JPH0546413B2 - - Google Patents
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- JPH0546413B2 JPH0546413B2 JP11866686A JP11866686A JPH0546413B2 JP H0546413 B2 JPH0546413 B2 JP H0546413B2 JP 11866686 A JP11866686 A JP 11866686A JP 11866686 A JP11866686 A JP 11866686A JP H0546413 B2 JPH0546413 B2 JP H0546413B2
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- cement
- water
- concrete wall
- concrete
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、地下構造物のコンクリート壁におけ
る水漏れを防止する止水工法に関するものであ
る。
る水漏れを防止する止水工法に関するものであ
る。
(従来の技術)
一般に、マンホール、地下室等の地下構造物で
は、コンクリート壁で囲まれた空間内にコンクリ
ート壁の亀裂、継ぎ目などを経て外部の地下水が
漏水する場合が多い。
は、コンクリート壁で囲まれた空間内にコンクリ
ート壁の亀裂、継ぎ目などを経て外部の地下水が
漏水する場合が多い。
このような漏水が生じた場合、従来は、地下構
造物空間内から水を排水しながら、コンクリート
壁の漏水部分のコンクリートをはずり、はずつた
部分に補修コンクリートを塗つて修理するのが一
般的である。
造物空間内から水を排水しながら、コンクリート
壁の漏水部分のコンクリートをはずり、はずつた
部分に補修コンクリートを塗つて修理するのが一
般的である。
しかしながら、このような従来方法では、補修
コンクリートがコンクリート壁内側面のはずつた
部分に塗られているだけで、コンクリート壁内部
には亀裂が残つたままであり、コンクリート壁の
コンクリートと補修コンクリートとの完全な密着
がコンクリートの性質上得られず、高い接着力が
得られないため、コンクリート壁の外側に地下水
がたまつてくると、その水圧が高ければ高いほ
ど、コンクリート壁内に残つている亀裂を経て補
修コンクリートに作用する地下水圧によつて補修
コンクリートがコンクリート壁内側面からはがれ
て再び水漏れが生じる問題がある。
コンクリートがコンクリート壁内側面のはずつた
部分に塗られているだけで、コンクリート壁内部
には亀裂が残つたままであり、コンクリート壁の
コンクリートと補修コンクリートとの完全な密着
がコンクリートの性質上得られず、高い接着力が
得られないため、コンクリート壁の外側に地下水
がたまつてくると、その水圧が高ければ高いほ
ど、コンクリート壁内に残つている亀裂を経て補
修コンクリートに作用する地下水圧によつて補修
コンクリートがコンクリート壁内側面からはがれ
て再び水漏れが生じる問題がある。
他の従来の止水工法として特公昭59−12840号
公報に記載の方法が既知であり、この公報には、
コンクリート壁の漏水箇所の一部または漏水箇所
に近接した箇所に貫通孔を穿設し、高分子量アタ
クチツクポリプロピレンを基本成分とする水性液
(水性接着剤分散液)またはこれにセメントを混
入した水性液を前記の貫通孔を通じて圧入し始
め、圧入された水性液がコンクリート壁の裏側面
上に拡散してこの拡散した水性液がコンクリート
壁の裏側の土圧、水圧によつてコンクリート壁内
部および継ぎ目における亀裂および微小間〓を経
てコンクリート壁の内壁面に浸出するまで水性液
の圧入を続け、水性液がコンクリート壁の内壁面
に浸出した時点で水性液またはこれにセメントを
混入しただけの水性液の注入を中止し、次に、第
2段階として、前記水性液と早強性セメントとの
混合物を貫通孔に圧入して硬化させて貫通孔を塞
ぐとともにコンクリート壁の裏側面上に水性液と
早強性セメントとの混合物で形成された保護層を
形成し、コンクリート内壁面にプライマー膜、水
性液層およびセメントモルタル層を塗布して表面
仕上げすることによつて止水することが開示され
ている。
公報に記載の方法が既知であり、この公報には、
コンクリート壁の漏水箇所の一部または漏水箇所
に近接した箇所に貫通孔を穿設し、高分子量アタ
クチツクポリプロピレンを基本成分とする水性液
(水性接着剤分散液)またはこれにセメントを混
入した水性液を前記の貫通孔を通じて圧入し始
め、圧入された水性液がコンクリート壁の裏側面
上に拡散してこの拡散した水性液がコンクリート
壁の裏側の土圧、水圧によつてコンクリート壁内
部および継ぎ目における亀裂および微小間〓を経
てコンクリート壁の内壁面に浸出するまで水性液
の圧入を続け、水性液がコンクリート壁の内壁面
に浸出した時点で水性液またはこれにセメントを
混入しただけの水性液の注入を中止し、次に、第
2段階として、前記水性液と早強性セメントとの
混合物を貫通孔に圧入して硬化させて貫通孔を塞
ぐとともにコンクリート壁の裏側面上に水性液と
早強性セメントとの混合物で形成された保護層を
形成し、コンクリート内壁面にプライマー膜、水
性液層およびセメントモルタル層を塗布して表面
仕上げすることによつて止水することが開示され
ている。
しかし、この工法は、第1段階において貫通孔
を経て圧入した水性接着剤分散液である水性液が
コンクリート壁の内壁面に浸出した時点で、その
圧入を停止して第2段階の水性液と早強性セメン
トとの混合物の圧入を行なうものであるので以下
のような欠点がある。
を経て圧入した水性接着剤分散液である水性液が
コンクリート壁の内壁面に浸出した時点で、その
圧入を停止して第2段階の水性液と早強性セメン
トとの混合物の圧入を行なうものであるので以下
のような欠点がある。
第1に、一般に水漏れが発生しているコンクリ
ート壁には大小多数の亀裂が生じており、圧入さ
れた潤滑性に富む水性液は相対的に大きな亀裂を
経てコンクリート壁の内面に浸出する。したがつ
て、水性液がコンクリート壁内面に浸出した時点
で水性液の注入を中止しては、残りの相対的に小
さな潜在亀裂内に水性液が浸透せず、これらの小
さな亀裂は塞がれないまま残り、したがつて、こ
れらの潜在小亀裂が生長して大亀裂となることに
よつて早期に再び漏水が生じる欠点がある。
ート壁には大小多数の亀裂が生じており、圧入さ
れた潤滑性に富む水性液は相対的に大きな亀裂を
経てコンクリート壁の内面に浸出する。したがつ
て、水性液がコンクリート壁内面に浸出した時点
で水性液の注入を中止しては、残りの相対的に小
さな潜在亀裂内に水性液が浸透せず、これらの小
さな亀裂は塞がれないまま残り、したがつて、こ
れらの潜在小亀裂が生長して大亀裂となることに
よつて早期に再び漏水が生じる欠点がある。
第2に、水性液を亀裂内で凝固させるためには
コンクリート壁内面からの水性液の浸出を止める
ことが必要であり、このためには上述したように
コンクリート内壁面にプライマー膜、水性液層お
よびセメントモルタル層を塗布して亀裂からの水
性液の浸出を止めて相当時間水性液が流動しない
状態に保持して水性液を凝固させる必要がある。
コンクリート壁内面からの水性液の浸出を止める
ことが必要であり、このためには上述したように
コンクリート内壁面にプライマー膜、水性液層お
よびセメントモルタル層を塗布して亀裂からの水
性液の浸出を止めて相当時間水性液が流動しない
状態に保持して水性液を凝固させる必要がある。
第3に、コンクリート壁から例えば3000/
minのような多量の漏水が生じている漏水箇所で
はコンクリート壁の外側には地下水が流れてお
り、かかる地下水中に水性液をコンクリート壁の
内側から高圧で注入し、この水性液をコンクリー
ト壁の外側がら水圧によつて亀裂内に押し込んで
再びコンクリート壁内面に浸出させる場合には、
多量の水性液がコンクリート壁外側の地下水中に
流出して拡散、散失されこの結果として多量の水
性液が消費されるばかりでなく公害問題が発生す
るという欠点がある。
minのような多量の漏水が生じている漏水箇所で
はコンクリート壁の外側には地下水が流れてお
り、かかる地下水中に水性液をコンクリート壁の
内側から高圧で注入し、この水性液をコンクリー
ト壁の外側がら水圧によつて亀裂内に押し込んで
再びコンクリート壁内面に浸出させる場合には、
多量の水性液がコンクリート壁外側の地下水中に
流出して拡散、散失されこの結果として多量の水
性液が消費されるばかりでなく公害問題が発生す
るという欠点がある。
さらに、他の従来技術による止水工法として、
例えば、土木工法辞典に記載されているようにグ
ラウトをコンクリート壁の貫通孔を経てコンクリ
ート壁外側の地盤中に高圧で注入し、グラウトを
地盤中で硬化させる工法が裏込用グラウト工法と
して知られている。このグラウト工法には一般に
セメントと水および凝結剤として種々の混和剤と
を混入した早硬性のグラウトが用いられている。
かかる止水工法では、地盤中に注入したグラウト
が硬化するまでの時間が長くなると施工場所以外
の地盤中に流出して施工を不確実なものにするぼ
かりでなく、注入グラウトまたは注入薬液が地下
水中に流出して公害問題を発生する問題がある。
これがため、地盤中に注入された後に地盤中で数
秒ないし十数秒の短時間で硬化する瞬結性のグラ
ウトまたは薬液も使用されている。
例えば、土木工法辞典に記載されているようにグ
ラウトをコンクリート壁の貫通孔を経てコンクリ
ート壁外側の地盤中に高圧で注入し、グラウトを
地盤中で硬化させる工法が裏込用グラウト工法と
して知られている。このグラウト工法には一般に
セメントと水および凝結剤として種々の混和剤と
を混入した早硬性のグラウトが用いられている。
かかる止水工法では、地盤中に注入したグラウト
が硬化するまでの時間が長くなると施工場所以外
の地盤中に流出して施工を不確実なものにするぼ
かりでなく、注入グラウトまたは注入薬液が地下
水中に流出して公害問題を発生する問題がある。
これがため、地盤中に注入された後に地盤中で数
秒ないし十数秒の短時間で硬化する瞬結性のグラ
ウトまたは薬液も使用されている。
いずれにしても、かかるグラウト工法では、最
初から凝結性のグラウトを貫通孔を経てコンクリ
ート壁の外側に高圧で注入するものであるから、
注入されたグラウトがコンクリート壁の亀裂中に
浸透することなしに、コンクリート壁の外側で凝
結し、この結果、コンクリート壁には多数の亀裂
が残存したままとなり、これらの亀裂を経て早期
に再水漏れが発生する問題があるばかりでなく地
下水中に流水したグラウトによる公害の問題が発
生している。
初から凝結性のグラウトを貫通孔を経てコンクリ
ート壁の外側に高圧で注入するものであるから、
注入されたグラウトがコンクリート壁の亀裂中に
浸透することなしに、コンクリート壁の外側で凝
結し、この結果、コンクリート壁には多数の亀裂
が残存したままとなり、これらの亀裂を経て早期
に再水漏れが発生する問題があるばかりでなく地
下水中に流水したグラウトによる公害の問題が発
生している。
(発明が解決しようとする課題)
本発明は、上述した従来技術による問題を解消
し、コンクリート壁の漏水箇所において実質的漏
水の原因となつている亀裂の実質的に全てをセメ
ント微粒子によつて塞ぐことにより再水漏れの早
期発生がなく、さらに、使用する注入液による公
害問題の発生もなくし得る止水工法を提供しよう
とするものである。
し、コンクリート壁の漏水箇所において実質的漏
水の原因となつている亀裂の実質的に全てをセメ
ント微粒子によつて塞ぐことにより再水漏れの早
期発生がなく、さらに、使用する注入液による公
害問題の発生もなくし得る止水工法を提供しよう
とするものである。
(課題を解決するための手段)
本発明によれば、コンクリート地下構造物内の
空間を囲むコンクリート壁の漏水箇所に形成され
たコンクリート壁内側から外側に貫通する貫通孔
を経てコンクリート壁外側の土壌中または水中に
セメントと凝結剤との混合物を注入して漏水部コ
ンクリート壁外側にセメント凝固層を設けるコン
クリート地下構造物の止水工法において、 前記貫通孔を経てコンクリート壁外側の土壌中
または水中に、3〜5Kg/cm2の圧力で、水より少
し濃い目のセメント混入率でセメントだけを水と
混合したセメント混合液を注入して微細なセメン
ト粒子によりコンクリート壁の微細な亀裂を目詰
りさせる第1工程と、 セメント混合液のセメント混入率を段階的に
徐々に増加させてコンクリート壁内側への漏水が
止まるまでセメント混合液を前記貫通孔を経て注
入する第2工程と、 コンクリート壁内側への漏水が止まつた後に注
入セメント混合液中に凝固剤を混入して漏水部コ
ンクリート壁外側にセメント凝固層を設ける第3
工程とで止水することを特徴とする。
空間を囲むコンクリート壁の漏水箇所に形成され
たコンクリート壁内側から外側に貫通する貫通孔
を経てコンクリート壁外側の土壌中または水中に
セメントと凝結剤との混合物を注入して漏水部コ
ンクリート壁外側にセメント凝固層を設けるコン
クリート地下構造物の止水工法において、 前記貫通孔を経てコンクリート壁外側の土壌中
または水中に、3〜5Kg/cm2の圧力で、水より少
し濃い目のセメント混入率でセメントだけを水と
混合したセメント混合液を注入して微細なセメン
ト粒子によりコンクリート壁の微細な亀裂を目詰
りさせる第1工程と、 セメント混合液のセメント混入率を段階的に
徐々に増加させてコンクリート壁内側への漏水が
止まるまでセメント混合液を前記貫通孔を経て注
入する第2工程と、 コンクリート壁内側への漏水が止まつた後に注
入セメント混合液中に凝固剤を混入して漏水部コ
ンクリート壁外側にセメント凝固層を設ける第3
工程とで止水することを特徴とする。
(作用)
本発明によれば、コンクリート壁の漏水箇所に
穿設した貫通孔を経てコンクリート壁外側の土壌
中、または水中に、先ず最初水より少し濃い目の
セメント混入率でセメントと水とを混合したセメ
ント混合液を、漏水圧力から判断される土壌圧ま
たは地下水圧より僅かに高い3〜5Kg/cm2の低圧
で注入する。
穿設した貫通孔を経てコンクリート壁外側の土壌
中、または水中に、先ず最初水より少し濃い目の
セメント混入率でセメントと水とを混合したセメ
ント混合液を、漏水圧力から判断される土壌圧ま
たは地下水圧より僅かに高い3〜5Kg/cm2の低圧
で注入する。
これにより、注入されたセメントと水との混合
液は貫通孔を経てコンクリート壁外側に達し、注
入圧力が低圧であることによつてセメント混合液
中に僅かな量で含まれているセメント微粉末はコ
ンクリート壁外側における地下水中に散失される
ことなく、貫通孔からコンクリート壁外側面に沿
つて、また外側面の近くで地下水中に滞留し、セ
メント微粉末の一部が壁外側の水圧によつてコン
クリート壁外側面に開口する亀裂内に壁外側から
壁内側に向けて進入し、亀裂内壁に引つかかり、
亀裂に沿つて順次目詰まりし、これにより微細な
漏水亀裂を詰まらせて閉塞し、この結果として、
コンクリート壁内側での漏水が止まる。実際に
は、相対的に大きい亀裂からの漏水が止まると、
次々に他の亀裂から新たな漏水が生じる。このよ
うな現象は、漏水している亀裂がセメント微粉末
によつて目詰まりされることによつて、次々によ
り小さい亀裂からの漏水が新たに生じ、これらの
亀裂から漏水が全て止まることによつて初めてコ
ンクリート壁の漏水ケ所に生じている無数の亀裂
の全てを完全に閉塞し得たことになる。
液は貫通孔を経てコンクリート壁外側に達し、注
入圧力が低圧であることによつてセメント混合液
中に僅かな量で含まれているセメント微粉末はコ
ンクリート壁外側における地下水中に散失される
ことなく、貫通孔からコンクリート壁外側面に沿
つて、また外側面の近くで地下水中に滞留し、セ
メント微粉末の一部が壁外側の水圧によつてコン
クリート壁外側面に開口する亀裂内に壁外側から
壁内側に向けて進入し、亀裂内壁に引つかかり、
亀裂に沿つて順次目詰まりし、これにより微細な
漏水亀裂を詰まらせて閉塞し、この結果として、
コンクリート壁内側での漏水が止まる。実際に
は、相対的に大きい亀裂からの漏水が止まると、
次々に他の亀裂から新たな漏水が生じる。このよ
うな現象は、漏水している亀裂がセメント微粉末
によつて目詰まりされることによつて、次々によ
り小さい亀裂からの漏水が新たに生じ、これらの
亀裂から漏水が全て止まることによつて初めてコ
ンクリート壁の漏水ケ所に生じている無数の亀裂
の全てを完全に閉塞し得たことになる。
本発明によれば、上述したように、注入工程の
第1段階で、水より少し濃い目にセメントをとい
た混合液を一箇所から注入することによつて、コ
ンクリート壁の漏水ケ所に広範囲にわたり無数に
生じている亀裂の全てをセメントで閉塞すること
を可能とするものである。これに反し、従来の止
水工法におけるように粘度の高い通常のセメント
ミルクまたはグラウトを最初から注入しては微細
な亀裂内にグラウトが進入せず、多数の潜在亀裂
の全てを閉塞することができず、コンクリート壁
外側面にグラウト層またはセメント凝固層を形成
して止水するだけでは漏水した亀裂および潜在亀
裂の残存によつて再水漏れの早期発生の問題を解
消することはできない。
第1段階で、水より少し濃い目にセメントをとい
た混合液を一箇所から注入することによつて、コ
ンクリート壁の漏水ケ所に広範囲にわたり無数に
生じている亀裂の全てをセメントで閉塞すること
を可能とするものである。これに反し、従来の止
水工法におけるように粘度の高い通常のセメント
ミルクまたはグラウトを最初から注入しては微細
な亀裂内にグラウトが進入せず、多数の潜在亀裂
の全てを閉塞することができず、コンクリート壁
外側面にグラウト層またはセメント凝固層を形成
して止水するだけでは漏水した亀裂および潜在亀
裂の残存によつて再水漏れの早期発生の問題を解
消することはできない。
また、本発明で、セメント混合液の注入圧力を
3〜5Kg/cm2とする理由は、前述したように、注
入したセメント混合液中のセメント微粉末がコン
クリート壁外側における地下水中に散失されるこ
となく、コンクリート壁の外側面に沿つてまたは
外側面近くで地下水中にセメント微粉末を滞留さ
せるためであり、3Kg/cm2以下の注入圧力ではセ
メント混合液が土壌圧または地下水圧に打ち勝つ
てコンクリート壁外側に注入されず、また、5
Kg/cm2以上の高い注入圧力では、注入されたセメ
ント混合液が地下水中に強力に押し出されてコン
クリート壁の内側面から遠くにまで広く拡散して
散失され、極く一部のセメント微粉末しかコンク
リート壁の亀裂の微小間〓内に水圧によつて押し
込まれず、この結果、多量のセメント混合液が消
費されるという問題があるとともに亀裂がセメン
ト微粉末によつて閉塞されるまでに長時間を要
し、あるいは完全に閉塞されないと云う問題が生
じるからである。
3〜5Kg/cm2とする理由は、前述したように、注
入したセメント混合液中のセメント微粉末がコン
クリート壁外側における地下水中に散失されるこ
となく、コンクリート壁の外側面に沿つてまたは
外側面近くで地下水中にセメント微粉末を滞留さ
せるためであり、3Kg/cm2以下の注入圧力ではセ
メント混合液が土壌圧または地下水圧に打ち勝つ
てコンクリート壁外側に注入されず、また、5
Kg/cm2以上の高い注入圧力では、注入されたセメ
ント混合液が地下水中に強力に押し出されてコン
クリート壁の内側面から遠くにまで広く拡散して
散失され、極く一部のセメント微粉末しかコンク
リート壁の亀裂の微小間〓内に水圧によつて押し
込まれず、この結果、多量のセメント混合液が消
費されるという問題があるとともに亀裂がセメン
ト微粉末によつて閉塞されるまでに長時間を要
し、あるいは完全に閉塞されないと云う問題が生
じるからである。
次に、コンクリート壁および継ぎ目における漏
水している多数の亀裂がセメント微粉末によつて
順次に目詰まりされて閉塞され、新しい漏水亀裂
が生じなくなつた時点で、第2段階として、セメ
ント混合液のセメント混入率を段階的に徐々に増
加させて注入することによつて、セメント微粉末
により亀裂が完全に閉塞されて漏水が完全に止ま
るまでの作業時間が長くなるのを避けて相対的に
短時間でコンクリート壁内側への漏水を止めるこ
とができる。
水している多数の亀裂がセメント微粉末によつて
順次に目詰まりされて閉塞され、新しい漏水亀裂
が生じなくなつた時点で、第2段階として、セメ
ント混合液のセメント混入率を段階的に徐々に増
加させて注入することによつて、セメント微粉末
により亀裂が完全に閉塞されて漏水が完全に止ま
るまでの作業時間が長くなるのを避けて相対的に
短時間でコンクリート壁内側への漏水を止めるこ
とができる。
最後に、セメント混合液中に凝結剤を混入して
注入し、漏水部におけるコンクリート壁の外側に
厚いセメント凝固層を付加的に設けることによつ
て、コンクリート壁および継ぎ目における半永久
的止水を完了する。
注入し、漏水部におけるコンクリート壁の外側に
厚いセメント凝固層を付加的に設けることによつ
て、コンクリート壁および継ぎ目における半永久
的止水を完了する。
このように、本発明によれば、コンクリート壁
の外側にセメント凝固層を設けた時点で止水作業
を完了することができ、コンクリート壁の内側面
にセメントモルタル層等を塗布して仕上げる必要
はない。
の外側にセメント凝固層を設けた時点で止水作業
を完了することができ、コンクリート壁の内側面
にセメントモルタル層等を塗布して仕上げる必要
はない。
(実施例)
本発明の1実施例を図面につき説明する。図面
は、管路10の途中に設けられたマンホール11
における漏水を本発明工法により止水する例を示
す。
は、管路10の途中に設けられたマンホール11
における漏水を本発明工法により止水する例を示
す。
通常、このような管路10およびマンホール1
1には、ヒユーム管が用いられているため、マン
ホールにおける漏水は主として、管路10とマン
ホール11との間および/またはコンクリート壁
2とコンクリート底板または底壁12との間の継
ぎ目6に生じた亀裂を経て生じることが多い。し
かし、マンホールにおいては、継ぎ目ばかりでな
く、コンクリート壁2自体に亀裂7等が入つて漏
水することもしばしばある。
1には、ヒユーム管が用いられているため、マン
ホールにおける漏水は主として、管路10とマン
ホール11との間および/またはコンクリート壁
2とコンクリート底板または底壁12との間の継
ぎ目6に生じた亀裂を経て生じることが多い。し
かし、マンホールにおいては、継ぎ目ばかりでな
く、コンクリート壁2自体に亀裂7等が入つて漏
水することもしばしばある。
図示の例では、このような継ぎ目6とコンクリ
ート壁2に生じた亀裂7を経て漏水が生じた場合
の止水工法を示しており、図面にはコンクリート
壁2の漏水ケ所に直径3cm程度の貫通孔3を穿孔
し、この貫通孔3にパイプ13を挿入し、このパ
イプ13にポンプ14の吐出ホース15を接続し
た状態を示している。
ート壁2に生じた亀裂7を経て漏水が生じた場合
の止水工法を示しており、図面にはコンクリート
壁2の漏水ケ所に直径3cm程度の貫通孔3を穿孔
し、この貫通孔3にパイプ13を挿入し、このパ
イプ13にポンプ14の吐出ホース15を接続し
た状態を示している。
このように準備した後、先ず、セメントを水よ
り少し濃い目にといたセメント混合液をポンプ1
4により3〜5Kg/cm2の圧力でパイプ13を経て
コンクリート壁2の外側の土壌4中に注入する。
コンクリート壁の亀裂の実質的に全てが目詰まり
した時点で、セメント混合液のセメント濃度を
徐々に上げて懸濁液状からスラリー状とし、コン
クリート壁の内側への漏水が止まつた後、最後に
このスラリー状セメントに凝結剤を混入したもの
を注入し、セメントを凝固させ、これによりコン
クリート壁外側にセメント凝固層5を形成する。
り少し濃い目にといたセメント混合液をポンプ1
4により3〜5Kg/cm2の圧力でパイプ13を経て
コンクリート壁2の外側の土壌4中に注入する。
コンクリート壁の亀裂の実質的に全てが目詰まり
した時点で、セメント混合液のセメント濃度を
徐々に上げて懸濁液状からスラリー状とし、コン
クリート壁の内側への漏水が止まつた後、最後に
このスラリー状セメントに凝結剤を混入したもの
を注入し、セメントを凝固させ、これによりコン
クリート壁外側にセメント凝固層5を形成する。
(発明の効果)
本発明によれば、セメントと水との混合液を用
いて注入し、この注入セメント混合液中のセメン
トの微細粒子によつて漏水個所に生じている多数
のひび割れを目詰まりさせて漏水を止めるもので
あるから、注入セメント混合液が地下水中に流れ
ても従来の薬液注入によるような公害問題の発生
をなくし、早期の再水漏れの発生を防止でき、半
永久的止水を極めて経済的に行うことができる。
いて注入し、この注入セメント混合液中のセメン
トの微細粒子によつて漏水個所に生じている多数
のひび割れを目詰まりさせて漏水を止めるもので
あるから、注入セメント混合液が地下水中に流れ
ても従来の薬液注入によるような公害問題の発生
をなくし、早期の再水漏れの発生を防止でき、半
永久的止水を極めて経済的に行うことができる。
図面は本発明工法の1実施態様を示す概略線図
である。 1……空間、2……コンクリート壁、3……貫
通孔、4……外周土壌、5……コンクリート壁外
側セメント凝固層、6……継ぎ目、7……亀裂、
10……管路、11……マンホール、12……底
壁、13……パイプ、14……ポンプ、15……
吐出ホース。
である。 1……空間、2……コンクリート壁、3……貫
通孔、4……外周土壌、5……コンクリート壁外
側セメント凝固層、6……継ぎ目、7……亀裂、
10……管路、11……マンホール、12……底
壁、13……パイプ、14……ポンプ、15……
吐出ホース。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 コンクリート地下構造物内の空間を囲むコン
クリート壁の漏水箇所に形成されたコンクリート
壁内側から外側に貫通する貫通孔を経てコンクリ
ート壁外側の土壌中または水中にセメントと凝結
剤との混合物を注入して漏水部コンクリート壁外
側にセメント凝固層を設けるコンクリート地下構
造物の止水工法において、 前記貫通孔を経てコンクリート壁外側の土壌中
または水中に、3〜5Kg/cm2の圧力で、水より少
し濃い目のセメント混入率でセメントだけを水と
混合したセメント混合液を注入して微細なセメン
ト粒子によりコンクリート壁の微細な亀裂を目詰
りさせる第1工程と、 セメント混合液のセメント混入率を段階的に
徐々に増加させてコンクリート壁内側への漏水が
止まるまでセメント混合液を前記貫通孔を経て注
入する第2工程と、 コンクリート壁内側への漏水が止まつた後に注
入セメント混合液中に凝固剤を混入して漏水部コ
ンクリート壁外側にセメント凝固層を設ける第3
工程とで止水することを特徴とするコンクリート
地下構造物の止水工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11866686A JPS62276129A (ja) | 1986-05-23 | 1986-05-23 | コンクリ−ト地下構造物の止水工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11866686A JPS62276129A (ja) | 1986-05-23 | 1986-05-23 | コンクリ−ト地下構造物の止水工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62276129A JPS62276129A (ja) | 1987-12-01 |
JPH0546413B2 true JPH0546413B2 (ja) | 1993-07-13 |
Family
ID=14742206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11866686A Granted JPS62276129A (ja) | 1986-05-23 | 1986-05-23 | コンクリ−ト地下構造物の止水工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62276129A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05247958A (ja) * | 1991-10-07 | 1993-09-24 | Yutaka Fujikawa | コンクリート構造物の漏水止水工法 |
JP2866015B2 (ja) * | 1994-12-07 | 1999-03-08 | 重男 長浜 | コンクリート地下構造物の止水方法 |
KR20020007055A (ko) * | 2000-07-15 | 2002-01-26 | 박용우 | 수압을 받는 지하층 콘크리트 구조물의 누수 방수공법 |
JP4687939B2 (ja) * | 2001-09-26 | 2011-05-25 | 清水建設株式会社 | 水密構造を有する地下施設の構築方法、及び補修方法 |
JP5511061B2 (ja) * | 2010-03-24 | 2014-06-04 | 東京電力株式会社 | 地中鉄筋コンクリート構造物のひび割れ補修方法 |
-
1986
- 1986-05-23 JP JP11866686A patent/JPS62276129A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62276129A (ja) | 1987-12-01 |
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