JPH0543880A - 石炭の膨張圧及び粘性の評価方法 - Google Patents

石炭の膨張圧及び粘性の評価方法

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JPH0543880A
JPH0543880A JP20179191A JP20179191A JPH0543880A JP H0543880 A JPH0543880 A JP H0543880A JP 20179191 A JP20179191 A JP 20179191A JP 20179191 A JP20179191 A JP 20179191A JP H0543880 A JPH0543880 A JP H0543880A
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JP
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coal
pressure
viscosity
expansion pressure
gas
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JP20179191A
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Koji Hanaoka
浩二 花岡
Katsutoshi Igawa
勝利 井川
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】石炭の膨張圧及び粘性の評価を実状に近い試験
及び計算により行う。 【構成】発生ガスが抜けるようにしたステンレス製円筒
型反応管1を用いて石炭2を乾留し、直接軟化溶融層の
内圧を挿入管7により取出して測定する。さらに計算し
たガス発生量から軟化溶融層の通気抵抗を算出する。こ
の内圧と通気抵抗を比較検討することにより各乾留条件
及び配合の膨張圧と粘性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コークス炉で石炭を加
熱する時の石炭の膨張圧及び粘性の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に加熱時の石炭の諸特性を数値的に
把握し、装置の設計や操業の標準化に利利するために粘
性及び膨張圧(又は膨張率)を評価する方法が研究され
ている。これらの従来の技術は、加熱方向に対して垂直
な方向における各種測定によって行われている。たとえ
ば、(1)粘性を調べるための針入度測定方法や膨張度
測定方法としては、オートクレーブに装入した石炭ブロ
ック試料を加熱して針またはピストンで針入度又は膨張
度を測定し、その測定値を粘性や膨張度として評価する
方法(燃料協会誌Vol.68(8),728,198
9)、(2)膨張圧の測定方法としては石英製のピスト
ンを介してロードセルによって測定する方法(燃料協会
誌Vol.68(3),210,1989)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の(1)の方法で
は、針入度測定時には自由膨張の現象をも併せて測定し
てしまうこととなり、また、膨張度測定時には発生ガス
圧をも含めて測定してしまう問題があった。また(2)
の方法でも発生ガスが抜けにくいという問題があった。
さらに(1)、(2)とも石炭の加熱方向に対して垂直
な方向の膨張率ないし膨張圧を測定している。石炭の膨
張性を評価し、これを実際のコークス炉での操業におい
て石炭性状の指標として役立てるためには、石炭の膨張
性も加熱方向と同じ水平方向で測定する必要がある。し
かしそのような測定をすることは難しく大型可動壁炉
等、非常に複雑な装置が必要となる。
【0004】本発明では石炭の膨張圧及び粘性が軟化溶
融層でほぼ決定されることに注目して、軟化溶融層内の
圧力を簡易な方法で直接測定し、これとガス発生量とか
ら軟化溶融層の通気抵抗を算出して石炭の膨張圧及び粘
性を評価しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、(A)石炭乾留時に生成する軟化溶融
層の内圧を直接測定してこれを膨張圧評価値とし、
(B)測定した内圧(膨張圧評価値)と計算した発生ガ
ス量から通気抵抗を算出して、これを粘性指数とし、
(C)これらの値をその石炭の膨張圧及び粘性として評
価することとしたものである。すなわち本発明では石炭
の軟化溶融層の膨張圧及び粘性を以下のように測定、計
算及び評価した。
【0006】(イ)軟化溶融層の内圧Pの測定方法 軟化溶融層の内圧Pは図1に示した反応管1を、図2に
示すように、JIS還元炉10でヒータ11により加熱
して測定する。試料(粉炭2)を反応管1に所定の嵩密
度で充填し、試料2の上下にストッパー5,6で固定し
たステンレス製目皿3,4をセットし、内圧測定管7を
差し込む。この反応管1をJIS還元炉10にセットし
少量の窒素12を流しながら所定の昇温速度で加熱し、
反応管1内の内圧Pを図示しないマノメータに導いて測
定する。実験に用いた条件は以下の通りである。
【0007】実験条件; 試料の嵩密度:700,750,800kg/m3 昇温速度 :6,30℃/min 反応管直径 :28mm 試料厚 :150mm N2 流量 :300Nml/min (ロ) 発生ガス量計算 石炭を乾留すると熱分解とともにメタンやエタンなど種
々のガスが発生する。これらのガスはある程度の温度範
囲をもって発生する。ガス発生パターンは図3に示すよ
うなものであり、発生速度Kはある温度から発生しはじ
めてピークに達し、再びゼロに至るパターンとなる。こ
れを図4のように三角形の山形のパターンに近似させて
計算した。
【0008】発生ガス量は次の式で表わされる。
【0009】
【数1】
【0010】G:発生ガス量(Nml/sec) W:石炭の質量(g) i:ガスの種類 Ta:ガス発生開始温度(℃) Tb:ガス発生速度が最高に達する温度 Tc:ガス発生終了温度(℃) K=f(T):ガス発生速度関数 上式により各種ガスの発生量を計算した。なお各種ガス
の近似した発生速度関数を表1にまとめた。表1中の記
号Ta,Tb,Tc,Kmaxは上式及び図4に記載の
ものと対応している。
【0011】
【表1】
【0012】(ハ) 通気抵抗の算出 上記(ロ)で計算した発生ガス量Gと(イ)で測定した
軟化溶融量の内圧Pより通気抵抗Rを算出する。つまり
以下に示すダルシー(Darcy)の式を用いて計算す
る。 P=G・R …(2) P:軟化溶融層内圧力(kg/cm2 ) G:発生ガス量(Ncm3 /min) R:通気抵抗(kg・min/cm5 ) ただし通気抵抗Rは次の(3)式で表わされる。
【0013】 R=(1/k)・μ・(L/S) …(3) 1/k:通気抵抗係数(1/cm2 )又はk:透過度
(cm2 ) μ :ガスの粘度(kg・min/cm2 ) L :層厚(cm) S :ガスが通過する断面積(cm2 ) 上記(3)式には通気抵抗係数1/k、ガスの粘度μ、
試料の厚さL、試料の断面積Sが含まれており、絶対的
な評価としては1/kの通気抵抗係数を比較しなければ
ならないが、同一系で実験を行って比較するのであれば
通気抵抗Rで比較すれば十分である。
【0014】(ニ) 膨張圧及び粘性の評価 膨張圧の相対的な比較は、実験で測定した反応管内の軟
化溶融層の内圧を直接比べればよい。粘性の相対的な比
較は通気抵抗を比較することによって評価することがで
き、通気抵抗が大きいものほど粘性は高くなる。
【0015】
【作用】本発明の膨張圧の測定方法は、 (a)石炭乾留時のガスの発生を拘束しない。 (b)一方、石炭の自由膨張を抑えて軟化溶融層の内圧
を直接測定する。 従って、石炭乾溜時の石炭挙動を再現するに十分な類似
性を有し、膨張圧を適切に評価することができる。
【0016】またこの内圧と計算した発生ガス量とから
通気抵抗を算出すると、石炭の粘性を精度よく比較する
ことができる。このことは以下の実施例によって実証さ
れた。
【0017】
【実施例】3種類の配合炭A,B,Cを用いて本発明の
実証試験を行った。実施例に用いた配合炭A,B,Cの
性状を表2に示す。図5は配合炭Aを用いた軟化溶融層
の内圧測定結果である。図5によれば同一配合でも昇温
速度、嵩密度などの乾留条件によって内圧が異なる。同
じ嵩密度では、昇温速度が速いほど内圧も大きくなって
いる。また嵩密度が高いほど内圧が大きくなっている。
【0018】
【表2】 ─────────────────────────────────── 配合種 揮発分(%) 最大流動度(logDDPM) 平均反射率(%) 配合炭A 29.8 2.792 1.043 配合炭B 25.8 3.103 1.180 配合炭C 35.9 2.325 0.838 ─────────────────────────────────── 図6は、図5に示した各層内圧測定値と、計算によって
求めた発生ガス量との関係を示した図である。図6にお
いて各点と原点を結ぶ直線(破線)の傾きが軟化溶融層
の通気抵抗を示している。同一嵩密度でも通気抵抗が異
なっている。特に750kg/m3 で大きな差を生じて
いる。これは昇温速度の影響と考えられる。つまり昇温
速度が増加すると、溶融層内の粘性が低下するとみなす
ことができる。
【0019】図7、図8には配合炭B,Cを用いた時の
実施例を示す。図7では揮発分の多い配合炭Cの方が内
圧が大きくなっている。図8で、ガス流量と内圧の関係
から通気抵抗(破線の傾き)を比較すると、配合炭Cが
Bより極端に大きくなっている。これは配合炭Cの揮発
分が多いだけでなく最大流動度も小さいので軟化溶融時
の粘性が高く、層内にガスがたまり圧力上昇の原因とな
っていると考えられる。
【0020】以上、乾留条件及び配合の変化した場合に
おいても石炭の膨張圧ならびに粘性の評価を行うことが
できることがわかった。例えば、本発明により算出した
通気抵抗係数を用いて石炭乾留時の膨張圧の経時変化を
推定することができる。その一例を図9に示す。従来こ
のように石炭乾留時の膨張圧を推定した例はない。本例
は実測値ともほぼ一致し、本発明方法による評価は実際
の石炭乾留時の膨張圧推定に役立つことがわかる。
【0021】
【発明の効果】直接軟化溶融層の内圧を測定し、計算し
たガス流量から通気抵抗を算出し、この内圧と通気抵抗
を比較検討することによって石炭の膨張圧及び粘性を評
価することができるようになり、さらには石炭乾留挙動
の解明(押圧推定等)に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軟化溶融層の内圧測定装置である。
【図2】内圧測定装置加熱炉である。
【図3】ガス発生パターンである。
【図4】近似したガス発生パターンである。
【図5】昇温速度と軟化溶融層内圧の関係を示すグラフ
である。
【図6】ガス流量と軟化溶融層内圧の関係を示すグラフ
である。
【図7】石炭の揮発分と軟化溶融層内圧の関係を示すグ
ラフである。
【図8】配合を変えた時の通気抵抗を示すグラフであ
る。
【図9】本発明から算出した通気抵抗係数を用いて求め
た石炭乾留時の膨張圧推定のグラフ(実測と比較)であ
る。
【符号の説明】
1 反応管 2 粉炭 3、4 目皿 5、6 スト
ッパー 7 内圧測定管 10 還元炉 11 ヒータ 12 窒素

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 評価すべき粉炭を、上下端に目皿を設け
    た反応管内に封入し、該反応管を常圧窒素雰囲気中で加
    熱乾留し、軟化溶融した時の反応管内の圧力をマノメー
    タで測定し、該測定値を石炭の膨張圧評価値とし、加熱
    中に石炭から発生する発生ガス量を、装入石炭の質量、
    ガス発生開始温度、ガス発生終了温度、ガスの種類、及
    びガス発生速度関数で表わされる発生ガス量の式で求
    め、求めた発生ガス量と上記膨張圧評価値とから石炭溶
    融時の通気抵抗を算出し、この通気抵抗を該石炭の粘性
    指数として評価することを特徴とする石炭の膨張圧及び
    粘性の評価方法。
JP20179191A 1991-08-12 1991-08-12 石炭の膨張圧及び粘性の評価方法 Withdrawn JPH0543880A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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