JPH0545937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガス充満式温度計に関するものであ
る。

（従来の技術とその問題点） 従来、この種の温度計は感温部と表示部内面の
ブルドン管とが、リード線を介して連結されて形
成されている。

そのため、該リード線内及びブルドン管の圧縮
ガスが周囲温度に大きく影響されて、感温部で測
定した実際の温度と表示部で表示される表示温度
との間に誤差が生じ、正確な温度測定を達成する
ことができなかつた。

そこで、ブルドン管とセクターギヤとの間に温
度補正用バイメタルを設け、これら周囲温度によ
り圧縮ガスが影響されて生ずる温度誤差を補正し
ていた。

ところが、この周囲温度によりブルドン管本体
も影響を受け、その変位が変るため前記とは別の
要因により感温部で測定した実際の温度と表示部
で表示される表示温度との間に誤差が生じ正確な
温度測定を達成することができなかつた。

（考案が解決しようとする技術的課題） 以上の問題を解決するための本考案の技術的課
題は、ブルドン管が周囲温度により影響を受けて
変位が変ることにより生ずる測定温度の誤差を補
正することである。

（技術的課題を達成するための技術的手段） 以上の技術的課題を達成するための本考案の技
術的手段は、ブルドン管の先端とセクターギヤに
取り付けられた補正板とを温度補正用バイメタル
を介して連結した温度計において、前記補正板の
下面に振角用バイメタルを設け、該バイメタルの
一端と前記温度補正用バイメタルの一端とを前記
補正板のスライド孔にスライド自在に設けたスラ
イドピンを介して連結することである。

（考案の効果） 本考案は以上の様に、補正板の下面に振角用バ
イメタルを設け、該バイメタルの一端と温度補正
用バイメタルの一端とを前記補正板のスライド孔
にスライド自在に設けたスライドピンを介して連
結したので、ブルドン管の変位が周囲温度の影響
を受けて変ることにより生ずる測定温度の誤差を
補正することができるので、正確な温度を測定す
ることができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面により説明す
る。

図中Ｍは本考案のガス充満式の温度計を示し、
指示部Ａとリード線Ｂ及び感温部Ｃとにより構成
されている。

指示部Ａは上面にガラスの蓋ケースa₁が螺着さ
れた収納ケースａと、該収納ケースａ上部に設け
られた文字盤ｂ及び該文字盤ｂの下部に設けられ
た内機ｃとにより構成されている。

内機ｃはブルドン管１，セクターギヤ２及び指
針用取付軸３とにより構成される。

ブルドン管１は真鍮で平面Ｃ型に形成された断
面が略長円形の中空管であり、その内部に窒素ガ
スが充満されている。

該ブルドン管１は収納ケースａ中央部の取付部
a₂に固定された取付板４に保持具５を介して取り
付けられると共に、その基端に前記保持具５を介
してリード線Ｂが接続されている。

またブルドン管の先端部はＶ型の温度補正用バ
イメタル６を介してセクターギヤ２に取り付けら
れた補正板７に連結されている。

該温度補正用バイメタル６は周囲温度により窒
素ガスが影響されて生ずる温度の測定誤差を補正
するためのものであり、セクターギヤ２側の一端
が後述する補正板７のスライド孔７ａにスライド
自在に取り付けられたスライドピン８に連結され
ている。

セクターギヤ２は前記取付板４に固定された固
定板４ａに回転軸９ａを中心にして回転自在に取
り付けられ、その先端の歯部２ａが指針用取付軸
３に一体的に設けたピニオンギヤ３ａに噛合され
ると共に、上面に補正板７が設けられている。

補正板７は前記回転軸９ａを中心にして回転可
能に設けられると共に、前部に開孔した長孔７ａ
にセクターギヤ２上面の調整ピン７ｂが挿入され
その回動角度が規制されている。

また補正板７の後部下面には下側に弯曲したＵ
字型の振角用バイメタル９が設けられている。

振角用バイメタル９は、周囲温度に影響される
ブルドン管１の変位を補正するものであり、Ｕ字
状の一端が、固定ピン９ｂで固定されると共に、
他端が前記温度補正用バイメタル６が連結された
スライドピン８に連結されている。而して、第２
図と、第３図に示す如く該スライドピン８に連結
された振角用バイメタル９の一端が周囲温度によ
りスライドすることにより回転軸９ａとの間隔を
調整して温度の誤差を補正する。

指針用回転軸３は前記固定板４ａと該固定板４
ａ上面に設けた補助板４ｂとの間に回転自在に設
けられると共に、文字盤ｂ上面に突出した上端部
には指針Ｓが取り付けられている。

また、該回転軸３は一体的に設けたピニオンギ
ヤ３ａを介してセクターギヤ２に連結され、ブル
ドン管１の変動による該セクターギヤ２の回動に
伴い回転する。

リード線Ｂはブルドン管１と同様に真鍮で中空
状に形成され、その内部と窒素ガスを充満するも
のであり、一端がブルドン管１に接続されると共
に他端が感温部Ｃに接続されて、これらを連結す
る。

また、該リード線Ｂは収納ケースａ下部と感温
部Ｃとにわたつて連設されたフレキシブル管１０
内に設けられる。

而して感温部Ｃで感知した温度によりリード線
Ｂ及びブルドン管１内の窒素ガスが膨張して該ブ
ルドン管１の先端を外側にひろげることによりセ
クターギヤ２が回転軸９ａを中心にして回動す
る。

そして該セクターギヤ２の回動に伴い指針用回
転軸３が回転して指針Ｓが所定の感知温度を指し
示す。

この際、周囲温度の影響を受けて窒素ガスの膨
張率の違いによつて生ずる感知温度の誤差を温度
補正用バイメタル６で補正すると共に、周囲温度
の影響を受けてブルドン管１の変位が変わること
により生ずる感知温度の誤差を補正する。それ
は、周囲温度によりスライドピン８に連結された
振角用バイメタル９の一端がスライド孔７ａに沿
つて移動し、t₁の間隔を変えることにより補正す
るものである。

例えば、第５図に示す様にt₁の間隔が長い場合
は指針Ｓの振角は小さくなり、これが短い場合
は、振角が大きくなる。

依つて感知部Ｃで感知される温度の周囲温度に
よる誤差を補正できるので、正確な温度の測定を
達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を切欠して示す本考案の平面図、
第２図，第３図は第１図の−線断面図、第４
図は作動状態を示す一部切欠平面図、第５図は本
考案の作動状態を示す機構図である。 Ｍ……温度計、１……ブルドン管、２……セク
ターギヤ、６……温度補正用バイメタル、７……
補正板、７ａ……スライド孔、８……スライドピ
ンを夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブルドン管の先端とセクターギヤに取り付けら
   れた補正板とを温度補正用バイメタルを介して連
   結した温度計において、前記補正板の下面に振角
   用バイメタルを設け、該バイメタルの一端と前記
   温度補正用バイメタルの一端とを前記補正板のス
   ライド孔にスライド自在に設けたスライドピンを
   介して連結した温度計。