JPH0543572A - 1−アルキル置換スルトン類の製造方法 - Google Patents

1−アルキル置換スルトン類の製造方法

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JPH0543572A
JPH0543572A JP22632391A JP22632391A JPH0543572A JP H0543572 A JPH0543572 A JP H0543572A JP 22632391 A JP22632391 A JP 22632391A JP 22632391 A JP22632391 A JP 22632391A JP H0543572 A JPH0543572 A JP H0543572A
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JP
Japan
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bis
alkyl
substituted
sultones
general formula
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JP22632391A
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English (en)
Inventor
Junji Nishigaki
純爾 西垣
Masaki Okazaki
正樹 岡崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造適性に優れた1−アルキル置換スルトン類
の製造方法を提供する。 【構成】下記一般式(I)で表わされる1−アルキル置
換スルトン類を下記一般式(II)で表わされるビス(ア
ルキルスルホニルオキシ)アルカンを用いて製造する方
法 一般式(I) 【化1】 式中Rは炭素数1〜12のアルキル基、nは2〜4の整
数を表す。 一般式(II) RCH2SO2O −(CH2) n −OSO2CH2R 式中、R、nは一般式(I)と同じ意味を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1−アルキル置換スルト
ン類の製造方法に関するもので、更に詳しくは、ビス
(アルキルスルホニルオキシ)アルカンを用いることを
特徴とする1−アルキル置換スルトン類の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】スルトン類は写真用分光増感色素や写真
用染料の環状第3級アミンのスルホアルキル化剤とし
て、あるいは医薬品や界面活性剤の中間体として重要で
ある。
【0003】スルトン類は一般にハロアルカンスルホン
酸類またはヒドロキシアルカンスルホン酸類の分子内エ
ステル化反応により製造することができる。それらは高
温、真空下での、蒸留を伴なう環化反応である。1−ア
ルキル置換スルトン類も同様に分子内エステル化反応を
用いて製造することができ、例えば、ハロアルカンスル
ホン酸を用いる方法として、ヨハンH.ヘルバーガー
(Johann H. Helberger)著、コスタス リービッヒ ア
ナーレンデアケミイ(Justus Liebigs Aunalen der(Che
mie)第562巻、23−35頁(1949年)に記載さ
れている下記の方法が知られている。
【0004】
【化2】
【0005】この方法ではクロルスルホニル化工程で位
置異性体が生成するため、目的の1−アルキル置換スル
トンを収率良く得ることができない。また、ヒドロキシ
アルカンスルホン酸を用いる方法としてはJ.ウィレム
ス(J. Willems) 著、ブレタン・デ・ソシエーツ・キミ
ークス・ベルジュス(Bull.Soc. Chim. Belges)第64
巻、409−441頁(1955年)に記載されてい
る、クロチルアルコール又はクロトンアルデヒドを出発
原料として3−ヒドロキシ−1−メチルプロピルスルホ
ン酸へ導いた後、脱水閉環により1−メチルプロパンス
ルトンを得る下記の方法が知られている。
【0006】
【化3】
【0007】しかし、これらの方法においても、クロチ
ルアルコールへのスルホ基の付加反応で位置異性体が生
じることにより収率の低下がおこったり、アルデヒドの
ラネーニッケル触媒による還元が製造適性上好ましくな
いという問題点がある。又、ハロゲン化水素脱離、水脱
離、いずれの閉環工程も収率は高くない。スルトン合成
の別法として、1,2−ビス(メタンスルホニルオキ
シ)エタンからプロパンスルトンを、1,3−ビス(メ
タンスルホニルオキシ)プロパンからブタンスルトンを
合成する方法が、T.ドルスト(T. Drust) 著、カナデ
ィアン ジャーナル オブ ケミストリー(Canadian J
ournal of Chemistry)、第48巻、845−851頁
(1970年)に記載されている。
【0008】
【化4】
【0009】しかし、この文献記載の反応条件はテトラ
ヒドロフラン中、窒素気流下、n−ブチルリチウムを用
いて−78℃という低温で反応させるもので、製造適性
上好ましくない。更にこの文献には1−アルキル置換ス
ルトンに関する記述がない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような、反応に
由来する収率低下が克服され、更には製造適性も付与さ
れたスルトン製造方法の開発が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来法の欠点を克服するため、鋭意研究を重ねた結果、下
記一般式(II)で表わされるビス(アルキルスルホニル
オキシ)アルカンを用いて下記一般式(I)で表わされ
る1−アルキル置換スルトン類が得られることを見出し
た。すなわち、本発明は一般式(I)で表わされる1−
アルキル置換スルトン類を製造するにあたり、一般式
(II)で表わされるビス(アルキルスルホニルオキシ)
アルカン類を用いることを特徴とする1−アルキル置換
スルトン類の製造方法である。 一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】式中Rは炭素数1〜12のアルキル基を表
わすが、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
式中nは2〜4の整数を表わすが特にn=2の場合が好
ましい。 一般式(II) R−CH2SO2−O −(CH2) n −O −SO2CH2−R 式中、R、nは一般式(I)と同じ意味を持つ。
【0014】本発明によれば、1−アルキル置換スルト
ン類は、ビス(アルキルスルホニルオキシ)アルカン類
を溶媒に溶解又は分散させ、ある種の塩基を作用させる
ことにより製造できる。溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アニソール、ジクロロベンゼン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、
アセトントリル、を用いることができるが、特に、トル
エン、キシレン、テトラヒドロフランを用いることが好
ましい。塩基としては、n−ブチルリチウム、カリム−
t−ブトキシド、水素化ナトリウム、リチウムアミド、
ナトリウムアミド、炭酸カリウム、水酸化カリウムを用
いることができるが、水酸化カリウム、カリウム−t−
ブトキシドを用いることが好ましい。反応温度は−78
℃から200℃で製造が可能であるが、好ましくは0℃
から150℃、より好ましくは25℃から140℃で反
応させるとよい。反応液中に副生成物として水が生じる
場合は、ディーン・スターク装置により脱水するか、脱
水剤を反応液内に添加してやると良好に反応が進行す
る。好ましい合成方法の例としては一般式(III)の化合
物から出発して、下記の方法が挙げられる。
【0015】
【化6】
【0016】以下に本発明の方法により合成される一般
式(I)で表わされる化合物の具体例を示すが、本発明
の範囲はこれらのみに限られるものではない。
【0017】
【化7】
【0018】
【発明の効果】本発明により、種々の1−アルキル置換
スルトン類が高収率に得られるのみでなく、コスト、操
作性等の製造適性を向上させることができた。
【0019】
【実施例】
実施例1 次に本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。 (化合物1の合成) (1)1,2−ビス(エタンスルホニルオキシ)エタン
の合成 塩化メチレン150mlにエチレングリコール14ml
(0.25ml)とエタンスルホニルクロライド52.3
ml(0.55mol )を加え、内温を−8℃に冷却した
後、攪拌下、トリエチルアミン77ml(0.55mol )
を30分かけて滴下しさらに、室温で10分攪拌した。
反応終了後水150mlを加え、反応液を水洗した。塩化
メチレン層を減圧濃縮して得られたシロップ状残渣をメ
タノールに溶解し、活性炭を加えて10分間加熱還流し
て脱色した。活性炭を濾別した後、メタノールを減圧濃
縮真空乾燥すると、透明シロップ状の1,2−ビス(エ
タンスルホニルオキシ)エタン60.3g(収率98
%)が得られた。 (2)1−メチルプロパンサルトンの合成 水酸化カリウム8.4g(0.15mol )を水50mlに
溶解した水溶液を150mlのキシレンに加え、続いてDe
an-Stark装置を用いて攪拌下、脱水を伴なう加熱還流を
行ない、系内の水を除去した。次に1,2−ビス(エタ
ンスルホニルオキシ)エタンを12.3g(0.05mo
l )加え、反応で生じる水をDean-Stark装置で除去しな
がら1時間加熱還流を行なった。反応終了後、反応液を
1N塩酸に注加した後、酢酸エチル500mlで抽出し
た。得られた酢酸エチル層を減圧濃縮した後、減圧下で
精留を行ない、1−メチルプロパンサルトン4.8g
(収率70%)を得た。 実施例2 1,2−ビス(エタンスルホニルオキシ)エタン40g
(0.16mol )をテトラヒドロフラン100mlに溶解
した後、窒素気流下−78℃まで冷却した。次にnブチ
ルリチウムの2.5Mヘキサン溶液22mlを10分間か
けて滴下した後、反応液を室温に戻し、さらに30分間
攪拌した。反応液を水500mlに注加してから塩化メチ
レン1リットルで抽出し、得られた有機層を減圧濃縮後
更に減圧下で精留を行なって1−メチルプロパンサルト
ン16.6g(収率75%)を得た。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】スルトン類は一般にハロアルカンスルホン
酸類またはヒドロキシアルカンスルホン酸類の分子内エ
ステル化反応により製造することができる。それらは高
温、真空下での、蒸留を伴なう環化反応である。1−ア
ルキル置換スルトン類も同様に分子内エステル化反応を
用いて製造することができ、例えば、ハロアルカンスル
ホン酸を用いる方法として、ヨハンH.ヘルバーガー
(JohannH・Helberger)著、ユスタス
リービッヒ アナーレンデアケミイ(JustusL
iebigsAunalen der Chemie)
第562巻、23−35頁(1949年)に記載されて
いる下記の方法が知られている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】しかし、これらの方法においても、クロチ
ルアルコールへのスルホ基の付加反応で位置異性体が生
じることによる収率の低下がおこったり、アルデヒドの
ラネーニッケル触媒による還元が製造適性上好ましくな
いという問題点がある。又、ハロゲン化水素脱離、水脱
離、いずれの閉環工程も収率は高くない。スルトン合成
の別法として、1,2−ビス(メタンスルホニルオキ
シ)エタンからプロパンスルトンを、1,3−ビス(メ
タンスルホニルオキシ)プロパンからブタンスルトンを
合成する方法が、T.ドルスト(T.Drust)著、
カナディアン ジャーナル オブ ケミストリー(Ca
nadian Journalof Chemistr
y)、第48巻、845−851頁(1970年)に記
載されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明によれば、1−アルキル置換スルト
ン類は、ビス(アルキルスルホニルオキシ)アルカン類
を溶媒に溶解又は分散させ、ある種の塩基を作用させる
ことにより製造できる。溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アニソール、ジクロロベンゼン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、
アセトニトリル、を用いることができるが、特に、トル
エン、キシレン、テトラヒドロフランを用いることが好
ましい。塩基としては、n−ブチルリチウム、カリウム
−t−ブトキシド、水素化ナトリウム、リチウムアミ
ド、ナトリウムアミド、炭酸カリウム、水酸化カリウム
を用いることができるが、水酸化カリウム、カリウムー
t−ブトキシドを用いることが好ましい。反応温度は−
78℃から200℃で製造が可能であるが、好ましくは
0℃から150℃、より好ましくは25℃から140℃
で反応させるとよい。反応液中に副生成物として水が生
じる場合は、ディーン・スターク装置により脱水する
か、脱水剤を反応液内に添加してやると良好に反応が進
行する。好ましい合成方法の例としては一般式(II
I)の化合物から出発して、下記の方法が挙げられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【実施例】 実施例1 次に本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。 (化合物1の合成) (1)1,2−ビス(エタンスルホニルオキシ)エタン
の合成 塩化メチレン150mlにエチレングリコール14ml
(0.25mol)とエタンスルホニルクロライド5
2.3ml(0.55mol)を加え、内温を−8℃に
冷却した後、攪拌下、トリエチルアミン77ml(0.
55mol)を30分かけて滴下しさらに、室温で10
分攪拌した。反応終了後水150mlを加え、反応液を
水洗した。塩化メチレン層を減圧濃縮して得られたシロ
ップ状残渣をメタノールに溶解し、活性炭を加えて10
分間加熱還流して脱色した。活性炭を濾別した後、メタ
ノールを減圧濃縮真空乾燥すると、透明シロップ状の
1,2−ビス(エタンスルホニルオキシ)エタン60.
3g(収率98%)が得られた。 (2)1−メチルプロパンサルトンの合成 水酸化カリウム8.4g(0・15mol)を水50m
lに溶解した水溶液を150mlのキシレンに加え、続
いてDean−Stark装置を用いて攪拌下、脱水を
伴なう加熱還流を行ない、系内の水を除去した。次に
1,2−ビス(エタンスルホニルオキシ)エタンを1
2.3g(0.05mol)加え、反応で生じる水をD
ean−Stark装置で除去しながら1時間加熱還流
を行なった。反応終了後、反応液を1N塩酸に注加した
後、酢酸エチル500mlで抽出した。得られた酢酸エ
チル層を減圧濃縮した後、減圧下で精留を行ない、1−
メチルプロパンサルトン4.8g(収率70%)を得
た。実施例21,2−ビス(エタンスルホニルオキシ)
エタン40g(0.16mol)をテトラヒドロフラン
100mlに溶解した後、窒素気流下−78℃まで冷却
した。次にnブチルリチウムの2.5Mヘキサン溶液2
2mlを10分間かけて滴下した後、反応液を室温に戻
し、さらに30分間攪拌した。反応液を水500mlに
注加してから塩化メチレン1リットルで抽出し、得られ
た有機層を減圧濃縮後更に減圧下で精留を行なって1−
メチルプロパンサルトン16.6g(収率75%)を得
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる1−アル
    キル置換スルトン類を製造するにあたり、下記一般式
    (II)で表わされるビス(アルキルスルホニルオキシ)
    アルカン類を用いることを特徴とする1−アルキル置換
    スルトン類の製造方法 一般式(I) 【化1】 式中Rは炭素数1〜12のアルキル基、nは2〜4の整
    数を表わす。一般式(II) R−CH2SO2O −(CH2) n −OSO2CH2R 式中、R、nは一般式(I)と同じ意味を持つ。
  2. 【請求項2】 一般式(II)で表わされるビス(アルキ
    ルスルホニルオキシ)アルカン類を水酸化カリウムを分
    散させたキシレン中で加熱還流することにより、請求項
    1に記載の1−アルキル置換スルトン類を製造する方
    法。
JP22632391A 1991-08-13 1991-08-13 1−アルキル置換スルトン類の製造方法 Pending JPH0543572A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7891827B2 (en) 2006-03-09 2011-02-22 Seiko Epson Corporation Projector
US11180469B2 (en) * 2018-06-27 2021-11-23 Samhwa Paints Industries Co., Ltd. Method for preparing sultone derivatives

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7891827B2 (en) 2006-03-09 2011-02-22 Seiko Epson Corporation Projector
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