JPH0543076A

JPH0543076A - 自動シート紙送り装置

Info

Publication number: JPH0543076A
Application number: JP3198190A
Authority: JP
Inventors: Yasushi Kiuchi; 靖木内; Shigemi Kanda; 茂美神田; Tadashi Tanaka; 忠田中
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1991-08-08
Filing date: 1991-08-08
Publication date: 1993-02-23

Abstract

(57)【要約】【目的】シート紙の進入口の開閉動作の信頼性を高
め、自動シート紙送り装置の性能を向上させる。【構成】シート紙下部ガイド上に多数のシート紙をセ
ットした時、もしくは、シャッタの進入口の開口動作時
に、シート紙押え部材とシャッタとがお互いに突き当た
る位置関係で、シャッタとシート紙押え部材とを設け、
かつ、シート紙押え部材およびシャッタのシャッタのお
互いに突き当たる部分を切欠いたことを特徴とする自動
シート紙送り装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機やファクシミ
リ、および、スキャナなどの画像読み取り機能を有する
機器に装備され、複数枚の原稿などのシート紙を、一枚
ずつ分離して送り出す自動シート紙送り装置に係わり、
特に、シート紙のセット時に、オペレータが挿入した複
数枚のシート紙の先端を整えるシャッタを有し、原稿を
高信頼に分離して送り出すのに好適な自動原稿送り装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複写機やファクシミリなど、多くのＯＡ
機器では、原稿、または、記録紙として、シート紙を用
いている。これらの機器では、複数枚まとめてセットさ
れたシート紙を、一枚一枚、自動的に供給する自動シー
ト紙送り装置を具備することにより、操作者のシート紙
のセットに係わる作業負荷を、大幅に軽減している。こ
のような自動シート紙送り装置においては、セットされ
た複数枚の原稿から、一枚の原稿を分離する分離機構が
重要なものである。このような分離機構に関しては、例
えば、特開昭６１−１１９５２８号公報などに記載のよ
うに、原稿テーブル上で、原稿セット時のサイド位置の
基準となる固定ガイドと、原稿サイズ幅に合わせて移動
される可動ガイドとにより、原稿の両サイドを整頓し、
かつ、可動ガイドの移動に連れて、原稿幅の中心に合わ
せて位置を移動する分離コロで、複数の原稿を、一枚ず
つ分離するものがある。分離を確実に行なうためには、
原稿などのシート紙をセットするテーブル上に、シート
紙が正しい位置に、正しく重なっていることが必要であ
る。そのために、上述の特開昭６１−１１９５２８号公
報に記載の技術も含め、ガイド板などで、原稿テーブル
上のシート紙の側面のセット位置を規制している。

【０００３】上述のガイド板は、原稿などのシート紙の
両サイドの位置を規制するものであるが、シート紙の先
端の位置規制も、分離機能にとっては、重要なものであ
る。シート紙の先端の位置規制は、分離機構を構成する
分離ローラなどを共用して行なっているものもあるが、
例えば、シャッタと呼ばれるものを用いて、シート紙の
先端位置を規制するシート紙先端規制機構を設けたもの
がある。すなわち、シャッタを、分離ローラなどからな
る分離部の前に取り付け、このシャッタで、オペレータ
が差し込む原稿の先端位置を規制するものである。そし
て、分離搬送動作の開始時には、このシャッタは、上
側、もしくは、下側に移動し、シート紙の分離および搬
送機構への進入口が開けられる。

【０００４】しかし、従来のシャッタ付きの自動シート
紙送り装置では、例えば、セットされた原稿などの上カ
ールのシート紙の先端の浮き上がりを押えるために、シ
ート紙押え部材が取付けられているが、このようなシー
ト紙押え部材は、シャッタの正面に位置しているため、
そのシート紙押え部材の先端位置を、どこまで延ばすか
により、シート紙の搬入不良が発生していた。すなわ
ち、多数枚のシート紙群をセットすると、シャッタが押
し付けられ、シャッタが上がらなかったり、また、シー
ト紙押え部材が短く、その先端とシャッタとの隙間が大
きい場合には、上カールのシート紙が、シャッタの上昇
（進入口の開口時）に連れてめくれ上がり、シート紙の
不送りが発生していた。図１１は、シート紙押え部材を
有する従来の自動シート紙送り装置の分離の構成の概略
を示す側面図である。本図において、１１０１は、シー
ト紙の先端位置を規制するシャッタ、２は、シャッタ１
１０１の昇降時の回転動作の支点となる支点軸、３は、
搬入されてきたシート紙を搬送する搬送ローラ、４は、
搬送ローラ３で搬送されるシート紙で重送されるシート
紙を停止させて分離する分離ローラ、５は、セットされ
たシート紙を、下側から、搬送ローラ３と分離ローラ４
とからなる分離搬送部に搬入する給紙ローラ、６は、シ
ート紙がセットされるシート紙下部ガイド、１１０２
は、シート紙下部ガイド６にセットされたシート紙の先
端の浮き上がりを押えるシート紙押え部材、８は、シー
ト紙下部ガイド６上にセットされ、分離搬送されるシー
ト紙、１１０３は、シート紙８中で、特に先端が上側に
カールしたカールシート紙である。このような構成から
なる従来の自動シート紙送り装置では、図１１（ｂ）で
示すように、セットされたシート紙８の先端を、シャッ
タ１１０１で、図における左右方向の規制を行ない、シ
ート紙押え部材１１０２で、シート紙８の上カールを押
える。しかし、図１１（ｂ）で示すように、シート紙押
え部材１１０２が、シャッタ１１０１に近付き過ぎる
と、シート紙下部ガイド６上に、多数枚のシート紙８が
セットされた場合には、シャッタ１１０１の上昇時に、
シャッタ１１０１が、シート紙押え部材１１０２の先端
に突き当たり、シャッタ１１０１の上昇動作を止めてし
まう。そして、搬送ローラ３と分離ローラ４からなる分
離搬送部への進入口が開かず、シート紙給紙不良や、シ
ート紙ジャムを発生させてしまう。また、図１１
（ｃ）、（ｄ）で示すように、シート紙押え部材１１０
２を、シャッタ１１０１から離し過ぎると、カールシー
ト紙１１０３の先端が、シャッタ１１０１に乗り上げ、
シャッタ１１０１の上昇と共に、上へめくれ上がってし
まい、シート紙の不送りが発生する。

【０００５】また、このような従来のシャッタ付きの自
動シート紙送り装置では、例えば、オペレータが、五枚
程度のシート紙を、強く突っ込んだ場合には、シート紙
がシャッタを押し上げて、奥に入り込んでしまい、ダブ
ルフィード（重送）を起こす危険があった。

【０００６】さらに、例えば、シャッタ１１０１のねじ
れにより、シート紙の搬送スキュー（曲がり）が発生し
ていた。図１２は、従来の自動シート紙送り装置のねじ
れたシャッタの構成の概略を示す説明図である。本図に
おいて、１１０１は、図１１で示したシャッタ、６は、
図１１で示したシート紙下部ガイド、２は、シャッタ１
１０１を回転自在に支える支点軸、１２０１は、図示さ
れない駆動機構により支点軸２を中心に回転して、シャ
ッタ１１０１を昇降させるシャッタレバーである。シャ
ッタ１１０１は、取付け部１２０３、１２０４で、支点
軸２に、回転自在に取付けられ、降下時に、端面１２０
２が、図１１におけるシート紙下部ガイド６やシート紙
８上に当接する。本図に示すように、シャッタ１１０１
のシート紙先端を付き当てる面が、シート紙の中心線に
対称に長く設けられ、また、支点軸２との取付け部分１
２０３、１２０４の間隔も長く取られている。そのため
に、シャッタ１１０１がねじれて取付けられていると、
図１２（ｂ）に示すように、シャッタ１１０１が降下し
た時には、シャッタ１１０１の下側の端面１２０２の片
側が、シート紙下部ガイド６から浮いてしまう。このよ
うな状態では、シャッタ１１０１の降下力の全てが、浮
いていない端面にかかってしまう。シート紙の分離搬送
動作中には、シャッタ１１０１は、シート紙上に降下
し、シート紙は、シート紙下部ガイド６とシャッタ１１
０１とで挾まれる。この時に、端面１２０２の片側のみ
で、シート紙を挾むと、搬送時の負荷が不均等にかか
り、次に説明するようなシート紙搬送スキューが発生す
る。

【０００７】図１３は、図１２における自動シート紙送
り装置のシート紙搬送スキューの状態を示す説明図であ
る。本図において、１１０１は、図１２に示すねじれた
シャッタ、同様に、２〜６は、それぞれ、図１１で示し
た支点軸、搬送ローラ、分離ローラ、給紙ローラ、シー
ト紙下部ガイドであり、また、８は、分離搬送されるシ
ート紙である。図１３（ａ）において、給紙ローラ５
が、矢印方向に回転すると、シート紙８が、分離ローラ
４や搬送ローラ３からなる分離搬送部に搬入される。こ
の時には、シャッタ１１０１は、図１２のシャッタレバ
ー１１などにより、支点軸２を中心に回転して上昇し、
シート紙８の分離搬送部への進入口が開かれている。そ
して、シート紙８の分離搬送が行なわれている最中に、
図１３（ｂ）に示すように、シャッタ１１０１は、降下
して、シート紙８上で停止する。この時、シャッタ１１
０１が、図１２（ｂ）で示したように、シート紙８に対
して、ねじれた状態であれば、シャッタ１１０１の降下
力の全てが、シート紙８の当接する部分にかかってしま
い、搬送時の負荷が、不均等になり、シート紙８は、ス
キューして搬送される。すなわち、図１３（ｃ）に示す
ように、シート紙８は、通常は、破線で示すように、シ
ャッタ１１０１や、給紙コロ５、搬送ローラ３、分離ロ
ーラ４などの中心線に平行に搬送されるが、シャッタ１
１０１が、片側のみに当接している場合には、当接して
いる側は、負荷がかかり、遅れて搬送され、実線で示す
ように、スキューが生じる。そして、スキューが生じれ
ば、シート紙８が破損したり、本体側装置の複写機など
において、読み取り画像が曲がったりする。このような
問題は、特に、支点軸２や、シャッタ１１０１、シート
紙下部ガイド６などの部品のねじれや、組付け時のねじ
れに起因するものであるが、このようなねじれの原因
を、１００％に防ぐことはできない。

【０００８】また、シャッタ１１０１が、給紙ローラ５
と搬送ローラ３との動作に連動して上下に昇降している
ために、次のような問題があった。セットされた原稿な
どのシート紙８は、最初の給紙、および、分離搬送動作
時には、給紙ローラ５により、ある程度、束になったま
まで、上昇したシャッタ１１０１を通過し、分離搬送部
に送り出されることがある。そして、シート紙８が、搬
送ローラ３と分離ローラ４により、一枚ずつ分離搬送さ
れる度に、シャッタ１１０１が、連動して昇降する。そ
のために、シート紙８に対して、シャッタ１１０１の先
端が当り、シート紙８の搬送負荷となり、不具合が発生
しやすくなる。また、最初の給紙動作において、シート
紙８が、給紙ローラ５により押し出される動作と、シャ
ッタ１１０１の上昇動作の開始タイミングが同時である
ため、シート紙８の先端が、シャッタ１１０１にひっか
かりやすく不送りなどの障害が発生しやすい。

【０００９】さらに、シャッタの昇降動作の駆動機構
は、シート紙の搬送の妨げにならないように、装置の片
側に設けられている。そのために、図１２で示すよう
に、シャッタ１１０１に、シャッタレバー１１までの長
い突出部を設けたり、逆に、シャッタレバーに、突起部
を設けている。図１２で示すようなシャッタの場合、突
起部の端で、シャッタレバー１１から、上昇力を受けた
時、まず、突起部がしなり、シャッタ１１０１の本体部
分は、遅れて上昇する。また、多量のシート紙をセット
した場合には、当接するシート紙の端との摩擦により、
突起部がしなるだけで、シャッタ１１０１の本体部分は
ほとんど上昇せず、正常なシート紙搬送ができなくな
る。このような問題を解決するために、突起部の剛性を
上げることが考えられるが、シャッタ１１０１の重量の
増加、それに伴うシャッタの上昇に必要な力の強化な
ど、駆動系への負担が増加してしまう。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来のシャッタ機構では、シート紙の搬入動作制
御を高信頼に行なうことができず、自動シート紙送り装
置の信頼性を向上させることができない点である。本発
明の目的は、シャッタの昇降動作を改善して、これら従
来技術の課題を解決し、原稿などのシート紙の搬送不良
を防止し、シート紙の分離搬送動作を高信頼に行なうこ
とを可能とする自動シート紙送り装置を提供することで
ある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の自動シート紙送り装置は、（１）搬入され
た複数枚のシート紙を一枚ずつ分離して搬送する分離搬
送部と、シート紙下部ガイド上にセットされたシート紙
を該分離搬送部へ搬入する給紙部と、この給紙部および
分離搬送部の動作に同期して、具備したシャッタを、支
点軸を中心に回転させて昇降し、シート紙下部ガイド上
のシート紙の分離搬送部への進入口の開閉動作を行な
い、シート紙の先端位置を規制するシート紙先端規制部
と、シート紙下部ガイド上のシート紙にシャッタ近傍で
当接し、このシート紙の浮きを押え、かつ、シート紙下
部ガイド上のこのシート紙の厚みの増加、もしくは、シ
ャッタの回転上昇動作に伴い、このシャッタとの隙間が
縮小する第１のシート紙押え部材とを有し、シート紙下
部ガイド上にセットされた複数枚のシート紙を、一枚ず
つ分離して搬送する自動シート紙送り装置において、シ
ート紙下部ガイド上に多数のシート紙をセットした時、
もしくは、シャッタの回転上昇動作時に、第１のシート
紙押え部材とシャッタとが、お互いに突き当たる位置関
係で、この第１のシート紙押え部材とシャッタとを取り
付け、かつ、この第１のシート紙押え部材およびシャッ
タのお互いに突き当たる部分に切欠きを設けることを特
徴とする。また、（２）上記（１）に記載の自動シート
紙送り装置において、第１のシート紙押え部材の代わり
に、シャッタの回転昇降動作と交互に連動して昇降し、
このシャッタの上昇時に降下して、上昇するシャッタで
めくり上げられたシート紙に当接し、この当接したシー
ト紙を、シート紙下部ガイド上に戻す第２のシート紙押
え部材を設けることを特徴とする。また、（３）上記
（２）に記載の自動シート紙送り装置において、第２の
シート紙押え部材のシート紙との当接部分に、シート紙
下部ガイドとの組合せにより、シート紙のシャッタへの
搬入口を楔形に形成するシート紙上部ガイドを設けるこ
とを特徴とする。また、（４）上記（１）から（３）の
いずれかに記載の自動シート紙送り装置において、シー
ト紙下部ガイドに、シャッタの降下時のこのシート紙下
部ガイド上での停止位置を、搬入されてくるシート紙の
セット位置の高さよりも低くする段差を設けることを特
徴とする。また、（５）上記（１）から（４）のいずれ
かに記載の自動シート紙送り装置において、シート紙先
端規制部には、支点軸にそれぞれ独立に取付けられ、こ
の支点軸を中心とする回転降下時に、それぞれ独立して
降下する複数のシャッタを設けることを特徴とする。ま
た、（６）上記（１）から（５）のいずれかに記載の自
動シート紙送り装置において、シート紙先端規制部に
は、支点軸に、回転自在、かつ、摺動自在で取付けら
れ、この支点軸を中心とする回転降下時に、シート紙下
部ガイドに面した下部端面全体が、このシート紙下部ガ
イドに均一に接するシャッタを設けることを特徴とす
る。また、（７）上記（１）から（６）のいずれかに記
載の自動シート紙送り装置において、シート紙下部ガイ
ドには、このシート紙下部ガイド上にセットされたシー
ト紙の有無を検知するシート紙有無検知部を、そして、
シート紙先端規制部には、分離搬送部によるシート紙の
最初の分離搬送時に、この分離搬送部の動作開始よりも
予め定められた時間分早い時点でシャッタを上昇させ、
かつ、シート紙有無検知部によるシート紙無しの検知動
作に基づき、シャッタを降下させるシャッタ昇降駆動部
を設け、シート紙下部ガイド上にセットされた複数のシ
ート紙が、全て分離搬送されるまで、シャッタを上昇さ
せておくことを特徴とする。また、（８）上記（１）か
ら（７）のいずれかに記載の自動シート紙送り装置にお
いて、シート紙先端規制部に、分離搬送部の回転駆動
を、予め定められた閾値内のトルクで伝達するクラッチ
部と、このクラッチ部を介して回転する第１の駆動伝達
部と、この第１の駆動伝達部の回転に伴い回転する第２
の駆動伝達部を一端に具備し、この第２の駆動伝達部と
共に回転する回転支軸と、この回転支軸の他端に具備さ
れてこの回転支軸と共に回転し、当接するシャッタを昇
降させる第３の駆動伝達部とを設け、分離搬送部の駆動
に伴うシャッタの昇降動作を、回転支軸を介して行なう
ことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明においては、第１のシート紙押え部材の
先端とシャッタとが干渉する部分を、それぞれ任意の組
合せで切り欠いてある。このことにより、シャッタの上
昇時や、多数枚のシート紙がセットされた時でも、シャ
ッタと、第１のシート紙押え部材とは干渉せず、シャッ
タが開かないことによるシート紙の搬送不良を防止する
ことができる。また、第１のシート紙押え部材の代わり
に、第２のシート紙押え部材を用いた場合には、シャッ
タが開くと、第２のシート紙押え部材が降下してくるの
で、上カールのシート紙の先端を、シャッタから、機械
的に離すことができる。このことにより、シャッタの開
閉の動きに合わせたシート紙のめくれ上がりを矯正し、
シート紙の不送りを防止することができる。また、第２
のシート紙押え部材に、シート紙のセット時の上部を規
制するシート紙上部ガイドを設けることにより、オペレ
ータが、シート紙を、シャッタから少し離れた位置にセ
ットした場合でも、シート紙は、ガイド部に沿って搬送
され、シート紙の搬送不良が防止される。また、シャッ
タのシート紙下部ガイド上での停止高さを、シート紙の
セット位置の高さよりも低くすることにより、オペレー
タが、小数枚のシート紙を、強く押し込んだ場合にも、
シート紙の過度な進入を停止し、シート紙は、確実に規
定の位置にセットされ、重送を防止することができる。
また、それぞれ独立に昇降動作を行なうシャッタを複数
個設けることにより、シャッタ機構にねじれが生じてい
る場合でも、シート紙上には、それぞれのシャッタの一
端が均等に降下しており、負荷が分散され、スキューを
防止することができる。また、シャッタを、支点に対し
て、摺動可能な状態で取付ける。このことにより、シー
ト紙上に当接するシャッタの端面が、ねじれにより、シ
ート紙上へ片当りした場合にも、浮いた側の端面が、さ
らに降下し、シャッタの端面がシート紙面と平行に保た
れ、スキューを防止する。また、シャッタの上昇動作
を、シート紙の分離搬送部への搬入動作よりも早めに起
動し、かつ、シャッタの降下動作を、セットされた全て
のシート紙が搬入された後に起動することにより、シャ
ッタによるシート紙の搬送不良を防止することができ
る。さらに、回転する剛性の回転支軸を用いて、シャッ
タの上昇に必要な動力を伝達することにより、駆動機構
から離れた位置に取り付けられたシャッタにも、的確に
上昇力を伝えることができ、シャッタの上昇不良に起因
するシート紙の搬送不良を防止することができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図１は、本発明を施した自動シート紙送り装
置の本発明に係わる構成の第１の実施例を示す斜視実体
図である。本図において、９は、本発明を施した自動シ
ート紙送り装置であり、ファクシミリや複写機などへの
原稿などのシート紙８の自動供給を行なうものである。
そして、自動シート送り装置９の本発明に係わる構成部
分は、図中Ａの内部を拡大して示すように、本発明に係
わりシート紙の先端位置を規制するシャッタ１、このシ
ャッタ１の昇降時の回転動作の中心支点となる支点軸
２、搬入されてきたシート紙を搬送する搬送ローラ３、
この搬送ローラ３で搬送されるシート紙で重送されるシ
ート紙を停止させて分離する分離ローラ４、セットされ
たシート紙を、下側から、搬送ローラ３と分離ローラ４
とからなる分離搬送部に搬入する給紙ローラ５、シート
紙がセットされるシート紙下部ガイド６、このシート紙
下部ガイド６上にセットされたシート紙８、そして、本
発明に係わり、シート紙下部ガイド６上にセットされた
シート紙８の先端の浮き上がりを押える第１のシート紙
押え部材７により構成されている。尚、支点軸２とシャ
ッタ１、および、図示されないシャッタ上昇レバーなど
により、本発明に係わるシート紙先端規制部が構成され
る。

【００１４】オペレータは、シート紙下部ガイド６上に
シート紙８をセットする場合、シート紙下部ガイド６と
第１のシート紙押え部材７との間に、図中右方向から押
し込む。押し込まれたシート紙８は、シャッタ１に、突
き当たり、この先端位置で、シート紙群はセットされ
る。このように、シャッタ１は、セットされたシート紙
８の先端位置を規制し、また、第１のシート紙押え部材
７は、シート紙８の上カールを押さえる。この状態で、
給紙ローラ５が駆動して、シート紙下部ガイド６上のシ
ート紙８を、搬送ローラ３と分離ローラ４からなる分離
搬送部へ送り出すと、シャッタ１は、図示されない駆動
伝達機構により、支点軸２を中心として回転して上昇す
る。このようにして、シャッタ１が上昇することによ
り、搬送ローラ３と分離ローラ４からなる分離搬送部へ
の進入口が開口し、シート紙８が搬入される。

【００１５】ここで、第１のシート紙押え部材７の先端
が、シャッタ１に接触しないように、第１のシート紙押
え部材７とシャッタ１とを、大きく離して取付けると、
先端が上カールしたシート紙８の場合には、シート紙８
の先端が、シャッタ１の動きに連れて、上へめくれ上が
り、シート紙不送りが発生することがある。このような
問題を回避するために、シャッタ１と第１のシート紙押
え部材７の取り付け位置は、第１のシート紙押え部材７
の先端が、シャッタ１に近い方がよい。しかし、第１の
シート紙押え部材７の先端が、シャッタ１に近すぎる位
置にあると、多数枚のシート紙８がセットされた場合に
は、上昇するシャッタ１が、第１のシート紙押え部材７
に突き当たり、シャッタの上昇動作を止めてしまい、シ
ート紙給紙不良や、シート紙ジャムを発生させてしまう
ことがある。

【００１６】本実施例においては、第１のシート紙押え
部材７は、その先端が、シャッタ１近くまで達する位置
で取付けられている。しかし、第１のシート紙押え部材
７には、シャッタ１の爪部分に当接しそうな部分に、切
欠きＢ、Ｃが設けられている。このように、シャッタ１
と第１のシート紙押え部材７とがお互いに当接する可能
性のある部分に切り欠きを設けることにより、シート紙
下部ガイド６上に、多数枚のシート紙８がセットされた
場合でも、第１のシート紙押え部材７の先端が、シャッ
タ１の上昇動作を妨害することはない。このように、本
実施例によれば、第１のシート紙押え部材７の先端が、
シャッタ１との接触部分を逃げているので、多数枚のシ
ート紙群がセットされた時でも、シャッタ７と、第１の
シート紙押え部材とは、干渉しないので、シャッタ７が
開かないことによるシート紙不送りを防止することがで
きる。尚、本発明のシャッタおよび第１のシート紙押え
部材の形状は、本実施例で示したものに限定されるもの
ではなく、シャッタおよび第１のシート紙押え部材がお
互いに当接する可能性のある部分を、任意の組合せで切
欠いたものであればよい。

【００１７】次に、本発明の第２の実施例を示す。図２
は、本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明に係
わる構成の第２の実施例を示す側面図である。本図にお
いて、２１は、シート紙の先端位置を規制するシャッ
タ、２は、シャッタ２１の昇降時の回転動作の支点とな
る支点軸、３は、搬入されてきたシート紙を搬送する搬
送ローラ、４は、搬送ローラ３で搬送されるシート紙で
重送されるシート紙を停止させて分離する分離ローラ、
５は、セットされたシート紙を、下側から、搬送ローラ
３と分離ローラ４とからなる分離搬送部に搬入する給紙
ローラ、６は、シート紙がセットされるシート紙下部ガ
イド、２２は、本発明であり、シート紙下部ガイド６に
セットされたシート紙の先端の浮き上がりを押える第２
のシート紙押え部材、８は、シート紙下部ガイド６にセ
ットされ、給紙ローラ５で搬入されるシート紙である。
さらに、この第２のシート紙押え部材２２は、図２
（ｃ）で分解して示すように、シャッタ２１の昇降動作
を第２のシート紙押え部材２２に伝達するリンク２３、
２４と、これらのリンク２３、２４を回転自在に結合す
るためのリンク支点軸２５と、このリンク支点軸２５の
動作を規制する支点ガイド溝２６とからなり、シャッタ
２１と共に、支点軸２で、回転自在に取付けられてい
る。ここで、支点ガイド溝２６は固定であり、リンク支
持軸２５は、支点ガイド溝２６に沿って、ガイドされる
範囲で動く。

【００１８】以下、このような構成によるシャッタ２１
および第２のシート紙押え部材２２の動作を説明する。
図２（ａ）において、シート紙８が、シート紙下部ガイ
ド部６にセットされた時点では、シャッタ２１は、降下
状態であり、シート紙下部ガイド部６上で停止してい
る。そして、シート紙８の先端位置が、このシャッタ２
１で規制されている。この時の第２のシート紙押え部材
２２の停止位置が、第２のシート紙押え部材２２の上昇
時の規定位置である。シャッタ２１が上昇すると、その
動きは、リンク２３、２４、および、支点軸２５を介し
て、第２のシート紙押え部材２２へ伝わる。そして、第
２のシート紙押え部材２２は、図２（ｂ）に示すよう
に、支点軸２を中心に、矢印Ｄ方向に回転し、シート紙
８の先端部分を上から押さえる。このように、本実施例
では、シャッタ２１が開くと、シート紙８を、第２のシ
ート紙押え部材２２で、機械的に上から押さえる。この
ことにより、シート紙８の先端が上カールしている場合
でも、シャッタ２１の上昇の動きに合わせて上へめくれ
上がろうとする先端を、シャッタ２１から離すことがで
き、シャッタ２１の上昇に伴うシート紙のめくれ上がり
に起因するシート紙不送りを防止することができる。

【００１９】図３は、図２におけるシャッタと第２のシ
ート紙押え部材の動作位置関係を示す説明図である。図
３（ａ）は、図２（ａ）におけるシャッタ２１と第２の
シート紙押え部材２２のそれぞれの停止位置を示し、シ
ャッタ２１が、シート紙下部ガイド６上に降りており、
分離搬送動作を開始する前の状態を示している。この状
態で、シート紙が、その先端をシャッタ２１に突き当て
られてセットされる。また、図３（ｂ）は、図２（ｂ）
におけるシャッタ２１と第２のシート紙押え部材２２の
それぞれの停止位置を示し、シャッタ２１が上昇し、第
２のシート紙押え部材２２が降下しており、分離搬送動
作が開始された状態を示している。この状態で、シャッ
タ２１の上昇でめくれ上がったシート紙は、降下してき
た第２のシート紙押え部材２２により、シャッタ２１か
ら離れ、正常に搬入される。

【００２０】次に、本発明の第３の実施例を示す。図４
は、本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明に係
わる構成の第３の実施例を示す側面図である。本図にお
いて、第２のシート紙押え部材４１、４２は、図２にお
ける第２のシート紙押え部材２２のシート紙の先端を押
える部分に、それぞれ、シート紙上部ガイドとしての曲
げ部４３、４４を設け、形状を変更したものであり、そ
の他の構成部品は、図２で示したものと同じである。こ
こでは、説明の重複を避けるために、シャッタ２１、支
点軸２、搬送ローラ３、分離ローラ４、給紙ローラ５、
シート紙下部ガイド６、および、シート紙８に関する機
能的な説明は省略する。図４（ａ）、（ｂ）において、
第２のシート紙押え部材４１、４２は、シャッタ２１の
動きに連動し、シャッタ２１の上昇時に降下している。
図２で示した第２のシート紙押え部材２２を用いた場合
には、シャッタ２１や第２のシート紙押え部材２２から
離れた位置にセットされたシート紙８に対しては、その
先端を押えることができなかった。すなわち、オペレー
タが、シート紙８を、正しくシャッタ２１に突き当てて
セットしなかった場合には、降下した図２の第２のシー
ト紙押え部材２２が、シート紙８の搬送ローラ３への搬
送を止めてしまい、シート紙不送りが発生する。しか
し、図４（ａ）、（ｂ）に示すように、本実施例の第２
のシート紙押え部材４１、４２の先端は、シート紙上部
ガイドの役割をする曲げ部４３、４４が付いているの
で、より手前にセットされたシート紙８に対しても、上
から、その先端を押さえることができる。このことによ
り、オペレータが、シート紙８を、正しくシャッタ２１
に突き当ててセットしなかった場合にも、シート紙８を
正しくガイドして、送り込むことができる。このよう
に、本実施例においては、シャッタ２１が開くと降下す
る第２のシート紙押え部材４１、４２に、シート紙上部
ガイドを設けているので、上カールのシート紙８を、た
とえ、手前に（シャッタに突き当てずに、少し離れたと
ころに）セットした時でも、上カールのシート紙先端
は、シート紙上部ガイドにより押さえられ、シート紙上
部ガイドに沿って搬送されるので、第２のシート紙押さ
え部材４１、４２に起因するシート紙搬送不良の防止が
可能となる。

【００２１】次に、本発明の第４の実施例を示す。図５
は、本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明に係
わる構成の第４の実施例を示す側面図である。本図にお
いて、シート紙下部ガイド５３は、図１〜図４における
シート紙下部ガイド６のシャッタ１、２１が当接する部
分の形状を変更したものであり、その他の構成部品は、
図１〜図４などで示したものと同等なものである。ここ
では、説明の重複を避けるため、シャッタ５１、シート
紙押え部材５４、支点軸２、搬送ローラ３、分離ローラ
４、給紙ローラ５、および、シート紙８などに関する説
明は省略する。本図５において、シート紙下部ガイド５
３は段差５１を有し、この段差５１は、シート紙８のセ
ット高さ位置の方が、シャッタ５２の降下時の停止位置
よりも、高くなるように設けられている。このように、
本実施例の自動シート送り装置では、シャッタ５２の停
止位置が、シート紙８のセット位置よりも低くなってい
るために、オペレータが、シート紙８を、強くシャッタ
側に押し込んだとしても、シート紙８が、シャッタ５２
とシート紙下部ガイド５３との間に入り込むようなこと
がなくなる。そして、押し込まれたシート紙８は、確実
にシャッタ位置で止まり、正しくセットされる。

【００２２】次に、本発明の第５の実施例を示す。図６
は、本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明に係
わる構成の第５の実施例を示す斜視実体図である。本実
施例は、特に、自動シート紙送り装置内の、シャッタを
具備するシート紙先端規制部に関するものであり、本発
明に係わるシャッタ６１、６２と、シャッタ６１、６２
の昇降動作時の回転の中心となる支点軸６３と、同じく
支点軸６３を中心として回転し、当接する突起部６４で
シャッタ６１、６２を上昇させるシャッタレバー６５を
具備している。本実施例のシャッタ６１、６２は、それ
ぞれ独立して自在に、支点軸６３を中心にして回転する
ように取り付けられている。以下、このような構成での
シャッタ６１、６２の動作を説明する。

【００２３】シート紙の搬入時には、進入口を開けるた
めに、シャッタレバー６５が、支点軸６３を中心に、矢
印Ｅ方向に回転し、シャッタ６１、６２は、突起部６４
により、同時に上昇する。また、シャッタ６１、６２を
降下させる場合には、シャッタレバー６５が、支点軸６
３を中心に、矢印Ｆ方向に回転し、シャッタレバー６５
の突起部６４から解放されたシャッタ６１、６２は、自
重で降下する。ここで、例えば、支点軸６３が曲がって
おり、シャッタ６１、６２がねじれて取付けられていた
場合、シャッタ６１、６２のいずれかが先に、シート紙
上に到達する。このような場合、従来構造のシャッタで
は、シャッタ６１、６２のいずれかのみが、シート紙に
当接し、他のシャッタは浮いた状態で停止する。そのた
めに、シート紙には、シャッタが当接した側のみに負荷
がかかり、シート紙は曲がって（スキューして）搬送さ
れる。しかし、本実施例では、二つのシャッタ６１、６
２は、それぞれ独立して、自在に、支点軸６３を中心に
回転することができる。そのために、仮りに、シャッタ
６１が、先にシート紙に当接したとしても、シャッタ６
１が、シート紙を押し付ける力は、通常の半分（通常
は、シャッタ６１、６２の合計の重さ）であり、さら
に、すぐ後に、シャッタ６２も、シート紙に到達するの
で、スキューの量は、極めて少なくなる。

【００２４】次に、本発明の第６の実施例を示す。図７
は、本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明に係
わる構成の第６の実施例を示す斜視実体図である。本実
施例は、図６におけるシャッタと異なる構成のシャッタ
を具備したシート紙先端規制部に関するものであり、本
発明に係わるシャッタ７１と、シャッタ７１の昇降動作
時の回転の中心となる支点軸６３と、同じく支点軸６３
を中心として回転し、当接する突起部７２で、シャッタ
７１を上昇させるシャッタレバー７３を具備している。
本実施例では、シャッタ部は、一つのシャッタ７１で構
成され、このシャッタ７１は、支点軸６３を中心にして
自在に回転し、かつ、図７（ｃ）に示すように、支点軸
６３との結合箇所は短く（図中Ｌ）、矢印Ｇ方向に揺れ
動く。シャッタレバー７３によるシャッタ７１の昇降動
作は、図６におけるシャッタ６１、６２とほぼ同じであ
る。例えば、、シャッタ７１の降下時において、シャッ
タ７１がねじれている場合には、シャッタ７１の一端が
先にシート紙に当接する。しかし、シャッタ７１は、図
７（ｃ）に示すように、矢印Ｇ方向に揺れ動くので、そ
のすぐ後に、シャッタ７１の他の端面も順次に、シート
紙に到達する。このように、本実施例では、シャッタを
回転自在、かつ、摺動するように取付けることにより、
シート紙のスキューを回避することができ、搬送スキュ
ーによる原稿などのシート紙の破損や、送られた原稿を
読み取るファクシミリや複写機での読み取り画像曲がり
などの障害を防ぐことができる。

【００２５】次に、本発明の第７の実施例を、図８およ
び図９を用いて説明する。図８は、本発明を施した自動
シート紙送り装置の本発明に係わる構成の第７の実施例
を示す側面図である。本実施例の自動シート紙送り装置
は、シート紙の先端位置を規制するシャッタ８１、この
シャッタ８１の昇降時の回転動作の支点となる支点軸
２、搬入されてきたシート紙を搬送する搬送ローラ３、
搬送ローラ３で搬送されるシート紙で重送されるシート
紙を停止させて分離する分離ローラ４、セットされたシ
ート紙を、下側から、搬送ローラ３と分離ローラ４とか
らなる分離搬送部に搬入する給紙ローラ５、シート紙が
セットされるシート紙下部ガイド６、このシート紙下部
ガイド６上にセットされたシート紙８、このシート紙８
の先端の浮き上がりを押えるシート紙押え部材８２、そ
して、本発明に係わり、シート紙下部ガイド６上にセッ
トされたシート紙８の有無を検知するシート紙有無検知
部８３、および、シャッタ８１の昇降動作を制御するシ
ャッタ昇降駆動部としてのシャッタソレノイド８４を具
備し、特に、自動シート紙送り装置のシャッタの昇降動
作の制御を行なうものである。尚、本実施例では、支点
軸２とシャッタ８１、および、シャッタソレノイド８４
などにより、本発明に係わるシート紙先端規制部が構成
される。

【００２６】以下、このような構成の分離搬送機構の本
発明に係わる動作を説明する。まず、シート紙有無検知
部８３は、シート紙下部ガイド６とシート紙押え部材８
２との間に、シート紙８がセットされているか否かを検
知する。自動シート紙送り装置の動作のスタート時に、
シート紙有無検知部８３が、シート紙の「有」を検知し
ていれば、シャッタソレノイド８４が起動（オン）し、
シャッタ８１が上昇する。そして、起動した給紙ローラ
５の回転により、シート紙８は、搬送ローラ３および分
離ローラ４からなる分離搬送部に搬入される。尚、この
一連の動作において、本実施例では、シャッタソレノイ
ド８４がオンして、シャッタが確実に上昇する十分な時
間の後に、給紙ローラ５の回転が起動する。次に、シー
ト紙下部ガイド６上の全てのシート紙８が送り出される
と、シート紙有無検知部８３は、ソート紙の「無」を検
知し、この検知結果に基づき、シャッタソレノイド８４
はオフとなり、シャッタ８１が降下する。このように、
本実施例では、シャッタ８１の昇降動作は、給紙、分離
搬送動作とは同期せず、シート紙下部ガイド６上の全て
のシート紙８が送り出されるまで、上昇したままであ
る。このことにより、分離搬送時のシート紙８にかかる
シャッタ８１による負荷に起因するシート紙不送り、ス
キューなどの不具合を防止することができる。

【００２７】図９は、図８における自動シート紙送り装
置の本発明に係わる動作タイミングの一実施例を示すタ
イミングチャートである。本実施例は、特に、本発明を
設けた自動シート紙送り装置のシート紙の分離搬送に係
わる動作タイミングを示し、図８で示した給紙ローラ５
の動作タイミング、シャッタソレノイド８４の動作タイ
ミング、シート紙有無検知部８３の検知タイミングの関
係を示すものである。まず、ｔ₀のタイミングで、シー
ト紙がセットされると、シート紙有無検知部８３がオン
となる。そして、ｔ₁のタイミングで、オペレータによ
りスタート信号が入力されると、シャッタソレノイド８
４がオンして、図８におけるシャッタ８１が上昇する。
さらに、図８のシャッタ８１が上昇して、シート紙の分
離搬送部への進入口が確実に開くのに要する十分な時間
「ｔ」後に、すなわち、ｔ₂のタイミングで、給紙ロー
ラ５の回転が開始する。そして、図８におけるシート紙
下部ガイド６上のシート紙８が全て送り出されたｔ₃の
タイミングで、シート紙有無検知部８３がオフとなる。
それと同時に、給紙ローラ５の回転制御とシャッタソレ
ノイド８４がオフとなり、動作が終了する。このよう
に、給紙ローラ５の回転開始タイミングを、シャッタソ
レノイド８４の起動タイミングよりも、「ｔ」時間遅ら
せ、シート紙の分離搬送部への進入口を、事前に開ける
ことにより、また、シート紙の分離搬送動作中は、シャ
ッタソレノイド８４をオンし続けて、シャッタを上昇さ
せたままにしておくことにより、シャッタに起因するシ
ート紙の搬送不良の障害を回避することができる。

【００２８】次に、本発明の第８の実施例を説明する。
図１０は、本発明を施した自動シート紙送り装置の本発
明に係わる構成の第８の実施例を示す斜視実体図であ
る。本図は、本発明の自動シート紙送り装置の給紙およ
び分離搬送機構の構成を示すものであり、１０１は、シ
ート紙の先端位置を規制するシャッタ、１０２は、シャ
ッタ１０１の一部で、オペレータがセットしたシート紙
の先端に当接して、シート紙の先端位置を規制するスト
ッパ、１０３は、シャッタ１０１の昇降時の回転動作の
支点となる支点軸、１０４は、搬入されてきたシート紙
を搬送する搬送ローラ、１０５は、搬送ローラ１０４で
搬送されるシート紙で重送されるシート紙を停止させて
分離する分離ローラ、１０６は、セットされたシート紙
を、下側から、搬送ローラ１０４と分離ローラ１０５と
からなる分離搬送部に搬入する給紙ローラ、１０７は、
給紙ローラ１０６の昇降動作を制御するブラケット、１
０８は、図示されない駆動部により回転して、搬送ロー
ラ１０４や給紙ローラ１０６、および、シャッタ１０１
の昇降動作の駆動を伝達する給紙軸、１０９は、給紙軸
１０８の回転力を、定められたトルク内で、ブラケット
１０７に伝えるトルクリミッタであり、そして、以下、
本発明に係わり、１１０は、シャッタ１０１の昇降動作
を制御するために設けられ、給紙軸１０８の回転力を、
定められたトルク内で、シャッタ１０１の昇降機構側に
伝えるトルクリミッタ、１１１は、トルクリミッタ１１
０を介して、給紙軸１０８の回転に基づき回転する第１
の駆動伝達部材としての上昇レバー、１１２は、この上
昇レバー１１１に当接して、上昇レバー１１１の回転動
作に伴い回転する第２の駆動伝達部材としての中継レバ
ー、１１３は、中継レバー１１２の回転の中心であり、
かつ、固定された中継レバー１１２と共に回転する回転
支軸としてのレバー支持軸、１１４は、レバー支持軸１
１３に中継レバー１１２と相対して取付けられ、かつ、
レバー支持軸１１３と共に回転して、当接するシャッタ
１０１を上昇させる第３の駆動伝達部材としてのシャッ
タレバーである。尚、レバー支持軸１１３は、保持部材
１１５により、回転自在に保持されている。また、シャ
ッタレバー１１４は、シャッタ１０１には、シャッタ１
０１の受け部１１６で当接するものとし、さらに、給紙
ローラ１０６は、ギア１１７を介して、搬送ローラ１０
４と共に回転するものである。以下、このような構成の
分離搬送機構の本発明に係わる動作を説明する。

【００２９】オペレータが、シート紙をセットして、ス
タートボタンを押下すると、図示されない駆動部が起動
し、給紙軸１０８が、矢印Ｈ方向に回転する。給紙軸１
０８の回転に伴い、トルクリミッタ１１０を介して、上
昇レバー１１１が回転する。上昇レバー１１１が回転す
ると、中継レバー１１２が押し上げられ、中継レバー１
１２が、レバー支持軸１１３と共に、矢印Ｉ方向に回転
する。レバー支持軸１１３の一端には、シャッタレバー
１１４が固定されており、シャッタレバー１１４も回転
する。シャッタレバー１１４の一部は、シャッタ１０１
の下部の受け部１１６に当接しており、シャッタレバー
１１４は、回転動作に伴い、シャッタ１０１を押し上げ
る。受け部１１６に当接するシャッタレバー１１４によ
り押し上げられたシャッタ１０１は、支点軸１０３を中
心に、矢印Ｊ方向に回転し、シャッタ１０１の一部であ
るストッパ１０２が上昇する。このようにして、シャッ
タ１０１の上昇制御が行なわれるが、シャッタ１０１に
上昇力を伝達する機構に、しなりの無い剛性のレバー支
持軸１１３を用いており、給紙軸１０８からの上昇力
は、遅延すること無くシャッタ１０１に伝達される。さ
らに、レバー支持軸１１３は、中継レバー１１２の回転
をシャッタレバー１１４に伝えると共に、それぞれのレ
バーの回転の中心でもあり、その重さは、上昇レバー１
１１に対する負荷とはならない。このことにより、小さ
な力の駆動源で、シャッタ１０１を上昇させることがで
きる。尚、給紙軸１０８の回転は、トルクリミッタ１０
９を介して、ブラケット１０７を回転させ、給紙ローラ
１０６を上昇させて、図示されないシート紙に当接させ
る。給紙ローラ１０６は、ギア１１７を介して、給紙軸
１０８および搬送ローラ１０４と共に回転しており、当
接するシート紙を、搬送ローラ１０４と分離ローラ１
０５からなる分離搬送部に送り出す。また、ブラケット
１０７による給紙ローラ１０６の上昇タイミングは、シ
ャッタ１０１が上昇完了するのに十分な時間の後とす
る。

【００３０】以上、図１〜図１０を用いて説明したよう
に、本実施例の自動シート紙送り装置では、シャッタの
昇降動作を確実に行なうことができ、シート紙のセッ
ト、給紙、および、分離搬送時における不具合を防止す
ることができる。尚、本発明は、図１〜図１０のそれぞ
れで示した構成に限るものではなく、さらに、図１〜図
１０で示したそれぞれの実施例を、目的に合わせて、任
意に組合せるても良い。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、シート紙の進入口の開
閉動作の信頼性を高め、自動シート紙送り装置の性能を
向上させることが可能である。

【００３２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第１の実施例を示す斜視実体図である。

【図２】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第２の実施例を示す側面図である。

【図３】図２におけるシャッタと第２のシート紙押え部
材の動作位置関係を示す説明図である。

【図４】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第３の実施例を示す側面図である。

【図５】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第４の実施例を示す側面図である。

【図６】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第５の実施例を示す斜視実体図である。

【図７】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第６の実施例を示す斜視実体図である。

【図８】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発明
に係わる構成の第７の実施例を示す側面図である。

【図９】図８における自動シート紙送り装置の本発明に
係わる動作タイミングの一実施例を示すタイミングチャ
ートである。

【図１０】本発明を施した自動シート紙送り装置の本発
明に係わる構成の第８の実施例を示す斜視実体図であ
る。

【図１１】シート紙押え部材を有する従来の自動シート
紙送り装置の分離の構成の概略を示す側面図である。

【図１２】従来の自動シート紙送り装置のねじれたシャ
ッタの構成の概略を示す説明図である。

【図１３】図１２における自動シート紙送り装置のシー
ト紙搬送スキューの状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１シャッタ２支点軸３搬送ローラ４分離ローラ５給紙ローラ６シート紙下部ガイド７第１のシート紙押え部材８シート紙９自動シート紙送り装置２１シャッタ２２第２のシート紙押え部材２３、２４リンク２５リンク支点軸２６支点ガイド溝４１、４２第２のシート紙押え部材４３、４４曲げ部５１段差５２シャッタ５３シート紙下ガイド５４シート紙押え部材６１、６２シャッタ６３支点軸６４突起部６５シャッタレバー７１シャッタ７２突起部７３シャッタレバー８１シャッタ８２シート紙押え部材８３シート紙有無検知部８４シャッタソレノイド１０１シャッタ１０２ストッパ１０３支点軸１０４搬送ローラ１０５分離ローラ１０６給紙ローラ１０７ブラケット１０８給紙軸１０９トルクリミッタ１１０トルクリミッタ１１１上昇レバー１１２中継レバー１１３レバー支持軸１１４シャッタレバー１１５保持部材１１６受け部１１７ギア１１０１シャッタ１１０２シート紙押え部材１１０３カールシート紙１２０１シャッタレバー１２０２端面１２０３、１２０４取付け部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】搬入された複数枚のシート紙を一枚ずつ
分離して搬送する分離搬送手段と、シート紙下部ガイド
上にセットされたシート紙を該分離搬送手段へ搬入する
給紙手段と、該給紙手段および上記分離搬送手段の動作
に同期して、具備したシャッタを、支点軸を中心に回転
させて昇降し、上記シート紙下部ガイド上のシート紙の
上記分離搬送手段への進入口の開閉動作を行ない、上記
シート紙の先端位置を規制するシート紙先端規制手段
と、上記シート紙下部ガイド上のシート紙に上記シャッ
タ近傍で当接し、該シート紙の浮きを押え、かつ、上記
シート紙下部ガイド上の該シート紙の厚みの増加、もし
くは、上記シャッタの回転上昇動作に伴い、該シャッタ
との隙間が縮小する第１のシート紙押え部材とを有し、
上記シート紙下部ガイド上にセットされた複数枚のシー
ト紙を、一枚ずつ分離して搬送する自動シート紙送り装
置において、上記シート紙下部ガイド上に多数のシート
紙をセットした時、もしくは、上記シャッタの回転上昇
動作時に、上記第１のシート紙押え部材と上記シャッタ
とが、お互いに突き当たる位置関係で、該第１のシート
紙押え部材とシャッタとを取り付け、かつ、該第１のシ
ート紙押え部材およびシャッタのお互いに突き当たる部
分に切欠きを設けることを特徴とする自動シート紙送り
装置。
【請求項２】請求項１に記載の自動シート紙送り装置
において、上記第１のシート紙押え部材の代わりに、上
記シャッタの回転昇降動作と交互に連動して昇降し、該
シャッタの上昇時に降下して、上記上昇するシャッタで
めくり上げられたシート紙に当接し、該当接したシート
紙を、上記シート紙下部ガイド上に戻す第２のシート紙
押え部材を設けることを特徴とする自動シート紙送り装
置。
【請求項３】請求項２に記載の自動シート紙送り装置
において、上記第２のシート紙押え部材の上記シート紙
との当接部分に、上記シート紙下部ガイドとの組合せに
より、上記シート紙の上記シャッタへの搬入口を楔形に
形成するシート紙上部ガイドを設けることを特徴とする
自動シート紙送り装置。
【請求項４】請求項１から請求項３のいずれかに記載
の自動シート紙送り装置において、上記シート紙下部ガ
イドに、上記シャッタの降下時の該シート紙下部ガイド
上での停止位置を、上記搬入されてくるシート紙のセッ
ト位置の高さよりも低くする段差を設けることを特徴と
する自動シート紙送り装置。
【請求項５】請求項１から請求項４のいずれかに記載
の自動シート紙送り装置において、上記シート紙先端規
制手段には、上記支点軸にそれぞれ独立に取付けられ、
該支点軸を中心とする回転降下時に、それぞれ独立して
降下する複数の上記シャッタを設けることを特徴とする
自動シート紙送り装置。
【請求項６】請求項１から請求項５のいずれかに記載
の自動シート紙送り装置において、上記シート紙先端規
制手段には、上記支点軸に、回転自在、かつ、摺動自在
で取付けられ、該支点軸を中心とする回転降下時に、上
記シート紙下部ガイドに面した下部端面全体が、該シー
ト紙下部ガイドに均一に接する上記シャッタを設けるこ
とを特徴とする自動シート紙送り装置。
【請求項７】請求項１から請求項６のいずれかに記載
の自動シート紙送り装置において、上記シート紙下部ガ
イドには、該シート紙下部ガイド上にセットされた上記
シート紙の有無を検知するシート紙有無検知手段を、そ
して、上記シート紙先端規制手段には、上記分離搬送手
段による上記シート紙の最初の分離搬送時に、該分離搬
送手段の動作開始よりも予め定められた時間分早い時点
で上記シャッタを上昇させ、かつ、上記シート紙有無検
知手段によるシート紙無しの検知動作に基づき、上記シ
ャッタを降下させるシャッタ昇降駆動手段を設け、上記
シート紙下部ガイド上にセットされた複数のシート紙
が、全て分離搬送されるまで、上記シャッタを上昇させ
ておくことを特徴とする自動シート紙送り装置。
【請求項８】請求項１から請求項７のいずれかに記載
の自動シート紙送り装置において、上記シート紙先端規
制手段に、上記分離搬送手段の回転駆動を、予め定めら
れた閾値内のトルクで伝達するクラッチ手段と、該クラ
ッチ手段を介して回転する第１の駆動伝達手段と、該第
１の駆動伝達手段の回転に伴い回転する第２の駆動伝達
手段を一端に具備し、該第２の駆動伝達手段と共に回転
する回転支軸と、該回転支軸の他端に具備されて該回転
支軸と共に回転し、当接する上記シャッタを昇降させる
第３の駆動伝達手段とを設け、上記分離搬送手段の駆動
に伴う上記シャッタの昇降動作を、上記回転支軸を介し
て行なうことを特徴とする自動シート紙送り装置。