JPH054622Y2 - - Google Patents

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JPH054622Y2
JPH054622Y2 JP1986114247U JP11424786U JPH054622Y2 JP H054622 Y2 JPH054622 Y2 JP H054622Y2 JP 1986114247 U JP1986114247 U JP 1986114247U JP 11424786 U JP11424786 U JP 11424786U JP H054622 Y2 JPH054622 Y2 JP H054622Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は密封装置に関し、特に、耐久性およ
び耐圧性を向上することのできる密封装置に関す
るものである。
〔従来技術およびその問題点〕
一般に、この種の密封装置において、回転運動
に用いられるものとしては、第5図に示す如く、
断面ほぼL型をなす金属環17の外側周囲にゴム
弾性体18を接着成型してなるオイルシールが存
在していて、この種のオイルシールの耐圧性は、
通常max3Kg/cm2程度で、特殊なものでもmax数
+Kg/cm2程度となつていて、耐圧性がmax100
Kg/cm2以上のものはなく、高圧条件の下で使用で
きないという問題点を有していた。
そこで、耐圧性の良好なものとしては往復運動
に用いられるUパツキンが存在していて、このU
パツキンは、第6図に示す如く、断面ほぼU型を
なす本体21の内周面にバツクアツプリング22
を設けて形成されていて、その耐圧性はmax400
〜500Kg/cm2となつている。
しかしながら、前記のようなUパツキンを回転
および揺動運動に用いた場合、前記本体21が熱
収縮あるいは油圧等によつてシヤフト33に密着
してシヤフト33と一体に回転してしまうため
に、本体21の外周側のシールリツプ部24が環
状孔30の非摺動面32によつて摩耗して油漏れ
が生じてしまい、また、本体21とバツクアツプ
リング22との間に回転差が生じて、本体21の
バツクアツプリング22との接合部に摩耗が生じ
てしまい、摩耗が進行すると本体21自体が破損
してしまうという問題点を有していた。
また、高圧が作用した場合に、内周側のシール
リツプ部23のシール面27がシヤフト33に密
着してしまうために、前記シールリツプ部23の
先端28からシール面27へ油が浸入しにくくな
るので、油膜の形成が不充分となり、これにより
シール面27の摩耗が進行して破損してしまうと
いう問題点を有していた。
この考案は前記のような従来のもののもつ問題
点を解決したものであつて、高圧条件の下での使
用が可能であるとともに、本体のシールリツプ部
およびバツクアツプリングとの接合部の摩耗を防
止して、耐久性を向上することのできる密封装置
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するためにこの考案は環状
をなす本体の内周面または外周面のうちの少なく
とも移動体と接する面に、波形に形成されるとと
もに、シール面の幅が一定となつていないシール
リツプ部を設け、このシールリツプ部側の側面に
溝部を形成し、この溝部内に、環状をなすととも
に、一側面が前記本体のシールリツプ部に対応す
る波形に形成されたバツクアツプリングを設けて
一体としたことを特徴とする密封装置を構成した
ものである。
〔作用〕
この考案は上記のように移動体と接する周面に
形成したシールリツプ部のシール面の幅を一定で
ないように構成したことにより、移動体に対する
押圧力が不均一となるので、押圧力の弱い部位か
ら油が浸入し易くなり、これによつて適用圧力範
囲が広くなるとともに、作用する圧力によつて本
体およびバツクアツプリングが溝部の壁面に押圧
されるので、溝部に対して摺動することがなく、
したがつて、摩耗が確実に防止できるとともに、
長期間に渡つて安定したシール性を確保すること
ができることとなる。
〔実施例〕
以下、図面に示すこの考案の実施例について説
明する。
第1図および第2図にはこの考案による密封装
置が示されていて、この密封装置は、合成ゴム等
により形成された本体1と、樹脂等により形成さ
れたバツクアツプリング2とから構成されてい
る。
前記本体1は断面ほぼU字型をなす環状に形成
されるとともに、内周面に周期Tの波形のシール
リツプ部3が、また、外周面にシールリツプ部4
がそれぞれ設けられ、また、一側面には前記シー
ルリツプ部3,4間に位置する連続したU溝5が
形成されるとともに、他側面は平坦に形成され、
この他側面の内径側端部には前記シールリツプ部
3側の面が波形に形成された連続した溝部6が設
けられている。
また、前記シールリツプ部3のシール面7の幅
lは一定ではなく、この幅lはシールリツプ部3
の先端8の最上点14で狭く、また、最下点15
で広くなるように適宜に変化して形成され、さら
に、前記シールリツプ部3は、そこに移動体が摺
接するための接触部となつている。
前記バツクアツプリング2は前記本体1と同様
に環状に形成され、その一側面は本体1の溝部6
の側面に一致する波形に形成されるとともに、他
側面は平坦に形成されていて、前記本体1の溝部
6にバツクアツプリング2が嵌合することによつ
て、本体1とバツクアツプリング2とが一体とな
るように構成されている。
第3図には、この考案による密封装置を被取付
け部材である固定部材9の環状孔10の内部に配
設した状態が示されていて、この密封装置は固定
部材9の内周面に形成されている環状孔10の内
部に、環状孔10の非油圧側側面11と本体1お
よびバツクアツプリング2の平坦に形成された他
側面とが密着した状態で位置し、また、外周面の
シールリツプ部4が環状孔10の非摺動面12と
接触するとともに、内周面のシールリツプ部3に
接するように回転又は揺動する移動体であるシヤ
フト13が挿通されるようになつている。
なお、第4図にはこの密封装置における移動体
であるシヤフト13の回転時の回転油圧Vおよび
シールリツプ部3の先端8からシール面7への油
の浸入状態がそれぞれ示されている。
次に、前記のものの作用について説明する。
第1図および第2図に示すこの考案の密封装置
にあつては、前述の如く、本体1が環状に形成さ
れるとともに、その内周面に波形に形成されたシ
ールリツプ部3が設けられているので、第4図に
示すように、シヤフト13の回転時に回転油圧V
が生じると、前記波形に形成されたシールリツプ
部3によつて受け止められて、その先端8に回転
油圧Vが作用し、この回転油圧Vの分力f0によつ
て本体1およびバツクアツプリング2が環状孔1
0の非油圧側側面11に押圧されて環状孔10内
部で固定されるようになるので、本体1がシヤフ
ト13と一体に回転することがなくなつて、外周
面のシールリツプ部4が環状孔10の非摺動面1
2によつて摩耗することがなくなることとなり、
しかも、バツクアツプリング2が本体1の溝部6
に嵌合することによつて、本体1とバツクアツプ
リング2とが一体となつているので、本体1とバ
ツクアツプリング2との間に回転差が生じること
がなく、本体1のバツクアツプリング2との接合
部に摩耗が生じることがなくなることとなる。
また、前記回転油圧Vがシールリツプ部3の先
端8に作用して生じる分力f1によつて、油が前記
シールリツプ部3の先端8からシール面7に浸入
し、第4図に斜線で示すような範囲の潤滑が十分
なものになるとともに、矢印S方向へも順次潤滑
域を拡張するようになるので、高い油圧が作用し
た場合であつても前記シールリツプ部3のシール
面7がシヤフト13に密着してしまうことがな
く、シール面7が摩耗するのを確実に防止するこ
とができることとなる。
この場合、前記シール面7の幅lは一定ではな
く、適宜に変化して形成されているので、シール
リツプ部3のシヤフト13に対する押圧力が不均
一なので押圧力の小さい部分から油の浸入が容易
となつて摩耗を確実に防止できる。
また、シールリツプ部3の波形は、その先端8
の最下点15とバツクアツプリング最上点16と
の高さが一致した状態で強度的な限界と考えられ
るが、圧力等の使用条件によつては前記先端8の
最下点15がバツクアツプリング最上点16より
下方となるように形成されていても良いものであ
る。
なお、前記実施例において、密封装置の形状を
第1図および第2図に示すものとしたが、これに
限定することなく、要は、本体が環状をなし、そ
れに設けられて移動体との摺接部となるシールリ
ツプ部が波形に形成されるとともに、このシール
リツプ部のシール面の幅が適宜に変化して形成さ
れているものであればどのようなものであつても
良く、また、移動体との摺接部となるシールリツ
プ部を本体の外周面に形成して本体を移動体に設
けるようにしたものであつても良いことは勿論で
ある。
〔考案の効果〕
この考案は前記のように、本体の移動体との摺
動部となるシールリツプ部を波形に形成するとと
もに、このシールリツプ部のシール面の幅を変化
させたことによつて、移動体の回転時に生じる回
転油圧をシールリツプ部で有効に受け止めること
ができ、この回転油圧の分力によつて本体および
バツクアツプリングの固定を確実にすることがで
き、また、前記シールリツプ部のシール面の幅が
変化しているので移動体に対する押圧力が不均一
となり、押圧力の小さい部分から本体のシールリ
ツプ部のシール面へ油が確実に浸入し、これによ
り、本体が移動体に密着して移動体と一体に回転
するのを防止できるので、本体のシールリツプ部
およびバツクアツプリングとの接合部の摩耗を防
止して、耐久性を大幅に向上することができ、し
かも、作用する油圧が高圧であつても使用が可能
なので適用圧力が非常に広くなるなどのすぐれた
効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案による密封装置を示す縦断面
図、第2図は第1図に示すものの上面図、第3図
は第1図に示すものを固定部材の環状孔の内部に
配設した状態を示す図、第4図は第3図に示すも
のにおけるシヤフトの回転時の回転油圧およびシ
ールリツプ部のシール面への油の浸入状態を示す
図、第5図および第6図は従来の密封装置を示す
縦断面図である。 1,21……本体、2,22……バツクアツプ
リング、3,4,23,24……シールリツプ
部、5……U溝、6……溝部、7,27……シー
ル面、8,28……先端、9……固定部材、1
0,30……環状孔、11……非油圧側側面、1
2,32……非摺動面、13,33……シヤフ
ト、14……最上点、15……最下点、16……
バツクアツプリング最上点、17……金属環、1
8……ゴム弾性体、T……波形の1周期、l……
シール面の幅、V……回転油圧、f0,f1……分
力。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 環状をなす本体1の内周面または外周面のうち
    の少なくとも移動体と接する面に、波形に形成さ
    れるとともに、シール面7の幅lが一定となつて
    いないシールリツプ部3を設け、該シールリツプ
    部3側の側面に溝部6を形成し、該溝部6内に、
    環状をなすとともに、一側面が前記本体のシール
    リツプ部3に対応する波形に形成されたバツクア
    ツプリング2を設けて一体としたことを特徴とす
    る密封装置。
JP1986114247U 1986-07-25 1986-07-25 Expired - Lifetime JPH054622Y2 (ja)

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JP1986114247U JPH054622Y2 (ja) 1986-07-25 1986-07-25

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JP1986114247U JPH054622Y2 (ja) 1986-07-25 1986-07-25

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JPS6320568U JPS6320568U (ja) 1988-02-10
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JPS5039776A (ja) * 1973-08-03 1975-04-12

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