法を有する一対の弾性板材を該筒体の表面に接着
   固定すると共に、前記弾性板材の両側縁部を前記
   突条側面に形成せる嵌合溝内に嵌入固定すること
   を特徴とする小型電気機器の本体ケース。