【発明の詳細な説明】[Detailed description of the invention]
〔産業上の利用分野〕
本発明は、塗布層を設けることにより表面特
性、特に滑り性、帯電性の改良された二軸延伸ポ
リエステルフイルムに関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
二軸延伸ポリエステルフイルム、特に二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフイルムは、透明
性、寸法安定性、機械的特性、電気的特性、ガス
バリヤー性、耐熱性、耐薬品性などに優れ、包装
材料、電気絶縁材料、銀塩、ジアゾ化合物、感光
性樹脂などを用いる感光材料、製図材料、電子写
真材料、磁気記録材料などの基材として用いられ
ている。最近では磁気記録媒体の高密度記録化、
コンデンサーの高容量化などに伴ない磁気記録媒
体あるいはコンデンサーに使用されるポリエステ
ルフイルムは、ますます平坦であると共に良好な
滑り性、すなわち平滑性が要求されている。平滑
なフイルムの必要性は、光学用途、電子写真用途
などの多くの用途面でも増大している。
ポリエステルフイルムの滑り性を改良する従来
の方法としては、微細な有機系あるいは無機系の
粒子を添加する方法(添加粒子法)、ポリエステ
ルの重合時にエステル交換触媒残渣などを析出さ
せる方法(析出粒子法)、ポリマーブレンドによ
る方法、有機系の潤滑剤を配合する方法などのポ
リエステルフイルムへの添加物による改良方法が
ある。しかしながら、これらの添加物による方法
は、滑り性と平坦性の一方が向上すれば他の一方
が低下し、両方を共に向上させるのが困難である
のが実情である。また、添加物による方法は、透
明性を要求される光学用途には限界がある場合が
ある。有機系の潤滑剤を配合する方法は、無機系
粒子などを適度に併用することによりある程度の
平滑性を達成できるものの、潤滑剤の転着による
装置あるいは製品の汚染、蒸着工程での高真空度
の達成と維持の困難、積層体とした場合の層間の
接着性の低下など問題が多い。添加物を含有する
層を平坦層と共押出しなどで積層する方法で平滑
化をはかる方法もあるが、先に述べた添加物によ
る問題点と共に添加物含有層の平坦層への形状転
写などの問題がある。溶剤処理、コロナ放電処理
などにより表面処理をしたフイルムを延伸し、表
面に突起を形成させる方法もあるが、突起形状に
種々の制約もあり、滑り性が不充分な場合が多
い。これらの方法に対して、塗布層に微細かつ稠
密な突起を形成させる方法が、フイルムの平滑化
法として注目されている。塗布層の突起形成方法
としては、微細な無機系粒子を含有させる方法が
滑り性や固着性(ブロツキング性)を改良するた
め広く慣用されているが、最近では塗布層を設け
た後にポリエステルフイルムを延伸する方法(以
下塗布延伸法と略称する)の塗布剤として塗布層
中での相分離や塗布延伸時の伸び特性に特徴のあ
る化合物を用いる方法が、新規な平滑フイルムの
製造方法として注目されている。例えば、特開昭
54−43017号公報では、塗布剤としてポリエステ
ルにゼラチンを配合し、塗布延伸によつて滑り性
の良好なポリエステルフイルムを得ている。それ
以後、特開昭56−10455号公報、特開昭57−18254
号公報、特開昭58−62826号公報などで塗布延伸
による平滑フイルムが提案されている。これら
は、縦一軸延伸後のフイルムの塗布剤を塗布後、
横方向に延伸しており、塗布層の突起形状が縦方
向に長いため突起形状の呼称として、「みみず状
突起」、「山脈状突起」などと記載されている(以
下縦長突起と呼称する)。なお、縦長突起の特殊
なものとして、塗布層の破断による基体ポリエス
テルフイルム面が露出した「不連続皮膜状突起」
も提案されている。
本発明者らは、先にアクリル系樹脂、ポリエス
テルおよび特定の水溶性樹脂あるいはこれらとシ
リカゾルからなる塗布剤を用いた塗布延伸法によ
る平滑なフイルムを提案した(特願昭58−170308
号、特願昭58−170929号、特願昭58−170930号)。
特定の水溶性樹脂とは、塗布延伸により縦長突
起を形成する樹脂で、具体的にはゼラチン、セル
ロース誘導体などである。しかしながら、塗布延
伸法により平滑なフイルムが得られるものの、工
業的規模でフイルムの巻き長さを増したり、高速
でフイルムを巻き出したりする場合には、フイル
ムの平坦化による接触面積の増大によるものと推
定されるフイルム巻き出し時の剥離帯電でフイル
ムからの火花の発生やフイルムの帯電密着による
破断などの問題が発生する場合もある。
〔発明の目的〕
本発明は、表面特性、特に滑り性、帯電性の改
良された二軸延伸ポリエステルフイルムを提供す
ることを目的とする。
〔発明の構成〕
本発明者らは、剥離帯電などフイルムの帯電性
を改良する目的で縦長突起形成樹脂を検討してい
たところ、縦長突起形成性を有すると共に導電性
でもあるポリアクリル酸塩類が有効であることを
見出し、本発明をなすに至つた。
すなわち、本発明はポリエステルフイルムの少
なくとも片面にアクリル酸、メタクリル酸または
その塩含有量が30モル%以上のビニル系樹脂を含
有する塗布剤を塗布後延伸した二軸延伸ポリエス
テルフイルムである。
本発明において基体を構成するポリエステルフ
イルムは、その構成成分の80モル%以上がエチレ
ンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレ
ートあるいは80モル%以上がエチレンナフタレー
トであるポリエチレンナフタレートフイルムであ
る。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレ
ート以外のポリエステル共重合成分としては、例
えばジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのジオール成分、イソフタル
酸、5−ソジオスルホイソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体
などのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸および
そのエステル形成性誘導体などのオキシカルボン
酸などを用いることができるがこれらに限定され
るものではない。
本発明における基体を構成するポリエステルフ
イルムは、フイルムの表面に突起を形成する添加
粒子、析出粒子、基体ポリエステルと特性の異な
るポリエステルあるいはそれ以外の樹脂を含有し
ていてもよいが、蒸着金属を磁性層とする高密度
磁気記録用途などに用いる場合、これらは極力少
なくするのが好ましい。しかし、用途に応じては
従来当業者が常用している範囲の量を含有してい
てもよい。突起形成剤以外の添加物としては、必
要に応じて帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、着色
剤、光線遮断剤などを含有していてもよい。
本発明におけるアクリル酸、メタクリル酸また
はその塩を成分とするビニル系樹脂とは、一般式
(ただし、Rは水素またはアルキル基、Mは水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム(置換アンモニウムも含む)を示す)
なる繰返し単位を主要な構成成分とするものであ
る。本発明におけるビニル系樹脂中の(1)式の構成
成分の含有量は、導電性および樹脂の水溶性化と
共に縦長突起形成性からも30モル%〜100モル%、
さらに好ましくは50モル%〜100モル%である。
本発明におけるビニル系樹脂の(1)式以外の構成成
分としては、ビニルカルボン酸およびそれらの
塩、エステル誘導体、無水マレイン酸、スチレン
類、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルスルホ
ン酸およびそれらの塩、アクリルアミド類、ハロ
ゲン化ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルトリアルコキシシランなどビニル重合
性の化合物があげられるが、これらに限定される
ものではない。本発明におけるビニル系樹脂の分
子量は、塗布層中での相分離特性、塗布延伸過程
での伸び特性と関連して導電性、縦長突起の形状
に影響を及ぼすが、通常は2000〜100万、好まし
くは5000〜50万である。例えば、本発明における
ビニル系樹脂の分子量が高いほど縦長突起は大き
くなる。本発明におけるアクリル酸、メタクリル
酸またはその塩を成分とするビニル系樹脂の塗布
層中の含有量は、必要とする導電性、縦長突起の
大きさに応じて決める必要があるが、3重量%〜
100重量%、好ましくは5〜25重量%である。25
重量%を超えると縦長突起が大きくなり、磁気記
録用では磁気記録特性の低下を来たし好ましくな
い。
ポリエステルフイルムに塗布剤を塗布する方法
は、原崎勇次著、槙書店1979年発行、「コーテイ
ング方式」に示されるリバースロールコーター、
グラビアコーター、ロツドコーター、エアドクタ
コーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いる
ことができる。塗布工程は、逐次二軸延伸前、同
時二軸延伸前、二軸延伸後で再延伸前などに実施
する。すなわち、ポリエステルフイルムに塗布剤
を塗布し、その後適当な乾燥を施し、あるいは乾
燥を施すことなく延伸する方法(塗布延伸法)が
塗布層の表面に突起を形成させるのに必須であ
る。特に好ましくは、ロール延伸法による一軸延
伸ポリエステルフイルムに塗布剤の水分散物ある
いは水溶液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるい
は乾燥を施すことなく、ポリエステル一軸延伸フ
イルムをただちに先の延伸方向と直角方向に延伸
し、熱処理する方法が好ましい。本方法によれ
ば、延伸と同時に塗布層の乾燥が可能になると共
に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄くすること
ができる。
塗布層の表面の突起形状は、延伸方法、延伸倍
率、延伸速度などによつて異なるが逐次二軸延伸
法でいわゆる縦延伸後に塗布したフイルムを横延
伸した場合には、縦方向に長く、横方向に幅の狭
いいわゆる縦長突起が形成される。突起形状の大
小は、縦長突起形成性樹脂の構造、重合度、配合
量、塗布剤に配合される縦長突起形成性樹脂以外
の樹脂の特性、塗布層の厚さなどに影響される。
例えば、縦長突起形成樹脂の重合度が大きいほ
ど、配合量が多いほど、塗布層の厚さが厚いほ
ど、塗布剤に用いられる縦長突起形成性樹脂以外
の樹脂の弾性率が低いほど突起形状が大きくな
る。また、塗布剤の塗布後、延伸前の塗布層の乾
燥速度、乾燥の程度によつても突起形状が異な
る。これは塗布層での縦長突起形成樹脂の相分離
や含水状態での延伸性の差によるものと推定され
る。
本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層の厚さは、0.01μから1μの範囲が好ましく、さ
らに好ましくは0.01μから0.1μの範囲である。塗
布層の厚さが0.01μ未満では均一に塗布しにくい
ため製品に塗布むらが生じやすく、1μより厚い
場合は、滑り性がかえつて低下する場合がある。
本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層には、本発明におけるビニル系樹脂以外に水溶
性あるいは水分散性のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン、本発明におけるビニル系樹脂
以外のビニル系樹脂、ブタジエン系樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂などを併用することがで
きる。塗布層の固着性(プロツキング性)、耐水
性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため架橋剤と
してメチロール化あるいはアルキロール化した尿
素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミ
ド系などの樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化
合物、プロツクポリイソシアネート、ビニル化合
物などの反応性化合物を塗布層に含有せしめても
よい。本発明の塗布層には、必要に応じて消泡
剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系
潤滑剤、無機系微粒子、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、発泡剤、染料、顔料などを含有せしめてもよ
い。
塗布剤のフイルムへの塗布性、接着性を改良す
るため、塗布延伸前にフイルムの化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポ
リエステルフイルムの塗布層の特性を改良するた
め放電処理を施してもよい。
なお、本発明のビニル系樹脂以外の塗布剤とし
て水分散性あるいは水溶性アクリル系樹脂、スル
ホン塩基を有する水分散性あるいは水溶性ポリエ
ステル系樹脂および無機粒子、特にシリカゾルを
併用したものが、透明性、滑り性、接着性、特に
磁気記録媒体の磁性層やバツクコート層との接着
性に優れ、特に好ましい。
前述の水分散性あるいは水溶性アクリル系樹脂
(以下“アクリル系樹脂”と略称する)は、アル
キルアクリレートあるいはアルキルメタクリレー
トを主要な成分とするものが好ましく、該成分30
〜90モル%と、これらと共重合可能でかつ官能基
を有するビニル単量体成分70〜10モル%を含有す
る水溶性あるいは水分散性樹脂が好ましい。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニ
ル単量体は、樹脂に親水性を付与して樹脂の水分
散性を良好にしたり、あるいは樹脂とポリエステ
ルフイルムや、下塗り層上に設ける他の塗布層と
の接着性を良好にしたり、あるいは塗布剤として
配合するポリエステル系樹脂との親和性を良好に
する官能基を有するものが好ましく、好ましい官
能基とは、カルボキシル基またはその塩、酸無水
物基、スルホン酸基、またはその塩、アミド基ま
たはアルキロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化さ
れたアミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポ
キシ基等である。特に好ましいものはカルボキシ
ル基またはその塩、酸無水物基、エポキシ基等で
ある。これらの基は樹脂中に二種以上含有されて
いてもよい。
アクリル系樹脂中のアルキルアクリレートある
いはアルキルメタクリレートが30モル%以上であ
るのが好ましいのは、塗布形成性、塗膜の強度、
耐ブロツキング性が良好になるためである。アク
リル系樹脂中のアルキルアクリレートあるいはア
ルキルメタクリレートが90モル%以下であるのが
好ましいのは、共重合成分として特定の官能基を
有する化合物をアクリル系樹脂に導入することに
より、水溶化、水分散化しやすくすると共にその
状態を長期にわたり安定にするためであり、さら
に塗布層とポリエステルフイルム層との接着性の
改善、塗布層内での反応による塗布層の強度、耐
水性、耐薬品性の改善、さらに本発明のフイルム
と他の材料との接着性の改善などをはかることが
できるからである。
アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリ
レートのアルキル基の例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エ
チルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シ
クロヘキシル基などがあげられる。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートと共重合する官能基を有するビニル系単
量体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水
性基などの官能基を有する下記の化合物類が使用
できる。
カルボキシル基またはその塩、あるいは酸無水
物基を有する化合物としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
クロトン酸、これらのカルボン酸のナトリウムな
どとの金属塩、アンモニウム塩あるいは無水マレ
イン酸などがあげられる。
スルホン酸基またはその塩を有する化合物とし
ては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
これらのスルホン酸のナトリウムなどとの金属
塩、アンモニウム塩などがあげられる。
アミド基あるいはアルキロール化されたアミド
基を有する化合物としては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタ
クリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウ
レイドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチ
ルアクリレートなどがあげられる。
アミノ基またはアルキロール化されたアミノ基
あるいはそれらの塩を有する化合物としては、ジ
エチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニ
ルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルビニルエーテル、それらのアミノ基
をメチロール化したもの、ハロゲン化アルキル、
ジメチル硫酸、サルトンなどにより4級塩化した
ものなどがあげられる。
水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキ
シエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
β−ヒドロキシビニルエーテル、5−ヒドロキシ
ペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシ
ルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールモノアク
リレート、ポリプロピレングリコールモノメタク
リレートなどがあげられる。
エポキシ基を有する化合物としては、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど
があげられる。
さらに上記以外に次に示すような化合物を併用
してもよい。すなわちアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、スチレン類、ブチルビニルエーテ
ル、マレイン酸モノあるいはジアルキルエステ
ル、フマル酸モノあるいはジアルキルエステル、
イタコン酸モノあるいはジアルキルエステル、メ
チルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン、ビニルトリメトキシシランなどがあげられ
るがこれらに限定されるものではない。
アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有していて
もよい。しかしながら、ポリエステル系樹脂に対
してアクリル系樹脂の割合が多い場合には、アク
リル系樹脂に含有される低分子量体の界面活性剤
が、造膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄
積されたり、塗布層の界面に移行するなどして、
塗布層の機械的強度、耐水性、積層体との接着性
に問題を生じる場合がある。このような場合に
は、界面活性剤を含有しないいわゆるソープフリ
ー重合による重合物を利用できる。
界面活性剤を含有しないアクリル系樹脂の製造
方法は、経営開発センター出版部編集、経営開発
センター出版部昭和56年1月発行、「水溶性高分
子・水分散型樹脂総合技術資料集」第309頁ある
いは産業技術研究会主催、「〜最新の研究成果か
ら将来を展望する〜エマルジヨンの新展開と今後
の技術課題」講演会テキスト(昭和56年12月)な
どに示された方法を用いることができる。例え
ば、低分子量体の界面活性剤の代りにオリゴマー
あるいは高分子界面活性剤の利用、過硫酸カリウ
ムや過硫酸アンモニウムなどの重合開始剤の利用
による親水基の重合体中への導入、親水基を有す
るモノマーの共重合、反応性界面活性剤の利用、
分散体粒子の内部層と外部層の組成を変化させた
いわゆるシエル−コア−型重合体などが、いわゆ
る界面活性剤を含有しない水分散性アクリル系樹
脂の製造技術として用いることができる。
前述のスルホン酸塩基を有する水溶性あるいは
水分散性のポリエステル系樹脂(以下“ポリエス
テル系樹脂”と略称する)は、塗布剤のポリエス
テルフイルムへの塗布性、塗布層とポリエステル
フイルムとの層間接着性、塗布層の凝集破壊性や
摩擦摩耗性などの改良に効果を発揮する。ポリエ
ステル系樹脂としては、特公昭47−40873号、特
開昭50−83497号、特開昭50−121336号、特開昭
52−155640号公報などで公知のポリエステルある
いはそれらに準じたポリエステルを用いることが
できる。
例えば、ポリエステルのジカルボン酸成分は、
芳香族ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
およびそれらのエステル形成性誘導体などが用い
られ、脂肪族ジカルボン酸の例として、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などが用いられ、オキシモノカル
ボン酸の例として、オキシ安息香酸およびそのエ
ステル形成性誘導体などが用いられる。
さらにポリエステルのグリコール成分として
は、脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等が使用で
き、その例として、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、p−キシレンジオールなどが用いら
れ、ポリ(オキシアルキレン)グリコールの例と
していわゆるポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、などが用いられる。
ポリエステルとしては、上述したエステル形成
成分からなる飽和線状ポリエステルのみならず、
3個以上のエステル形成成分を有する化合物から
なるポリエステルあるいは反応性の不飽和基を有
するポリエステルも用いることができる。
スルホン酸塩基を有するポリエステルは、前述
したポリエステル形成成分と共に、ポリエステル
成分となり得るスルホン酸塩基を有する化合物を
用いて製造できる。
スルホン酸塩基を有する化合物の例としては、
スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スル
ホナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびその
エステル形成性誘導体などの金属塩がある。金属
塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウムなどが好適である。これらの
中で非常に好適な化合物としては、5−ソジオス
ルホイソフタル酸または5−ソジオスルホジメチ
ルイソフタレートである。
ポリエステルにスルホン酸塩基を導入する別法
としては、エステル形成性脂肪族不飽和化合物を
共重合成分としたポリエステルの不飽和基を亜硫
酸水素ナトリウムあるいはメタ重亜硫酸ナトリウ
ムなどのスルホン化剤でスルホン化する方法も例
示することができる。
ポリエステル系樹脂のジカルボン酸成分中の芳
香族ジカルボン酸量は、50モル%〜100モル%の
範囲が好ましい。これはポリエステル系樹脂の軟
化点を高め、固着性を良くするためである。
ポリエステル系樹脂中のスルホン酸塩基は、樹
脂を水溶性あるいは水分散性とするに必要な量存
在する必要があり、スルホン酸塩基を有するジカ
ルボン酸をジカルボン酸中の2モル%〜20モル%
の範囲で使用するのが好ましい。
2モル%より少ないスルホン酸塩基量では水溶
性あるいは水分散性が不充分であり、20モル%よ
り多いスルホン酸塩基量では、塗布後の下塗り層
の耐水性が劣つたり、吸湿してフイルムが相互に
固着しやすくなる場合があるからである。
さらにポリエステル系樹脂として、上述したエ
ステル形成性成分からなる飽和線状ポリエステル
のみならず、3価以上のエステル形成性成分を有
する化合物からなるポリエステルあるいは反応性
の不飽和基を有するポリエステルも用いることが
できる。
アクリル系樹脂とポリエステル系樹脂の合計量
に対するポリエステル系樹脂の割合は、固形分重
量として3〜80重量%が好ましく、さらに好まし
くは5〜60重量%である。ポリエステル系樹脂が
3重量%よりも少ない場合は、塗布剤の基体ポリ
エステルフイルムへの塗布性、層間接着性が低下
すると共に塗布層の機械的特性が低下する。ポリ
エステル系樹脂が80重量%よりも多い場合は、滑
り性や固着性が低下する傾向がある。ただし、ポ
リエステル系樹脂の割合が多くなる場合は、無機
粒子の配合量を多くすることにより滑り性、固着
性を向上させることができる。
前述の無機粒子としては、平均粒径1μ以下、
さらに好ましくは0.5μ以下、特に好ましくは0.2μ
以下のもので、具体的にはカオリン、シリカ、シ
リカゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウ
ム塩、アルミナ、硫化モリブデン、カーボンブラ
ツク、ジルコニウム類などがあげられるがこれら
に限定されるものではない。これらの中で特に好
ましい無機粒子はシリカゾルである。このシリカ
ゾルとは、「高分子加工」、1974年発行、第23巻、
第149〜155頁に示されているように一般的にはケ
イ酸ソーダよりアルカリイオンを除くことにより
生成したものである。シリカゾルとしては、不純
物を含有しないものも利用できるが、凝集が起き
やすくコロイド状態が不安定なため、ナトリウム
イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオ
ン等により表面が安定化されたものが好ましい。
市販品としては、日産化学工業株式会社のスノー
テツクス(商品名)、触媒化成工業株式会社のキ
ヤタロイド(商品名)、du Pont社のLudox(商品
名)、Nalco Chemical社のNalcoag(商品名)、
Monsanto社のSyton(商品名)などが利用でき
る。さらに本発明のシリカゾルとしては、四塩化
ケイ素を気相熱分解して得た粉体を水に分散した
ものでもよく、日本アエロジル株式会社のアエロ
ジル(商品名)などを利用できる。シリカゾルの
粒子径は、0.005〜0.2μの範囲で、塗布層の厚さ、
用途に応じて適宜選択すれがよい。シリカゾルの
塗布層における含有量は、全固形分中の1〜30重
量%が好ましい。シリカゾルが1重量%よりも少
ない場合には、帯電性、滑り性、固着性などの改
良が不充分であり、30重量%よりも多い場合に
は、摩擦摩耗性が悪化して白粉が発生しやすくな
る。
このアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及び
無機粒子とを併用する場合の本発明のビニル系樹
脂量は、用途によつて異なるが、3重量%以上70
重量%以下が好ましく、さらに好ましくは、5重
量%以上50重量%以下である。
本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムは、表
面特性、特に滑り性、導電性に優れ、1μ〜500μ
のフイルムとして包装材料、グラフイツクアート
材料、電子写真材料、磁気記録材料などの基材と
して有用である。特に本発明の二軸延伸ポリエス
テルフイルムは、平滑性の要求される高密度磁気
記録材料の基材として有用である。
以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お、実施例中の評価は、次に述べる方法による。
(1) 作業性
A4版フイルムを約30枚重ね、全体の屈曲性、
フイルム一枚毎の剥離性、引抜性、帯電性を観察
した。
(2) 摩擦係数
ASTM−D−1894−63によりフイルムとフイ
ルムの静止摩擦係数を測定した。静止摩擦係数1
以下のものが作業性もよく、長尺のフイルムロー
ルとしての巻取り性、巻き姿がよい。
(3) 固着性(ブロツキング性)
40℃,80%RH,10Kg/cm2,20時間の条件下で
重ねたフイルムのASTM−D−1893の方法によ
る剥離強度を測定した。
(4) 表面粗さ
小坂研究所製の薄膜段差計ET−10型で触針先
端半径0.5μ、接触荷重1gで測定し、突起の基底
部から頂上部までの距離を表面粗さとした。
(5) 帯電性
春日電機製のスタテイツク・オネストメーター
S4104で10KVの放電電圧でフイルムに帯電後、
電荷減衰を23℃,50%RHの条件で測定した。な
お、上記測定条件で測定中のフイルムに35℃,
100%RHの空気を吹きつけて電荷減衰性を測定
し、帯電特性に差があるかどうかも評価した(強
制加湿効果)。
比較例 1
重合触媒残渣等にもとづく表面突起形成剤をほ
とんど含まない固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレートを約285℃で溶融し、約60℃の冷却ド
ラム上に静電印加を行ないながら押出した。さら
に83℃で縦方向にロールで3.5倍延伸し、その後
110℃で横方向に延伸、220℃で熱処理を行ない、
厚さ12.1μおよび50μ、表面粗さ50Åの二軸延伸フ
イルムを得た。このフイルムは、巻き取り性が極
めて悪く、長尺のフイルムロールを得ることが困
難であると共に得られたフイルムロールの巻き姿
が悪く、製品としての出荷は不可能であつた。念
のためA4版として切り出して作業性を観察した
がフイルムが相互に密着して全体が一体化してし
まい、フイルムの取扱いが困難であつた。このフ
イルムの摩擦係数は、フイルムが滑らないため測
定できなかつた。すなわち、本フイルムは、滑り
性の不足により実用に供し得なかつた。
実施例 1
25℃,25重量%水溶液の粘度が300cpのポリア
クリル酸ソーダ(ジユリマーAC−10N:日本純
薬(株)製(A型と略称する))、25℃,25重量%水溶
液の粘度が1500cpの共重合ポリアクリル酸ソー
ダ(ジユリマーAC−20N:日本純薬(株)製(B型
と略称する))、25℃、10重量%の粘度が6000cp
のポリメタクリル酸ソーダ(ジユリマーAC−
30N:日本純薬(株)製(C型と略称する))をメチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレー
トを主要成分とし、カルボン酸がアンモニアで中
和され、界面活性剤を含有しない水溶性アクリル
系樹脂(ジユリマーAT−M918:日本純薬(株)
製)、ジカルボン酸中7モル%が5−ソジオスル
ホイソフタル酸であり、他にテレフタル酸、イソ
フタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリ
コールからなる界面活性剤を含有しない水分散性
ポリエステル(ポリエスタ−XWR−901:日本
合成化学工業(株)製)およびシリカゾル(スノーテ
ツクス20L:日産化学工業(株)製)と共に表1に示
すように配合した水系塗布剤を比較例1の製膜工
程の縦延伸後に塗布して12.1μの二軸延伸ポリエ
ステルフイルムを得た。塗布量は、塗布剤の固型
分として0.04g/m2である。この二軸延伸ポリエ
ステルフイルムは、表1に示したようにフイルム
の巻取り性が良好であり、ユーザーでの加工性も
良好であつた。また、塗布層には、縦長突起が形
成されていた。
[Industrial Field of Application] The present invention relates to a biaxially oriented polyester film that has improved surface properties, particularly slipperiness and charging properties, by providing a coating layer. [Prior art and its problems] Biaxially oriented polyester films, especially biaxially oriented polyethylene terephthalate films, have excellent transparency, dimensional stability, mechanical properties, electrical properties, gas barrier properties, heat resistance, chemical resistance, etc. It is used as a base material for packaging materials, electrical insulating materials, photosensitive materials using silver salts, diazo compounds, photosensitive resins, etc., drafting materials, electrophotographic materials, magnetic recording materials, etc. Recently, magnetic recording media have become more densely recorded,
With the increase in the capacity of capacitors, polyester films used in magnetic recording media or capacitors are increasingly required to be flat and have good sliding properties, that is, smoothness. The need for smooth films is also increasing in many applications such as optical and electrophotographic applications. Conventional methods for improving the slipperiness of polyester films include adding fine organic or inorganic particles (additive particle method), and precipitating transesterification catalyst residue during polyester polymerization (precipitated particle method). ), methods using polymer blends, methods of adding organic lubricants, and other methods of improving polyester films using additives. However, in the method using these additives, if one of the slipperiness and flatness is improved, the other is decreased, and the reality is that it is difficult to improve both of them. Furthermore, methods using additives may have limitations in optical applications that require transparency. The method of blending an organic lubricant can achieve a certain degree of smoothness by using a suitable amount of inorganic particles, but it can cause contamination of equipment or products due to lubricant transfer, and high vacuum during the vapor deposition process. There are many problems, such as difficulty in achieving and maintaining the same, and decreased adhesion between layers when used as a laminate. There is a method to achieve smoothness by laminating a layer containing additives with a flat layer by co-extrusion, but in addition to the problems caused by the additives mentioned above, there are problems such as shape transfer of the additive-containing layer to the flat layer. There's a problem. There is also a method of forming protrusions on the surface by stretching a film that has been surface-treated by solvent treatment, corona discharge treatment, etc., but there are various restrictions on the shape of the protrusions, and the slipperiness is often insufficient. In contrast to these methods, a method of forming fine and dense protrusions on the coating layer is attracting attention as a method for smoothing the film. As a method for forming protrusions in the coating layer, the method of incorporating fine inorganic particles is widely used to improve slipperiness and adhesion (blocking properties). A method of using a compound with characteristics of phase separation in the coating layer and elongation characteristics during coating and stretching as a coating agent for the stretching method (hereinafter referred to as coating and stretching method) is attracting attention as a new method for producing smooth films. ing. For example, Tokukai Akira
In JP 54-43017, gelatin is blended with polyester as a coating agent, and a polyester film with good slip properties is obtained by coating and stretching. Since then, JP-A-56-10455, JP-A-57-18254
Smooth films produced by coating and stretching have been proposed in Japanese Patent Application Laid-open No. 58-62826 and the like. After applying the film coating agent after longitudinal uniaxial stretching,
It extends in the horizontal direction, and the protrusion shape of the coating layer is long in the vertical direction, so the protrusion shapes are described as "worm-like protrusions", "mountain-like protrusions", etc. (hereinafter referred to as vertical protrusions). . In addition, a special kind of vertically long protrusions is "discontinuous film-like protrusions" in which the base polyester film surface is exposed due to breakage of the coating layer.
has also been proposed. The present inventors previously proposed a smooth film by a coating and stretching method using a coating agent consisting of acrylic resin, polyester, specific water-soluble resin, or these and silica sol.
(Japanese Patent Application No. 1982-170929, Special Application No. 1987-170930). The specific water-soluble resin is a resin that forms longitudinal protrusions by coating and stretching, and specifically includes gelatin, cellulose derivatives, and the like. However, although a smooth film can be obtained by the coating/stretching method, when increasing the film winding length on an industrial scale or unwinding the film at high speed, the flattening of the film causes an increase in the contact area. Problems such as generation of sparks from the film and breakage due to the charged contact of the film may occur due to the peeling charge during unwinding of the film. [Object of the Invention] An object of the present invention is to provide a biaxially oriented polyester film with improved surface properties, particularly slipperiness and chargeability. [Structure of the Invention] The present inventors were studying resins for forming longitudinal protrusions for the purpose of improving the charging properties of films such as peel charging, and found that polyacrylates which have the property of forming longitudinal protrusions and are also electrically conductive. The inventors have found that the method is effective and have come up with the present invention. That is, the present invention is a biaxially oriented polyester film obtained by applying a coating agent containing a vinyl resin containing acrylic acid, methacrylic acid, or a salt thereof to at least 30 mol % on at least one side of the polyester film, and then stretching the film. The polyester film constituting the substrate in the present invention is a polyethylene terephthalate film in which 80 mol% or more of its constituent components are ethylene terephthalate, or a polyethylene naphthalate film in which 80 mol% or more of its constituent components are ethylene naphthalate. Examples of polyester copolymerization components other than ethylene terephthalate and ethylene naphthalate include diols such as diethylene glycol, propylene glycol, neopentyl glycol, 1,4-butylene glycol, 1,4-cyclohexanedimethanol, polyethylene glycol, and polytetramethylene glycol. components, dicarboxylic acid components such as isophthalic acid, 5-sodiosulfoisophthalic acid, adipic acid, sebacic acid and its ester-forming derivatives, oxycarboxylic acids such as oxybenzoic acid and its ester-forming derivatives, etc. but is not limited to these. The polyester film constituting the substrate in the present invention may contain additive particles that form protrusions on the surface of the film, precipitated particles, polyester with different properties from the substrate polyester, or other resin, but the evaporated metal can be magnetically When used for high-density magnetic recording applications, etc., it is preferable to reduce these as much as possible. However, depending on the intended use, it may be contained in an amount conventionally used by those skilled in the art. As additives other than the projection forming agent, an antistatic agent, a stabilizer, a lubricant, a coloring agent, a light blocking agent, etc. may be included as necessary. In the present invention, the vinyl resin containing acrylic acid, methacrylic acid, or a salt thereof as a component has the general formula (However, R represents hydrogen or an alkyl group, and M represents hydrogen, an alkali metal, an alkaline earth metal, or ammonium (including substituted ammonium)). In the present invention, the content of the component of formula (1) in the vinyl resin is 30 mol% to 100 mol%, from the viewpoint of conductivity and water solubility of the resin, as well as the ability to form vertical protrusions.
More preferably, it is 50 mol% to 100 mol%.
Constituent components other than formula (1) of the vinyl resin in the present invention include vinyl carboxylic acids and their salts, ester derivatives, maleic anhydride, styrenes, vinyl acetate, vinyl ether, vinyl sulfonic acids and their salts, and acrylamide. Examples include, but are not limited to, vinyl polymerizable compounds such as vinyl halides, vinylpyridine, vinylpyrrolidone, and vinyltrialkoxysilane. The molecular weight of the vinyl resin in the present invention is related to the phase separation characteristics in the coating layer and the elongation characteristics during the coating and stretching process, and influences the conductivity and the shape of the longitudinal protrusions, but is usually 20 to 1 million. Preferably it is 5000 to 500,000. For example, the higher the molecular weight of the vinyl resin in the present invention, the larger the longitudinal protrusions. In the present invention, the content of the vinyl resin containing acrylic acid, methacrylic acid, or a salt thereof in the coating layer must be determined depending on the required conductivity and the size of the longitudinal protrusions, and is 3% by weight. ~
100% by weight, preferably 5-25% by weight. twenty five
If it exceeds % by weight, the vertically long protrusions become large, which is undesirable for magnetic recording because it causes deterioration of magnetic recording characteristics. The method for applying coating agent to polyester film is to use a reverse roll coater as shown in ``Coating Method'' by Yuji Harasaki, published by Maki Shoten in 1979.
A gravure coater, a rod coater, an air doctor coater, or a coating device other than these can be used. The coating step is performed before sequential biaxial stretching, before simultaneous biaxial stretching, after biaxial stretching and before re-stretching, etc. That is, a method (coating and stretching method) in which a coating agent is applied to a polyester film, followed by appropriate drying or stretching without drying (coating and stretching method) is essential for forming protrusions on the surface of the coating layer. Particularly preferably, an aqueous dispersion or aqueous solution of the coating agent is applied to a uniaxially stretched polyester film by a roll stretching method, and the polyester uniaxially stretched film is immediately stretched perpendicular to the previous stretching direction, with appropriate drying or without drying. A method of stretching in the direction and heat treatment is preferred. According to this method, it is possible to dry the coating layer at the same time as stretching, and the thickness of the coating layer can be reduced in accordance with the stretching ratio. The shape of the protrusions on the surface of the coating layer varies depending on the stretching method, stretching ratio, stretching speed, etc., but when a film coated after being longitudinally stretched using the sequential biaxial stretching method is laterally stretched, the shape of the projections on the surface of the coated layer is long in the vertical direction and A so-called vertically elongated protrusion having a narrow width in the direction is formed. The size of the protrusion shape is influenced by the structure, degree of polymerization, and amount of the elongated protrusion-forming resin, the properties of the resin other than the elongated protrusion-forming resin blended into the coating agent, the thickness of the coating layer, and the like.
For example, the higher the degree of polymerization of the elongated protrusion-forming resin, the larger the blending amount, the thicker the coating layer, and the lower the elastic modulus of the resin other than the elongated protrusion-forming resin used in the coating agent, the more the protrusion shape becomes. growing. Furthermore, the shape of the protrusion varies depending on the drying rate and degree of drying of the coated layer after coating and before stretching. This is presumed to be due to phase separation of the longitudinal protrusion-forming resin in the coating layer and a difference in stretchability in a water-containing state. The thickness of the coating layer of the biaxially stretched polyester film of the present invention is preferably in the range of 0.01μ to 1μ, more preferably in the range of 0.01μ to 0.1μ. If the thickness of the coating layer is less than 0.01 μm, it will be difficult to apply it uniformly, resulting in uneven coating on the product, and if it is thicker than 1 μm, the slipperiness may actually decrease. The coating layer of the biaxially oriented polyester film of the present invention includes water-soluble or water-dispersible polyesters, polyamides, polyurethanes, vinyl resins other than the vinyl resins of the present invention, butadiene resins in addition to the vinyl resins of the present invention. , epoxy resin, silicone resin, etc. can be used in combination. Methylolated or alkylolated urea-based, melamine-based, acrylamide-based, polyamide-based resins, and epoxy resins are used as crosslinking agents to improve adhesion (blocking properties), water resistance, solvent resistance, and mechanical strength of the coating layer. The coating layer may contain a reactive compound such as a compound, an aziridine compound, a blocked polyisocyanate, or a vinyl compound. The coating layer of the present invention may optionally contain an antifoaming agent, a coating improver, a thickener, an antistatic agent, an organic lubricant, an inorganic fine particle, an antioxidant, an ultraviolet absorber, a foaming agent, and a dye. , pigments, etc. may be contained. In order to improve the applicability and adhesion of the coating agent to the film, the film may be subjected to chemical treatment or electrical discharge treatment before coating and stretching. Further, the coating layer of the biaxially stretched polyester film of the present invention may be subjected to electrical discharge treatment in order to improve its properties. In addition, as a coating agent other than the vinyl resin of the present invention, a water-dispersible or water-soluble acrylic resin, a water-dispersible or water-soluble polyester resin having a sulfone base, and inorganic particles, especially silica sol, are used in combination to improve transparency. It is particularly preferred since it has excellent slip properties and adhesive properties, especially adhesive properties with the magnetic layer and back coat layer of a magnetic recording medium. The above-mentioned water-dispersible or water-soluble acrylic resin (hereinafter abbreviated as "acrylic resin") preferably contains alkyl acrylate or alkyl methacrylate as a main component.
A water-soluble or water-dispersible resin containing 70 to 10 mol% of a vinyl monomer component copolymerizable with these and having a functional group is preferred. Vinyl monomers that can be copolymerized with alkyl acrylates or alkyl methacrylates and have a functional group can be used to impart hydrophilicity to the resin and improve its water dispersibility, or to bind the resin to a polyester film or to the undercoat layer. It is preferable to have a functional group that improves the adhesion with other coating layers or the affinity with the polyester resin blended as a coating agent, and the preferable functional group is a carboxyl group or a salt thereof. , acid anhydride group, sulfonic acid group, or salt thereof, amide group or alkylolated amide group, amino group (including substituted amino group) or alkylolated amino group or salt thereof, hydroxyl group, epoxy These are the basics. Particularly preferred are carboxyl groups or salts thereof, acid anhydride groups, epoxy groups, and the like. Two or more types of these groups may be contained in the resin. The reason why it is preferable that the alkyl acrylate or alkyl methacrylate in the acrylic resin is 30 mol% or more is because of the coating formability, the strength of the coating film,
This is because blocking resistance becomes better. The reason why the alkyl acrylate or alkyl methacrylate content in the acrylic resin is preferably 90 mol% or less is that by introducing a compound having a specific functional group into the acrylic resin as a copolymerization component, it can be made water-soluble or water-dispersible. This is to make it easier to use and to stabilize its state over a long period of time.Furthermore, it improves the adhesion between the coating layer and the polyester film layer, and improves the strength, water resistance, and chemical resistance of the coating layer due to reactions within the coating layer. Furthermore, it is possible to improve the adhesion between the film of the present invention and other materials. Examples of alkyl groups in alkyl acrylates and alkyl methacrylates include methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-
Examples include butyl group, isobutyl group, t-butyl group, 2-ethylhexyl group, lauryl group, stearyl group, and cyclohexyl group. As the vinyl monomer having a functional group copolymerizable with alkyl acrylate or alkyl methacrylate, the following compounds having functional groups such as a reactive functional group, a self-crosslinking functional group, and a hydrophilic group can be used. Examples of compounds having a carboxyl group or a salt thereof, or an acid anhydride group include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid, fumaric acid,
Examples include crotonic acid, metal salts of these carboxylic acids with sodium, ammonium salts, and maleic anhydride. Examples of compounds having a sulfonic acid group or a salt thereof include vinyl sulfonic acid, styrene sulfonic acid,
Examples include metal salts and ammonium salts of these sulfonic acids with sodium and the like. Examples of compounds having an amide group or an alkylolated amide group include acrylamide, methacrylamide, N-methylmethacrylamide,
Examples include methylolated acrylamide, methylolated methacrylamide, ureido vinyl ether, β-ureido isobutyl vinyl ether, and ureido ethyl acrylate. Examples of compounds having an amino group or an alkylolated amino group or a salt thereof include diethylaminoethyl vinyl ether, 2-aminoethyl vinyl ether, 3-aminopropyl vinyl ether, 2-aminobutyl vinyl ether,
Dimethylaminoethyl methacrylate, dimethylaminoethyl vinyl ether, methylolated amino groups thereof, alkyl halides,
Examples include those converted into quaternary chlorides with dimethyl sulfate, sultone, etc. Examples of compounds having a hydroxyl group include β-hydroxyethyl acrylate, β-hydroxyethyl methacrylate, β-hydroxypropyl acrylate, β-hydroxypropyl methacrylate,
Examples include β-hydroxy vinyl ether, 5-hydroxypentyl vinyl ether, 6-hydroxyhexyl vinyl ether, polyethylene glycol monoacrylate, polyethylene glycol monomethacrylate, polypropylene glycol monoacrylate, and polypropylene glycol monomethacrylate. Examples of compounds having an epoxy group include glycidyl acrylate and glycidyl methacrylate. Furthermore, in addition to the above compounds, the following compounds may be used in combination. namely, acrylonitrile, methacrylonitrile, styrenes, butyl vinyl ether, maleic acid mono- or dialkyl esters, fumaric acid mono- or dialkyl esters,
Examples include, but are not limited to, itaconic acid mono- or dialkyl esters, methyl vinyl ketone, vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl acetate, vinyl pyridine, vinyl pyrrolidone, and vinyl trimethoxysilane. The acrylic resin may contain a surfactant. However, when the ratio of acrylic resin to polyester resin is high, the low molecular weight surfactant contained in the acrylic resin becomes concentrated during the film forming process and accumulates at the interface between particles. or migrate to the interface of the coating layer, etc.
Problems may arise in the mechanical strength, water resistance, and adhesion of the coating layer to the laminate. In such a case, a polymer obtained by so-called soap-free polymerization that does not contain a surfactant can be used. The method for producing acrylic resins that do not contain surfactants is described in "Water-soluble Polymers/Water-Dispersible Resins Comprehensive Technical Data Collection" No. 309, edited by Management Development Center Publishing Department, published by Management Development Center Publishing Department, January 1981. It is possible to use the methods shown in the lecture text (December 1982) titled "~Prospecting the future from the latest research results~ New developments in emulsions and future technical issues" sponsored by the Industrial Technology Research Institute. can. For example, use of oligomers or polymeric surfactants instead of low molecular weight surfactants, introduction of hydrophilic groups into polymers by using polymerization initiators such as potassium persulfate or ammonium persulfate, and polymers containing hydrophilic groups. Copolymerization of monomers, use of reactive surfactants,
So-called shell-core type polymers in which the compositions of the inner layer and outer layer of dispersion particles are changed can be used as a technique for producing water-dispersible acrylic resins that do not contain so-called surfactants. The above-mentioned water-soluble or water-dispersible polyester resin having a sulfonic acid group (hereinafter abbreviated as "polyester resin") has excellent coating properties on the polyester film and interlayer adhesion between the coating layer and the polyester film. , is effective in improving the cohesive failure properties and frictional abrasion properties of the coating layer. As polyester resins, JP-A-47-40873, JP-A-50-83497, JP-A-50-121336, JP-A-Sho
Polyesters known in Japanese Patent No. 52-155640 or similar polyesters can be used. For example, the dicarboxylic acid component of polyester is
Examples of aromatic dicarboxylic acids include terephthalic acid,
Isophthalic acid, 2,6-naphthalene dicarboxylic acid and their ester-forming derivatives are used. Examples of aliphatic dicarboxylic acids include adipic acid, azelaic acid, sebacic acid and their ester-forming derivatives. Examples of monocarboxylic acids include oxybenzoic acid and its ester-forming derivatives. Further, as the glycol component of polyester, aliphatic, alicyclic, aromatic diols, etc. can be used, and examples thereof include ethylene glycol, 1,4
-Butanediol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,4-cyclohexanedimethanol, p-xylene diol, etc. are used, and examples of poly(oxyalkylene) glycols include so-called polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, etc. used. Polyesters include not only saturated linear polyesters consisting of the above-mentioned ester-forming components, but also
Polyesters consisting of compounds having three or more ester-forming components or polyesters having reactive unsaturated groups can also be used. A polyester having a sulfonic acid group can be produced using a compound having a sulfonic acid group that can be used as a polyester component together with the above-mentioned polyester forming component. Examples of compounds with sulfonic acid groups include:
Metal salts include sulfoisophthalic acid, sulfoterephthalic acid, sulfonaphthalene-2,6-dicarboxylic acid and ester-forming derivatives thereof. Preferred metals for the metal salt include lithium, sodium, potassium, and magnesium. Among these, a highly preferred compound is 5-sodiosulfoisophthalic acid or 5-sodiosulfodimethylisophthalate. Another method for introducing sulfonic acid groups into polyester is to sulfonate the unsaturated groups of polyester containing an ester-forming aliphatic unsaturated compound as a copolymerization component with a sulfonating agent such as sodium bisulfite or sodium metabisulfite. Methods can also be exemplified. The amount of aromatic dicarboxylic acid in the dicarboxylic acid component of the polyester resin is preferably in the range of 50 mol% to 100 mol%. This is to increase the softening point of the polyester resin and improve its adhesion. The sulfonic acid group in the polyester resin must be present in an amount necessary to make the resin water-soluble or water-dispersible, and the dicarboxylic acid having the sulfonic acid group must be present in an amount of 2 mol% to 20 mol% of the dicarboxylic acid.
It is preferable to use it within the range of . If the amount of sulfonic acid base is less than 2 mol%, water solubility or water dispersibility will be insufficient, and if the amount of sulfonic acid group is more than 20 mol%, the water resistance of the undercoat layer after coating may be poor, or the film may absorb moisture. This is because they may tend to stick to each other. Furthermore, as the polyester resin, not only the saturated linear polyester consisting of the above-mentioned ester-forming component, but also polyester consisting of a compound having an ester-forming component of trivalent or higher valence or polyester having a reactive unsaturated group can be used. can. The ratio of the polyester resin to the total amount of the acrylic resin and the polyester resin is preferably 3 to 80% by weight, more preferably 5 to 60% by weight as solid content. If the amount of polyester resin is less than 3% by weight, the coating properties of the coating agent to the base polyester film and the interlayer adhesion will decrease, and the mechanical properties of the coating layer will decrease. When the polyester resin content is more than 80% by weight, the slipperiness and adhesion properties tend to decrease. However, when the proportion of polyester resin increases, slipping properties and fixing properties can be improved by increasing the amount of inorganic particles blended. The above-mentioned inorganic particles have an average particle size of 1μ or less,
More preferably 0.5μ or less, particularly preferably 0.2μ
Specific examples include, but are not limited to, kaolin, silica, silica sol, calcium carbonate, titanium oxide, barium salt, alumina, molybdenum sulfide, carbon black, and zirconium. Among these, particularly preferred inorganic particles are silica sol. This silica sol is "Polymer Processing", published in 1974, Volume 23,
As shown on pages 149 to 155, it is generally produced by removing alkali ions from sodium silicate. Silica sol that does not contain impurities can be used, but since agglomeration tends to occur and the colloidal state is unstable, silica sol that has a surface stabilized with sodium ions, aluminum ions, ammonium ions, etc. is preferable.
Commercially available products include Snowtex (product name) from Nissan Chemical Industries, Ltd., Cataroid (product name) from Catalysts & Chemicals Co., Ltd., Ludox (product name) from du Pont, Nalcoag (product name) from Nalco Chemical,
Monsanto's Syton (product name) can be used. Furthermore, the silica sol of the present invention may be one obtained by dispersing in water a powder obtained by vapor-phase thermal decomposition of silicon tetrachloride, such as Aerosil (trade name) manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd., and the like. The particle size of silica sol is in the range of 0.005 to 0.2μ, and the thickness of the coating layer
It may be selected as appropriate depending on the purpose. The content of silica sol in the coating layer is preferably 1 to 30% by weight based on the total solid content. If the silica sol is less than 1% by weight, improvements in charging properties, slipperiness, adhesion, etc. are insufficient, and if it is more than 30% by weight, frictional abrasion properties deteriorate and white powder is generated. It becomes easier. When the acrylic resin, polyester resin, and inorganic particles are used together, the amount of the vinyl resin of the present invention varies depending on the application, but is 3% by weight or more.
It is preferably 5% by weight or less and 50% by weight or less, more preferably 5% by weight or more and 50% by weight or less. The biaxially stretched polyester film of the present invention has excellent surface properties, especially slipperiness and electrical conductivity, and has a thickness of 1μ to 500μ.
The film is useful as a base material for packaging materials, graphic art materials, electrophotographic materials, magnetic recording materials, etc. In particular, the biaxially stretched polyester film of the present invention is useful as a base material for high-density magnetic recording materials that require smoothness. The present invention will be explained below with reference to Examples. Note that the evaluation in the examples is based on the method described below. (1) Workability Approximately 30 sheets of A4 size film are stacked, and the overall flexibility and
The peelability, pullability, and chargeability of each film were observed. (2) Coefficient of Friction The coefficient of static friction between films was measured according to ASTM-D-1894-63. Static friction coefficient 1
The following ones have good workability, are easy to wind as a long film roll, and have a good winding appearance. (3) Adhesiveness (blocking property) The peel strength of the stacked films was measured according to the method of ASTM-D-1893 under the conditions of 40°C, 80% RH, 10 kg/cm 2 and 20 hours. (4) Surface roughness The surface roughness was measured using a thin film level difference meter ET-10 manufactured by Kosaka Institute, with a stylus tip radius of 0.5 μ and a contact load of 1 g, and the distance from the base of the protrusion to the top was defined as the surface roughness. (5) Chargeability Statistic Honest Meter manufactured by Kasuga Denki
After charging the film with a discharge voltage of 10KV using S4104,
Charge decay was measured at 23°C and 50%RH. Note that the film being measured under the above measurement conditions was heated to 35°C,
The charge attenuation properties were measured by blowing 100% RH air, and it was also evaluated whether there was a difference in the charging properties (forced humidification effect). Comparative Example 1 Polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of 0.62 and containing almost no surface protrusion forming agent based on polymerization catalyst residue etc. was melted at about 285°C and extruded onto a cooling drum at about 60°C while applying electrostatic charge. Further, it was stretched 3.5 times in the longitudinal direction at 83℃ with a roll, and then
Stretched laterally at 110℃, heat treated at 220℃,
Biaxially stretched films with thicknesses of 12.1 μ and 50 μ and a surface roughness of 50 Å were obtained. This film had extremely poor winding properties, making it difficult to obtain a long film roll, and the resulting film roll had a poor winding appearance, making it impossible to ship as a product. Just to be safe, I cut it out as an A4 size sheet and observed the workability, but the films stuck together and became one whole, making it difficult to handle the film. The coefficient of friction of this film could not be measured because the film did not slip. In other words, this film could not be put to practical use due to its lack of slipperiness. Example 1 Sodium polyacrylate (Dyurimer AC-10N: manufactured by Nippon Pure Chemical Industries, Ltd. (abbreviated as type A)) with a viscosity of 300 cp in a 25% aqueous solution at 25°C, a viscosity of a 25% aqueous solution at 25°C Copolymerized sodium polyacrylate (Dyurimer AC-20N: manufactured by Nippon Pure Chemical Industries, Ltd. (abbreviated as type B)) with a viscosity of 1500 cp at 25°C and 10% by weight is 6000 cp.
polymethacrylic acid soda (Dyurimer AC-
30N: Made by Nippon Pure Chemical Industries, Ltd. (abbreviated as type C)), the main components are methyl acrylate, isobutyl acrylate, acrylic acid, methacrylic acid, and glycidyl methacrylate, and the carboxylic acid is neutralized with ammonia, and the surfactant is Contains no water-soluble acrylic resin (Dyurimer AT-M918: Nippon Pure Chemical Industries, Ltd.)
A water-dispersible polyester (Polyester A water-based coating agent blended as shown in Table 1 with silica sol (Snowtex 20L: manufactured by Nippon Gosei Kagaku Kogyo Co., Ltd.) and silica sol (manufactured by Nippon Gosei Kagaku Kogyo Co., Ltd.) as shown in Table 1 was applied after longitudinal stretching in the film forming process of Comparative Example 1. A 12.1μ biaxially stretched polyester film was obtained. The coating amount was 0.04 g/m 2 as solid content of the coating agent. This biaxially stretched polyester film had good film winding properties as shown in Table 1, and also good processability by the user. Moreover, vertically long protrusions were formed in the coating layer.
【表】
* 塗布層/非塗布層
実施例 2
実施例1で用いたポリメタクリル酸ソーダ7
部、アクリル系樹脂68部、ポリエステル20部、シ
リカゾル5部の水系塗布剤を比較例の製膜工程の
縦延伸後に両面に固型分として0.04g/m2塗布
し、50μの二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。フイルムの巻取り性、作業性は良好であつ
た。なお、このフイルムは摩擦係数0.52、縦長突
起の高さ250Å、固着性4g、強制加湿による電
荷減衰が良好であつた。
実施例 3
25℃、10重量%水溶液の粘度が6000cpのポリ
メタクリル酸アンモニウム(ジユリマーAC−
30A:日本純薬(株)製)10部、アクリル系樹脂65
部、ポリエステル20部、シリカゾル5部を比較例
の製膜工程の縦延伸後に片面に固型分0.04g/m2
塗布し、12.1μの二軸延伸ポリエステルフイルム
を得た。フイルムの巻取り性、作業性は良好であ
つた。なお、このフイルムは、摩擦係数(塗布層
と非塗布層)0.57、縦長突起の高さ300Å、固着
性12g、強制加湿による電荷減衰は良好であつ
た。
以上の実施例で示したように、本願発明のフイ
ルムは、平坦であつても製膜工程内においての巻
取り性、巻姿が良く、優れた表面特性を有し、実
用的に多くの用途において有用である。[Table] * Coated layer/non-coated layer Example 2 Polysodium methacrylate 7 used in Example 1
A water-based coating agent containing 68 parts of acrylic resin, 20 parts of polyester, and 5 parts of silica sol was applied to both sides as a solid content of 0.04 g/m 2 after longitudinal stretching in the film forming process of the comparative example, and a 50μ biaxially oriented polyester was coated. I got the film. The film had good winding properties and workability. This film had a coefficient of friction of 0.52, a height of the longitudinal protrusions of 250 Å, an adhesion of 4 g, and good charge attenuation due to forced humidification. Example 3 Polyammonium methacrylate (Dyurimer AC-
30A: Nippon Pure Chemical Industries, Ltd.) 10 parts, acrylic resin 65
20 parts of polyester, 5 parts of silica sol, solid content 0.04 g/m 2 on one side after longitudinal stretching in the film forming process of the comparative example.
A biaxially stretched polyester film of 12.1 μm was obtained. The film had good winding properties and workability. This film had a coefficient of friction (coated layer and non-coated layer) of 0.57, a height of the longitudinal projections of 300 Å, an adhesion of 12 g, and good charge decay due to forced humidification. As shown in the above examples, the film of the present invention has good winding properties and good winding appearance in the film forming process even if it is flat, and has excellent surface properties, and has many practical applications. It is useful in