JPH0544613U - 非金属製タイヤ滑り止めネツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ネット本体の交差部外周にかしめ固定したスパ
イク金具が摩耗しても、該かしめスパイク金具を除いた
部位に埋設したスパイクピンがスパイク機能をリリーフ
し、長期にわたってスパイク機能を発揮せしめることの
できる非金属製のタイヤ滑り止めネットを提供すること
である。 【構成】ゴム等でネット状に形成された非金属製タイヤ
滑り止めネット本体１の接地面側１ａの所望な交差部１
ｂ…に帯状のスパイク金具２をかしめ固定すると共に、
そのスパイク金具２のかしめ固定部を除く接地面側１ａ
の表面所望箇所に天板部３ａと脚部３ｂ，３ｂとからな
る側面形状逆凹形のスパイクピン３を、その天板部３ａ
の頂面３ａ′が上記滑り止めネット本体１の接地面側１
ａに臨むように埋設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スパイクピンを備えてなる非金属製タイヤ滑り止めネットに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種のタイヤ滑り止めネットは、図４に示すように非金属製のタイヤ滑 り止めネット本体100 の交差部分101 …の所望箇所に帯状のスパイク金具200 … を巻回せしめると共にかしめ固定してなるものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来技術ではスパイク金具200 を滑り止めネット本体100 の交差 部101 に巻回してかしめ固定し、該スパイク金具200 は滑り止めネット本体100 の表面100 ′に突出しているため、滑り止めネット本体100 に対して摩耗する割 合が高く摩滅，欠落しやすいものであった。

【０００４】 即ち、スパイク金具200 が欠落するとスパイク機能を有しなくなるため新たに スパイク金具200 を打ちかえたりしなければならず、滑り止めネット本体100 の 寿命（例えば滑り止めネット本体100 が破損したり接地面側に芯材が露出したり した時等）に対して早期にスパイク機能が喪失してしまうものであった。

【０００５】 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、ネット本体の交差部外周にかしめ固定したスパイク金具 が摩耗しても、該かしめスパイク金具を除いた部位に埋設したスパイクピンがス パイク機能をリリーフし、長期にわたってスパイク機能を発揮せしめることので きる非金属製のタイヤ滑り止めネットを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段は、非金属製タイヤ滑り 止めネット本体の所望な交差部に帯状スパイク金具を巻回してかしめ固定すると 共に、天板部と脚部とからなるスパイクピンを上記スパイク金具のかしめ部位を 除いた他の表面所望箇所に脚部側から埋設し、該スパイクピンの天板部頂面を上 記ネット本体の接地面側に臨ませたことである。

【０００７】

【作用】

上記せる技術的手段により、ネット本体の所望な交差部に巻回してかしめ固定 したスパイク金具が摩耗すると同時に、ネット本体の摩耗に伴ってネット本体表 面に埋設されているスパイクピンの天板部頂面が露出し、ネット本体の摩耗量が 大きくなればなる程スパイクピンの突出量が大きくなってスパイク機能を発揮す る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明すると、図中Ａは本考案タイヤ滑 り止めネットを示し、該滑り止めネットＡはタイヤ滑り止めネット本体１、スパ イク金具２…、スパイクピン３…とで構成されている。

【０００９】 タイヤ滑り止めネット本体１は、ゴム等の非金属材で図示せるように所望な網 目状（ネット状）に形成された従来周知の形状であり、図示例にあっては内部に 芯材１ｃ（例えばワイヤー，グラスファイバー，合成繊維等）を内装してなるも のを示すが芯材１ｃを内装しないものであってもよく任意であり、また滑り止め ネット本体１の全体形状も一実施例を示したに過ぎず上記ネット形状に何等限定 されるものではなく従来周知の非金属製のタイヤ滑り止めネット本体のネット形 状に変更可能である。

【００１０】 スパイク金具２は、所望な鋼材等で帯状に形成された従来周知のもので、上記 ネット本体１の所望な交差部１ｂ…の外周に巻回せしめると共にかしめ固定して 所望数配設されている。

【００１１】 スパイクピン３は、所望な鋼材あるいは所望な鋼材に焼き入れしたものや、超 硬合金材あるいはセラミック等の高耐摩耗性材料など所望な材質で、例えば脚部 ３ｂ，３ｂと天板部３ａとで側面形状逆凹形に形成されたものであり、スパイク 金具２のかしめ部位を除いた滑り止めネット本体１の接地面側１ａの表面所望箇 所（交差部１ｂ…）に脚部３ｂ側から埋設し、その天板部３ａの頂面３ａ′を滑 り止めネット本体１の接地面側１ａに略面一状に臨ませている（図２参照）。

【００１２】 尚、本実施例では上記スパイク金具２…とスパイクピン３…とをネット本体１ の交差部１ｂ…に交互に配設するものとしているがその割合は任意であり、また スパイク金具２…とスパイクピン３…との配設部位は交差部１ｂ…に限定される ものではなく任意である。

【００１３】 スパイクピン３は、少なくともネット本体１の耐久限度内摩耗量（高さ）に相 当する高さ（厚さ，長さ）を有するものであればその高さは任意（従って図示せ しめないが本体１の厚み内一杯の高さとしてもよい）であり、またその形状も側 面形状Ｔ形（図示省略）または図３（ａ）に示す天板部３ａの一側縁のみから脚 部３ｂを垂設してなる側面形状逆Ｌ形等、あるいは図３（ｂ）（ｃ）のようにピ ン本体上に超硬合金あるいは高耐摩耗性材料などからなる凸部３ｃを設けたもの （この場合凸部３ｃの頂面３ｃ′が接地面側１ａに臨む、また図３（ｄ）は（ｃ ）のｘ−ｘ線断面図）等任意の形状でよく何等限定されるものでない。尚、いう までもないが接地面側１ａに臨む天板部３ａの頂面３ａ′の表面形状は面状（円 形，矩形等）、線状あるいは点状等任意である。

【００１４】 また、スパイクピン３はその頂面３ａ′がネット本体１の接地面側１ａに臨ん でいればよく、上記せるように頂面３ａ′が接地面側１ａに面一状となるように 埋設したものでなく、接地面側１ａより突出状（図３（ｅ）参照）あるいは没状 （図示省略）となるように埋設してもよいものである。

【００１５】 上記スパイクピン３…の組み込み方法について説明すると、内部に芯材１ｃを 内装した未加硫ゴムからなる線条材を編み組みして編組体を形成する滑り止めネ ット本体１のいわゆる予備成型時に、その未加硫状の滑り止めネット本体１の所 望な交差部１ｂ…に脚部３ｂ，３ｂ側から押し込んで埋設し、その後滑り止めネ ット本体１と共に加硫成型されて滑り止めネット本体１と一体的に形成されるも のである。従って、スパイクピン３の頂面３ａ′上には滑り止めネット本体１の ゴム材が薄膜状に覆うこともあるが、その薄膜状ゴムは走行すればすぐに摩耗し スパイクピン３の頂面３ａ′が露出するため何等問題はない。またスパイク金具 ２…は、上記加硫成型されたネット本体１の所望な交差部１ｂ…に巻回せしめる と共にかしめ固定する。

【００１６】 更に、任意ではあるがスパイクピン３は、脚部３ｂ，３ｂを進行方向に対して 90゜捻りをいれたり、あるいは脚部３ｂ，３ｂの側面に連通孔や溝等を設けたり 、脚部３ｂ，３ｂを屈曲させたりして抜け止め防止を図るものとしてもよい。

【００１７】 従って、本考案のタイヤ滑り止めネットＡを装着して走行し、ネット本体１の 交差部１ｂにかしめ固定したスパイク金具２が摩耗すると、ネット本体１に埋設 されているスパイクピン３…の天板部３ａ…の頂面３ａ′…が露出し、凍結路面 へのスパイク機能をリリーフする。

【００１８】 また、スパイク金具２のかしめ部位を除いてスパイクピン３を埋設している交 差部１ｂの外周面に、更に上記スパイク金具２と同様のスパイク金具２をかしめ 固定し、スパイク金具２内にスパイクピン３を内包するものとしてもよく任意で あり、これによりスパイク金具２の揺れが少なくなり金属疲労からの早期割れを 防止できる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、非金属製タイヤ滑り止めネット本体の所望な交差部に帯状スパイク 金具を巻回してかしめ固定すると共に、天板部と脚部とからなるスパイクピンを 上記スパイク金具のかしめ部位を除いた他の表面所望箇所に脚部側から埋設し、 該スパイクピンの天板部頂面を上記ネット本体の接地面側に臨ませた構成とした ため、ネット本体の所望な交差部に巻回してかしめ固定したスパイク金具が摩耗 しても、ネット本体表面に埋設されているスパイクピンの天板部頂面が少しづつ 露出し（上記本体の摩耗量が大きくなればなる程スパイクピンの突出量が大きく なる）スパイク機能をリリーフすることができるため、ネット本体の寿命（ネッ ト本体が破損したり接地面側に芯材が露出したりした時等）に対し、スパイク機 能が早期に喪失することもなく、滑り止めネット本体の使用が可能な限り長期に わたってスパイク機能が発揮できるものとなり大変実用価値が高く有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案滑り止め具の一実施例を一部省略して
示す全体平面図である。

【図２】 図１のｘ−ｘ線拡大断面図である。

【図３】 他の実施例のスパイクピンの埋設状態を示す
拡大断面図である。

【図４】 従来の非金属製タイヤ滑り止め具を示す一部
省略平面図である。

【符号の説明】

１：タイヤ滑り止めネット １ａ：接地面側 １ｂ：交差部 ２：スパイク金具 ３：スパイクピン ３ａ：天板部 ３ａ′：頂面 ３ｂ：脚部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 非金属製タイヤ滑り止めネット本体の所
   望な交差部に帯状スパイク金具を巻回してかしめ固定す
   ると共に、天板部と脚部とからなるスパイクピンを上記
   スパイク金具のかしめ部位を除いた他の表面所望箇所に
   脚部側から埋設し、該スパイクピンの天板部頂面を上記
   ネット本体の接地面側に臨ませてなることを特徴とする
   非金属製タイヤ滑り止めネット。