JPH0545381A - 電子機器用サージ保護装置 - Google Patents

電子機器用サージ保護装置

Info

Publication number
JPH0545381A
JPH0545381A JP23122091A JP23122091A JPH0545381A JP H0545381 A JPH0545381 A JP H0545381A JP 23122091 A JP23122091 A JP 23122091A JP 23122091 A JP23122091 A JP 23122091A JP H0545381 A JPH0545381 A JP H0545381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
input
surge
surge voltage
reactance element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23122091A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Akiyama
弘 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Electronic Instruments Co Ltd filed Critical Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
Priority to JP23122091A priority Critical patent/JPH0545381A/ja
Publication of JPH0545381A publication Critical patent/JPH0545381A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ひずみゲージおよびひずみ測定器をサージ電
圧から保護すると共にパルス状のノイズがひずみ測定器
に印加されるのを抑制すること。 【構成】 ひずみゲージ1a〜1dをブリッジ接続した
ブリッジ回路の入力ラインL1,L2に誘導するサージ
電圧は、アモルファスコア5a,5bに巻装したコイル
6a,6bで遅延させて、その遅延時間中に入力ライン
L1,L2のサージ電圧をガスアレスタ3a,3bを通
して大地に放電させる。一方、出力ラインL3,L4に
誘導されたサージ電圧は、アモルファスコア5c,5d
に巻装されたコイル6c,6dにより遅延させ、その遅
延時間中に出力ラインL3,L4のサージ電圧をガスア
レスタ3c,3dを通して大地に放電させ、これによっ
てひずみゲージ1a〜1dとアンプ7をサージ電圧から
保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器用サージ保護
装置に関し、より詳細には電子回路や電子素子に雷サー
ジなどのサージ電圧が印加されても保護できるようにし
た電子機器用サージ保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】雷サージには、直撃雷と誘導雷サージと
がある。このうち、後者の誘導雷サージは、建物の外部
にある送配電線や通信回線などに誘導され、建物内部の
各種機器に進入して、重要な部品を破壊する。
【0003】このような雷サージの発生メカニズムとし
て、次の2通りが考えられる。 (1) 雷雲に電荷があるため、大地との間にある電線
に静電誘導を誘起する。その誘導された電位が変化し、
電線を通して雷サージになる。 (2) 空間放電や大地に落電する際に発生する強烈な
電磁波が電線をアンテナとして、誘起し、電磁誘導の雷
サージになる。
【0004】いずれにしても、雷サージは、電圧波高値
が高く、電圧峻度(dv/dt V:電圧、t:時間)
の急なサージである。しかも、非常に大きな電流をとも
なうものである。この雷サージは、過渡現像で三角波と
して考えられている。
【0005】図8は、このような雷サージから電子機器
を保護する従来の電子機器用サージ保護装置の回路図で
ある。この図8において、1はひずみゲージ用埋設計器
であり、雷サージに対する被保護対象であり、ひずみゲ
ージ1a〜1dをブリッジ(ホイートストンブリッジ)
接続して構成され、外筐2内に収納されて、地中に埋設
されている。
【0006】ひずみゲージ1a〜1dによるブリッジ回
路の二つの入力端には、入力ラインL1,L2が接続さ
れており、この入力ラインL1,L2間には、図示され
ていないがブリッジ電源を接続されている。ブリッジ回
路の二つの出力端には、出力ラインL3,L4が接続さ
れており、被側定対象の物理的変化量の検出に応じた出
力電圧を取リ出し得るようになっている。
【0007】このブリッジ回路の二つの出力端は、出力
ラインL3,L4を介して、図示しないひずみ測定器な
どの電子回路の入力端に接続され、出力端に現われる出
力電圧を出力ラインL3,L4を通して電子回路に導く
ようにしている。
【0008】これらの入力ラインL1,L2および出力
ラインL3,L3とアース間、すなわち、外筐2間に
は、サージ電圧吸収用のガスアレスタ3a〜3dが接続
されている。
【0009】次に、動作について説明する。雷サージな
どのサージ電圧が、ラインL1〜L4に誘導されても、
ラインL1〜L4に誘導されたサージ電圧は、ガスアレ
スタ3a〜3dに印加され、放電されるから、ガスアレ
スタ3a〜3dを通して、サージ電圧を大地に逃がすこ
ととなる。このようにガスアレスタは、ブリッジ回路を
構成する各ひずみゲージ1a〜1dに高圧が印加される
のを防止し、これらのひずみゲージ1a〜1dのサージ
電圧に対する保護作用を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、ガスアレ
スタ3a〜3dは、サージ電圧吸収作用があるが、一つ
の難点としては、雷サージが発生した瞬間から数μs遅
れて働くため、その遅れ時間の間、サージ電圧がひずみ
ゲージ1a〜1dに印加してしまうことである。
【0011】また、繰返し雷サージ(数100V〜数1
0KV)のようなサージ電圧がひずみゲージ1a〜1d
に印加されると、やがて、抵抗線や箔によるひずみゲー
ジ1a〜1dの性能が劣化することになる。
【0012】また、ガスアレスタ3a〜3dの他の難点
は、個々に放電開始時間のバラツキがあり、このため、
ひずみゲージ1a〜1dに印加するサージ電圧の印加時
間にもバラツキが生じ、ひずみゲージ1a〜1dの劣化
にもバラツキを生じ、延いては、ブリッジ回路の出力、
すなわち、被測定対象の物理量の検出誤差を招くなどの
悪影響を生じることである。
【0013】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、電子回路または電子素
子をサージ電圧から完全に保護でき、しかも入力ノイズ
の保護対策にもなり得る電子機器用サージ保護装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、電子回路または電子素
子の入力ラインに挿入されこの入力ラインに印加される
サージ電圧が上記電子回路または電子素子に印加される
のを遅延させる入力側のリアクタンス要素と、この入力
側のリアクタンス要素の入力側において上記入力ライン
とアース間に挿入され上記入力ラインのサージ電圧を吸
収するガスアレスタと、上記電子回路または電子素子の
出力ラインに挿入されこの出力ラインに印加されるサー
ジ電圧が上記電子回路または電子素子に印加されるのを
遅延する出力側のリアクタンス要素と、この出力側のリ
アクタンス要素の入力側において上記出力ラインとアー
ス間に挿入され上記出力ラインに印加されるサージ電圧
を吸収する出力側のガスアレスタとを具備することを特
徴としたものである。
【0015】また、請求項2に記載の発明は、上記入力
側のリアクタンス要素および出力側のリアクタンス要素
は、それぞれアモルファスコアに巻装されたコイルであ
ることを特徴としたものである。
【0016】請求項3に記載の発明は、上記入力側のリ
アクタンス要素および出力側のリアクタンス要素は、そ
れぞれ上記入力ラインおよび出力ラインの数ごとに設け
られて一つの入力側のアモルファスコアおよび一つの出
力側のアモルファスコアに巻装されるコイルであること
を特徴としたものである。
【0017】請求項4に記載の発明は、上記入力側のリ
アクタンス要素および出力側のリアクタンス要素は、そ
れぞれ共通の1個のアモルファスコアに巻装されたコイ
ルであることを特徴としたものである。
【0018】請求項5に記載の発明は、上記入力側のリ
アクタンス要素および出力側のリアクタンス要素は、そ
れぞれ入力側のアモルファスコアおよび出力側のアモル
ファスコアにコモンモード巻きに巻装されるコイルであ
ることを特徴としたものである。
【0019】請求項6に記載の発明は、少なくとも一辺
がひずみゲージで形成され且つ地中に埋設されるホイー
トストンブリッジ回路のブリッジ電圧供給ラインに印加
されるサージ電圧が上記ホイートストンブリッジ回路に
印加されるのを遅延させるために上記ホイートストンブ
リッジ回路の近傍における上記ブリッジ供給ラインに挿
入される入力側のリアクタンス要素と、この入力側のリ
アクタンス要素の入力側において上記ブリッジ電圧供給
ラインとアース間に挿入され上記ブリッジ電圧供給ライ
ンのサージ電圧を吸収するガスアレスタと、上記ホイー
トストンブリッジ回路の近傍における上記ホイートスト
ンブリッジ回路の出力ラインに挿入されこの出力ライン
に印加されるサージ電圧が上記ホイートストンブリッジ
回路に印加されるのを遅延させる出力側のリアクタンス
要素と、この出力側のリアクタンス要素の出力側におい
て上記出力ラインとアース間に挿入され上記出力ライン
に印加されるサージ電圧を吸収する出力側のガスアレス
タとを具備することを特徴としたものである。
【0020】
【作用】上記のように構成された電子機器用サージ保護
装置によれば、入力ラインに誘導されたサージ電圧は、
リアクタンス要素により遅延され、その遅延時間の間
に、このサージ電圧は入力側のガスアレスタによって放
電され、入力側のガスアレスタを通してアースに放電す
る。従って、入力ラインのサージ電圧は、電子回路また
は電子素子に印加されなくなり、電子回路または電子素
子は、入力ラインのサージ電圧から保護される。
【0021】また、出力ラインに誘導されたサージ電圧
は、出力側のリアクタンス要素で出力側から電子回路ま
たは電子素子へ印加されるのを遅延され、この遅延時間
の間に出力側のガスアレスタによって出力ラインに誘導
されたサージ電圧が放電される。従って出力ラインに誘
導されたサージ電圧は、出力側のガスアレスタを通して
すべて大地に放電されることになり、電子回路または電
子素子は、出力ラインのサージ電圧に対しても確実に保
護される。
【0022】また、入力側のリアクタンス要素および出
力側のリアクタンス要素として、それぞれアモルファス
コアに巻回されたコイルを用いた場合には、高飽和磁束
密度特性を有し、高周波域での十分な減衰特性を有し、
ローパスフィルタとしての機能を果たし、サージ電圧の
充分な遅延作用に加えて、高電圧パルス性ノイズ除去作
用を発揮する。
【0023】また、入力側のリアクタンス要素および出
力側のリアクタンス要素として、それぞれ1個のアモル
ファスコアに巻装したコイルを用いることで、それぞれ
入力ラインおよび出力ラインに誘導されたサージ電圧を
遅延させる機能と上記ローパスフィルタの機能を持たせ
つつ、小型化を実現させ得る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1は、この発明に係る電子機器用サー
ジ保護装置の一実施例の全体構成を示す回路図である。
【0025】この図1において、L1,L2はそれぞれ
入力ラインであり、入力ラインL1,L2は、ホイート
ストンブリッジ回路(以下「ブリッジ回路」という)の
ニつの入力端に接続されている。
【0026】ブリッジ回路は、この実施例の場合、4つ
のひずみゲージ1a〜1dをブリッジ接続して構成さ
れ、サージ電圧からの第1の保護対象となるものであ
り、ひずみゲージ1a〜1dは、抵抗線または箔あるい
は半導体ひずみゲージなどが使用される。この実施例で
は、サージ電圧に対する第1の保護対象である電子回路
または電子素子として、ブリッジ回路を例示している。
【0027】このひずみゲージ1a〜1dにより、ブリ
ッジ回路を構成して、ひずみゲージ用埋設計器1とし
て、外筐2内に収納して、地中に埋設している場合を示
している。
【0028】上記ラインL1,L2間には、外筐2から
かなり離れた地点に設けられるブリッジ電圧供給源とし
ての電源4が接続されており、ブリッジ回路の入力端間
に所定のブリッジ電圧を印加するようになっている。こ
の入力ラインL1とL2には、それぞれリアクタンス要
素として、アモルファスコア5a,5bに巻装されたコ
イル6a,6bが挿入されている。
【0029】このコイル6a,6bの入力側、すなわ
ち、電源4側とアース間、すなわち、外筐2間には、ガ
スアレスタ3a,3bがそれぞれ接続されている。この
ガスアレスタ3a,3bは、それぞれ入力ラインL1,
L2に誘導されるサージ電圧吸収用であり、また、コイ
ル6a,6bはこのサージ電圧遅延用に使用されてい
る。
【0030】ブリッジ回路の二つの出力端は、それぞれ
出力ラインL3,L4に接続されている。この出力ライ
ンL3,L4には、それぞれリアクタンス要素として、
コイル6c,6dが挿入されている。これらのコイル6
c,6dも、上記コイル6a,6bと同様に、アモルフ
ァスコア5c,5dに巻装されている。
【0031】出力ラインL3,L4は、外筐2からかな
り離れた地点に設けられる、たとえば、電子回路として
のひずみ測定器を構成するアンプ7の入力端に接続され
ている。このアンプ7は、ブリッジ回路の出力端に現わ
れる出力信号を適宜増幅するためのものである。
【0032】上記コイル6c,6dの出力側、すなわ
ち、アンプ7の入力端側において、出力ラインL3,L
4とアース間、すなわち、外筐2間には、ガスアレスタ
3c,3dが接続されている。これらのガスアレスタ3
c,3dは、出力ラインL3,L4に誘導されたサージ
電圧吸収用である。
【0033】また、上記コイル6c,6dは、出力ライ
ンL3,L4に誘導されたサージ電圧がひずみゲージ1
a〜1dに印加されるのを遅延するためのものである。
【0034】上記アモルファスコア5a〜5dは、高電
圧パルス用ノイズフィルタに使用されるものが適用され
ている。
【0035】次に、このように構成されたこの実施例の
動作について説明する。入力ラインL1,L2に雷サー
ジなどのサージ電圧が誘導されると、このサージ電圧
は、コイル6a,6bにより遅延されるため、ブリッジ
回路に印加されるまでに遅延時間がかかる。
【0036】この遅延時間の間に、ガスアレスタ3a,
3bがサージ電圧により放電され、ラインL1,L2に
誘導されたサージ電圧がガスアレスタ3a,3bを通
し、さらに外筐2を介して、大地に放電される。
【0037】ところで、ガスアレスタは、応答性能に難
があり、一般的に定格電圧は、直流の放電開始電圧Ez
を採用しているが、雷サージ電圧の波形の立ち上がり峻
度(dV/dt)が高くなると、この放電開始電圧Ez
では動作ができず、もっと高い電圧になってしまい、そ
の結果、保護対象回路の十分な保護を全うすることがで
きない。
【0038】しかしながら、本発明では、遅延素子とし
て、コイル6a,6bが使用されており、入力ラインL
1,L2に誘導されたサージ電圧を遅延するので、この
サージ電圧がひずみゲージ1a〜1dに印加されること
がなくなり、これらのひずみゲージ1a〜1dをサージ
電圧から保護することができる。
【0039】また、出力ラインL3,L4に誘導された
サージ電圧も全く同様にして、アモルファスコア5c,
5dに巻装されたコイル6c,6dにより遅延されて、
ひずみゲージ1a〜1dに印加するのを遅延され、この
遅延されている間に、出力ラインL3,L4に重畳され
たサージ電圧でガスアレスタ3c,3dが放電するの
で、出力ラインL3,L4のサージ電圧をガスアレスタ
3c,3dを通して大地に放電させることができる。
【0040】したがって、出力ラインL3,L4に誘導
したサージ電圧がひずみゲージ1a〜1dに印加される
前に大地に放電され、ひずみゲージ1a〜1dはサージ
電圧から確実に保護されることになる。
【0041】また、コイル6a〜6dは、いずれもアモ
ルファスコア5a〜5dに巻装されているが、このアモ
ルファスコア5a〜5dは、高飽和磁束密度を有し、高
電圧パルス性ノイズの減衰作用もあり、しかも透磁率の
周波数特性もすぐれているので、コイル6a〜6dはロ
ーパスフィルタとしての機能を果たすことになり、高電
圧パルス性ノイズを除去する作用も兼ねることになる。
【0042】このように、図1の実施例では、入力ライ
ンL1,L2、出力ラインL3,L4にそれぞれリアク
タンス要素として、アモルファスコア5a〜5dに巻装
されにコイル6a〜6dにより、サージ電圧を遅延さ
せ、その遅延時間内に入力ラインL1,L2、出力ライ
ンL3,L4とアース間に接続されたガスアレスタを放
電させて、サージ電圧を吸収するように構成したから、
ひずみゲージ1a〜1dをサージ電圧から保護すること
ができる。
【0043】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、
種々変形実施ができるものである。
【0044】たとえば、上記図1の実施例(第1の実施
例)の場合には、入力ラインL1,L2、出力ラインL
3,L4に挿入されるコイル6a〜6dを、それぞれ別
個のアモルファスコア5a〜5dに巻装する場合につい
て例示したが、図2に示す第2の実施例のように、入力
ラインL1,L2に挿入するコイル6a,6bと、出力
ラインL3,L4に挿入するコイル6c,6dをそれぞ
れ1個のアモルファスコア5A,5Bに巻装しても、上
記図1の実施例の場合と同様にひずみゲージ1a〜1d
をサージ電圧から保護することができる。
【0045】また、このようにすることにより、アモル
ファスコアを2個で済ませることができ、それだけ構成
が簡略になり、小型軽量かつ安価に製作できる利点を有
する。
【0046】さらに、図3に示す第3の実施例のよう
に、入力ラインL1,L2、出力ラインL3,L4にそ
れぞれ挿入されるコイル6a〜6dを共通の1個のアモ
ルファスコア5に巻装するようにしても、上記図1,図
2の場合と同様にひずみゲージ1a〜1dおよびアンプ
7をサージ電圧から保護することができるという効果に
加え、アモルファスコア5を1個で済ませることがで
き、図2の第2の実施例よりさらに、小型軽量にして、
かつ安価に製作できる利点を有する。
【0047】図4は、本発明の第4の実施例の構成を示
す回路図である。この第4の実施例の場合は、入力ライ
ンL1,L2に挿入されるコイル6a,6bを一つのア
モルファスコア5Aにコモンモード巻きにするととも
に、出力ラインL3,L4に挿入されるコイル6c,6
dも、一つのアモルファスコア5Bにコモン巻きに巻装
している。
【0048】また、入力ラインL1,L2からガスアレ
スタ3a,3bを介して接続点P1に接続するととも
に、出力ラインL3,L4からガスアレスタ3c,3d
を介して接続点P1に接続されている。このように構成
することにより、コモンモードのノイズを除去するよう
にしている。
【0049】ところで、伝導ノイズの伝搬形態には、ノ
ーマルモード成分とコモンモード成分があり、図4の実
施例では、後者のコモンモード成分を除去しようとする
ものである。ノーマルモードノイズは、出力端子間に発
生するノイズであり、コモンモードノイズは、出力端子
とアース間に発生するノイズであり、出力端子間では同
じ相のノイズである。
【0050】このコモンモードノイズの減衰は、入力ラ
インL1,L2、出力ラインL3,L4に挿入されてい
るコイル6a〜6dにより行われ、コイル6a〜6dを
巻装するコアの磁気特性に大きく影響するものである。
【0051】一般に、コアの磁気特性と、高電圧パルス
との間には、次の(1)式のような比例関係が成立す
る。
【0052】V・t∝ΔB・N・A ……(1) ここで、ΔBは、コアの磁束密度の変化量、Vは、パル
ス電圧、tは、パルス時間幅、Nは、コイルの巻線数、
Aは、コアの断面積、をそれぞれ示す。
【0053】上記(1)式より明らかなように、電圧時
間積(V・t積)が大きなサージ電圧を効果的に減衰さ
せるためには、コア寸法、巻線数、飽和磁束密度がそれ
ぞれ大きな方が望ましいことになる。
【0054】ここで、軽量、小型化傾向にしたがって、
コア寸法、巻線数をある限度に抑えるためには、大きな
磁束密度の変化量ΔBが必要である。つまり、高電圧パ
ルス用のノイズフィルタに用いられるコアには、高飽和
磁束密度材が要求されることになる。
【0055】そこで、従来は、飽和磁束密度Bm≒0.
5TであるMn−Zn系高透磁率フェライトが多用され
ていたが、本発明では、図1〜図4のいずれにも、鉄系
アモルファス合金を用いたコア5a〜5d,5A,5
B,5がそれぞれ使用されている。
【0056】本発明の各実施例に使用されるコアは、ア
モルファス合金薄帯(板厚約20μm)をトロイダル状
に形成しており、このうち、図4の実施例におけるコア
5A,5Bは、その外径寸法37mm,内径20mm,
高さ12mm程度とし、特殊な熱処理を施している。こ
のコア5A,5Bの磁気特性として、B−H曲線を示す
と、図5のようになり、透磁率μの周波数特性を図6に
それぞれフェライトと比較して示している。
【0057】図5からも明らかなように、本発明のコア
5A,5Bに使用されるアモルファス合金の方が、フェ
ライトよりも飽和磁束密度が高く、約3倍であることが
示されている。
【0058】同様に、図6からも明らかなように、透磁
率の周波数特性も、フェライトに対して、本発明のコア
5A,5Bに使用される上記アモルファス合金の方が周
波数特性がすぐれていることがわかる。
【0059】また、実際のノイズフィルタに組み込んで
高電圧パルス減衰特性を測定した結果が、図7に示され
ている。この図7では、上記アモルファス合金の特性と
対比するために、フェライトコアの特性も示されてい
る。
【0060】この図7より明らかなように、アモルファ
ス合金の高飽和磁束特性を反映して、フェライトコアに
比べ、十分な減衰特性が得られ、高電圧パルス用ノイズ
フィルタコアとしても十分な性能を発揮するものであ
る。
【0061】そこで、図4の実施例では、上記のような
良好な諸特性を有するコア5A,5Bを使用し、これら
のコア5A,5Bにそれぞれコイル6aと6b、6cと
6dをコモンモード巻きに巻装することにより、入力ラ
インL1とL2、出力ラインL3とL4のコモンモード
のノイズをそれぞれ除去するようにしており、入力ライ
ンL1とL2、出力ラインL3とL4に誘導される高電
圧パルス性ノイズを除去することができる。
【0062】しかも、コイル6a〜6dは、それぞれサ
ージ電圧や高電圧パルス性ノイズに対しても、図1〜図
3の実施例同様に遅延させるから、入力ラインL1,L
2に誘導されたサージ電圧をひずみゲージ1a〜1dに
印加するのをコイル6a,6bにより遅延させ、その間
に、ガスアレスタ3a,3bをこのサージ電圧あるいは
高電圧パルス性ノイズで放電させ、サージ電圧あるいは
高電圧パルス性ノイズを大地に放電させることができ
る。
【0063】出力ラインL3,L4に誘導されたサージ
電圧あるいは高電圧パルス性ノイズも全く同様にして、
コイル6c,6dでひずみゲージ1a〜1dに印加する
のを遅延させ、その遅延時間内にガスアレスタ3c,3
dを放電させることによって、出力ラインL3,L4に
誘導されたサージ電圧あるいは高電圧パルス性ノイズを
ガスアレスタ3c,3dを通して大地に放電する。した
がって、ひずみゲージ1a〜1dには、サージ電圧ある
いは高電圧パルス性ノイズが印加されないため、ひずみ
ゲージ1a〜1dを破壊から保護することができる。
【0064】なお、この図4の実施例の場合も、コア5
A,5Bの2個を使用するのみであるから、図1の実施
例に対して、図2の実施例と同様に、小型かつ軽量で低
コスト化が可能となる。
【0065】また、上述した実施例は、いずれもひずみ
ゲージをサージ電圧から確実に保護するようにしたが、
ひずみゲージ以外の、地中に埋設される差動トランス、
静電容量変換器等の素子あるいは電子回路を同様に保護
することができる。
【0066】また、上記したところでは、地中に埋設さ
れる電子素子(または回路)側を保護する場合について
説明したが、例えば第1図〜第4図に示すような電源4
あるいはアンプ7のように地中には埋設されない電子回
路側をサージ電圧から保護する場合にも適用可能であ
る。
【0067】この場合は、コイル6a,6bおよび6
c,6dを、それぞれ入力ラインL1,L2および出力
ラインL3,L4のそれぞれ電源4およびアンプ7側の
近傍位置に回路挿入し、ガスアレスタ3a,3bおよび
3c,3dをそれぞれコイル6a,6bおよび6c,6
dの入力側(コイル6a,6bおよびコイル6c,6d
に対し電源4およびアンプ7とは反対側)において上記
入力ラインL1,L2および出力ラインL3,L4とア
ース間に回路挿入すればよい。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、電子回路または電子素子の入力ラインお
よび出力ラインにそれぞれリアクタンス要素を挿入する
とともに、入力ラインのリアクタンス要素の入力側とア
ース間および出力ラインのリアクタンス要素の出力側と
アース間にそれぞれガスアレスタを接続し、入力ライン
および出力ラインに誘導されたサージ電圧をそれぞれリ
アクタンス要素で遅延させ、入力ラインのサージ電圧を
電子回路または電子素子に印加するのを遅延させるとと
もに出力ラインのサージ電圧を出力ラインに接続される
各種の電子回路へ印加するのを遅延させ、その各遅延時
間中にガスアレスタを通して大地にサージ電圧を放電す
るように構成したので、電子回路または電子素子をサー
ジ電圧から確実に保護することができるとともに、また
入力ノイズの保護対策にもなる電子機器用サージ保護装
置を提供することができる。
【0069】また、請求項2に記載の発明によれば、入
力ライン、出力ラインに挿入される各リアクタンス要素
をアモルファスコアに巻装したコイルを使用するように
構成したから、上述のサージ電圧に対する電子回路ある
いは電子素子の保護機能に加えて、アモルファスコアの
有する高飽和磁束密度特性と高電圧パルス性ノイズに対
する減衰特性により、良好なローパスフィルタとしての
機能を果たすことから、高電圧パルス性ノイズの除去も
兼備する電子機器用サージ保護装置を提供することがで
きる。
【0070】請求項3に記載の発明によれば、入力ライ
ンおよび出力ラインに挿入するリアクタンス要素をそれ
ぞれ入力ライン、出力ラインごとに各1個のアモルファ
スコアに巻装したコイルを使用したので、請求項2に記
載の発明の効果に加えて、アモルファスコアを2個で済
ませることができ、軽量、小型化および低コスト化が可
能となる。
【0071】請求項4に記載の発明によれば、入力ライ
ンおよび出力ラインに挿入されるリアクタンス要素を入
力ラインと出力ラインのリアクタンス要素に共通の1個
のアモルファスコアに巻装したコイルとすることによ
り、請求項2の発明の効果に加えて、アモルファスコア
を1個で済ませることができ、より一層の小型、軽量化
と低コスト化が可能となる電子機器用サージ保護装置を
提供することができる。
【0072】請求項5に記載の発明によれば、入力ライ
ンおよび出力ラインに挿入するリアクタンス要素として
入力ライン、出力ラインごとに1個の共通のアモルファ
スコアにコモンモード巻きにしたコイルを使用するよう
にしたので、請求項3の発明の効果に加えて、コモンモ
ードのノイズも除去でき、ノイズ対策も兼ねた電子機器
用サージ保護装置を提供することができる。
【0073】また、請求項6に記載の発明によれば、サ
ージ保護対象として、少なくとも一辺がひずみゲージで
形成され且つ地中に埋設されるブリッジ回路およびこの
ブリッジ回路の出力電圧を適宜増幅等の処理をするひず
み測定器に本発明を適用する構成としたので、耐電圧が
極めて低く雷サージによって破壊され易いうえ、外部か
らの誘導ノイズの侵入し易い埋設状態のブリッジ回路
を、サージ電圧から確実に保護し得るとともに、高電圧
パルス性ノイズのひずみ測定器への印加を効果的に抑制
し得る電子機器用サージ保護装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器用サージ保護装置の第1の実
施例の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の電子機器用サージ保護装置の第2の実
施例の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の電子機器用サージ保護装置の第3の実
施例の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の電子機器用サージ保護装置の第4の実
施例の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の電子機器用サージ保護装置に使用され
たアモルファスコアとフェライトコアとを対比して示す
B−H特性図である。
【図6】本発明の電子機器用サージ保護装置に使用され
るアモルファスコアとフェライトコアとを対比して示す
透磁率の周波数特性図である。
【図7】本発明の電子機器用サージ保護装置に使用され
るアモルファスコアとフェライトコアとを対比して示す
パルス減衰特性図である。
【図8】従来の電子機器用サージ電圧保護装置の構成を
示す回路図である。
【符号の説明】
1 ひずみゲージ用埋設計器 1a〜1d ひずみゲージ 2 外筐 3a〜3d ガスアレスタ 4 電源 5,5A,5B,5a〜5d アモルファスコア 6a〜6d コイル 7 アンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子回路または電子素子の入力ラインに
    挿入されこの入力ラインに印加されるサージ電圧が上記
    電子回路または電子素子に印加されるのを遅延させる入
    力側のリアクタンス要素と、この入力側のリアクタンス
    要素の入力側において上記入力ラインとアース間に挿入
    され上記入力ラインのサージ電圧を吸収するガスアレス
    タと、上記電子回路または電子素子の出力ラインに挿入
    されこの出力ラインに印加されるサージ電圧が上記電子
    回路または電子素子に印加されるのを遅延する出力側の
    リアクタンス要素と、この出力側のリアクタンス要素の
    入力側において上記出力ラインとアース間に挿入され上
    記出力ラインに印加されるサージ電圧を吸収する出力側
    のガスアレスタとを具備することを特徴とする電子機器
    用サージ保護装置。
  2. 【請求項2】 上記入力側のリアクタンス要素および出
    力側のリアクタンス要素は、それぞれアモルファスコア
    に巻装されたコイルであることを特徴とする請求項1記
    載の電子機器用サージ保護装置。
  3. 【請求項3】 上記入力側のリアクタンス要素および出
    力側のリアクタンス要素は、それぞれ上記入力ラインお
    よび出力ラインの数ごとに設けられて一つの入力側のア
    モルファスコアおよび一つの出力側のアモルファスコア
    に巻装されるコイルであることを特徴とする請求項1記
    載の電子機器用サージ保護装置。
  4. 【請求項4】 上記入力側のリアクタンス要素および出
    力側のリアクタンス要素は、それぞれ共通の1個のアモ
    ルファスコアに巻装されたコイルであることを特徴とす
    る請求項1記載の電子機器用サージ保護装置。
  5. 【請求項5】 上記入力側のリアクタンス要素および出
    力側のリアクタンス要素は、それぞれ入力側のアモルフ
    ァスコアおよび出力側のアモルファスコアにコモンモー
    ド巻きに巻装されるコイルであることを特徴とする請求
    項1記載の電子機器用サージ保護装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも一辺がひずみゲージで形成さ
    れ且つ地中に埋設されるホイートストンブリッジ回路の
    ブリッジ電圧供給ラインに印加されるサージ電圧が上記
    ホイートストンブリッジ回路に印加されるのを遅延させ
    るために上記ホイートストンブリッジ回路の近傍におけ
    る上記ブリッジ供給ラインに挿入される入力側のリアク
    タンス要素と、この入力側のリアクタンス要素の入力側
    において上記ブリッジ電圧供給ラインとアース間に挿入
    され上記ブリッジ電圧供給ラインのサージ電圧を吸収す
    るガスアレスタと、上記ホイートストンブリッジ回路の
    近傍における上記ホイートストンブリッジ回路の出力ラ
    インに挿入されこの出力ラインに印加されるサージ電圧
    が上記ホイートストンブリッジ回路に印加されるのを遅
    延させる出力側のリアクタンス要素と、この出力側のリ
    アクタンス要素の出力側において上記出力ラインとアー
    ス間に挿入され上記出力ラインに印加されるサージ電圧
    を吸収する出力側のガスアレスタとを具備することを特
    徴とする電子機器用サージ保護回路。
JP23122091A 1991-08-17 1991-08-17 電子機器用サージ保護装置 Pending JPH0545381A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23122091A JPH0545381A (ja) 1991-08-17 1991-08-17 電子機器用サージ保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23122091A JPH0545381A (ja) 1991-08-17 1991-08-17 電子機器用サージ保護装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0545381A true JPH0545381A (ja) 1993-02-23

Family

ID=16920205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23122091A Pending JPH0545381A (ja) 1991-08-17 1991-08-17 電子機器用サージ保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0545381A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002134329A (ja) * 2000-10-24 2002-05-10 Hitachi Metals Ltd 信号回線のコモンモード雷サージ電流抑制用磁性部品
JP2008134185A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Murata Mfg Co Ltd センサ装置
KR101219166B1 (ko) * 2012-01-02 2013-01-09 주식회사 티지오 뇌운검출을 위한 보정부를 구비한 대지전계 측정장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002134329A (ja) * 2000-10-24 2002-05-10 Hitachi Metals Ltd 信号回線のコモンモード雷サージ電流抑制用磁性部品
JP2008134185A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Murata Mfg Co Ltd センサ装置
KR101219166B1 (ko) * 2012-01-02 2013-01-09 주식회사 티지오 뇌운검출을 위한 보정부를 구비한 대지전계 측정장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4914382A (en) High voltage measuring circuit coupled to the capacitive grounding tap bushing of an HV device
KR20080011019A (ko) 코일 블럭 및 이를 이용한 전자장치
KR101438120B1 (ko) Hemp 대책용 전원선로 방호장치
JP6906731B1 (ja) ノイズ抑制装置
US11686745B2 (en) Rogowski current sensor which is fast and immune to voltage drifts
JPH0545381A (ja) 電子機器用サージ保護装置
US6385029B1 (en) Total electrical transient eliminator
US4314303A (en) Overvoltage protection device
JPS5895932A (ja) 電力巻線の内部電圧グレ−ジングおよび過渡電圧保護装置
US11650228B1 (en) Very-wide-bandwidth current sensor
KR101984073B1 (ko) 로고스키 코일을 이용한 임펄스 전류측정장치
US6087822A (en) Power transformer with internal differential mode distortion cancellation
EP2287990A1 (en) A device protecting against high frequency overvoltage
US5900681A (en) Electric device for generating high-voltage square pulses
Van den Berghe et al. Power plane resonances as a source of delta-I noise and the influence of decoupling capacitors
KR20100111618A (ko) 전기 접지 과도현상 제거 장치 및 방법
JPS60249440A (ja) 中継増幅器または中継再生器に対する過電圧の過大成分防止のための回路装置
SU855832A1 (ru) Устройство дл защиты электроустановки от перенапр жений
JPH05122841A (ja) 保安器
KR101816024B1 (ko) 광대역의 고주파 펄스에너지 저장용 리액터
JPS6062820A (ja) 電圧変成器の保護装置
JPH0555061A (ja) ノイズフイルタ用電磁装置
JP2006196725A (ja) 静電遮蔽シールドトランス
KR100445051B1 (ko) 전자파 양립성 필터
JPS63241370A (ja) 油入電気機器の部分放電検出装置