JPH0544115U - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い捨ておむつにおける胴周りの体液漏れを
防止する。 【構成】 吸収体１３の前身頃２、および後身頃３のう
ちの少なくとも後身頃において吸収体の端縁１０Ｂ近傍
に凹溝１４を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

透水性表面シートと、不透水性裏面シートと、これら両シートの間に吸収体を 介在させた使い捨ておむつは周知である。一般に、この種のおむつでは、吸収体 の平面形状を砂時計型にし、前身頃と後身頃において、吸収体端縁がおむつの胴 周り周縁近くまで達し、その横幅が胴周り全体を囲うように幅広く作る。

【０００３】

【この考案が解決しようとする課題】

前記従来のおむつでは、股下部で排泄された体液が吸収体の前・後身頃にわた る長手方向に比較的速やかに浸透・拡散する。ところが、その体液は量が多いと 吸収体の端縁にまで達してしまい、おむつの胴周り近傍で体液が漏れるという問 題がある。乳幼児用おむつは臥して用いられることが多いから、このような漏れ はおむつの腹側よりも背中側で起こり易い。

【０００４】 そこでこの考案は、吸収体の前・後身頃の少なくとも後身頃に凹溝を設けるこ とによって吸収体における股下部から後身頃の端縁方向に向かう体液の流れの方 向を規制し、前記従来の問題を解決することを課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案が前記課題を解決するために要旨とするところは、透水性表面シート と不透水性裏面シートとの間に吸収体が介在する使い捨ておむつにおいて、吸収 体を股下部を介して前身頃から後身頃にかけて設けるとともに、この吸収体の前 身頃と後身頃のうちの少なくとも後身頃には吸収体の端縁近傍にこれと実質的に 並行して吸収体の厚みの１／２以上の深さを有する凹溝を設け、この凹溝により 少なくとも吸収体における股下部から後身頃の端縁への体液の流れの方向を規制 することにある。

【０００６】

【作用】

このように構成したおむつでは、吸収体の端縁に向かって浸透・拡散する体液 を前・後身頃のうちの少なくとも後身頃の凹溝において遮り、この体液が吸収体 横幅方向へ流れるように規制して少なくとも後身頃の胴周りにおける体液の漏れ を防止する。

【０００７】

【実施例】

この考案の詳細を添付の図に基づいて説明すると以下のとおりである。

【０００８】 図１は、この考案に係る使い捨ておむつ１の組み立て状態を示す斜視図である 。おむつ１は前身頃２と、後身頃３と、股下部４とを有し、前・後身頃２，３を 腰周りでテープファスナー５により止着し、胴周り開口部６と脚周り開口部７と を形成してある。各開口部６，７の周縁近傍は、ゴムバンド等の弾性部材８を伸 張下に貼着してギャザーを作り、伸縮性を持たせてある。

【０００９】 図２は、図１のおむつ１を展開し、一部を切り欠いて示す平面図である。おむ つ１は、透水性表面シート１１と、不透水性裏面シート１２と、両シート１１， １２の間に介在する吸収体１３とによって構成し、両シート１１，１２は互いに 重ね合わせた周囲がホットメルト接着剤（図示せず）により接合してある。吸収 体１３は前身頃２から股下部４を経て後身頃３にまで延びており、さらに、前・ 後身頃２，３においては股下部４のそれよりも幅が広く、左右の腰周りにまで延 びており、全体としては砂時計型になっている。吸収体１３は前身頃２と後身頃 ３とにおいて各々開口部６の周縁に並行な端縁１０Ａ，１０Ｂを有する。吸収体 １３の後身頃にはその端縁１０Ｂ寄りに細長い凹溝１４が幅方向に延在している 。

【００１０】 図３は、図２におけるＹ−Ｙ線矢視図である。吸収体１３はおむつ１の上下方 向、即ち図における左右方向に分断されて吸収体１３Ａと１３Ｂとになり、両吸 収体１３Ａ，１３Ｂ間に吸収体１３Ｂの端縁と実質的に並行して凹溝１４が形成 してある。凹溝１４は一般に吸収体１３の見掛けの厚みの１／２以上の深さとな り、かつ、吸収体１３Ａ，１３Ｂの両側縁まで達しないようにするが、図では凹 溝１４が吸収体１３の表裏面間を貫通する場合を示してある。凹溝１４で表面シ ート１１が搾り込まれ、接着剤１５を介して裏面シート１２に接合されている。 吸収体１３Ａの右手はおむつ１の下方向に当る股下部４へ延び、図の左端は背側 の胴周り周縁である。弾性部材８は表・裏面シート１１，１２の間にある。

【００１１】 このように構成されたおむつ１では、股下部４で排泄された体液が吸収体１３ に吸収され、後身頃３へ浸透・拡散すると凹溝１４でその拡散が遮られる。しか し、吸収体１３はおむつ１の幅方向に連続しており、体液の流れをその幅方向へ 向かうように規制することが可能である。その規制により、体液が直接端縁１０ Ｂに到達して後身頃３の胴周りから体液が漏れるという事態を回避することがで きる。

【００１２】 図４は、この考案の実施態様の一つであって、吸収体１３Ａ，１３Ｂ間に圧縮 された吸収体１３Ｃが介在している場合の凹溝１４の断面図である。この場合に も吸収体１３の厚みの１／２以上の深さとなるように吸収体１３を部分的に高密 度に圧縮して吸収体１３Ｃとすることにより凹溝１４を形成し、この吸収体１３ Ｃには撥水処理を施して体液の浸透・拡散を防いでいる。

【００１３】 図５は、この考案の他の実施態様を示す断面図であって、吸収体１３Ａ，１３ Ｂ間に設けた凹溝１４に不透水性のプラスチックフィルム１７を挿入して、一端 を接着剤１５で裏面シート１２に接合し、吸収体１３Ａから１３Ｂへの体液の流 れを確実に遮断する場合を例示している。

【００１４】 図６は、さらに他の実施態様を示す断面図であって、凹溝１４において搾り込 んだ表面シート１１の上にプラスチックフィルム製の仕切壁１８を接着剤１５で 接合して起立せしめ、表面シート１１上を股下部から後身頃３の胴囲り周縁方向 に向かって流れる体液の堰にしてある例を示す。この仕切壁１８はギャザー仕立 てにして、胴周りへの密着性をよくすることができる。

【００１５】 以上の図示例では、凹溝１４を後身頃３に設けた場合を示したが、前身頃２に も設けることができ、また、その平面形状は、おむつ幅方向に延在する矩形であ る場合に限らず、適宜他の形状にすることができる。おむつ１を構成する素材は 周知、または公知のものを使えばよい。

【００１６】

【考案の効果】

この考案では、吸収体の前身頃および後身頃のうちの少なくとも後身頃におい て、その端縁近傍に凹溝を設け、股下部からその端縁方向に向かう体液の流れを 遮るようにしてあるから、後身頃の胴周りでの体液の漏れを防ぐことができる。 こうした凹溝を吸収体の後身頃の端縁近傍に設けたことで、凹部と胴周り周縁と の間の吸収体がその幅方向へ変形し易くなるから、その胴周りに弾性部材を備え るおむつにあっては、その弾性部材の伸縮性が吸収体の剛性に拘束されず、その 胴周りに充分なギャザーが生じ、その胴周りが身体に密に圧接し、前記体液の漏 れ防止を一層効果的にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る使い捨ておむつの使用状態を示
す斜視図。

【図２】図１のおむつを展開し、一部切り欠いて示す平
面図。

【図３】図２のＹ−Ｙ線矢視図。

【図４】この考案の実施態様の一つを示す図３と同様な
図。

【図５】この考案の他の実施態様を示す図３と同様な
図。

【図６】さらに他の実施態様を示す図３と同様な図。

【符号の説明】

１ 使い捨ておむつ ２ 前身頃 ３ 後身頃 １０Ａ，１０Ｂ 端縁 １１ 表面シート １２ 裏面シート １３ 吸収体 １４ 凹溝

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 7603−4Ｃ Ａ６１Ｆ 13/18 ３０２

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透水性表面シートと不透水性裏面シートと
   の間に吸収体が介在する使い捨ておむつであって、 前記吸収体がおむつの股下部を介して前身頃から後身頃
   にかけて設けられているとともに、前記吸収体の前・後
   身頃のうちの少なくとも後身頃には前記吸収体の端縁近
   傍にこれと実質的に並行して前記吸収体の厚みの１／２
   以上の深さを有する凹溝が設けられており、少なくとも
   前記吸収体における股下部から後身頃への体液の流れの
   方向を規制することができることを特徴とする前記使い
   捨ておむつ。