JPH0542000U - 耐衝撃性自動車用ドアトリム - Google Patents

耐衝撃性自動車用ドアトリム

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JPH0542000U
JPH0542000U JP101937U JP10193791U JPH0542000U JP H0542000 U JPH0542000 U JP H0542000U JP 101937 U JP101937 U JP 101937U JP 10193791 U JP10193791 U JP 10193791U JP H0542000 U JPH0542000 U JP H0542000U
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JP
Japan
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door trim
door
impact
foam
elastic body
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JP101937U
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English (en)
Inventor
昇 萩原
道明 伊沢
正信 岡田
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車同志の事故のうち、約半数を占める自
動車側面部、特にドア部分への衝突時に発生する衝撃エ
ネルギーを吸収し、これを緩和し、人身傷害の発生を未
然に、あるいはこれを軽減せしめることにある。 【構成】 自動車のドアの一部を構成するドアトリム
(1)とインナーパネル(10)間には、ドアトリムの
上縁ショルダー部(4)、中間部のアームレスト部
(5)および下方部のロアー部(6)の隆起部を含む相
当部にて空隙部(4a)(5a)(6a)が形成され
る。この考案はこの空隙部を積極的に利用し、該空隙部
内に樹脂製発泡体からなる衝撃エネルギー吸収弾性体
(11)を充填装着する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は耐衝撃性自動車用ドアトリムに関し、特にドア正面部分よりの衝撃 性負荷に対処する自動車用ドアトリムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車台数の増加に伴い自動車相互間の衝突事故も多発し、自動車相互間の衝 突事故において、統計的に側面衝突の事態がその約半数を占めている。自動車側 面部への衝突事故の場合、被衝突車側の搭乗者は、慣性作用により、自己車両の ドア内面、即ちドアトリムに激しく打ちつけられ、打撲傷、骨折傷さらに、最悪 の場合にはこれが死亡事故につながる。
【0003】 従来、自動車のドアを構成するドアトリムにあっては、車内空間(スペース) を可能な限り広く確保するため、またドアトリム内側個所に設置される種々の機 構、部材のため、また機構の複雑さの面から常にその厚みを低減することが望ま れている。またドア正面部分からの衝撃負荷を緩和する面から考察するとき自動 車用ドア自体は厚みが大きく、強靱で、かつ内部構成的にも十分の補強が施され ていることが望まれる。 しかし、現実にあっては、ドア自体の厚みは、装備、機構面よりかなり大きな 制約をうけ、ドアの耐衝撃性はドア蝶着結合部の強化と高張力鋼板とフレームを 使用することによって、ドア全体の強靱性を確保しているのが現状である。 また従来ドアを構成するドアトリムは木質系ハードボードなどから成る芯材の 表面をABS,PVC,布などの表皮をもって被覆した構成からなり、このドア トリム自体に自動車の側面よりの衝突時の衝撃エネルギーを吸収する十分の働ら きを望むべくもなかった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
このように自動車ドア自体が置かれた客観的諸事情とドア本体の強靱性とは、 その要望の点では必らずしも一致しておらず、特に国産車にあっては、外国車と の比較においてドア部分を含めて車体全体の強靱性の面でかなり劣るものがある 。
【0005】 従来、国産自動車のドアにあっては自らその厚みに大きな制約があるもドアイ ンナーパネルとその内側に添設されるドアトリム間には、ドアの上縁部分のショ ルダー部およびドアの略中間部分のアームレスト部の各膨出部の裏面部、さらに ドアの下方部分のロアー部膨出する隆起部の存在に関連してかなりの空隙部が認 められる。
【0006】 この考案は自動車ドアに課せられたその厚みの制約を受け入れながら、自動車 ドアトリム裏面側に残された上記空隙部分を積極的に利用して、耐衝撃性に優れ た自動車ドアトリムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この考案に係る耐衝撃性自動車用ドアトリムは、 ドアの内面部を構成するドアトリムを同じくドアの一部を構成するインナーパネ ル面に添設することにより両部材間に形成される空隙部に、樹脂発泡体からなる 衝撃エネルギー吸収弾性体を充填装着することを特徴とする。 前記空隙部は少なくともドアトリム上縁のショルダー部およびドアトリム略中 央に位置するアームレスト部の各隆起部、さらにドアトリム下方部のロアー部の 各相対的背部に位置している。
【0008】
【実施例】
つぎにこの考案に係る耐衝撃性自動車用ドアトリムの具体的実施例を図面を用 いて説明する。 図1はこの考案を実施したドアトリムの一部の斜視図、図2は図1のA−A線 における拡大断面図である。 自動車用ドアの内面側を構成するドアトリム(1)は長繊維ガラスマットに硬 質ウレタン樹脂を含浸せしめた複合体からなる芯体(2)とその表面をABS, PVCおよび織物などからなる表皮(3)にて被覆した構成からなる。
【0009】 そして、該ドアトリム(1)には自動車室内側に向けて膨出する隆起部が、よ り具体的にドアトリム上縁にて自動車前後方向に伸びるショルダー部(4)が、 またドアトリムの略中央部にアームレスト部(5)が、さらにドアトリムの下方 部には幅広のロアー部(6)が形成され、これら各部(4)(5)(6)の存在 により、ドアトリムの裏面側に相対的に帯状空間部が形成されている。なお、( 8)はウエザーストリップで、(9)はパワーウインド開閉用のスイッチである 。
【0010】 そして、このドアトリム(1)は自動車ドアを構成し、ドアの略中間部に配さ れたドアインナーパネル(10)面に添設されて、ドアトリム(1)の前記各構 成部(4)(5)(6)とドアインナーパネル(10)間には各構成部に対応し て帯状空隙部(4a)(5a)(6a)が形成される。 そして、これら帯状空隙部(4a)(5a)(6a)には衝撃エネルギー吸収 弾性体(11)が、具体的に帯状樹脂製発泡体が充填装着されている。なお、必 要に応じ、前記ショルダー部(4)およびアームレスト部(5)間に位置するド アトリム(1)のアッパー部(7)の裏面側に位置する帯状空隙部(7a)にも 、この衝撃エネルギー吸収弾性体(11)を充填装着する。 この衝撃エネルギー吸収弾性体(11)としての樹脂発泡体はオレフィン発泡 体、またはウレタン発泡体が優れており、さらにこのオレフィン発泡体中にはポ リプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),ポリスチレン(PS)のビーズ 発泡体がある。 このビーズ発泡体として、具体的にポリプロピレンビーズ発泡体はポリプロピ レンビーズに発泡剤を入れて予備発泡させ、その後成形型内にて熱と圧力をかけ てビーズ発泡体は成形される。
【0011】 つぎに、衝撃エネルギー吸収弾性体(11)として、樹脂製発泡体をドアトリ ムの背部に形成された空隙部に充填したこの考案の実施例と、従来のドアトリム として木質系ボードをもって構成した比較例とを用いて、衝撃エネルギー吸収効 果の具体的実験結果を以下開示する。
【0012】 まず、実験材料として: 実施例:1は、長繊維ガラスマット(300g/m2 )に硬質ウレタン樹脂( 厚み3.0mm,ρ(密度)=0.5g/cm3 )を含浸せしめた複合材からな る芯体を有するドアトリムのアームレスト部(6)裏面空隙部に、エネルギー吸 収弾性体としてウレタン発泡体(ρ(密度)=0.115g/cm3 )を充填装 着したもの。 実施例:2は、長繊維ガラスマット(300g/m2 )に硬質ウレタン樹脂( 厚み3.0mm,ρ(密度)=0.5g/cm3 )を含浸せしめた複合材からな る芯体を有するドアトリムのアームレスト部(6)裏面空隙部に、エネルギ吸収 体としてPPビーズ発泡体(ρ(密度)=0.06g/cm3 )を充填装着した もの。 比較例は、従来の木質系ボード(3.0mm)を芯体とするドアトリムを用い 、勿論そのアームレストの裏面空隙部はそのままに残されたものを採用した。
【0013】 つぎに図3に示す実験装置として:バリア(21)の正面部に、面接状に前記 実験材料を順次配置し、各ドアトリムの膨出部たるアームレスト(6)部分に、 重さ410kg、スピード2.8m/secの衝撃子(22)を衝突せしめた。 図4は衝撃子(22)を各ドアトリムに衝突させた時にドアトリムを押しつぶ しながら衝撃エネルギーを吸収していく、ドアトリムの変位曲線を示すグラフで ある。
【0014】 自動車事故にあっては3.5トン以上の荷重がかかれば人間は骨折すると言わ れている。図4に示すグラフにおいて、ドアトリムの変位量6cm附近で堪え得 る荷重は急激に上昇し、よってドアトリムの変位量が6cm以上となれば自動車 搭乗者に対しては急激な高負荷がかかるわけで、換言すれば、ドアトリム変位量 6cmの時点で、受ける負荷が小さい製品の方が搭乗者に対するダメージは小さ いことを示している。よって比較例にて示す従来の木質系ボードの場合、6cm のボード変位量にて、搭乗者には骨折の危惧があり、大きなダメージを受ける危 険性が大きいことが理解される。これに対し、この考案を実施したドアトリムの 場合、6cm程度のボード変位量があった場合にも骨折発生の危険を大幅に回避 しうる可能性の高いことを示している。
【0015】
【考案の効果】
この考案は自動車ドアの一部を構成するドアトリムにあって、ドアトリムに形 成された室内側に膨出する隆起部の存在などに対応してドアトリムとドアインナ ーパネルとの間に形成される空隙部に樹脂製発泡体よりなる衝撃エネルギー吸収 弾性体を充填装着することにより、自動車側面ドア部が受ける衝撃を確実かつ効 果的に緩和することができる。
【0016】 また、この衝撃エネルギー吸収弾性体はドアトリム隆起部などの存在により、 その裏面側に形成される空隙部を有効に利用することにより、十分その目的を達 することができ、またこの考案は該衝撃エネルギー吸収弾性体充填のために、厚 み、形状に大きな制約のある自動車ドア自体にあってもこれを改変することなく 実施することができ、各種自動車に対してこの考案を幅広く実施できる。 また、この衝撃エネルギー吸収弾性体を充填せしめるドアトリムは長繊維から なるガラスマットに硬質ウレタン樹脂を含浸せしめた複合体をもって芯体とする ことにより、ドアトリム自体の弾力性ある強靱性と樹脂製発泡体からなる衝撃エ ネルギー吸収弾性体が保有する弾性との相乗効果により、自動車側面、即ちドア 正面部から受ける強い衝撃に対し、その緩和に顕著な効果を奏し、自動車搭乗者 の安全に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案を実施したドアトリムの一部の斜視図
である。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図である。
【図3】この考案を実施したドアトリムの耐衝撃性を確
認するための実験装置の概略図である。
【図4】図3に示す装置により得られた各種ドアトリム
がうける荷重とその折のドアトリムの変位量からなる変
位曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ドアトリム 2 芯体 4 ショルダー部 5 アームレスト部 6 ロアー部 4a、5a、6a 空隙部 10 インナーパネル 11 衝撃エネルギー吸収弾性体

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車ドアを構成するドアトリムをイン
    ナーパネル面に添設することにより形成される両部材間
    の空隙部に、樹脂製発泡体からなる衝撃エネルギー吸収
    弾性体を充填装着したことを特徴とする耐衝撃性自動車
    用ドアトリム。
  2. 【請求項2】 前記ドアトリムの裏面側に形成される空
    隙部は少なくとも、自動車室内側に向けて膨出するドア
    トリムの上縁のショルダー部および略中央のアームレス
    ト部の各隆起部、さらにドアトリム下方部のロアー部の
    相対的背部に位置している請求項1の耐衝撃性自動車用
    ドアトリム。
  3. 【請求項3】 前記ドアトリムはその中心部材たる芯体
    が長繊維ガラスマットに硬質ウレタン樹脂を含浸せしめ
    た複合材からなり、その表面を表皮をもって被覆した請
    求項1または2の耐衝撃性自動車用ドアトリム。
  4. 【請求項4】 前記樹脂製発泡弾性体はオレフィン発泡
    体またはウレタン発泡体をもって構成されている請求項
    1乃至3のうちいずれか1項に記載の耐衝撃性自動車用
    ドアトリム。
  5. 【請求項5】 前記オレフィン発泡体はポリプロピレン
    (PP)、ポリエチレン(PE)またはポリスチレン
    (PS)のビーズ発泡体のうち、いずれか一つのビーズ
    発泡体にて構成されている請求項4の耐衝撃性自動車用
    ドアトリム。
JP101937U 1991-11-14 1991-11-14 耐衝撃性自動車用ドアトリム Pending JPH0542000U (ja)

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS638927B2 (ja) * 1979-06-09 1988-02-25 Shinei Kagaku Kk
JPH03130133A (ja) * 1989-06-09 1991-06-03 Tip Eng Group Inc エネルギー吸収用複合材の形成方法およびエネルギー吸収用複合材
JPH03200420A (ja) * 1989-12-04 1991-09-02 General Motors Corp <Gm> 車両用扉

Patent Citations (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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