JPH0543009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 本考案は、地下ケーブルの撤去作業を行うケー
ブル撤去車において使用されるケーブルドラムに
関するものである。

(2) 従来の技術 従来よりケーブル巻取り部を断面Ｖ字状に形成
したケーブルドラムは知られているが、従来のケ
ーブルドラムはケーブル巻取り部の谷部が両つば
部間の中心に位置していた。

(3) 考案が解決しようとする課題 しかし、ケーブル撤去車により地下ケーブルの
撤去作業を行う場合は、ケーブル撤去車を道路の
端に停車させ、マンホールから地上に導いたケー
ブルをケーブルドラムに巻取るため、マンホール
の位置とケーブルドラムの中心が同一直線上に位
置せず、ケーブルが斜めに引つ張られたり、ケー
ブルドラムに巻付けたケーブルを切断するカツタ
装置にケーブルを送出すケーブル繰出し装置にケ
ーブルが斜めに供給されて作業が円滑に行われな
いという問題があつた。

(4) 課題を解決するための手段 本考案は、上記の問題点を解決するために、左
右側面につば部を備え、両つば部間のケーブル巻
取り部を断面Ｖ字状に形成したケーブルドラムに
おいて、前記断面Ｖ字状に形成したケーブル巻取
り部の谷部を両つば部間の中心から左右方向へ偏
倚させて設けたものである。

(5) 作用 上記により、マンホールとケーブル撤去車の位
置関係に応じてケーブルドラムの取付け向きを変
えて、マンホールとケーブルドラムの谷部をほぼ
同一直線上に位置させるとともに、ケーブルドラ
ムからケーブル繰出し装置にほぼ真直にケーブル
を供給する。

(6) 実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第２図は本考案によるケーブルドラムが使用さ
れるケーブル撤去車Ｂを示し、車体１の後部には
押圧シリンダ２により平行を保持して揺動される
一対の平行アーム３が枢支され、平行アーム３の
中間部にはケーブルドラム４が枢支されるととも
に、平行アーム３にはケーブルドラム４を平行ア
ーム３に枢支した状態でケーブルドラム４と連結
される回転駆動装置９が設けられ、回転駆動装置
９は油圧モータと減速機を備えている。

車体１の中央上部には、ケーブルドラム４に巻
取られたケーブルが導かれ、左右両側からゴム製
の無限軌道によりケーブルを挟持して前方に送り
出すケーブル繰出し装置５が設置され、ケーブル
繰出し装置５の前方には、ケーブル繰出し装置５
により送り出されたケーブルが所定の長さになる
とカツタが作動してケーブルを所定の長さに切断
するカツタ装置６が取付けられており、カツタ装
置６の前端には切断されたケーブルをガイドして
ローラにより車体の前側に送り出すガイド装置７
が備えられている。

また、車体１の後端部には、車体１を支持して
固定するアウトリガ８と、着脱自在なガイドロー
ラ１０を備えたトラバーザが設けられている。

ケーブルドラム４は、第１図に示すように、中
心部に中空状のシヤフト４０が設けられ、このシ
ヤフト４０の両端部にはそれぞれ十字状のフレー
ム４１が固着され、各フレーム４１の先端にはド
ーナツ状のつば部４２が形成され、両つば部４２
間にはＶ字状の断面を備えたケーブル巻取り部４
３が形成されており、ケーブル巻取り部４３の谷
部４４は両つば部４２間の中心から右方向に所定
の長さ偏倚して形成され、谷部４４から量つば部
４２までのケーブル巻取り部４３の幅はほぼ３対
１の比率になるように形成されている。

上記の構成により、ケーブル撤去作業を行うと
きは、第３図に示すように、ケーブル撤去車Ｂ
を、ケーブル撤去車Ｂの後部がマンホールＡの近
傍に位置するように通路の端に停車させてアウト
リガ８により固定し、第３図ａのように、マンホ
ールＡの位置が道路の端に近い場合は、ケーブル
ドラム４の谷部が車体１の左側に位置するように
ケーブルドラム４を平行アーム３に枢支し、第３
図ｂのように、マンホールＡの位置が道路の中心
に近い場合は、ケーブルドラム４の谷部が車体１
の右側に位置するようにケーブルドラム４を平行
アーム３に枢支し、ケーブルドラム４を回転させ
て、ケーブル１１をケーブルドラム４に巻取るこ
とにより、ケーブル１１はケーブルドラム４の谷
部４４に巻取られるので、ケーブル１１はマンホ
ールＡからほぼ垂直に引上げられる。

ケーブルドラム４に巻取られたケーブル１１は
ケーブルドラム４に２〜３周巻付けられてから、
ケーブル１１の先端がケーブル繰出し装置５に導
かれるが、第４図に示すように、ケーブルドラム
４の谷部４４が左側にある場合と谷部４４が右側
にある場合の何れも、ケーブル１１はケーブルド
ラム４からケーブル繰出し装置５にほぼ真直に供
給される。

(7) 考案の効果 以上の様に、本考案は、左右側面につば部を備
え、両つば部間のケーブル巻取り部を断面Ｖ字状
に形成したケーブルドラムにおいて、前記断面Ｖ
字状に形成したケーブル巻取り部の谷部を両つば
部間の中心から左右方向へ偏倚させて設けたもの
であり、ケーブル撤去車とマンホールの位置関係
に応じて、ケーブルドラムを取付ける向きを変え
ることにより、ケーブルドラムの谷部とマンホー
ルがほぼ直線上に位置して、ケーブルが斜めに引
つ張られることがなく、また、カツタ装置にケー
ブルを送出すケーブル繰出し装置にケーブルがほ
ぼ真直に供給されるため、本考案のケーブルドラ
ムによりケーブル撤去作業を効率良く行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案によるケーブルドラムの
正面図と側面図、第２図は本考案によるケーブル
ドラムが使用されるケーブル撤去車の側面図、第
３図ａ，ｂはケーブル撤去作業の説明図、第４図
ａ，ｂは作用の説明図である。 Ａ……マンホール、Ｂ……ケーブル布設撤去
車、１……車体、３……平行アーム、４……ケー
ブルドラム、５……ケーブル繰出し装置、４２…
…つば部、４３……ケーブル巻取り部、４４……
谷部、１１……ケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右側面につば部を備え、両つば部間のケーブ
   ル巻取り部を断面Ｖ字状に形成したケーブルドラ
   ムにおいて、前記断面Ｖ字状に形成したケーブル
   巻取り部の谷部を両つば部間の中心から左右方向
   へ偏倚させて設けたことを特徴とするケーブルド
   ラム。