JPH054632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は可撓性管継手用の相フランジに関し、
詳しくは末端に弾性のフランジを有する可撓性管
継手を被接続管とフランジ結合するために使用さ
れる相フランジに関する。

〔従来技術〕

給排水管のような水配管などにおいて、地上も
しくは地中の屈曲部や立上がり部、あるいは種々
の装置や機器への接続部などに、比較的長さの短
い可撓性管継手が使用されている。このような可
撓性管継手は、通常、合成ゴムなどの弾性のある
可撓性材料を管状に形成して作られ、用途によつ
て補強のため管壁中にタイヤコードや螺旋状の金
属線を埋設したり、屈曲性をより高めるための管
を蛇腹形状にすることもある。

従来、可撓性管継手と他の金属管や硬質なプラ
スチツク管、例えば、硬質ポリ塩化ビニル管のよ
うな被接続管を接続する方法としては、次のよう
な方法が行われている。即ち、第一の方法は、可
撓性管継手の端部内側へ被接続管の端部を挿入し
た後、可撓性管継手の端部外周をリング状バンド
で押さえ、該継手の弾性を利用して締結する方法
である。第二の方法は、可撓性管継手及び被接続
管の夫々の末端にフランジを設け、両者をボルト
で締結してフランジ結合する方法である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前者のバンド締結方式は本質的
に外れ易く、シール性も低いので、簡易接続方式
としての利用のみに制限されている。一方、後者
のフランジ方式はフランジ部が配管から突出する
分だけ配管スペースは大きくなるものの、バンド
締結方式に比較して、より確実で信頼の高い接続
方法である。しかし、可撓性管継手は、通常合成
ゴムなどの弾性のある材料で管とフランジが一体
的に作られることが多いので、フランジは弾性材
料で構成されることになる。このような弾性フラ
ンジをボルトによつて被接続管のフランジに結合
する場合には、シール性を十分に確保するため
に、かなり大きな締め付け力を必要とする。その
ため弾性のフランジのボルト締め付け部分に常時
大きなストレスが加わり、長期間の使用に耐えら
れず、接続部から漏洩や破損に至るおそれがあつ
た。特に管内流体圧力が高い場合には、この傾向
は一段と強く現れる。

〔問題点を解決する手段〕

本考案はかかる従来のフランジ結合方式の可撓
性管継手の有する問題点を解決するためになされ
たものである。本考案は、低い締め付け力でも十
分に高いシール性が得られるフランジ結合を行う
ためには、可撓性管継手の弾性のフランジを直接
ボルトによつて相手の被接続管のフランジに結合
するのではなく、被接続管のフランジとボルト結
合させるべき別個独立したフランジ、即ち相フラ
ンジを弾性フランジとは別に設け、この相フラン
ジと被接続管のフランジとの管に弾性フランジを
挟持した上で、相フランジと被接続管のフランジ
間をボルト結合することにすれば、従来のフラン
ジ結合方式の問題点を解決することができるとい
う知見を基にしている。本考案はかかる新規な可
撓性管継手と被接続管のフランジ結合方式を実施
するために必要な新規な構造の相フランジを提供
することを目的とするものである。

そのような本考案の可撓性管継手用相フランジ
は、軸方向の両端に半径方向外方に夫々弾性を有
するフランジ９が突出した可撓性継手７を被接続
管１０にフランジ結合するための相フランジ１で
あつて、外周の縁部のみに軸方向にリング状にス
トツパ体４が突出されると共に、該ストツパ体４
の半径方向中心側に内フランジ部１４が形成され
ることにより、前記軸に平行な横断面がＬ字状を
なす環状のフランジ本体２と、前記内フランジ部
１４に互いに離間して前記本体２に形成された複
数のボルト貫通孔５と、を具備し、前記弾性を有
する前記フランジ９が、その半径を縮小するよう
に前記内フランジ部１４の開口から圧入されて該
内フランジ部１４の前記ボルト貫通孔５よりも半
径方向中心側位置に挟持されボルト結合されるよ
うに構成したことを特徴とする。

〔実施例及び作用〕

次に、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の相フランジの一例の斜視図で
あり、その横断面形状を明らかにするため一部を
切断して示したものである。又、第２図は第１図
の相フランジを用いて可撓性管継手と被接続管を
フランジ結合した状態を示す断面図である。

第１図において相フランジ１は、外周の縁部の
みに軸方向にリング状に突出したストツパ体４と
そのスタツパ体４の内側に一体的に形成された内
フランジ部１４とにより、軸に平行な横断面がＬ
字状に形成されたフランジ本体２を有する。この
フランジ本体２の内フランジ部１４には、互いに
離間して複数のボルト貫通孔５が、後述する被接
続管のフランジのボルト貫通孔の位置に対応して
配列されている。なお、フランジ本体２の中央部
の開口部６は、後述するように可撓性管継手を挿
入するためのものである。この相フランジ１は
種々の金属や硬質ポリ塩化ビニルのような硬質プ
ラスチツク材料で作ることができる。金属材料は
切削あるいは鋳造によつて、硬質プラスチツクは
射出成形やブロー成形によつて加工することがで
き、またそれらは第２図において、合成ゴムなど
の弾性のある可撓性材料で作られる可撓性管継手
７は、蛇腹状の管体８及びその末端に一体的に形
成された弾性のフランジ９から構成されている。
この可撓性管継手７は公知手段により一体成形さ
れる。その外形は蛇腹状に限らず直線状のものも
ある。第２図においては、可撓性管継手７の一方
の末端付近のみ示され、他の部分が省略されてい
るが、他の末端も同様な弾性のフランジが設けら
れている。

被接続管１０の末端には複数のボルト貫通孔が
配列されているフランジ１１が設けられ、該末端
面と前記可撓性管継手７の末端面が同軸的に接触
されて互いのフランジ面が対向して接触されてい
る。

被接続管１０のフランジ１１との間で可撓性管
継手７の弾性のフランジ９を挟持するように、第
１図に示した相フランジ１が配置され、ボルト１
２とナツト１３により前記フランジ１１とボルト
結合されている。相フランジ１を第２図のように
配置するには、可撓性管継手７の弾性のフランジ
９を手で縮小しながら末端軸方向へ倒した上で、
相フランジ１の開口部６へ押込めばよい。

本考案の相フランジを適用する場合、可撓性管
継手７における弾性のフランジ９の外径は相フラ
ンジ１のストツパ体４の内径より小径とされる。

このように本考案の相フランジを使用した可撓
性管継手のフランジ結合方法によれば、比較的低
いボルト締め付け力でも十分にシール性を確保で
きるので、相フランジ自体の物理的強度はそれ程
必要としない。特にフランジ本体２の外周部３に
リング状のストツパ体４が設けられた構造となつ
ているので、このストツパ体４がフランジ本体２
に対する一種の補強リブとして作用し、そのため
フランジ本体２の厚さをかなり薄くしてもよい。
従つて、相フランジ１の材料は金属に限らず硬質
ポリ塩化ビニルのような硬質のプラスチツクを使
用しても十分耐えることができる。

相フランジ１のストツパ体４は、ボルト１２及
びナツト１３により締め付けたとき、相フランジ
１がフランジ１１に対して傾斜することを防止す
るためのものである。従つてこのストツパ体４の
フランジ本体２からの軸方向の高さは、弾性のフ
ランジ９の厚さよりその締め付け時の圧縮分だけ
短い長さとされる。逆に言えば、弾性のフランジ
９の厚さが決まるとこのストツパ体４の高さを選
択することにより、必要な締め付け力の設定を行
うことができる。

〔考案の効果〕

本考案の相フランジは、その、ストツパ体４よ
り相対的に凹陥した内フランジ部１４に複数のボ
ルト貫通孔５が穿設され、それにより可撓性管継
手のフランジ９が締結固定されるものであるか
ら、取付けの作業性が容易であると共に、可撓性
管継手に加わる荷重や熱膨張等により、そのフラ
ンジ９が伸縮する動作を制御することなくそれを
充分に吸収し得る。

即ち、本考案の相フランジは先ず可撓性管継手
７とのフランジ９の外周を縮小して内フランジの
開口部６より圧入する際の作業性が良い。

なぜならば、フランジ９の一部を開口部６より
挿入したとき、その挿入部を内フランジの一方側
に容易に寄せることができるから、残りのフラン
ジ部の圧入が楽にできる。

又、熱膨張や外力が加わることで可撓性管継手
はそのフランジ外周が縮小したり拡大したりする
ものであるが、特に拡大したときその伸びを各ボ
ルト側の空間まで逃がすことができる。

それにより、耐久性の強い継手構造を得る。

しかも、このように構成することにより、相フ
ランジ外周直径を可及的に小さくすることが可能
となる。そしてボルトの締め付け力によりシール
性を確保することができると共に、過締結を防止
して接続部の亀裂や漏洩を有効に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の可撓性管継手用相フランジの
一例であつて、その一部を切断して示した斜視
図、第２図は第１図の相フランジを用いて可撓性
管継手と被接続管をフランジ結合した状態を示す
断面図。 １……相フランジ、２……フランジ本体、３…
…外周部、４……ストツパ体、５……ボルト貫通
孔、６……開口部、７……可撓性管継手、８……
管体、９……弾性のフランジ、１０……被接続
管、１１……フランジ、１２……ボルト、１３…
…ナツト、１４……内フランジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向の両端に半径方向外方に夫々弾性を有す
   るフランジ９が突出した可撓性管継手７を被接続
   管１０にフランジ結合するための相フランジ１で
   あつて、外周の縁部のみに軸方向にリング状にス
   トツパ体４が突出されると共に、該ストツパ体４
   の半径方向中心側に内フランジ部１４が形成され
   ることにより、前記軸に平行な横断面がＬ字状を
   なす環状のフランジ本体２と、前記内フランジ部
   １４に互いに離間して前記本体２に形成された複
   数のボルト貫通孔５と、を具備し、前記弾性を有
   する前記フランジ９が、その半径を縮小するよう
   に前記内フランジ部１４の開口から圧入されて該
   内フランジ部１４の前記ボルト貫通孔５よりも半
   径方向中心側位置に挟持されボルト結合されるよ
   うに構成したことを特徴とする可撓性管継手用相
   フランジ。