JPH0543449U - 通信端末機器用過電流遮断器 - Google Patents

通信端末機器用過電流遮断器

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JPH0543449U
JPH0543449U JP9207891U JP9207891U JPH0543449U JP H0543449 U JPH0543449 U JP H0543449U JP 9207891 U JP9207891 U JP 9207891U JP 9207891 U JP9207891 U JP 9207891U JP H0543449 U JPH0543449 U JP H0543449U
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JP9207891U
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克彦 吉村
陽介 河内
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Hakusan Seisakusho Co Ltd
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Hakusan Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 雷サージに対しては遮断せずに、電力線の混
触による電流に対しては遮断する特性を容易に得る。 【構成】 過電流遮断器10は、熱膨張率の異なる二種
の材料を貼り合わせてなり導電性を有する可動片12
と、導電性を有する固定部材14と、固定部材14と可
動片12の一端とを接触させて電気的な接点16を形成
した状態で固定部材14と可動片12の他端とを固設さ
せた絶縁部材18とを備え、可動片12及び固定部材1
4に流れる過電流によって可動片12が自己発熱すると
ともに変形して接点16を開くように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、雷又は電力線混触等に起因する過電流から、通信回線に接続され る端末機器側を保護する目的で使用される通信端末機器用過電流遮断器(以下、 単に「過電流遮断器」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、通信回線に接続される端末機器を保護する保安器を示す回路図である 。従来、保安器48には過電流遮断器としてヒューズ58が用いられる。 保安器48は、端末機器50に並列に接続されたガス入避雷器52と、ガス入 避雷器52の局側54の通信回線56に挿入されたヒューズ58とから構成され ている。ここで、通信回線56または60に雷サージが印加されると、ヒューズ 58は溶断せず、ガス入避雷器52で放電が生じる。また、電力線混触による電 流に対してはヒューズ58が溶断する。このようにして、端末機器50側が保護 される。 すなわち、ヒューズ58は、電力線混触のような小電流で長時間の過電流に対 しては、ガス入避雷器52が動作しないので、溶断する特性が要求されるととも に、雷サージのような大電流で短時間の過電流に対しては、ガス入避雷器52で 放電させるために、溶断しない特性が要求される。 ヒューズ58の動作機構は、ヒューズ線が自己発熱でその融点まで温度上昇す ることにより溶断し、電流を遮断するものである。ヒューズ線は、最低動作電流 に応じて、線径、固有抵抗、融点等が決定される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなヒューズ58では、雷サージに対しては溶断せずに 、電力線混触による電流に対しては溶断する特性を得ることが非常に困難である 。すなわち、ヒューズ58は、雷サージで溶断しないように設計すると、電力線 混触でも溶断しない傾向があり、電力線混触で溶断するように設計すると、雷サ ージでも溶断してしまう傾向があるからである。その理由は次のように考えられ る。 ヒューズ58は、 hc:ヒューズ線の熱容量〔J/℃〕 δT:常温から融点までの温度差〔℃〕 p1:雷サージのような大電流で短時間の過電流を ヒューズ線両端に流した場合のジュール熱量〔J〕 p2:電力線混触のような小電流で長時間の過電流を ヒューズ線両端に流した場合のジュール熱量〔J〕 とすると、次式の関係を満たす必要がある。 p2>(hc×δT)>p1 なお、電力線混触時の過電流は、雷サージ時の過電流に比べて、小電流でも長 時間流れるので、電力線混触時のジュール熱量p2は雷サージ時のジュール熱量 p1よりも大きい。 すなわち、ヒューズ58では、同一材料ならば融点が常に一定であることから δTは定数である。したがって、hcのみで所望の特性を設計しなければならな い。しかし、δTが適当な値でないと、hcのみでは所望の特性を得ることが困 難である。そのため、他の材料を選定する手間が生じ、しかも、そのようにして 選定された材料が高価であったり入手しにくかったりする場合には、所望の特性 を得ることはほとんど不可能になる。 そこで、この考案の目的は、雷サージによる過電流に対しては遮断せずに、電 力線混触による過電流に対しては遮断する特性を容易に得ることができる過電流 遮断器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の過電流遮断器は、低熱膨張率金属と高熱膨張率金属とを貼り合 わせてなる可動片と、導電性を有する固定部材と、動作温度における上記可動片 の変位量に相当する力で上記可動片の一端の上記高熱膨張率金属側を上記固定部 材に押圧させて電気的な接点を形成した状態で上記固定部材と上記可動片の他端 とを固設させた絶縁部材とを備え、上記可動片は、その熱容量をHC、常温から 上記動作温度までの温度差をΔT、雷サージのような大電流で短時間の過電流を 上記可動片両端に流した場合のジュール熱量をP1、電力線混触のような小電流 で長時間の過電流を上記可動片両端に流した場合のジュール熱量をP2とすると 、P2>(HC×ΔT)>P1の関係を満たすものである。
【0005】 請求項2記載の過電流遮断器は、低熱膨張率金属と高熱膨張率金属とを貼り合 わせてなる二枚の可動片と、これらの可動片の一方の一端の上記高熱膨張率金属 側と可動片の他方の一端の上記高熱膨張率金属側とを押圧させて電気的な接点を 形成した状態で上記可動片の一方の他端と上記可動片の他方の他端とを固設させ た絶縁部材とを備え、上記可動片は、その熱容量をHC、常温から上記動作温度 までの温度差をΔT、雷サージのような大電流で短時間の過電流を上記可動片両 端に流した場合のジュール熱量をP1、電力線混触のような小電流で長時間の過 電流を上記可動片両端に流した場合のジュール熱量をP2とすると、P2>(H C×ΔT)>P1の関係を満たすものである。
【0006】 請求項3記載の過電流遮断器は、請求項1又は2記載の過電流遮断器において 、接点が半田付けされ、可動片のジュール熱によって上記半田が溶融するもので ある。
【0007】
【作用】
請求項1乃至3記載の過電流遮断器の作用は次のとおりである。 雷サージのような大電流で短時間の過電流では、可動片のジュール熱量P1 が可動片を動作温度にするのに必要な熱量(HC×ΔT)に達しないため、過電 流遮断器は動作しない。 電力線混触のような小電流で長時間の過電流では、一定の時間が経過すれば 可動片のジュール熱量P2が(HC×ΔT)に達する。その結果、可動片が動作 温度に達することにより変形して接点を開き、過電流遮断器が動作して端末機器 を保護する。
【0008】 請求項1記載の過電流遮断器では、可動片と固定部材との接点が開放される。 請求項2記載の過電流遮断器では、二枚の可動片が互いに離れるように変形す るので、より急速にその接点が開放される。 請求項3記載の過電流遮断器では、半田が溶融するまでは可動片が変形しない が、半田が溶融すると可動片が瞬間的に変形する。
【0009】
【実施例】
図1及び図2は請求項1記載の過電流遮断器の一実施例を示し、図1は斜視図 、図2は図1におけるII−II線縦断面図である。以下、図1及び図2に基づ き詳しく説明する。 過電流遮断器10は、低熱膨張率金属と高熱膨張率金属とを貼り合わせてなる 可動片12と、導電性を有する固定部材14と、動作温度における可動片12の 変位量Dに相当する力Fで可動片12の一端の上記高熱膨張率金属側を固定部材 14に押圧させて電気的な接点16を形成した状態で固定部材14と可動片12 の他端とを固設させた絶縁部材18とを備えている。 可動片12は、 HC:可動片の熱容量〔J/℃〕 ΔT:常温から動作温度までの温度差〔℃〕 P1:雷サージのような大電流で短時間の過電流を 可動片両端に流した場合のジュール熱量〔J〕 P2:電力線混触のような小電流で長時間の過電流を 可動片両端に流した場合のジュール熱量〔J〕 とすると、次式の関係を満たす。 P2>(HC×ΔT)>P1・・・(イ) なお、電力線混触時の過電流は、雷サージ時の過電流に比べて、小電流でも長 時間流れるので、電力線混触時のジュール熱量P2は雷サージ時のジュール熱量 P1よりも大きい。
【0010】 可動片12を構成する高膨張率金属(左)及び低膨張率金属(右)には例えば 次のようなものがある。 イ)黄銅(30〜40%亜鉛)+34%ニッケル鋼・・・使用温度100℃以下 ロ)黄銅(30〜40%亜鉛)+アンバー(36%ニッケル鋼) ・・・使用温度150℃以下 ハ)モネメタル(ニッケル銅合金)+34〜42%ニッケル鋼 ・・・使用温度250℃付近 ニ)20%ニッケル鋼+42〜54%ニッケル鋼・・・使用温度250℃付近 可動片12の形状は、この実施例で示した片持ち型の短冊状の他に、片持ち針 状、コイル状、U字状、平板状などとしてもよい。
【0011】 固定部材14は、この実施例ではニッケル製の細長い板状を呈しているが、可 動片12と接点16を形成すればよいので、特に材料、形状等を限定するもので はない。
【0012】 接点16は、平面に限らず突起としてもよい。また、可動片12又は固定部材 14とは異なる材料で形成してもよい。
【0013】 絶縁部材18は、電気的絶縁性及び望ましくは耐熱性を有する、セラミックス 、ガラス又は合成樹脂等によって板状に形成されている。絶縁部材18には、可 動片12及び固定部材14を固設する透孔20a、20bが設けられている。可 動片12の他端及び固定部材14の他端をそれぞれ透孔20a、20bへ挿入し た後、ねじ、接着剤等で固定される。また、透孔20a、20bから突出した可 動片12の他端、固定部材14の他端はそれぞれ外部端子22a、22bとして 用いられる。 なお、絶縁部材18は、板状に限らず箱状、筒状等としてもよい。
【0014】 次に、過電流遮断器10の組立方法について説明する。 可動片12は、例えば2Arms(交流実効値)で150〜200℃になるよ うに設計する。そして、可動片12を多少湾曲させることにより、動作温度にお ける可動片12の変位量Dに相当する力Fで可動片12を固定部材14に密接さ せる。図2で説明すれば、可動片12が常に下向きの復元力で固定部材14に接 っするように絶縁部材18に可動片12を固定する。このようにして、常温での 接触抵抗の小さい接点16を形成する。また、発熱とともに上向きに変形するよ うに、接点16側を高熱膨張率の材料にする。さらに、可動片12を最初に湾曲 させておく力Fの大小によっても、接点16が開放される温度を調節することが できる。すなわち、力Fが大きいほど、接点16を開放するまでに要する可動片 12の変位量Dが大きくなるので、接点16が開放される温度が高くなる。
【0015】 次に、過電流遮断器10の動作を説明する。 過電流遮断器10は、図5におけるヒューズ58の代わりに通信回線56に介 挿される。可動片12に過電流が流れると、可動片12はジュール熱によって温 度が上昇する。可動片12の温度が上昇するにしたがい、高膨張金属側の伸びが 大きくなり、動作温度における可動片12の変位量Dに相当する力Fが徐々に減 少する。そして、可動片12の温度が動作温度を越えると、可動片12が固定部 材14から離れて、接点16が開放される。 雷サージ時の過電流では大電流でも短時間であるので、可動片12の温度は動 作温度にまで達しない。しかし、電力線混触時の過電流では、雷サージ時の過電 流に比べて小電流でも長時間流れるので、可動片12の温度が動作温度を越えて 接点16を開放することにより、過電流遮断器10が動作して端末機器を保護す る。 可動片12が変形して接点16が一度開放されると、可動片12が溶断したり 、可動片12が弾性限界を越えて元に戻らなくなったり、接点16に酸化膜が生 じて導通しなくなったりすることにより、過電流遮断器10は導通を回復させな いことが望ましい。
【0016】 次に、過電流遮断器10の設計方法の一例を説明する。 図示した片持ち型の可動片12において、 K:湾曲係数〔/℃〕(JIS C−2530による) E:弾性係数〔kg/mm2 〕 ΔT:常温から動作温度までの温度差〔℃〕 L:作動長〔mm〕 W:幅〔mm〕 t:板厚〔mm〕 I:電流〔A〕 R:抵抗〔Ω〕 M:質量〔g〕 C:比熱〔J/g/℃〕 S:動作温度に至るまでの通電時間〔s(秒)〕 とする。 変位量D〔mm〕は、 D=(K×ΔT×L2 )/t・・・(ロ) このときの力F〔kg〕は、 F=(K×ΔT×E×W×t2 )/(4×L)・・・(ハ) でそれぞれ与えられる。 また、熱容量HCは、 HC=M×C・・・(ニ) であり、可動片を動作温度にするのに必要な熱量(HC×ΔT)は、 HC×ΔT=I2 ×R×S・・・(ホ) となる。
【0017】 まず、適当な大きさ(作動長L、幅W、板厚t)及び材質の可動片12を用意 する。このとき、湾曲係数K、弾性係数E、抵抗R、質量M、比熱Cについて、 未知のものは計算又は測定して、明らかにしておく。熱容量HCは(ニ)式から 求まる。続いて、電力線混触時の過電流をI、動作温度に至るまでのその通電時 間をSとすると、常温から動作温度までの温度差ΔTは、(ホ)式から、 ΔT=(I2 ×R×S)/HC で求まる。次に、(ロ)式によって変位量D、(ハ)式によって力Fがそれぞれ 求まる。 電力線混触時の過電流の実際の持続時間をS2とすれば、電力線混触時の過電 流を可動片12両端に流した場合のジュール熱量P2は、 P2=I2 ×R×S2 で与えられるから、Sは、 S<S2・・・(へ) を満たすとともに、(イ)式及び(ホ)式から、 S>{P1/(I2 ×R)}・・・(ト) を満たすように決める必要がある。なお、Sは、(へ)式においては短時間で動 作するようにできるだけ小さく、(ト)式においては動作しないようにできるだ け大きいことが望ましい。 ΔT、D、F、Sの値が適当でない場合は、他の可動片12を用意し、始めか ら設計をやり直す。ΔT、D、F、Sの値が適当であれば、前述したように、動 作温度における可動片12の変位量Dに相当する力Fで、可動片12を多少湾曲 させて固定部材14に密接させることにより、所望の特性を有する過電流遮断器 10が完成する。
【0018】 具体的な数値例をあげて説明する。 可動片12は、2Armsでの動作を考えて、材料として(Mn−Cu−Ni )+(36Ni−Fe)を用い、長さLを20mm、幅Wを1mm、厚さtを0 .15mmに形成した。従来のヒューズは材料Cu−Ni、直径0.2mm、長 さ20mmである。 この可動片12によって構成された過電流遮断器10は、2Armsに対して は従来のヒューズと同等の3〜5sで遮断した。また、最大サージ電流は、10 /1000μsで、従来のヒューズが70Aで遮断したのに対し、過電流遮断器 10が150Aで遮断した。このように、電力線混触のような小電流で長時間の 過電流に対しては動作するが、雷サージのような大電流で短時間の過電流に対し ては動作しない遮断特性が実現できた。 換言すると、従来のヒューズでは2A程度の最低動作電流に設定すると、サー ジ電流が少ない領域10/1000μs、70Aで遮断してしまう。これに対し 、この考案に係る過電流遮断器は、最低動作電流が7A程度の従来のヒューズに 相当する、最大サージ電流10/1000μs、150Aまで上昇できた。 なお、この可動片12は、抵抗Rが0.2Ω、質量Mが0.015g、比熱C が0.12J/g/℃であり、(ニ)式より熱容量HCが1.8×10-3J/℃ である。また、常温を25℃、動作温度を183℃とすればΔTが158℃とな る。すなわち、可動片12を動作温度にするのに必要な熱量(HC×ΔT)は、 0.284Jである。一般に、雷サージ時の過電流は150Aで1μs、電力線 混触時の過電流は2Aで3sであり、P1、P2はそれぞれ4.5×10-3J、 2.4Jである。したがって、P2=2.4、(HC×ΔT)=0.284、P 1=4.5×10-3であるから(イ)式を満たす。
【0019】 このような遮断特性が実現できた理由を説明する。 過電流遮断器10が雷サージ時の過電流に対して動作しない特性を得るには、 (イ)式において、 (HC×ΔT)>P1 を満たせばよい。そのためには、可動片12の熱容量HCを大きくすればよい。 具体的には、大きい可動片12を用いれば、容易に所望の特性が得られる。 また、電力線混触時の過電流に対して動作する特性を得るには、(イ)式にお いて、 P2>(HC×ΔT) を満たせばよい。そのためには、常温から動作温度までの温度差ΔTを小さくす ればよい。具体的には、動作温度における可動片12の変位量Dに相当する力F で可動片12を多少湾曲させて固定部材14に密接させる場合の、力Fを調節す ることで、動作温度までの温度差ΔTを小さくすれば、容易に所望の特性が得ら れる。 実際には、可動片12が大きすぎると、小型化及び材料費低減の妨げになるの で、適当な大きさ及び材料の可動片12を選び、その力Fを決めることで上記の 特性を得る。HCとΔTとはそれぞれ独立して選定することができるので、上記 の両方の特性を得ることはきわめて容易である。
【0020】 図3は請求項2記載の過電流遮断器の一実施例を示す縦断面図である。図2と 同一部分には同一符号を付し説明を省略する。 過電流遮断器30は、低熱膨張率金属と高熱膨張率金属とを貼り合わせてなる 可動片12a、12bと、可動片12aの一端の上記高熱膨張率金属側と可動片 12bの一端の上記高熱膨張率金属側とを押圧させて電気的な接点16を形成し た状態で可動片12aの他端と可動片12bの他端とを固設させた絶縁部材16 とを備え、可動片12a、12bは、その熱容量をHC、常温から上記動作温度 までの温度差をΔT、雷サージのような大電流で短時間の過電流を可動片12a 、12bのそれぞれの両端に流した場合のジュール熱量をP1、電力線混触のよ うな小電流で長時間の過電流を可動片12a、12bのそれぞれの両端流した場 合のジュール熱量をP2とすると、P2>(HC×ΔT)>P1の関係を満たす ものである。
【0021】 可動片12a、12bを多少湾曲させることにより、可動片12の弾性を利用 して固定部材14に密接させる。図3で説明すれば、可動片12aが常に下向き の復元力で可動片12bに接っするように、可動片12bが常に上向きの復元力 で可動片12aに接っするように、絶縁部材18に可動片12a、12bを固定 する。過電流遮断器30では、可動片12a、12bが互いに離れるように変形 するので、より急速に接点16が開放される。
【0022】 図4は請求項3記載の過電流遮断器の一実施例を示す縦断面図である。図2と 同一部分には同一符号を付し説明を省略する。 過電流遮断器40は、接点16が半田付けされ、可動片12に流れる過電流に よって半田42が溶融することを特徴とするものである。半田42が溶融するま では可動片12は変形しない。しかし、半田42が溶融すると、それまでに蓄え られた力が一気に開放され、可動片12が瞬間的に変形する。 半田42の組成としては、例えば鉛、錫、亜鉛、ビスマス、インジウム、カド ミウム、銀及び水銀から選ばれた二種以上の金属元素からなる合金が望ましく、 特に、半田付け性が良好で入手しやすい等の理由から鉛−錫系合金が望ましい。 例えば、過電流遮断器10の一実施例で用いた、(Mn−Cu−Ni)+(36 Ni−Fe)により長さ20mm、幅1mm、厚さ0.15mmに形成された可 動片12に対しては、鉛37%、錫63%の融点183℃の半田を用いる。
【0023】
【考案の効果】
請求項1乃至3記載の過電流遮断器によれば、雷サージ時の過電流に対しては 熱容量HCを大きくすることで動作しない特性を得ることができ、電力線混触時 の過電流に対しては常温から動作温度までの温度差ΔTを小さくすることで動作 する特性を得ることができ、かつ、HCとΔTとはそれぞれ独立して選定できる ので、電力線混触時の過電流に対しては動作するが、雷サージ時の過電流に対し は動作しない遮断特性を容易に得ることができる。
【0024】 請求項2記載の過電流遮断器によれば、二枚の可動片が互いに離れることによ り接点を開放するので、より高速に接点を開放することができる。
【0025】 請求項3記載の過電流遮断器によれば、半田が溶融すると可動片が瞬間的に変 形するので、さらに高速に接点を開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の過電流遮断器の一実施例を示す
斜視図。
【図2】図1におけるII−II線縦断面図。
【図3】請求項2記載の過電流遮断器の一実施例を示す
縦断面図。
【図4】請求項3記載の過電流遮断器の一実施例を示す
縦断面図。
【図5】従来の保安器を示す回路図。
【符号の説明】
10、30、40…過電流遮断器 12、12a、12b…可動片 14…固定部材 16…接点 18…絶縁部材 42…半田

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】低熱膨張率金属と高熱膨張率金属とを貼り
    合わせてなる可動片と、導電性を有する固定部材と、動
    作温度における上記可動片の変位量に相当する力で上記
    可動片の一端の上記高熱膨張率金属側を上記固定部材に
    押圧させて電気的な接点を形成した状態で上記固定部材
    と上記可動片の他端とを固設させた絶縁部材とを備え、
    上記可動片は、その熱容量をHC、常温から上記動作温
    度までの温度差をΔT、雷サージのような大電流で短時
    間の過電流を上記可動片両端に流した場合のジュール熱
    量をP1、電力線混触のような小電流で長時間の過電流
    を上記可動片両端に流した場合のジュール熱量をP2と
    すると、P2>(HC×ΔT)>P1の関係を満たす通
    信端末機器用過電流遮断器。
  2. 【請求項2】低熱膨張率金属と高熱膨張率金属とを貼り
    合わせてなる二枚の可動片と、これらの可動片の一方の
    一端の上記高熱膨張率金属側と可動片の他方の一端の上
    記高熱膨張率金属側とを押圧させて電気的な接点を形成
    した状態で上記可動片の一方の他端と上記可動片の他方
    の他端とを固設させた絶縁部材とを備え、上記可動片
    は、その熱容量をHC、常温から上記動作温度までの温
    度差をΔT、雷サージのような大電流で短時間の過電流
    を上記可動片両端に流した場合のジュール熱量をP1、
    電力線混触のような小電流で長時間の過電流を上記可動
    片両端に流した場合のジュール熱量をP2とすると、P
    2>(HC×ΔT)>P1の関係を満たす通信端末機器
    用過電流遮断器。
  3. 【請求項3】接点が半田付けされ、可動片のジュール熱
    によって上記半田が溶融する請求項1又は2記載の通信
    端末機器用過電流遮断器。
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